カルデア出身『元』一般人   作:麻婆被験者01

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 こんにちわ、皆様。いやはや、投稿が遅くなってしまい……すみません(´・ω・`)
 イベントはどうでしょうか皆様。
 私は高難易度までやりましたけれども……一言物申したい。
 ……ぐだぐだオルタに、なんでアンリ出てこないの?
 アンリでてきて……。


流転鏡面

「あ、あ、あがぁぁぁあああーーー!!!」

 

 俺が叫び声の元に着くと、既に南雲ハジメの片腕が落とされていた。いや、よく片腕で済んだと言うべきだろう。自分も1度死にかけたのだから。追撃しようとする熊の一撃を泥で絡め取りながら、受け止める。

 

「おい、南雲ハジメッ!」

「ぁがぁぁぁぁ!!!」

「ちぃっ!」

 

 南雲ハジメはただ叫ぶばかり。致し方ないだろう。腕が落とされる痛み何てものは普通味合わないし、そんな経験は基本しない。

 

「れ、錬成ぇ……!」

 

 だが、その次に取った行動は良しだ。これで俺は南雲を気にしなくて良くなった。

 

「泥よ」

 

 背中に背負っていた八重樫も穴の中に入れ、泥に穴を護らせる。さて、目の前の熊をどうするか……。

 

グゥルアアア!!

 

 ……まぁ、逃がしはしないだろう。仕留める1歩手前まで追い詰めた獲物を逃がされて、しかも次に来るのは訳が分からない存在。だがな、熊。

 

「同じ存在かは知らないが……お前への復讐心はたっぷり溜まってるぞ」

 

 復讐と怨嗟、それがアンリ・マユの真骨彫。対人に置いては最強と言っていいサーヴァント。相手が異形の魔物なのは少し例外だが……殺るか殺られるか。

 

「遠慮も、慢心も、お前に対しての侮りもない。全力でお前を……」

 

グゥルゥゥ……!!

 

「殺すっ!」

 

 奈落の底で、いざ死合の鐘は鳴らされた。互いの首を落とされるまでこの戦いは終わらない。爪熊VS藤丸リッカが始まった。

 

-----------------------

 

 その戦いは文字通り泥沼の戦いだ。熊が爪を振るおうとも、身体を包む泥で受け止める。どれだけ鋭い爪であろうとも、その攻撃では中のリッカまで届かない。

 

 対して、リッカの攻撃も爪熊に通じない。泥……これは人類の悪意そのものだが、まず相手が人類ではない。そして、泥をぶつけても相手の攻撃に弾かれる。

 

 互いに攻撃が通じない。手を出せば返され、返せば防がれ。いざ仕掛けても野性的な感で避けられる。

 

 故に爪熊は……固有魔法を使う。爪熊は未だリッカに対して固有魔法を使っていなかった。何故か?

 

 この階層では、本来爪熊は最強。それ故に挑む魔物は存在しない。だが、それでも目の前には自身に立ち向かう何かが存在する。自分の周りには存在していなかった何か。

 

 知らないという事と、そして爪熊の野生本能が訴える目の前の泥の……危険性。それに従って、爪熊は固有魔法を制限していた。使えば目の前の泥は何かをしてくる。故に、使ってはいけない。

 

 だが、その思考は最強という自負の前には少しの間しか持たなかった。……この爪熊は最近この階層で生まれたばかりの存在だ。一つ前の爪熊は何かにやられたのだろう。そんな事は自分はならない。

 

 爪熊は階層に一体だけしか存在しない。倒されて、1日も置けば新しい存在が生まれる。階層の王である種族と言えども、生まれたてを狙う他の魔物は存在する。そうすれば、しばらくの間はその魔物が頂点に立てるからだ。

 

 故に、爪熊は強い。生まれたての存在であったとしても、即座に他の魔物の大軍と戦うことになるためだ。

 

 しかし、この爪熊は戦闘経験が今までの爪熊と比べて経験していない。何者かが大量に魔物を屠っていたが故にだ。

 

 だからこそ、自身の最強を確立するために目の前の何かを何がなんでも葬ろうとする。喰らう気は起きない。喰らってはならないと全力で本能が叫んでいる。

 

 全力で、目の前の存在を、殺さねば。

 

 爪熊はその意思だけで、目の前の存在に自身の絶対的な力をふるう。これで勝利だと、目の前の異物は排除したと。

 

 リッカが纏っていた泥の大部分が……剥がされた。

 

-----------------------

「あがっ……! ぐぁ……」

 

 ……やたらと目の前の爪熊は殺意に溢れている。その殺意に気を取られて、爪熊が振るった爪に当たってしまった。いや、恐らくは爪じゃない……爪を包む何かにやられた。

 

「げほっ……。っ……俺は前線は無理なんだけれどなぁ……」

 

 致命的、今まで防いでくれていた泥を全て飛ばされた。流石に自分で精製しても、目の前の爪熊は見逃してはくれないだろう。……詰みだな。

 

グルゥァ……!!

 

 勝鬨を上げるかのように吠えて……爪を振り上げる爪熊。そうだ、しっかりと狙え、まだ……まだだ……。

 

 爪熊のその凶刃が振るわれるその瞬間……爪熊の周りに飛び散っていた泥が、一瞬で盛り上がる。足元に絡みつき、腕を包みながら爪熊を飲み込んでいく。

 

グルァ?! グゥァァ!!!

 

「謝罪も、卑怯だとも言わないぞ。こっちだって生き残るためにお前と戦ってたんだ」

 

グァァァ………!!

 

 泥が包み込んでいく。泥が爪熊を飲み込んでいく。足も、腕も、身体も、身体の隅々まで泥が飲み込んでいく。

 

 リッカは、何も考えずに受け止めた訳でも、身体に纏っていた泥を弾けさせた訳でもなかった。何度も何度も攻撃を受ける度に泥を周りに飛び散らせ、徐々に徐々に爪熊の足元まで忍ばせていた。

 

「ふぅ……アンリ・マユをどうにか戦いで勝たせるために考えていた戦法が役に立ったな……」

 

 爪熊は既に泥に飲まれていた。だが、もがき、足掻いて未だ倒れていない。泥が徐々に剥がされているが……。

 

「残念ながら、俺はお前を逃がすつもりは無い。……宝具使用」

 

---!!

 

 泥の中にいる爪熊の抵抗が更に激しくなる。魔力の高まりに気がついて逃げようとしている……が、無駄だ。

 

「お前から受けた痛み、倍にして返そう。逆しまに死ね、『偽り写し記す万象(ヴェルグ・アヴェスター)』」

 

 爪熊を包んでいた泥が一瞬、脈動し、圧縮された。音もなく、匂いもしない。潰され、飲み込まれた。

 

「--俺は、どうしたんだろうな」

 

 自分だと認識している藤丸リッカは、こんな事もしなかったし、ここまで容赦なくはなかった。故に、自分が誰なのかが改めて理解できなくなる。

 

 南雲ハジメがあけた穴を泥で少しづつ広げながら、俺は奥にいるであろう南雲の元に向かう。まず2人、助けるために。




 門よ、開け。
 悪をもって、彼は無自覚に進む。
 救済せよ、それが--助かる道である。
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