やはり俺の青春をR6Sに費やすのは間違っているのか 作:二代目山勘
特別棟、音楽室の物置や生物室、図書室の予備書庫がある普段なら生徒が全く使わない棟。
「着いたぞ。」
カツカツとリノリウムの廊下に足音を響かせてたどり着いたのは、プレートに何も書かれていない部屋。
からりと戸が開けられると教室の中には使われなくなった椅子や机が無造作に積み上げられ、倉庫代わりとして使われているいたって普通の教室だと感じた。
違ったのは少女がそこで文庫本を読んでいた
一瞬、時を忘れて見とれていた。
そこからふっと周りを見ると端の方には使われていないデスクトップタイプのパソコンが一台、置かれていた。
平塚先生と彼女が言葉を交わしている間に教室に俺は足を踏み入れる。
「彼は誰なんですか?先生」
冷たい声が耳に響く
「比企谷八幡、入部希望者だ。」
彼女を俺は知っている。総武高校に特設されている国際教養科の中でもその頭脳と容姿から注目を浴びている。
この学校の中でも有名人だ。
「二年F組の比企谷八幡。部活ってなんすか?」
「さっき言ったようにペナルティだ。君にはここでの部活動を命じる。異論反論抗議は認めない。反省してろ」
そして雪ノ下の方を向き
「見てわかると思うが、彼はこのように根性が腐り、そして孤独に愛されたかわいそうなやつだよ」
「孤独に愛されているんじゃないんです。俺が孤独を愛しているんです。」
「そんなのはどっちでもいい」
俺の抗弁に対して、容赦なく切り捨て
「人との付き合い方を学ばせてやればまだまともにはなるだろう。ということで彼のひねくれた孤独体質の更生が私からの依頼だ。」
「お断りします。彼の下心に満ちた目を見ている目を見ていると身の危険を感じます。」
おいっ、そこまで俺の目はひどいのかよ。そして睨むな。
「安心したまえ、その男は目と性根のみ腐っているだけであってリスクリターンの計算と自己保身に関してはなかなかのものだ。彼の小悪党ぶりは信用していい。」
「なるほど、小悪党……」
「小悪党って、しかも納得するなよ。」
雪ノ下の了承を聞くとま、後は頼むというと平塚先生はさっさと帰ってしまう。
うーあ、何すればいいの俺。
いや、まじで
この美少女サマと二人きり、何すればいいの?
「何か?」
「いやどうしたものかとも思ってな。」
「何がかしら」
「訳の分からない説明しかない状態で連れてこられたもんだからな」
そういうと雪ノ下は勢いよく読んでいた文庫本をパタンと閉じ
「ではゲームをしましょう」
「ゲームか?」
「その様子からすると、ここが何部か聞いていないようね。だから」
人差し指で俺をさして
「さて、ここは何部でしょうか?」
雪ノ下がやるとものすごい様になっているそのポーズを見て、その後教室の中にあるものを見ていく
机、椅子、パソコン。
「文芸部か?」
「その心は?」
「特殊な環境、特殊な機器を必要としていない部活、そのうえあんたは本を読んでいた。」
「はずれ」
雪ノ下は口にわずかに笑みを浮かべる
「降参だ。答えは?」
雪ノ下はこちらを見ながら
「比企谷君、女子と話したのはいつぶり?」
「あ?」
「答えて」
「二、三か月ぶりだ。あの時のも業務連絡みたいなもんだけどな。」
はぁとため息をつくと
「……困っているものには救いの手を差し伸べる。それがこの部の活動」
雪ノ下は腕を組んでこちらを見下ろす。
「ようこそ奉仕部へ、あなたを歓迎するわ」
「そりゃどーも、それよりあのパソコンは使えるのか?」
「電源を入れれば。ある程度のスペック、確か学校基準のスペックは満たしているはずよ。」
そうか、おれは携帯を取り出してとあるものを調べ始める
「比企谷君、あなたは何をするつもりなの?」
「いや、何でもないさ。」
八幡の顔には悪い笑みが浮かんでいた。