BanG Dream! 最強決闘 究極ゼロ 作:雪風@イグニスター
花咲川、羽丘は共学設定です!
第一話 登場!赤き竜だ一番星!!前編
春。それは始まりの季節。その名の通り今日から彼の通う高校…花咲川学園も入学式である。
期待が膨らむ中彼は校門を潜り…
「ふわぁ…眠…帰りてぇ…」
…でもなさそうだ。
彼は
彼は大きなあくびをしながら校門を潜ってクラス表の展示されている場所に向かって歩いて行った。
『レイ、眠そうだけど大丈夫か?』
そういって声をかけるのは小さな赤い竜だった。
彼の名はムゲン。レイの相棒でありレイのマジダチの一人…一匹だ。
彼はレイのカバンの中から小さくそう声をかけるとレイは少し気怠そうに答えた。
「いやぁ、昨日遅くまでデッキ弄ってたのが祟ったのか?物凄く眠いんだが…」
『完全に自業自得じゃねぇか!親父さんも早く寝ろって言っても寝なかったレイが悪い!』
そうはいってもなぁ…と言いながら歩き続けているとクラス表の展示されている場所についた。
「人が多いな…ムゲン、顔だすなよ」
『解ってるって。オイラは少し寝る事にするよ』
そう言ってムゲンはカバンの中で眠ってしまった。
ムゲンは訳有ってレイと共に行動を共にしているドラゴンで当然ロボットなどのような類ではない。他の人にもちゃんと認識されるので幽霊でも無い為、普段はこのように一緒に行動を共にするもカバンの中でばれない様にしてもらっている。この事を知っているのは家族と幼馴染の少女一人のみ。
ムゲンが眠ったのを確認するとレイはクラス表を確認するべく移動しようとする。その時だった。
ドンッ
「キャッ!」
「うおッ!」
一人の女子生徒とぶつかってしまった。
レイは何とか倒れずに済んだものの少女はその場に尻餅をついてしまう。レイは慌てて少女に手を伸ばした。
「わ、悪ぃ!怪我無いか!」
「う、うん!大丈夫だよ」
少女はレイの手を取って立ち上がった。
少女は猫耳のような髪型をしていてリボンの色から察するに同じ一年生なのだろう。
「アンタも新入生か?」
「うん!私、戸山香澄!君は?」
「俺は湊零!よろしくな!香澄!」
レイはそう言って手を伸ばす。
「うん!よろしくね、レイ君!」
香澄はそう言いながらレイの手を握った。
☆
あの後二人で自分達のクラスを確認しようとクラス表を見ている時だった。
「あ、あった!A組だ!」
香澄の声が響き渡り、レイは香澄の方に顔を向けた。
「あったのか?」
「うん!…あ、レイ君のもあったよ!」
そう言って指をさす香澄。レイはそちらに顔を向けると、A組のクラス表にレイの名前が書かれていた。
「お、あったあった!香澄と同じクラスか!」
「うん!よろしくね、レイ君!」
「おう!よろしくな!」
そう言ってレイと香澄は校舎の中に入ろうとした…その時だった。
「レイ!」
後ろから声をかけられた。レイと香澄は振り返ると、そこにいたのは一人の女生徒だった。香澄は首を横に倒し疑問符を浮かべているが、レイはこの人物を知っていた。
「お、沙綾!」
彼女の名は山吹沙綾。やまぶきベーカリーと言うパン屋の娘で、レイもよくそこでパンを買っているので二人は知り合いだった。しかし、理由はそれだけではないのだが…まぁ、今は語る意味もないだろう。
「おはよう!今日から一緒の学校だね!」
「おう!因みにクラスも一緒だったぜ」
そう言ってレイはクラス表を指さす。そこにはA組のクラス表が張り出されており、確かに沙綾の名前が書かれていた。
「本当だ!よろしくね!」
嬉しそうに笑顔を浮かべる沙綾を見てレイも自然と笑みを浮かべていた。
「え…っと」
突然のことに困惑している香澄。それに気づいたレイは香澄の方に向き直り沙綾を紹介した。
「香澄。こいつは山吹沙綾。やまぶきベーカリーっつうパン屋の娘だ!」
「パン屋さんの?」
「あぁ!んで、沙綾!こいつは戸山香澄。さっき知り合ったんだ!」
「成る程。初めまして戸山さん。私は山吹沙綾。レイの言った通りパン屋の娘だよ」
「パン…成る程!だからいい匂いがしたんだ。パンのにおい!」
ぐぅ…とお腹の鳴る音。それを聞いた沙綾はクスッと笑ってポケットから飴を取り出した。
「食べる?パンじゃないけど」
そう言うと香澄はキラキラと目を輝かせながらありがと~!と言いながら飴を受け取った。
「朝何も食べないで来ちゃったからお腹すいちゃって」
「おいおい…ちゃんと朝ご飯は食べなきゃ駄目だぜ」
あははと笑う香澄を見て二人はやれやれと首を振った。
☆
「戸山さんも外部生なの?」
「香澄でいいよ。妹がここの中等部に通ってて、去年文化祭の時来たら楽しそうだったから…あと制服かわいい」
「大事。レイは…【SPACE】が近いから?」
「まあな。羽丘だと学校が終わった後に行くのが面倒でな」
校舎に入った三人は仲良く話をしながら教室に向かって歩いていた。
「沙綾は?」
「私は内部進学だから今までと何も変わらないかなぁ」
「違いならあるよ!」
そう言うと香澄は沙綾の前に立って笑顔を向けてこう言った。
「新しい友達ができた!」
沙綾はポカンとするがすぐにクスッと笑う。
「友達認定早いね」
「えッ!?」
そう言われ香澄は驚くと沙綾がクスクス笑っていた。
「まぁいっか」
そう言ってると三人は教室までたどり着いた。三人はそのまま中に入りそれぞれの机に歩いて行った。
☆
あの後入学式が始まったが、新入生代表である市ヶ谷有咲が欠席していたため別の人が新入生代表のあいさつを行うことになった。
レイたちはその後クラスに戻りSHLが始まった。
「それでは牛込さん、お願いします」
「え…あ…う…牛込…りみ…です」
牛込と呼ばれた彼女はそれだけ言って席についてしまった。余程恥ずかしかったのか顔を真っ赤にしていた。
その後も自己紹介が続き、香澄の番となった。
「戸山香澄、15歳です!」
自分のPRを言えとは言われたが年齢まで言う必要はあっただろうか。現に周りの人たちもクスクスと笑っていた。
「私がこの学校に来たのは、楽しそうだったからです。中学は地元の学校だったんですけど、妹がここに通ってて。それで文化祭に来てみたら、皆楽しそうでキラキラしてて、ここしかないって決めました!だから今、すっごくドキドキしてます!」
そこまで言い終わると先生も満足したのか拍手を送る。それにつられたクラスの人たちはみな拍手を送った。
『よく我慢しました香澄。言ってたら怒ってましたよ』
「《/xsmall》さすがに私だって学ぶよ。イアン《/xsmall》」
香澄のカバンの中から何かが香澄に声をかけると香澄も小さく返した。それは僅かの事だったので聞こえた者はいなかった。が、香澄のこの行動を見逃さなかったものが一人だけクラスに存在していた。
「…」
レイだった。
レイは香澄のその不審な動きからカバンの中に何かがいる事に気が付いた。
「それじゃあ次は湊君。お願いします」
「…はい!」
自分の番になり一度気にしないようにし勢いよく立ちあがった。
「俺は湊零!趣味はデュエマで、ここに通うことを決めたのもショップが近くだったためだ。これからよろしくな!」
それだけ言うとレイは席に着いた。
次回、後編にてレイVS香澄となります!お楽しみに!