まぁ中々にスカスカかもしれませんが……書けという啓示が降りたたか仕方がないよネ!
さぁて、宝物庫宝物庫……
--結果から言うならば、天之川は特に変わらなかった。
いつもの様に正義の味方ぶった言動も変わらず、皆を率いるリーダーとして振舞っていた……が、周りの生徒達は変わっていた。
命が危険になる可能性を口にされて、自身の部屋に引きこもるものも少なくは無かった。けれど、そんな中メルド団長が一人一人に謝罪をしに行き、どうにか自衛のために最低限でも教えさせてくれと行った結果、一応は全員が鍛えるために鍛錬場に出て鍛えている。
そして、生徒達の考え方を変えたリッカを批難するかの様な事を普段から口にする天之河は、少しずつだが生徒達から離れられていっていた。
そして、問題のリッカは……。
「ちっ、あの教皇め……」
「ふっ、多少は落ち着け勇者」
見張りと思われるラプスーチンと共に、オルクス大迷宮を探索していた。
オルクス大迷宮第三十八層にて、彼等は今さまよっていた。
「はぁ、神父。地図としてはこちらであっているのか?」
「ふむ……あぁ、こちらであっているとも」
神父がもつ地図を頼りにして、迷宮探索をしていた彼等だが、リッカのとある問題に現在追い詰められていた。それは--
「くそっ、ここで迷うのは不味い……」
「ふふふ、中々に面白いものだな。まさか勇者を圧倒した君は大の方向音痴だったとは」
そう、リッカは右に行ったかと思えば道を遡っていたりと、かなり酷い方向音痴であった。カルデアにいた時は、ナビゲートに従ったり仲間のサーヴァント達にある程度着いていくだけで何とかなっていたが、今彼等は2人だけ。神父は決して前に出ようとはせず、どうしてもリッカが先頭を歩く必要があった。
「はぁ……本当に何故だ……」
「行くだけならば迷わず行けるとしても、戻る時だけは迷うとは。中々に愉悦……いや、大変だっただろう」
「聞こえてるぞ神父」
そんな風な話をしながら、彼等は迷宮を歩んでいく。
(一応現在使える能力は3つ。礼装魔術に1人限りの縁召喚、そしてあの試合以降見れるようになった派生の1つ、憑依召喚……)
リッカは悩みながら歩く。時々敵が出てくるが、迷宮に潜り続けてまだ3日といえど、元が勇者なためかステータスが高い。それ故に問題なく処理していく。
(縁召喚と憑依召喚は、何方も1度使用すれば4日は使えない……)
これは試合後に技能を調べ判明した事だ。召喚系の技能は留める事も出来なくはないようであったが……残念ながら、魔力が消えていき現状不可能であった。
(あの試合から、今日で四日目。つまりもうすぐ技能の再使用が出来るはず……)
悩んでいたリッカであったが、前を歩いていた神父が止まったのを見て思考を1度中断した。
「ん、どうしたんだ神父」
「ふむ、この先のようだ」
見ると階段と共に広い部屋があった。
「……登ってきた時とは違うようだが」
「なに、ここは迷宮。階段は1つではないという事だ。こちらの方がこの階にきた階段よりも近かったのだよ」
そう言いながら、神父はリッカを見据えて口を開く。
「では少年よ。君に1つの問いかけをしよう」
この試合が終わってからの4日間という短い期間で知った、神父の雰囲気からぐるりと変わった……正しく裁定者というような雰囲気を醸し出しながら、神父は言葉を紡ぐ。
「君はきっと苦難の道を進む事となるだろう。それはまず逃れる事はできないうえに、逃れようとした所で無駄とかすだろう。私としては実に面白いのだがね」
クククと笑いながら、神父は話を続ける。
「ただ、今だけならば私は君を救ってあげよう。苦難の道ではなく、ありふれた日常へと」
「……」
確かに苦難の道となるだろう。普段通りに過ごしておいて、いきなりこのような目にあったのだ。むしろここまでが充分苦難の道の始まりだ。
「さて、どうするかね? 逃げるならば今だけだ。君は再びその力を得た。英霊達との縁を、絆を、かの戦いの力を」
「俺は……」
苦難の道、それは出来る限り避けるべきものだ。自分からそこに向かうなんて、阿呆かドMのする事だ。人間は誰しも楽を求める生き物だ。
「なぁ、神父。1つ質問いいか?」
「ご自由に。私は神父だ。悩める者の言葉を聞くのは正しく私の仕事」
「その道を歩めば、多少なりとも人を救う事は出来るのか?」
自分でも何を言っているんだと苦笑する。散々人を救う事について難しいと口にしたというのに、自分がその道を選ぶのかと。
「あぁ、救えるとも。君ならば。君が居なくとも救われるだろうが……どうする?」
自分でやる意味はないと言われた。だが、リッカはそんな道を歩んで来たのだ……そして、その道の果てに〒+々4・¥:[:・8々々7▪️■■▪️。
「やってやる。全員を救うなんて事は無理だ。だが……俺だけ楽をして救われる訳には行かないんだよ。それこそ皆に顔向けが出来ない。やってやるさ、10人救う事は出来なくとも、1人だけは助けてみせる」
「ふっ、やはり君は藤丸リッカだ。よかろう、ならばこの道を進みたまえ。そしてまずは1人の少女を救うがいい」
神父が指し示すのは階段前の広場。そしてそれに従って広場に行く途中、話の始まりからの疑問を口にする。
「なぁ、ラプスーチン神父。やっぱりお前は--」
次の瞬間、広場の足場が一瞬で全て消え、リッカはそこの見えぬ奈落に落ちていく。リッカの怒号が響く中、神父はその縁で佇んでいた。
「君ならば必ず生きて帰ってくるだろう……さて、彼が帰って来るまでに特製麻婆の準備でもするとしようか」
ラプスーチン神父。彼が教皇より承ったのは勇者一行の1人、藤丸リッカの処理。そして、その命令は今遂行された……。だが、彼の考えは浅はかだったと思う事になるだろう。
奈落にて怪物が産まれ、人理の旅人と出会うのは、まだ遠い話。
彼には座が用意されていた。
その座の名はルーラー。
ある意味正しい。
ある意味間違い。
彼にはあと2つの座がある。
だが、それはまだ見えない。