ジークバルトは聖杯戦争で悩む   作:ロッキード

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今回はとことんカッコつけて書いていきます。
満足行くまでです。
ゲームじゃ出来ない動きは多いですが、きっと出来るだろうと思って書いてます。


第8話 嵐の王

ストームルーラーを構える。

その剣の刀身は彼が手にする時には既に折れていたが、今も力を宿している。

槍男は言う。

「刀身が折れちゃいるが、いい武器だ。名は。」

「私はカタリナの騎士、ジークバルト。」

そう名乗る。

「俺はクーフーリンだ。」

そう言い、槍を構える。

しかしここでは分が悪い。下に降りなければ。

壁を伝いながら飛び降りれば何とかなるだろうか。

「ではやるなら下にしよう。ここではろくに戦えんだろう。」

クーフーリンも同意する。

そして壁を伝い、飛び降りる。

一方クーフーリンはそんなことをすることも無く、平然と降りる。

降りると素早い攻撃が自分を襲う。

それをなんとか対応し、剣で受け流す。

剣に嵐の力を纏い、彼ごと薙ぎ払う。

だが、彼には剣は当たらない。

「風…そういう類いの力か。」

そのわずかな間に「固い誓い」を使っておく。

これで僅かだが、力は上がる。

クーフーリンはこれだけでは怯まず、槍で攻撃を続ける。

それを剣で受け流しつつ、攻撃を続ける。

だが、両者とも大きな傷も受けない。

「はぁ……決着が着かねぇ。なら…」

彼の槍に尋常ではないほどの力が宿る。

それは魔力なのか、それとも全く違うものなのか、それは分からない。

だが、当たったらタダでは済まないのは確かだ。

私もストームルーラーに力を込める。

剣に嵐の力が纏う。

刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルグ)!!」

その槍の突きは防いだつもりだった。

しかし次の瞬間には心臓を前に槍がある。

しかし直感なのか、それとも幸運なのか、その矛先を何とか逸らすことが出来た。

そして鎧のおかげか、傷は負ったが耐えれるものであった。

私はストームルーラーの力を放ち、その斬撃をモロにクーフーリンに食らわせる。

「ぐ…は、…避けただと……!?」

「この鎧は攻撃を受け流せるように作られている。

とはいえ、貴公の技は見事であった…。」

クーフーリンは傷は負ったがそれでも足りないようであった。

「これを出しても勝てなかったんだ。

それにお前はその力で俺を斬った。俺の負けだ。」

クーフーリンは潔く負けを認めた。

「なら、貴公よ。戦いの後だ。この酒で乾杯でもしないか?せっかくの出会いだ。」

「は?……まぁ、悪かねぇな。」

そして私はジークの酒をクーフーリンに渡す。

「かんぱーー」

そんなふうにクーフーリンが言おうとすると、それを遮るように言う。

「太陽あれ!!」

呆気に取られた表情でクーフーリンが質問する。

「なんだその乾杯は。俺が間違ってるみたいじゃねぇか。」

「違うのか?私はずっとこうしてきたのだが…」

何が違うのがさっぱりだ。

火の無い灰のあの者も何の違和感もなく、乾杯してくれたのだが。

「まぁ、いいんだが。」

そう言ってその酒を飲む。

クーフーリンの傷がジワリと回復していく。

「なんだこれ、うめぇな!しかも傷が治っていくのか?本当に俺に渡してよかったのか?」

そう思うのは仕方がないだろう。

先程まで死闘をしていたのだから。

「一度剣を交え、分かちあったのだ。貴公とはもう友の様なものだ。ハハハ。」

「敵が皆、お前みたいなのだったら戦いやすいんだがな。ハハハ」

2人で笑う。

そこで何とか上から駆けつけた士郎と凛。

戦いに行ったと思ったら、酒を飲んでいる。

2人からしたら奇妙な光景だっただろう。

「ジークバルト!大丈夫か?」

「あんたなにやってんの!?」

とにかく何とかなったと伝えた。

凛は特に納得いかない様子だったが、仕方ない。

「じゃあな、酒の借りはしっかりと返すぜ。」

そう言うとクーフーリンは去る。

彼はいい者であったとしみじみしながら今日は帰る。




ジークバルトさんならこうなるかもね。
という妄想でこうなりました。
兄貴はジークバルトさんみたいな人好きそうですし。
折れた刀身でもこの力……。
折れていない時の物だったらどんなに強いか…。

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