「ふぃー。あっちぃー。」
やはり秋が近いとは言えども、暑さはまだまだ待った無しらしい。
「それよりも、悪いな。荷物持ちなんてやらせて。重くないか?」
「…平気。あなたの2倍の力ある。」
「マジか。」
「うん。」
「やっぱ死神って強いんだな。」
「…。」
おっ?顔が赤いな。もしやこれは…照れている、のか?
「あなたが弱い、だけ。」クスッ
おお、現実とは何と非情なんだろうか?まあ、いい。
家のパソコンには理想な彼女がいるのだから…!!
「ただいまー。」
ガチャ。
俺に待ち受けていた運命は余りにも残酷だった。
俺の前には、無残な姿となったお気に入りの美少女ゲームコレクションがその名の通りにバラバラになっていた。
「…あっあのねあのね…。」
「言い訳は聞こう。しかし、許さん。」
「ではなぜあんなことをしたのかな?」
「そ、そのね、あ、あの、げえむ?っていうものからね?
嫌なものを感じたの!だから勢いに任せて鎌振っちゃったの!!あんなのやる方が、悪い!変態!不潔!!」
ふむ。
こ い つ ど う し て く れ よ う か ?
俺が必死にバイトした中からなけなしの金を必死に集めて買った俺の美少女ゲームコレクションを、その努力を一瞬で刈り取ったこいつは、そうだな…。
シベリア送り、毒ガス、電気椅子、アイアンメイデン、
ギロチン、打ち首。…。
「さて、お仕置きはキツイのを…。」
「…。」スタスタ
「おい、話はまだ!」
「…もういいもん。」
「何がいいもんだ!!ふざけやがって!!」バン!!
「…!」ビクッ
「もう知るか!!」
ガチャ!ドン!!
行っちゃった。こんなはずじゃなかったのに…。
これ、彼がやってる、ええと…そうげえむだっけ?
「少しだけなら、いい、よね?」
ううん。なかなか難しい。
どのセリフを選べば…。
よし!、
「…えいっ。」
あれ?画面がピンク色になっちゃった。
…………?!えっ???!??!?!?!?!???
こ、こんなえっちいの、彼やってるんだ…///
…あれ?進行具合一番高いヒロイン…これって、
死神、なの?…彼ったら、もう。
後でからかおう。そうだ、このヒロインどんなキャラで…
ボッ!キュッ!ボン!!
……。
気づいたら鎌を、手にしていた。
その先は、よく覚えていない。
時間を見るともう晩ご飯の時間だ。
「お腹、減った。」
あれ。カップ麺どころか冷凍食品までない。
そういえば、さっき彼が持っている袋の中に今日の晩ご飯が…!!
どうしよう。このままだと彼に、見捨てられる。
「料理、する!」
「ぐす、うううぅううう…。」
やってしまった。フライパンが本当に真っ黒焦げに……。
あっ洗わないと!!
(あっあれ?全然落ちない!?なんで?なんでなんで?)
「そんなんじゃあ落ちねぇよ。貸してみろ。」
スッ、ツルっ。ジャー。
フキフキ。
「よし!終わり!!」
「すっすごい…。」
「お前でもできるよ。…お前はできる子だろ?」なでなで
「…意地悪。」
まあ、このように温度差は人間あるわけで、色々な温度をもった人がいる。でも、
「ほら、ご飯だぞー!!」
「ん。」
「「いただきます!」」
私はこの温度差が丁度良くて、
「…ご飯粒。」
「おっ悪い。」
「ん。」
何よりも落ち着く。
また近いうちに更新するかもです。