現実は唐突に崩れ去る   作:クサレピッチ

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何も起こらない(起こさせない)


ローマ法王はサブミッションの達人

外は暗い、時計を見るともう11時だ

こんな時間まで起きていたらお肌が傷んでしまうのに、うら若き女子高生である私、姉川(あねがわ)充希(みつき)がこんな遅くまで起きているのには訳がある。

私は来月から高校三年生になる。

そう言えばほとんどの人は理解すると思う…そう、来年からは受験勉強

「人生という賞レースに勝つためには超えなければいけない大きなハードルの一つよ」

と、高卒の母が言っていたため

私は寝る間を惜しんで机に向かって勉強しているわけだ

私個人は高卒でもいいかな何て思っていたのだが、両親は

 

「頼むから大学は卒業してくれ」と頭を下げられてしまい、母に至っては大学に行かなければ・・・・っと親から出てきてはいけない単語が漏れ出ており、仕方ないから勉強をしている

まあ、この話も三ヶ月前のことで

こうして時間がたって冷静に考えてみると高校受験の時もこんなことがあったなと思う

 

中学生三年生ののときの私は中卒でフリーターとかしてたら生きていけるでしょとかテキトウなことを考えてた

 

その事を両親に伝えたらいきなり二人とも泣き出してしまったので私は親孝行娘で泣いてるのかと勘違いしていた、そうしたら親父が泣きながら「高校に行って下さい」と敬語で話しかけてきたので(あ、ガチだ これ)高校進学を決意して今に至るわけだ

そういえば、あの時私の話しを聞いて母は、どこかに歩いて行ってたな、確か台所?

・・・・・・まあいい

 

それに勉強が嫌いと言うわけではない、むしろ得意な部類だと思う、教師が黒板に書いたものをそのままテスト用紙に写せばいいのだから簡単だ

 

だから成績が悪いわけではない、というか良いほうだ

学校の順位でも20位以内には毎回はいっている

 

私はおもむろにスマホアプリのラジオを起動させた

 

無音で勉強するのも別に気にはしないが少し雑音があった方が勉強しやすい

 

本番は無音なんだから無音でした方が効果があるよだって?f○ck!

 

本番は本番!やり方は自由だ

 

ラジオから音が流れる

 

『やぁ、こんばんわ!はじめましての方そうではない方元気ですか?今日もゆったりやっていくよー』

 

今日のこの時間からは『火曜日は夜更かし』という番組が流れている

 

二人体制で基本視聴者からのお手紙読んだりお互いの趣味や最近の時事ネタとかを一時間ほどダベっている

 

特にオカマのデラコの毒舌ぷりがついついペンが止まって聞いてしまうほど面白い

 

町『それでは続いてはお手紙のコーナーです えーなになにお名前は(結婚破棄させられたさん)からですねー』

 

デ『ずいぶんと刺激的なお名前なのね』

 

名前の由来が気になる視聴者さんだ

 

『(私は…)』

 

 

 

 

 

全略

 

 

 

 

 

なかなかに刺激的なお話だった

 

まさかローマ法王とAmaz○nのCEOから求婚を申し込まれていたなんて一体どんな人生を歩んで来たらそんな風になれるのだろうか…

 

とにかくお腹一杯になる話だ

 

デ『でもあそこでローマ法王の腕ひしぎ十字固めがCEOの右肘の関節を粉砕させるとは人間見た目だけじゃないのね』

 

町『でもその前のCEOの左ジャブを顔に一発、それをガードされるのを予想しての鳩尾へのボディーブロー!あれで決まったと思ったけど流石法王と呼ばれるだけはありますね!あの一撃を耐える!』

 

そこからのローマ法王の立ち技は不利と判断してからの寝技への持ち込み、わざと隙だらけのタックルで相手の膝蹴りを誘い、そのままCEOの片足に足払いを喰らわせる

 

デ『しかしその状態でも耐えてしまうのがAmaz○nのCEO、世界の通販業界の頂点に君臨する男』

 

法王もあのCEOの体幹の強さには驚いたでしょうね、一見、少し押せば倒れてしまうように思えるしかし彼の足は大樹であり、巨大な根…地面をガッチリとホールドしていた

 

法王には彼が千年もの間我々を見守っていた一本の宝樹に見えたのかもしれない

 

その一瞬法王の後頭部をCEOの肘が狙う

 

勝負はついた!CEOの肘は楽○を貫く、CEOは微笑む確信した勝利

 

それゆえに負けた

 

勝利の女神は勝利を確信したものには微笑まない

 

CEOの右肘打ちは虚しく空を切った

 

視界から法王が消えたと同時に右腕の急激な痛み

 

ローマ法王の跳び関節がCEOの右腕を既にロックしていた

 

勝利の女神はローマ法王へと微笑んだ

 

 

「…普通に聞き入ってたわ」

ふと我にかえり、ペンが止まっていることに気づいた充希は時間を取り戻すかのように机に集中した

 

 

二時間ほどたっただろうか、そろそろ勉強も終わりにして明日に備え寝よう、そう思い机に広げていた勉強道具を片付けていた

『お手紙ありがとうございました』

ラジオから愉快な男の声が聞こえた

「そろそろ消さないとな」

ラジオをつけっぱなしに気づいた充希はスマホに手を伸ばした

手に取ってアプリを消そうとした

違う番組のようだがこんな時間にもやっていたのか

『それでは最後のお手紙です』

消そうとした手が止まる、

「最後なら聞いても良いかな」

普段なら気にせず消すだろう、でも今日はなぜか聞いてみたいという欲が眠気よりも勝った

カチッ

机の電気を消しスマホの明かりを頼りにベットまで歩いた

『それでは最後のお手紙はこちら!デデン』

ベットに横になり枕の隣にスマホを置いてラジオを聞いた

『匿名希望さんお手紙ありがとうございます!それでは読ませていただきます』

目を瞑り、真っ暗のなかで耳だけに集中してラジオを聞いた

(ある意味一番シンプルな名前だな)

『私は…』




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