確か、このふたつを持ってましたよね。
人間の中ではかなり強いんですよね。
そこにいたのは、女性だった。
見た目からして士郎と同じ年齢だろう。
「衛宮君、何かあったりしたかしら?」
「遠坂?なんで……。」
何なのだろうか。
知り合いの様子だ。
「サーヴァントの気配がするのに…。うーん…」
「どうした?何か困り事なら手を貸すが」
困ってる時は手を貸すのが騎士というものだ。
「い、いたァ!」
「む?怪我か?どこかが痛むのか?」
「違うわよ!サーヴァントが居たっていうことよ!」
「どこにだ。」
後ろだろうか。後ろには誰もいない。
「あんたよ!あんた!」
「私か。」
「そうよ!」
私はサーヴァントと呼ばれるものなのか。
うーむ、聞いたことがないな。
「と、とりあえず、中に入れよ。な?」
士郎が宥める。
そして、中に入り、彼女に詳しい話を聞く。
私は「聖杯戦争」とやらに呼ばれた、サーヴァントと呼ばれるもの。
「聖杯戦争」とは、魔術師同士の殺し合いだということ。
しかし、私はかなり異例であること。
「ふぅん、どこの時代の英雄でもなくて、ただの騎士ということなのね。」
「足元の魔方陣に囲まれ、どうすべきか考えていて、寝てしまったのだ。目覚めたらこの家の蔵に居た。」
はぁ…と彼女は溜息をつき、言う。
「よくそんな状況で寝れるわね。」
「特技としているが故。ただ、考えていただけだが。」
「特技というのかしら、それ。」
どうやら話を聞くに、彼女も聖杯戦争に参加している魔術師なのだという。
なるほど、先程からの妙な気配は私と同じサーヴァントということか。
「俺はそんな殺し合いなんてしたくはない。」
士郎は言う。この年齢であれば無理はないだろう。
「うーん、やっぱりあのクソ神父の所に行くべきかしら。」
彼を説得するのに良い人物がいるのだろうか。
彼なら何かの拍子に決心して、戦う決意をしそうなものだが。
「そういえば、貴公はなんという名前なのだ。私はカタリナの騎士、ジークバルトだ。」
「私は遠坂凛……って、なんで真名を明かすのよ!今のところは敵同士なのよ!?」
「貴公は凛というのか。貴公はあまり悪い人間には見えんものでな。それに相手の名を聞くのなら、私も名を名乗るのが礼儀であろう。」
「それはそうだけど、サーヴァントに取って名を明かすというのは、自分の手の内を明かすものなのよ?」
他のサーヴァントは名前だけで戦法や武器まで分かるということなのだろうか。なんと恐ろしい。
だが、私の手の内なんて、ストームルーラーとツヴァイヘンダーのみだ。
強いて言うなら、物理攻撃に強い鎧があるという事だろうか。
「でも確かに、ジークバルトという名に心当たりはないわね。どこの英雄なのかしら……。」
「私の鎧を見れば分かるのではないか?」
「敵同士なのに……まぁ、良いわ。敵のことを知れるんだし。」
鎧を見せる。変わった鎧だから分かるのだろうか。
「何これ。玉ねぎの仮装かしら。これが鎧?」
「あぁ、カタリナの騎士が身につける鎧だ。」
どうやら分からないようだ。
まぁ、それは安心と言うべきか。
「まぁ、良いわ。今日は帰るとするから。」
「待て、貴公よ。」
「…?何よ。」
「今、夕飯時なのだ。一緒に食さないか?」
「俺は、構わないぞ…?」
話にイマイチついていけてなかった士郎がそう言う。
「食べないわよ、バカ!」
女は難しい。
どう扱うべきかやはり分からん。
こうして、1晩何事もなく過ごす。
防衛のため、同じ部屋で過ごすことなるが、なんだか新鮮な気分だ。
どう足掻いても平和。
これが彼の力なのでしょうか。
やる時はやるんですけどね。
薪の王とも友達になれるくらいですからね。
彼の人柄の良さでしょうか。