というのも、今回は同じくここハーメルンでボーカロイド小説「VOCALOID ~家族と共にある日々~」を執筆なさってるkasyopaさんとのコラボ作品なんです!なので、登場人物とかが今までの話以上に沢山登場します!豪華!w
色々と都合合わせとかの問題で思うように執筆が出来ず、このように遅れる形になってしまい…;(詳しくは後書きを御参照ください)
前編である今回がこういうことになってしまった以上、後編である来週も同じように少し遅れてしまう可能性がありますが、そうなってしまった場合は申し訳ありません。
で、時間が掛かった上で申し訳ないんですが、今回バカみたいに長い(約13000文字)上に、内容がコラボ作品という事もあり、いつも以上にカオスです。時間があり、なおかつ心に余裕のある時に読んで頂ければ幸いですw
「「うわぁ…!」」
ミクと里香が窓にへばりつく勢いで、目を輝かせながら外の景色を見つめている。まぁこんなにちゃんとした電車に乗ったのは初めてだろうし、他に客もいないので騒いでも迷惑をかけているわけでもないし、別にいいけども。
俺たちは今、お袋の友人が経営しているという旅館に向かう新幹線に乗っている。それほど離れている場所にあるわけではないものの一泊二日の短い旅行なので、なるべく早く到着できるようにとお袋が新幹線を手配してくれた。俺は比較的小さい頃に何度か乗った事があるので別に新鮮味も何もないが、この二人は電車の窓から外の景色が見える、というのは初体験なので、これでもかと言うほどはしゃいでいる。
「マスターマスター、電車の外が明るいです!」
「そりゃこの電車は地下通ってるわけじゃないしな」
「地下鉄より、はやーい!」
「…お前は何で帰国子女のくせにそういう変なネタばっかり知ってるんだ」
「オタクは国境を選ばないんだよ」
「別にかっこよくないから。ドヤ顔で言うなうっおとしい」
「…お兄ちゃんも何気にネタ仕込んでくるね」
「目には目を、歯には歯を、ネタにはネタを」
「…負けないよ?」
「望む所だ」
見詰め合う二人の横では、ミクが「あ、あはは…」と苦笑している。はてなマークを浮かべていないあたり、こいつもネタを両方理解しているようだ。
…しかしなんで旅行先に向かう列車の中で妹と火花を散らさなきゃならんのか。しかもこんなアホみたいな理由で。まぁ大体俺のせい…じゃねぇな今回は。いかん、ここ最近俺が原因を作りすぎてたせいで、何か条件反射的に「大体俺のせい」みたいな方向に行くようになってしまっている気がする…気をつけよ。
「そ、それよりマスター!あとどれ位で到着ですか?」
「ん?あぁ、えっと…あと20分くらいか。新幹線なんて滅多に乗る機会ないだろうから、二人とも残りの時間楽しんどけ。俺は…何かこの旅行でものすごく疲れそうな気がするから、今のうちにしっかり休んどくわ」
「…それはあれですか、さりげなく『お前らの相手すると疲れる』的なことを言われたんですか?」
「察しがいいな」
「心外です、私たちそんなお子様じゃないですよ。ねぇ里香さん?」
「そうそう、結構前から思ってたんだけど、お兄ちゃんは私たちを子ども扱いしすぎだよ」
「…さっきまで窓に引っ付いてはしゃぎまくってた二人組みを子ども扱いするなと?」
「「…」」
痛いところをついたらしい。二人揃って目を逸らして黙りこくってしまう。…言われて気づいたのか、それとも最初から自覚はある程度あったのか、どっちだろう。
「とにかくまぁ、新幹線の中見て回るなら、あんまりはしゃぎ過ぎないようにしろよ?確かにお客さん少ないけど、全然いないわけじゃないんだから」
「「…はーい」」
「あと、遅くても15分したらここにちゃんと戻ってくる事。新幹線は地下鉄と違って乗り過ごすと色々大変なんだから、早めに降りる準備しておかないといけないんだからな」
「「…はーい」」
…何か俺がこいつらを子ども扱いし始めた事によって、俺の立ち位置が保護者的なものになってしまっている気がする。…まぁそれもあながち間違ってない気がしないでもない今日この頃。
若干テンションの落ち着いた二人が別の車両に行くのを見送ってから、眠らないよう適度に目を覚ましつつ、高速で流れる外の景色をぼんやりと見つめ続けた。
♪ ♫ ♬
「「うわぁ…!」」
本日何度目になるかわからない二人の感嘆を聞きつつ、俺も旅館を見上げて感心する。お袋から聞いていた話だと「予約が入っていない」という事だったからそれほど立派ではなく、どちらかというとボロボロな感じをイメージしていた。しかし目の前にある旅館は、俺が抱いていたイメージとは真逆の、大きく綺麗な和風旅館だった。
「…すげぇな、普通に旅館だ」
「…うちもこれくらい大きかったらよかったのに」
「無茶言うな」
「…マスター、私たち今日ここに泊まるんですか?何か緊張してきたんですけど…」
「リラックスしに来たのに緊張してどうすんだ。って言うかなんだ緊張って」
「だ、だってこんな大きな所に泊まった事ありませんし…っていうかこんな大きな所に入る事すら初めてですし!」
「はぁ…まぁ、別に緊張する必要なんてないだろ。泊まってもらうためにある建物なんだから、リラックスしとけ」
「…ど、努力します」
…リラックスする努力って、何かとんでもなく矛盾してる気がするんだが気のせいか。
「…あれ?」
そんな事を考えているとふと、里香が何かに気づいたように小さく声を漏らした。
「どうした?何か珍しい物でもあったか?」
「珍しいものって言うか…何か凄く見慣れてるはずなのに、ここにあるはずのない物が見えたって言うか…」
「…は?」
「ほら、あれ…」
そう言って里香が指差した方向には…なにやら騒がしい四人組みと…なるほど、『見慣れているのに、ここにあるはずのないもの』があった。
♪ ♫ ♬
リンが福引きで引き当てた特賞の温泉旅行。
『とある旅館のランダムサンプリング』という、何かをもじったような物であったが。
それを説明すると、ある旅行会社が適当に選んだ旅館に行ける、とのことだそうで。
引き当てた翌日、その担当している旅行会社から指定された場所まで行ってみたはいいのだが。
「確かにその住所はこちらの物なのですが、生憎ながらそういった連絡は…」
「えー! どうしてー!」
「なんで泊まれないのー!」
「仕方ないだろう。旅行会社の手違いとしか言いようがないんだからな」
「本当に仕方がないとしか言いようがありませんね。これだけは」
「こちらこそ、申し訳ありません」
今は、旅館の前で女将さんと少し話が縺(もつ)れていた。
何でも、そのような予約は入っていない、とのこと。
俺と隣にいるミクはもう諦めモードに入っているが、リンとレンは猛抗議をしている。
「色々と申し訳ないです。お手数をかけたようで」
「いえいえ。折角の機会でしたけど…惜しいものです」
「「頑張れ頑張れ出来る出来る絶対出来る頑張れもっとやれるってやれる気持ちの問題だ頑張れ頑張れそこだ!そこで諦めるな絶対に頑張れ積極的にポジティブに頑張る頑張る北京だってがんばってんだから!」」
「そこで問題だ! この積んだ状況でどうやってこの現状を打開するか? 3択-一つだけ選びなさい 答え1、ハンサムのレンは突如会心のアイデアがひらめく。 答え2、旅行会社からの電話がやってくる 答え3、帰るしかない。 現実は非情である。」
「やはり答えは……1しかねえようだ!」
「バカやってないで、ほら、帰るぞ。体が冷えたらたまらないからな」
「マスターも久々にネタで乗ってるのに…」
「しっかり、VOCALOIDも普通にOKだって言うのが驚きだったな。その点は高級旅館も今に合わせてるというか」
「(しかし…残念だ。3人を旅行に連れていけるチャンスだったんだが…それにこの場所…)」
俺は振り返って歩みを進めたとき、『ごく一般的な電子の歌姫』を視界にとらえたのだった。
♪ ♫ ♬
「「………」」
二人のマスター同士の目線が合う。
優希はそのまま興味もなさげに視線を外すと、後ろでまだ駄々をこねている二人を連れて、横を通り過ぎようとした。
優希のミクも、同じように…とはいかないが、丁寧に軽くお辞儀をして自分の主の隣に駆け寄る。
「その恰好で寒くないか?」
「大丈夫ですよ。コアは正常ですし、ここに来る前から少しだけ温度設定を上げておきましたから」
「リンもレンも大丈夫か?」
「やだやだここに泊まるのー!」
「僕も泊まりたいー!!」
「…はぁ」
引きずり気味に二人を引く彼は、ため息をついた。
「あ、ミクお姉ちゃんだ」
「別に珍しくもないだろう。…まぁ、こっちのミクと『同じ型』かどうかは知らないがな」
歩みを止めない4人はその場から離れていく。
「…あの、ちょっと」
「ん?」
「その…泊まってかないのか?」
「泊まれないは仕方ないからな」
「うちのマスターはクールに去るぜ」
「リン、ネタはもうやめろ。あと二人を引きずった状態でクールも何もあるか」
「まぁ、ここに俺達を泊めてくれるだけの何かを持った人がいるわけでもないし」
声をかけられたはいいが、これといって話題もなかったので止めていた足を再び前に出そうとする。
とここで奏が、経営者が自分の母の友達という話を思い出した。
「えっと…この旅館の経営者が俺の…母さんと友達らしいんだよ。だから、ひょっとしたら頼めば泊めてくれるかも…」
「「ほんとに!?」」
その言葉に優希の手を振り払って飛びつくリンとレン。
それを見て、またため息をつく優希とニコニコ笑うミク。
「ほんとに! 本当に頼んだら泊めてもらえるの!?」
「嘘じゃないよね! ね!?」
「いや、俺自身がその人と友達って訳でもないし、初対面だからそんな我が侭が通るかわからないけど、一応可能性は…無くはない、かな?」
「ありがとうミクお姉ちゃんのマスターさん!」
「…すみませんうちのリンとレンが。でも、俺からもお願いできますか? こればかりは少しの可能性に掛けたいので」
リンとレンの頭を強くなでながらも、頭を下げる優希。
ミクも後ろからお願いするように頭を下げ、それらを見た二人も頭を下げる。
その突然の出来事に戸惑いを隠せない三人。
「…まぁ、やるだけはるよ。ただし、あんまり期待しないでくれよ」
「では、お願いします」
気合を入れるためなのか、奏が一つ大きな深呼吸をしたタイミングで、少し前からこちらの様子を伺っていた女将さんが七人のほうへ近づいてきた。
「いらっしゃいませ、ご宿泊ですか?」
「あ、はい。えっと、千歳奏ですけど…」
「あぁ、いらっしゃい。話は聞いてるわ、こっちへどうぞ」
「あ、いや、その前に…すみません、ちょっとお願いしたい事が…」
「はい?」
「その…そこの四人も、泊めてあげられませんか?」
その問いかけに対して、難しい顔をする女将さん。
「そうね…全部が全部私の権限で決められるわけではないから…部屋の方は大丈夫なんだけど、用意となると色々と、ね」
「…やっぱりそうですか。ごめんなさい、いきなり無理言って」
「いいのよ気にしないで。でもそうね、あの子の息子さんのお願いでもあるし…今日予約して、日を改めて来てもらうというのはどうかしら。もちろん代金はその宿泊券で」
「ではお言葉に甘えさせてもらいます。予約させてもらって、また後日という形で」
「お名前は?」
「鏡音リン、鏡音レン、初音ミク……いや、面倒だし俺の名前を使うか。遥 優希で4人でお願いします」
「………」
名前を手帳にメモしていた女将さんの手が止まる。
丁度、優希の名前を聞いた頃だ。
そのことに真っ先に気付いたのは優希のミクだった。
「あの、どうかされましたか?」
「優希さん、ご両親のお名前を教えていただけませんか?」
「あ、ああはい。遥 優斗と遥 美希ですが」
「それならご予約の必要はありませんよ」
『えっ?!』
突然の発言でその場にいた女将さん以外が驚きの声を上げる。
そう言われた当の本人である優希自身も驚いていた。
「とりあえず、このままでは体が冷えてしまいますから中にご案内しますね」
「は、はぁ……」
「え、マスターのお父さんとお母さんってすごい人なの?」
「マスター、お父さんとお母さんの話しないもんね」
「優希さんに何かあると考えたほうが妥当、ですね」
「…思いのほかあっさり解決しちゃいましたね、マスター」
「えっと…とりあえず、お疲れ様、お兄ちゃん」
「…俺結局何もしてないような…」
♪ ♫ ♬
中に入ってからは、向こうの三人と軽い挨拶を交わしておいた。
各自部屋に案内されて、荷物をおろし羽を伸ばす。
話を聞いたところ、優希の父さんと母さんはこの旅館の建築等を一役買って出ているらしい。
土地の買収、建材の調達費等、お金に関することは全て。現在でも維持費等は賄っているという。
「つまりマスターは、VIPさんってことだね!」
「あれでしょ! 顔パスとかできないの!?」
「お前達は俺に何を求めてるんだ」
「あはは…でもよかったですね。入ることができて」
「両親様様といって喜ぶべきなのか、俺が『あの二人の子』として見られているといって落ち込むべきなのか」
よかったにはよかったのだが、素直に喜べない俺をしり目にはしゃぎながら置いてある和菓子とお茶に手を出すリンレン。
そして安堵の表情を浮かべるミク。
「とりあえずお前達はどうするんだ? 俺は連絡がてら散歩に行って来るが」
「私はお風呂に行ってきますね」
浴衣を持ってその気になっているミク。
「私達はお菓子食べてるー!」
「うん! マスターとお姉ちゃんいってらっしゃい!」
「晩御飯もあるんだからほどほどにするんだぞ」
「「はーい!」」
「じゃあミク、行って来る」
「足を滑らさないように、気を付けてくださいね。優希さん」
「ああ。お前も、色々と気をつけてな」
「大丈夫ですよ。男の人はそんなに居ませんから」
そんな3人に見送られ、俺は部屋を出た。
♪ ♫ ♬
「畳だー!」
部屋に入るなり出てきた第一声がそれってどういうことなんだろう…確かに和室だから畳だけど、他にも色々みる所あるだろうに。
畳の目によって足の滑り具合が違う事を発見したミクがはしゃぐ様をしばらく見守ってから、里香のほうに目をやる。里香は里香で、窓から見える景色…ではなく、テーブルの上に鎮座している和菓子に目が釘付けだった。
「…お兄ちゃん、これって和菓子?」
「ん、まぁそうだけど。そんなに珍しいか?」
「珍しいって言うか…お母さんが昔好きで買ってきたのは覚えてるんだけど、何か形が違ったような…」
「…そりゃこの世に存在する全ての和菓子が同じ形してるわけじゃないからな」
「それはそうだけど、随分形が違ったし…でもこれ、あんまりおいしそうな形してない…」
「食わず嫌いは良くないぞ、とりあえず食ってみろ」
「…うん、後で食べてみる」
「マスター、お風呂行きましょうお風呂!」
「俺は荷物の整理してから行くから、お前一人で行ってこい」
「えー、一緒に行きましょうよー…」
「一緒にって…どうせ男湯女湯別れてるんだから、一緒に行く意味ないだろうが」
「そうですけど…もぅ、わかりました。一人で行ってきますよ…」
「ん。夕食前には帰ってこいよ?」
「はーい」
若干頬を膨らませているように見えなくもないミクが部屋を出るのを見送ってから、荷物の解体に掛かる。とはいっても、一泊二日なので実際量はそんなに多くないのですぐ終わるのだが。
「…っ!?」
…その最中、なにやら変な声…のような物が後ろから聞こえたので振り向くと、和菓子を一口頬張ったまま硬直している里香の姿が。その後猛スピードで二口目を食べた所を見ると、相当気に入ったらしい。
「…一応俺たちの分も残しておいてくれよ?」
「だ、大丈夫!そんな意地汚くないから私!」
「…すでに二個目に手を伸ばしている様子からはまったく信用できないがな」
「…うん、私も信用できない。だから先に言っておく、ゴメンね?」
「…」
二個目を開封し始めた里香を見てため息を一つ吐くと、俺はこの旅行中に和菓子を食べるのを諦めて、せっせと荷物の解体に励むのだった。
♪ ♫ ♬
奏のミクと優希のミクは一足先に温泉に来ている。
ほかのお客は誰一人としておらず、二人だけの貸切状態だ。
温泉に折角来たのだからと優希のミクは、開放感のある露天風呂へ直行。
奏のミクはそれについてきたものの、隅のほうで残っている雪の塊を見つけるやいなや、そこに向かって駆けていった。
岩作りの浴槽がいくつもある。
頭寒足熱と言うからには熱いほうに入ろうかなと、外気で体温が奪われる前に熱いお風呂を探す。
VOCALOIDである物に体温という表現はおかしいかもしれないが、
寒いのは機械にとって毒でしかない。
北極や南極などの極地では、機械の寿命が3分の1ほどだという話があるほどだ。
「うう……寒い……」
より人間らしく作られた体はシバリングを起こし、温めようと努力する。
歩き回って十秒。やっと見つけた。
体に巻いているタオルをとって湯船に浸かる。
「あぁ、いいお湯~」
優希のミクが湯船につかる中、奏のミクは寒さなど意に介さぬように雪とのファーストコンタクトを満喫している。先ほどから辺りには時々不思議な歓声とも取れなくも無い奇声が上がっているが、誰一人としてそれを気にする人物はいない。
散々雪を満喫した後、ようやく湯船に浸かった奏のミクは、一息つくどころか入るなり悲鳴を上げて湯船を飛び出してしまった。
「あっつい!何か部分的に熱いです、主に手と足!」
そんなまるで小さな子供のような行動を見て、思わず吹き出してしまう優希のミク。
「どうしても細い末端部分から冷えてしまうので、早めに浸かって温まったほうが色々と身の為ですよ、ミクさん」
「それはわかってるんですけど…まぁ、自業自得ですよね…」
ため息を一つついて、意を決したように右足を温泉に勢い良く突っ込む。「ンッ・・・!」と小さく悲鳴を漏らしたものの右足は湯に浸かったまま、今度は左足、そこから徐々に体と、ゆっくりながらも確実に温泉に入っていく。
たっぷり数十秒かけて全身湯船に浸かり、ようやくリラックスできたのか
優希のミクはそんな表情豊かなVOCALOIDを見て、彼女は自分にはない物を持っているのだということを改めて感じた。
初めての主がいい人なら、そんな人間らしく振る舞えるようになるのだろうか。
自分も、今のマスターとならあんなVOCALOIDになれるのだろうか。
そう過去と現在に入り浸っていると、奏のミクが話しかけてきた。
「…あの、あなたは今までにどんな歌を歌ってきたんですか?」
歌うことの出来ない彼女だからこその質問。
自分と同じ『型』の彼女だからこそ出来る質問。
その問いかけに、優希のミクはこう答えた。
「まだ何も歌ってませんね。歌も、メロディーも」
まだ負い目を感じる過去を背負いながら歌うことはできないのだと、そう言葉を続ける彼女。
「…そうですか。そういえば、優希さんってどんな方なんですか?」
「そうですね。優希さんは……まっすぐで、一生懸命で、私たちの私達のことを第一に考えて動いてくれる人。かな」
遠くを見つめ、一つ一つ言葉を紡いでいく。
「ミクさん、奏さんはどんな方ですか?」
「…マスターには優希さんを見習って欲しいです。あの人は…そうですね、まとめて言えば、意地悪でスケベで意地悪で…意地悪で、えっと…い、意地悪な人です。あとスケベです」
「意地悪でスケベな人…でも、そんな言い方だと全然そんな風に思ってないみたいですね」
クスクスと笑いながら、すねたような表情で語る奏のミクに言葉を返した。
「そ、そんな事無いですっ!マスターったら、最近だと里香さんにベッタリで、毎日と言っていいほどセクハラ紛いの発言したりするんですから!この間だってソファーに押し倒してたし…!」
「そんな発言だと誰が聞いても、ミクさんが妬いてるようにしか聞こえませんよ?」
「妬い…っ!?ち、違いますってば!だ、大体、何で私がマスターなんかに妬く必要があるんですか!?」
「嫌いな物ほど詳しい、という話を聞きますけどミクさんはそんな雰囲気ではないですからね。嫌がっているように口では言ってますが、私には奏さんを好いているように聞こえます」
「うぅ…そ、それは確かに、たまには優しかったりしますけど…で、でも、圧倒的に意地悪なことが多いんです!そんな人を好きになったりしませんよ私!」
「なら、もしも里香さんが奏さんを取ってしまった場合、ミクさんは快く受け入れることができますか?」
「と、取るって…そ、そんなの、私が反論するようなことじゃないですし…う、受け入れますよ…」
「そうですね…。私達でうまくいうなら、『恋は戦争』ですよ。もしかしたら、里香さんでもない第三者が狙っている場合も考えられませんからね」
「奏さんはいい人だと私は思います。そこまで意地悪してくれるということは、逆に考えればミクさんとよく絡んでくれるという証明にもなるんですよ?」
「ぅ…た、確かに私を人間のように扱ってはくれますけど…」
「……奏さんって、不器用じゃないですか?」
「え?…ま、まぁ確かに、里香さんに対しても常に体当たりって言うか、スマートでは無かったですけど…」
「やっぱり。ならその意地悪も、不器用な愛情表現ってことですよ」
「愛じょ…!?な、何言ってるんですか!?そんなわけ無いですって、そりゃ確かにある程度の好意はあるかもしれませんけど愛情だなんてそんな…!」
焦る奏のミクの様子を見て、再びクスクスと笑う優希のミク。
その様子では自分自身の相手に向ける好意を隠すなど、無理だと分かった彼女はそれ以上余計なことは言わなかった。
事が過ぎれば奏のミクの逆鱗に触れる可能性があったからだ。
「さて、私は先に上がりますね。すっかり話し込んでしまって…温泉の熱でオーバーヒートになってしまっては優希さんに対して面目がありませんからね」
湯船から出てタオルを巻いてその場を立ち去る優希のミク。
赤く染まった腕や頬からは汗に見える循環水が滴っていた。
「…そうですよ、気をつけてください。オーバーヒートしたら、下手すると一週間ご飯食べられなくなりますから…」
今までの仕返しと言わんばかりに皮肉を込めた言葉を呟く奏のミク。
「…そうですね。体への負担は出来るだけ避けないと、私達は『精密機械』なんですから…」
消えるようにつぶやいた優希のミクは、露天風呂から出ていった。
♪ ♫ ♬
「里香、俺もちょっと風呂行ってくるわ。お前はいいのか?」
「あ、うん、私はミクさんたちが帰って来てから行くから。行ってらっしゃい」
「ん、じゃあな」
部屋を出る奏を見送ってから、手の中にある包装紙を丸めて横に。そしてすぐにまた手を伸ばして、次のを開封し始める。長い間外国に住んでいた里香にとって和菓子の食感と味は最初こそ奇妙に感じたものの、一口で見事に虜になってしまっていた。奏が部屋を出た後も、さらに二つ目、三つ目と軽快なペースで口に運んでいく。そのまま四つ目に手を出そうと手を伸ばしたその瞬間、
「突撃隣のマスターさん!!」
「わひゃあぁああ!?」
突然後ろから聞こえてきたハイピッチな声に驚いた里香は、伸ばしていた手を素早く引っ込めて慌てて背後を振り返る。そこには先ほど出会った二人のボーカロイド、鏡音リンとレンがいた。
「え、えっと…リンさんとレンさん…でしたっけ?」
「あ、うんそうだよー。あれ? マスターさん今はいないんだ?」
「は、はい、ついさっきお風呂に行っちゃいましたけど…何か御用でしょうか?」
「そっかー。なら入れ違いになっちゃたんだね」
「どうするリン、部屋に戻る?」
「ううん、折角だから…えっと、名前なんだったっけ…」
「あ、えっと…ち、千歳、里香です…よろしくお願いします…」
「里香ちゃん…よし覚えた! ところで里香ちゃん」
「は、はい?何ですか?」
「これも何かの縁だし、友達に…でも急すぎるかなー」
「そうだよ、初対面だからそれなりに遠慮しないと…」
「い、いえっ!あ、あの…わ、私なんかとでよければ…よ、よろしく、お願いします…」
恐る恐るといった様子で手を二人のほうに差し出す里香。
奏のスパルタによってある程度矯正は出来たものの、未だに人見知りなのは変わりない里香にとって、自分から友達を作るというのは決して楽な行為ではない。しかしそれを言い訳にいつまでも行動を起こさなければ、いつまで経っても克服することは出来ない。最初のうちは難しいかもしれないが、少しずつ練習していかなければならない。というのが、数週間前学校に始めていく前の夜に出した彼女の結論だった。
「あれれ、ほんとにいいの? 私達こんなのだけど一応VOCALOIDだよ?」
「え?…あ、はい、それは知ってますけど…それが何か…?」
「ううん、何でもない。私も里香ちゃんとお友達になりたかったし!」
リンははしゃぐようにその手を両手で取って上下に振る。
その様子を見てレンは知らぬが仏かな、と呟いた。
「ほらレンも混じるの!」
レンの手を取り、それに巻き込むリン。
その一連の行動に里香は思考が追いつけないでいた。
「…え、えっと…?つ、つまり、その…お、お友達に、なって頂けるんですか?」
「もっちろん!」
「あ、ありがとうございますっ!えっと…これからよろしくお願いします!」
三人は奏のミクが戻ってくるまで、何気ない会話で仲を更に深めるのであった。
♪ ♫ ♬
夕方。
優希が散歩から、ミク同士と奏が温泉から戻ってきた。
夕食は宿の主の計らいによって、大広間で皆と食べることとなった。
長い机に豪華な海鮮食事が並ぶのを、奏のミクと里香、そしてリンとレンが目を輝かせながら見ている。
「うわぁ~、こんな料理食べれるなんて夢みたい!」
「僕も初めてだよ! マスター、ありがとう!」
「俺も初めて…ってわけじゃないが、まぁ、味わって食べればいい。好きな物から食べていいからな」
「「はーい!」」
「マスター。今日は無礼講ということでいいんですよね?」
「ああ。ミクも遠慮せずに食べればいい」
「あ! カニもある!」
「こっちはマグロもあるよ!」
「こっちにはサザエやホタテもありますね。随分と豪華な…」
「何でもここの宿主さんの旦那さんは漁をしてるらしいからな。そこから直通ルートで仕入れて調理して、そのまま食べれるのがここの売りなんだそうだ」
「寄生虫とか大丈夫ですか?」
「そこを気にしたら、焦げたパンを食ってガンにならないか心配するのと同じレベルだぞ。ミク」
「ですよね。ではその辺りも気にせずいただきます」
「私お姉ちゃんの隣に座る!」「僕はマスターの隣!」
「座る場所によって料理は違わないぞ?」
「皆大人用なのマスター?」
「量は多いほうがいいと思ったからな。とりあえず極力残さず食えよ」
「……ところでマスター、あちらの方々はどうされます?」
「気にしたら負けだ。あっちはあっちの問題だからな。自然に終わるのを待つしかないだろう」
「うわぁ、なんだか凄いことになってる…」
「ミクさんとそのマスターさんと里香ちゃん大丈夫かな…」
「それでバランスが取れてるんだろうな。マスターもミクも、家族も色々あるんだ」
「あ、ほんとだ。自然鎮火してる」
「マスターの言うとおりになってる」
「…でも奏さん、そこから火に油を注いでませんか?」
「もう、何も言うな。気にしたら負けだといっただろう。とりあえず、先に頂くとしよう」
「「「はーい。いただきまーす(!)」」」
「お兄ちゃん!和食だよ和食!」
「そりゃお前、温泉旅館でスパゲッティが出てきたらおかしいだろ」
「そうだけど、こんな立派なの初めてだもん!」
「もうちょっと何かあるだろ、なんだ『和食だよ和食』って…」
「う、うるさいなぁもう!別になんだっていいでしょ!?」
「早く食べましょうマスター!って言うか私もう食べますよっ!?」
「お前もう少し我慢できずに食べたら明日の夕食抜くぞ」
「えぇっ!?…うぅ、でも明日のご飯を犠牲にしてでも手を出したい位の魅力は…」
「…とりあえずあと一分待て、そしたら好き勝手に食っていいから」
「え~…わ、わかりました…」
「…ミクさん、若干目が血走ってる…」
「…お前少しはあっちのミクを見習えよ、もう少し遠慮と謹みを持ってだなぁ…」
「う…お、同じ型でも個体差はあるんですよ、きっと!」
「個体差ある上でもう少し見習えって言ってるんだが…」
「こ、細かいことはいいんです!それともあれですか、私が大食いで意地汚いとでも言いたいんですか!?いいじゃないですか大食いでも!一杯食べる女の子も可愛いと思います!太ってるわけでもないし、文句内でしょう!?」
「誰も一言もそんな事言ってないし…っていうか何を怒ってんだお前は」
「ふーんだ!大食いだなんて言われて上機嫌になる乙女なんていませんよーだ!」
「自分で乙女とか言うな」
「酷いです、私が乙女じゃないとでも言うんですか!?永遠の16歳のこの私を!?」
「…いや、そうは言ってないけど…何かゴメン?」
「…今更謝らないでくださいよ、いつもみたいにずっと意地悪してればいいじゃないですか…」
「…え、何、そういうのをお望み?マゾな感じか?」
「ちちち、違いますよっ!何でマスターはいつもそうやって…!」
「は、はいはい二人とも!いい加減にしてってば!もうご飯全部揃ったし、食べよう?ね?」
「ほら、お待ちかねの食事だぞミク」
「…なんで食事の前にこんなに疲れてるんでしょう私…」
「ストレスか?」
「主にマスターが原因ですっ!」
「お、お兄ちゃん!それ以上煽っちゃダメ!」
「わかったわかった、悪かったよ。それじゃ、ちゃんと飯食うぞ」
「まったくもう、何でマスターはいつもそうやって…いただきますっ!」
「うわぁ、すっごい機嫌そうな『いただきます』だね…私も、いただきま~す!」
「ん、いただきます」
各自、それぞれの言葉を述べながらも料理に手を出した。
静かに食べる者や、隣に座っているものと話しながら食べる者、丁寧に食べる者、夢中で食べ物を口に運ぶ者。
会話という会話がない中、時間だけが流れる。
そんな中、優希が箸を止めてパンパンと手を叩いた。
それに反応するように、優希のミクが箸を止め、一名を除いてほかの者も視線を向けた。
「急に箸を止めてもらってすまないが、これも何かの縁だ。さっきは簡単に自己紹介したが、こうやって集まってるんだしもうちょっとしっかりした自己紹介した方がいいと思ってな」
優希が周りを見ながら言葉を述べる。
「そうですね、いいかもしれません」
口元をふきながら、ミクは微笑む。
「じゃあ誰からいくの?」
「僕は後でいいよ」
リンが周りを見渡し、レンは引き下がる。
「ん~…じゃあまぁ俺から。えっと、初めまして?名前は千歳奏、高校二年生。特技は楽器全般、趣味は…特になし。ハイ次」
「え、わ、私ですか!?え、えと…って言うか挨拶の必要あるんですかね?」
「あるの、いいから早く」
「うぅ…は、初めまして?初音ミクです…。趣味は…同じく、特になし、ですかね…。年齢は…まぁ、永遠の16歳です。よ、よろしくお願いします」
「…初対面の奴にも『永遠の16歳』は言うんだな」
「い、いいじゃないですか別に!ほ、ほら、里香さんどうぞ!」
「は、はい!え、えっと、ち、千歳里香です!14歳で中学二年生で、趣味は…あ、アニメ観賞、かな?」
「…俺に聞くな」
「うぅ…あ、あと割りと簡単に凹むので、お手柔らかにお願いします…」
「…しかし改めてみると凄い連中だな俺たち。まぁでも、一つよろしく」
ひとまず奏達の自己紹介が終わる。
さて、と優希が立ち上がる。
「今度は俺達の番だな。俺は遥優希。まず疑問に思ってるだろうから説明するけど、俺の両親は結構なお金持ちでな。今は外国にいるが。
で、俺のことだが。高校二年で普通の学生生活をしてる。VOCALOIDのマスターとしては稀にしか曲を作らない。まぁそんな感じでよろしく。次はリンがいくか?」
「うん! 私は鏡音リン! 好きなものはみかん系の食べ物です! マスターの曲は全然歌ってないけど、既存曲を歌ってても楽しいから気にしてないよ。じゃあ次レン!」
「あ、うん。僕は鏡音レンです。一応、リンとは姉弟っていうのがあるけど、それは嘘だからね!
そうだね…えっと…どうだっけ…? えっと、よろしくお願いします。お姉ちゃんお願い」
「はい。私は初音ミク。一番有名で、一番知られていない歌姫です。歌は歌えるといいな。まだ優希さんのところに来て日が浅いですから、何かと不甲斐ないことがあると思います。年齢は…同じ16歳でいいのかな。よろしくお願いします」
「……というわけで、俺達はこれで終わりになるかな。何かとあるかもしれないが、よろしく」
4人とも立ち上がってお辞儀をする。
「ん、こちらこそ、こいつら共々よろしく」
「…マスター、『こいつら』って一括りにしないでください」
「じゃあなんて言って欲しかったんだよ?」
「それは…特に思いつかないですけど。って言うかさっきからマスター失礼な事ばっかり言いすぎなんですよ、さっきだってさりげなく『改めてみると凄い連中』とか言ったでしょう!?」
「だって実際そうだろ、初対面の人たちに『永遠の16歳です☆』とか『すぐネガティブになりますごめんなさい…』とか普通言わないだろ」
「事実ですもん、何もおかしな事言ってませんよ私?」
「何かさりげなく私に飛び火してるし…」
「事実かもしれないけど、もう少し他に言うことあるだろうに…さっきも言ったけどあっちのミクを見習ってみ?」
「う…だ、だから、同じ型でも個体差があるんです!マスターだって、優希さんを少しは見習ってくださいよ、めちゃくちゃ優しそうな方じゃないですか!」
「何言ってんだ、俺だって優しいだろ?」
「どの口が言うの!?」「どの口が言うんですか!?」
「…予想外の方向からも声が上がったな」
「いや、あまりにもショッキングな事言うから…」
「だいたい、お前も少しはリンレン見習ってみ?お前ぐらいの歳の奴はあれくらい遠慮無しに騒いだほうがいいぞ?」
「う~ん…まぁ私も努力してるけどさ。まぁでもほら、人には性格の違いってあるからさ、無理に変わらなくてもいいかなぁなんて思う今日この頃」
「…」
テーブルの反対側からその会話を聞いていた4人は思い思いの言葉を述べ始める。
「なんだかすっごい特徴的な人達だね」
「特徴的っていうか、なんというか、うーん、個性的?」
「お前達がリンレンの普通だったら、お前達は個性的ではないだろうな」
「どうなんだろう、私達はただAIに従って生きてるわけでもないし。お姉ちゃんも私達とは違うVOCALOIDだけど、でも……」
「私もAIに従って生きてるわけじゃないよ。でも、やっぱり自我を持つプログラムはあるんだろうね。それがマスターと一緒にいて、段々と変わっていって、その人に合ったVOCALOIDに染まっていく」
「あっちのミクも、そういって染まってる。そういうことか?」
「ですね。あの二人はあの二人で、とっても合っていると思います」
「…ま、そうだろうな。俺もそう思う」
対面で話している奏と奏のミク。そして遠目にそれを見ている里香を見て、俺とミクはそういった。
こうして、面白おかしくも夕食の時間は過ぎていった。
※ここから先は、作者間の対談となります。初期の一話分くらい長いので、相変わらず時間に余裕のある時にお読みください。
Yoshoki 「さてさてそんなわけで、先々週から仄かに匂わせていたコラボでした。で、後書きはもう一人の作者さんの、kasyopaさんとの雑談という形を取らせて頂きます。というわけでよろしくお願いします」
kasyopa 「というわけでkasyopaでございます。ご存知の方はいるかもしれませんが、ご存知でない方は初めましてです。いやー。やっちゃったZE(ソードマスターヤマト誤植編)」
Yoshoki 「何かしらネタを突っ込んでくるとは思ってましたが、斜め上から襲ってきましたね…」
kasyopa 「といいつつも、ネタを突っ込むのは真剣な面でも、ウケ狙いの面でも、上手いと思ってもらえるようなのも仕込んでますんで」
Yoshoki 「まぁ随所にネタを突っ込むのは私も結構好きなんですがね。さて、秘密裏に進行されたこのコラボ作品ですが…」
kasyopa「水面下ともいいますねー(コラボがコブラに見えた)」
Yoshoki 「…水面下で進行されていたこのコラボ作品ですが、やってていかがでした?」
kasyopa 「そうですねぇ…現在進行形ともいえるという形で執筆しましたが、楽しい物ですね。因みにどうやって書いたのかといいますと、GoogleドキュメントをYoshokiさんの案で使用しました」
Yoshoki 「私も楽しかったんですが、何かやっぱり時間とか合わせたりするのが色々大変でしたね…」
kasyopa 「時差がどうにもならない上に、あれですね。予定の連絡を密に取り合うことも、ネット上では難しいですね」
Yoshoki 「ですねぇ…ちなみにお忘れの方もいらっしゃるかもしれませんが、私外国在住ですので結構色々大変でした。でもそれより何より、楽しかったですね、何かホントに、やる事全部新鮮で。今まで自分だけで創ってた話を誰かと一緒に創るって言うのは滅多にない機会なんで面白かったです」
kasyopa 「ですねー。こちらが一方的にお願いしたり、話題を提供したりと、強引過ぎましたから…申し訳ない」
Yoshoki 「いやいや、謝りだしたらこっちが全面的に悪くなっちゃうんで…こっちの都合で執筆が全然進まなかったり、展開上色々我が侭言ったり…ホント申し訳ありませんでした…;」
kasyopa 「いえいえ。お気になさらず。……なんか毎回こんな感じですね俺達。とにかく作品の方に触れていきましょうか」
Yoshoki 「ですね」
kasyopa 「実際これ、夜中のテンションで話題出して、ミクとミクの入浴シーンから書き始めたんですよね」
Yoshoki 「あーそういえばそんな流れでしたねー…あの時はまさかこんな形で投稿するとは正直思ってなかったです;」
kasyopa 「夏は水着、冬は温泉とかいう話をしてて…いや、サービス回の話だったか」
Yoshoki 「あーはいはい、何か『アニメのサービス回の定番』とかそんな話をしてて…」
kasyopa 「ですね。で、今回色っぽいシーンとかはありません。入浴シーンありましたけどそっち系には程遠い仕上がりになりました。そんな話題を出しながらも、自分はYoshokiさんの書くパンチラとかそういう系のシーンかけないんですよね。キャラ崩壊しちゃうんで」
Yoshoki 「って言うか小説でサービスシーンって色々と上級者向けな気がします、いろんな意味で。作者的にはそういうシーンを描写しなきゃいけないって意味で上級者じゃなきゃいけないし、読者さん的には文章だけでそういうシーンを妄想しなきゃいけないって意味で上級者向けだし…難しかったです、そういう回は全般的に」
kasyopa 「読者たちは、そんな妄想をすることを強いられているんだっ!(クワッ」
Yoshoki 「絶対来ると思ったw しかし、ここまで一緒に書いてきてるうえで思ったんですけど、やっぱりこっちのミクさんとそっちのミクさんって随分イメージ違いますよね」
kasyopa 「因みに、こちらのボカロ小説は一話しか投稿してない上にミクさん未登場です。あれですよ。ボカロに対する思いの違いってやつです」
Yoshoki 「うん、単純に話数が少ないからかもしれませんけど、今回の小説内でのそちらにミクさんは全体的に大人っぽかったですよね、こっちのミクさんより。落ち着いてるというか、物腰が柔らかいというか」
kasyopa 「さてねぇ…彼女自身もまだ精神安定していませんし。今はこんな感じで、でもそちらと被ることはありません」
Yoshoki 「まぁ確かに同じ敬語だけど、雰囲気が違いますからね。少し書き分けがしやすいというか、判別しやすいというか」
kasyopa 「そうですねー。こっちのリンレンの違いをわかる方が難しい。基本的に、リンが先にしゃべって、レンが後にしゃべってます」
Yoshoki 「なるほど、確かに口調の違いはちょっとわかり辛いかもしれませんね、あの二人は」
kasyopa 「俺ももうちょっと勉強しないとかな。長くなっちゃったなあとがき…」
Yoshoki 「ですね、さすがにこれ以上長くなると読んでる方もうんざりしそうなんで、今回はこの辺でお開きですかね」
kasyopa 「文字数数えたら、名前も含めて約2100文字ってどういう長さだこれ」
Yoshoki 「長っ!?終わり、終わりですこれ!私の小説の一話分くらいあるじゃないですか!」
kasyopa 「そうですねーちょっと計算します。kasyopa=7文字、Yoshoki=7文字だから…」
Yoshoki 「いや、もう計算とかいいですから!そ、それじゃあ皆さん、また来週!」
kasyopa 「あらかじめいいますけど、覗きはないよ」
※ちなみに今回のお話は、自分のキャラの台詞以外は交互に執筆しました。どちらがどこを書いたか、というのを見分けてみるのも面白いのではと思います。