大山達はその後、所長の説明がある部屋へと向かった。
「ここが、中央管制室です。先輩は...あの席ですね。」
「サンキュ。いや〜それにしても広いな〜。うちの課もこんぐらい広い部屋だったらねぇ」
「警察のお部屋って狭いんですか?」
「んん〜?いや、狭いってほどじゃないけどな、毎日毎日汗だくのおじさん達でごった返してるワケ。その数200人以上。」
「200人も⁉︎」
「そ。」
「一つの部屋にそんな人数がいるなんて、初めて知りました... あ、どうぞ先輩。」
やがて、マスター候補全員が揃い、所長が到着した。
「カルデアへようこそ。所長のオルガマリー・アニムスフィアです。」
「ふあ〜ぁ...」
(やべぇな...さっきの りょうしダイブ?とかいう奴のせいかな?また眠気が...目覚ましに一服、一服。)
大山はタバコに火をつける。
「あなた達は各国から抜擢された稀有な...ってちょっと⁉︎そこ‼︎」
「げっ」
オルガマリーが大山を指差す。
「ここは禁煙です‼︎ それに非常識にも程があるでしょう⁉︎ 説明会の最中に喫煙だなんて!」
「い、いやぁ、眠くなってきたんで、ついw」
「⁉︎ 私の話が眠くなるですって...⁉︎ もういいわ!あなたには外れてもらうわ!」
「へ?」
大山は喫煙が原因でファースト ミッションから外されてしまった。
「...外されちった。」
「いきなり残念でしたね...とりあえず、先輩の部屋へ案内しますね?」
「ん。悪りぃな、何から何まで。...あっ マシュ?」
「何ですか?」
「マシュは...タバコ、嫌いかな?」
「いえ、別に。自分で吸おうとは思わないんですが、特に嫌悪感があるわけでもないです。」
「そっか。」
(へへ、マシュにタバコ嫌われなかっただけでもマシかな?)
「あ、ここですね。ここが先輩の個室になります。」
「おう、ありがとな。」
「はい。ファーストミッション、Aチームなのですぐに戻らないと。」
「おう、そうか...じゃあな!頑張ってこいよ!」
「はい、ありがとうございます。運が良ければまたお会い出来ると思います。」
そう言ってマシュは走って行った。
「さぁて、とりあえず部屋で一休みしますか。」
ドアの前に立つと自動ドアが開いた。
「はーい、入ってま...ってうわあぁ⁉︎」
「おぉ⁉︎」
部屋にはすでに一人の男が居た。長髪を後ろで結んだ明るい髪色の男。
「だ、誰だ君は⁉︎ ここは空き部屋だぞ⁉︎僕のサボり場だぞ⁉︎」
「あんたこそ...ここ俺の部屋じゃないの?」
「君の部屋?...あちゃぁ、最後の子が来ちゃったか〜...」
「それで、あんた誰?場合によっちゃ住居不法侵入でパクっど。」
「僕は医療部門のトップ、ロマ二・アーキマン。皆からはdr.ロマンって呼ばれてるんだけど...って、じゅ、住居不法侵入でパクる?君こそ一体⁉︎」
「これ。警視庁捜査課の大山。よろしくな?」
大山は警察手帳を見せる。
「け、刑事⁉︎ 」
「そ。でも数合わせのマスター候補に呼ばれちったワケ。」
「そうか...まあ、今後ともよろしく大山くん。」
・ ・ ・
「な、なるほど...説明会の最中にタバコをね...それで所長のカミナリが落ちてファーストミッションから外されたと。」
「だってしょうがねえだろ?居眠りこくよりはこう...ダンディにタバコ咥えてた方が良いと思ってよぉ?」
「だ、ダンディね...まぁ、それなら僕と同類だ。実は僕も所長に叱られて待機中だったんだ。もうすぐレイシフト実験が始まるのは知ってるね?」
「まあ、一応。皆言ってたからな。」
「所長にあなたが居ると空気が緩むって言われて追い出されて、ここで拗ねてたんだ。」
「可愛いとこあんじゃねえの。」
「まあ、そんな時に君がきてくれた。所在ない同士、ここでのんびり世間話でもしようじゃないか!」
「お、そうだな。...あ、ここ禁煙?」
「いや、ここは大丈夫だよ。」
「うっしゃ」
・ ・ ・
「...とまあ、以上がここの構造だよ。」
「すげぇな、標高6000mの雪山って...俺そんなとこに連れてこられたワケ...」
『ロマ二、あと少しでレイシフト開始だ。万一の為に来てくれないか?』
突然ロマ二の通信機に連絡が入った。相手はレフ。
『Bチーム、慣れてない者に若干の変調が見られる。不安から来るものだろうな。』
「ちょっと麻酔をかけにいこうか?」
『ああ、頼む。今医務室だろ?2分で着くはずだ。』
「...ロマニよォ。俺にはここがどう見ても医務室には見えないんだけど...気のせいかな?」
「いや...気のせいじゃない。...ハァ...ここからじゃどうあっても5分はかかるぞ...まぁ、少しの遅刻くらい許されるよね。Aチームは正常みたいだし。」
「良いのかそれで...」
その時だった。
ガタン...
部屋が一瞬にして真っ暗になる。
「ッ⁉︎ 明かりが急に消えた⁉︎」
「なんだ、停電か?」
『緊急事態発生。緊急事態発生。中央管制室および中央発電所で火災が発生しました。』
「火事⁉︎」
アナウンスが話す内容にロマ二と大山は愕然とする。
『中央区画の隔壁は90秒後に閉鎖されます。職員は速やかに退避してください』
ドゴォッ...
アナウンスがそう言い終えた直後に巨大な音がした。
「今のは爆発音か⁉︎」
「なんだァ?誰かマスター候補の一人がC4でも持ってきてたのか?」
「モニター、管制室を映してくれ‼︎」
ロマ二が叫ぶと、モニターに管制室の様子が映し出された。
そこにあった光景はまさに地獄。部屋一面が炎に包まれていた。
「...!おい、管制室って...マシュ‼︎」
「大山くん。すぐに避難してくれ。もうじき隔壁が閉まるからね。君だけでも出るんだ。」
「まだあの娘が中に居るんだ!俺は行く。」
大山はホルスターからコルト ローマンを取り出して言う。
「君...まぁ、人手があった方が助かるけど... 隔壁が閉鎖する前に戻るんだぞ?」
「了解!」
中央管制室
「...生存者はいない。無事なのはこのカルデアスだけだ。...これは事故じゃない。人為的な破壊行為だ。」
「じゃあホシはまだ近くに居るかもしれねえって事だな。」
チキッ
大山はそう言ってローマンの撃鉄を起こす。
『隔壁閉鎖まで 後 40秒...中央区画の職員は速やかに...』
「...僕は地下の発電所に行く。」
「OK。」
「君は元来た道を戻るんだ‼︎」
そう言ってロマ二は発電所へと向かった。
『 システム レイシフト最終段階に移行します。 座標西暦2004年 1月 30日 日本 冬木...』
「チクショウ...マシュ‼︎どこだぁ‼︎」
大山は大声で呼びながらマシュを探す。
ガラガラ...
「っ!マシュ!」
「あ、...せ、先輩...」
瓦礫からよろよろのマシュが出てきた。かなりの重症を負っているようだった。
「マシュ!」
「私は、いい...です...助かりませんから...それより、逃げないと...」
『観測スタッフに警告。カルデアスの状態が変化しました。近未来100年までの地球において、人類の痕跡は 発見できません』
「ッ?どゆこと?」
「カルデアスが真っ赤に...そんな...ことより!」
マシュがある方向を指差す。見ると、隔壁はもう閉まっていた。
「隔壁...しまっちゃい、ました... もう、外には...」
「...良いさ。」
「ッ⁉︎」
「女のコ一人にさせとくワケにいかねぇだろ?」
「先輩!」
「心配すんな。最後の最後まで居てやるからよ。」
「先輩...」
大山はマシュを強く抱きしめる。
『レイシフト、定員に達していません。該当マスターを検索中...発見しました。』
「ん?」
『適応番号 48 大山 健次を マスターとして再設定します。』
「...へ?」
『レイシフト開始まで、あと3』
『2』
『1』
「⁉︎ うああ⁉︎ おぉ!」
今作の主人公である大山のイメージ。いかがですか?
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