教師が見つけた1つの輝き   作:★星夜☆

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第2話 「夢追い人」

 

「実はさ...明日、沼津に引っ越すんだよね...」

 

 

 

「「...え?」」

 

「だから明日からよろしく」

すると千歌は目を輝かせながら俺に言ってきた。

「奇跡だよ!薫君!曜ちゃん!この人にしよう!」

「うん!私もこの人なら大丈夫だと思うよ!千歌ちゃん!」

「な、なんだよ...」

 

 

「「私たちのマネージャーになってください!!」」

 

「...え?俺?いや、俺よりもっといい人いるだろ...」

「やっぱり...ダメですか...?」

「...分かった。やるよ。」

「ほんと!?やったよ~曜ちゃ~ん!」

「よかったね千歌ちゃん!」

「うん!」

千歌は曜に抱きついていた。

「青春だね~」

俺は1人、小さな声で呟いた。

 

「じゃあこの後ライブあるからついてきてね!」

 

 

ん?この後ライブ?俺は明日からじゃないの?

 

「...あの。ちょっといいですかね?」

 

「ん?どうしたの?」

千歌が不思議そうに俺を見ている。

「俺って明日からですよね?」

「え?何言ってるの薫君。今日からだよ?」

 

「...あ!用事思い出した!俺、明日引っ越しだからさ、ごめん!先帰ってるわ!」

そう言って俺は走ってその場を去った。

 

「あ!ちょっと~」

「大丈夫だよ!明日会えるから!千歌ちゃん、そろそろ時間だから行こ!」

「そうだね!行こ!曜ちゃん!」

 

「ふぅ~なんとか逃げ切った~よし準備するか」

俺は家に着いて引っ越しの準備をした。

 

 

 

~次の日~

 

「着いた~明日から仕事か...」

俺は沼津に着き、新しい自分の家にいた。スマホを付けると午前10時だった。

「少し早く着いたから散歩でもするか...」

そう言って俺は散歩を始めた。

 

しばらく歩くと見覚えのある後姿があった。

「あれ、曜だよな?」

曜は『十千万』と書かれた旅館の前に突っ立っていた。

「何してんの?こんなところに突っ立って?」

俺は曜の顔を覗きこんで問いかけた。

「...私、どうしたらいいいんだろう...」

「何悩んでんの?いつもの曜らしくないな」

ていうても会って2日しかたってないけど。

「俺でよければ...その悩み...聞きますよ?」

俺は少しカッコつけて曜に言った。

「何そのポーズ、全然カッコよくないよ」クスッ

曜は涙目のまま笑った。

 

「昨日ライブで投票数が0だったと...」

「...うん...それでね、千歌ちゃんに何て声をかければいいか分からなくて...

一番辛いのは私より千歌ちゃんのはずなのに...」

曜は泣きながら全てを話してくれた。

「お前は優しいなぁ。」

俺は片手で曜の頭を撫でながら言った。

「どうすればいいの...私...?」

「...ちょっと待ってろ。」

「...え?」

俺は旅館の中へ入っていった。

「すいませ~ん!千歌さんいますか~!」

すると奥から1人の女性が来た。

「あら~千歌ちゃんのお友達?」

「まぁ...佐藤薫です。」

「私は高海志満です~。千歌ちゃんは今部屋から出たくないって...」

「...そうですか。分かりました、ありがとうございます。」

俺は旅館を出た。

 

「どうだった?」

「千歌は今部屋から出たくないってさ。」

「そっか...」

 

曜はそう言って帰って行った。

 

「ふぅ~...よし、行くか。」

俺は一回深呼吸をして、また旅館へ入って行った。

「すいませ~ん!志満さん、ちょっと千歌の部屋まで案内してもらえませんか~!」

「分かったわ」

俺は志満さんに千歌の部屋まで案内してもらった。

「薫君、千歌ちゃんをお願いね...」

「分かりました。」

そう言って志満さんは一階へ降りて行った。

 

「...全部曜から聞いたぞ」

俺は千歌の部屋の前で座った。

返事はない。

「心配してたぞ、曜。」

「...曜ちゃん...が...?」

震えた声で返事が返ってきた。

「ああ。お前、今まで普通だ普通だって言ってるっぽいけどな、普通なんて人はいねぇんだ。」

俺は優しく、千歌に言った。

「...ううん...私は普通だよ...曜ちゃんみたいに可愛くて、運動もできないし...」

「じゃあ何でそんなに泣いてんだよ?」

「それは...ただ...」

「悔しいからだろ?始めて東京でライブして、失敗なんてしてないのに

投票数が0だったから悔しいんだろ?普通の人だったら泣いたりなんかしねぇよ。

でも、お前は自分が好きなものに涙を流せているんだぞ。」

「じゃあ...私は...なんなの...?」

「そうだな...夢追い人...とか?」

「何それ...」クスッ

千歌の部屋の中から少し笑った声が聞こえた。

「それと、1つ言っておく。悔しいなら、ちゃんと悔しいって言え。お前には『優しすぎる』友達が

いるだろ。」

「....ありがと...」

「あとはお前次第だ。」

俺はそう言って旅館を出て行った。

 

「青春だねぇ」

 

俺は小さく呟いて自分の家に向かった。

 

 

 






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