ミクノポップ!!   作:YoShoki

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そろそろ前書きに書くことがなくなってきて困ってます。どうしよう…。


第06話 ザ・本末転倒

「じゃあマスター、ちゃんとここで待っててくださいね?逃げたら怒りますよ?」

「分かってるって、ここまで来たら観念するよ」

 

ベンチに座る俺に念を入れて、ミクは試着室の中へ、それこそ踊るような軽い足取りで入っていった。ったく、人にこんな苦行を強いておいて、自分は超楽しそうに浮かれやがって…。

 

「…ふぅ」

 

一息つく。改めてよく考えると、なんだか忙しない午後だった。朝は親友が引っ越して、そのあと町中の視線を受けながらモールに出向き、葵との話でどうも俺が少し変わっていることが判明し、そして今、ミクに女性用更衣室の前まで引っ張ってこられて、女性客の皆様の視線に耐えながらミクの着替えが終わるのを待っている…。何だこの状況。

だがまぁしかし、今までのバタバタした展開よりかは幾らかマシだ。いつまで続くかわからんが、ひとまずは今のうちに一休みしておこう。

 

♪ ♫ ♬

 

そして待つこと20分。

 

「…遅い、気がする」

 

いや、たしかに一休みしておこうとは思ったよ?でもまさかこんなに長く休めるとは思わなかったから、なんていうかこう…さすがに飽きてきたっていうか、眠くなってきた。女の子の着替えがどれほどかかるのかはよく知らないのだが、いくらなんでも20分は長い気がする。

ミクの5分後くらいに入っていった人だってちょっと前に出て行ったし、何かあったかな…?

そんな感じでちょっと心配になってきた頃、

 

「マスターマスター、どうですかこれすごい可愛くないですか!?」

 

後ろでカーテンが勢い良く開く音がして、少し驚いてパッと後ろを振り返る。そこには、20分前とは違うミクが目の前に現れた。

相変わらず髪の色と長さのせいで「完全に普通の人間」とは言えないが、ハートがプリントされた白いTシャツの上に白いフード付きの上着、そしてピンクのスカートに身を包んだ彼女は…うん、素直に言おう、可愛かった。どういう原理でくっついていたのかわからなかった髪のリボンも、普通のリボンっぽくツインテールの根元で蝶結びにしてあり、それもあって少しだけ自然に見える気がする。

 

「…ちょっとマスター、ちゃんと聞いてますか?」

「え?あ、あぁ、ちゃんと聞いてるよ。うん、良いんじゃないか?」

「ですよね!?こんな服着たこと無かったから新鮮で面白いです!」

「それは分かったから少し落ち着けって」

 

ミクははしゃぎにはしゃいでいる。俺の前で一回転したかと思えば一度試着室に戻って鏡を見て自分の姿を見て自分の新鮮な姿を見てにやけたりと、落ち着き無く動き回っている。

 

「それにしても時間かかりすぎじゃないか?20分はかかってたぞ?」

「…マスター、彼女いた事ないでしょ?女の子の着替えはこれくらい掛かるものなんですよ」

「…悪かったな、彼女いた事なくて」

「冗談です、そんな拗ねないでくださいって。でもしょうがないじゃないですか。こんな服慣れてないし、この髪で着替えるの結構大変なんですから」

「あ~なるほど…」

 

そうか、確かに服に慣れてないとかはともかく、あの髪はなかなか邪魔だろうな…。

 

「そんなことよりマスター、これ買ってきましょう!」

「分かった分かった、分かったからいい加減落ち着けって…。って言うか買ってくならまず脱げ」

「なっ!?こ、こんなところで脱げだなんて…いくら女に飢えてるからって、私に手を出そうだなんて!」

「お前そういう冗談は時と場所を考えろ!ほら、他のお客さんみんな俺たちの事見てるだろ!ああぁあぁすみません違うんです誤解ですなんでもありませんから放っておいてくださいお願いします!」

「…必死ですね」

「当たり前だボケェ!」

 

何でお前がドン引きしてんだよ、全部お前のせいだよ!

 

「と、とにかく、さっさと着替えて来い。着替えないと買えない事くらいいくらお前でも知ってるだろ?」

「『いくらお前でも』とは失礼な…でもいいんですか?またかなりお待たせしてしまうかもしれませんけど」

「まぁしょうがないだろ、着替えないと買えない上に出られないんだから」

「それはそうですけど…あ、じゃあマスターも一緒に入ってきて着替え手伝ってくださいよ!」

「い、いいからさっさと着替えて来い!」

「え~、でも…あ、ちょ、お、押さないでください!わかった、わかりましたから!」

 

ため息をつきつつ、試着室に戻っていく。ったく、ため息をつきたいのはこっちだっつの…。

ベンチに腰掛けると、どっと疲れが襲ってきた。せっかくやるんだはずなのに、なんでたった数分のやり取りでここまで疲れなきゃならんのか…。

一応今回も20分ほど待つ覚悟はしていたのだが、二回目で少しは慣れたのか10分ちょっとで元の服に戻って出てきた。

 

「しっかし、人間って服だけでこうも印象変わるもんなのな…」

「人間じゃないですけどね」

「…そういえばそうだったな」

「いい加減覚えてくださいよ…」

 

…呆れられてしまった。なんだこれ、こいつの呆れた時の仕草とか表情とか、よくわからんがスゲーむかつくんだけど。なんて説明すればいいだろう、こう…ジト目でため息を吐きながら、「ヤレヤレ…」と言わんばかりに大げさに肩を落としてる。ムカつく。でも何かその仕草も微妙に可愛いのがさらにムカつく。

こいつのどんな表情も可愛く見えてしまうのは俺が単純でバカだからなのか、こいつが本当に可愛いからなのか判断がつかないが、何か卑怯な気がする。

しかし、そういえばこいつ人間じゃないんだったな。気を抜くと完全に忘れてしまうから困る。

って言うか別に悪い事じゃないから良いじゃないか。

何てことを考えつつレジで支払いをし、服が入った袋を持って店を出る。

 

「さてと、服も買ったしこれからどうするんです?」

「ん~、何も考えてなかったけど。どっか行ってみたいとこあるか?」

「行ってみたい所って言われても何があるか全然知りませんし…というか正直ちょっと疲れちゃったし、可愛い服も買えて満足なので、今日はこれでいいかな~って気もします」

「じゃあ今日はもう帰るか、宿題もやってないし」

「…そこはやってから来ましょうよ」

 

モールを出て駅へ向かう。そして切符を買…おうとした時、

 

「あっ」

 

不意にミクが、何かを思い出したように声を上げた。

 

「どうした?」

「…パジャマ、買うの忘れてません?」

「…」

 

…モールに戻ることになった。




女の子の呆れてる表情って可愛いですよね。…いや、まぁ私の場合は基本的にどんな表情も好きなんですがw

う~む、後書きにも特に書くことないですね…困ったな。
「じゃあ書かなきゃいいじゃん」って話でもあるんですが、私としては前書き・後書きは読者さんと(一歩通行ですが)触れ合える貴重な場なので、なるべく書いていきたいなぁと思ってるので…。あ、そういうのが嫌いな方は全然読み飛ばしちゃっても全然構いません。

ん~…まぁ次までに何か少し考えてみます。もし何かご提案などありましたら、感想欄やメッセージなどで教えて頂ければ助かります。もちろん普通に感想だけでもすごくありがたいので、お気軽にどうぞ!w
ではでは、また次週お会いしましょう~♪
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