俺の暗殺教室   作:鬼如月

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第2話 転入の時間

 

キーンコーンカーンコーン....チャイムの音が鳴る。

 

その音を聞いた殺せんせーは俺に教室のドアの前に待機しておくように言い、教室の中に入っていった。

起立という声が教室から聞こえ、好奇心から教室内をちらりと見てみる。二度見した。E組全員が銃を持っている。殺せんせーの暗殺に使うというエアガン、俺も貰ったが、クラス全員が構えていると異様な光景に思える。

 

「気を付け!!」

 

声が上がると全員が殺せんせーへと狙いを定める。

 

 

「れーーーい!!」

 

殺せんせーへの発砲。その銃の数合計二十六丁。殺せんせーの大きさから考えれば結構当たりそうな気もするが...

 

「発砲したままで結構ですので出欠を取ります、磯貝君」

 

...どの弾も命中していない。全ての弾を避けている。どう避けているかは解らないが、途轍もない速さを持つことは理解できた。

 

出欠も最後の方になり、生徒の照準もぶれて来ているのがわかる。殺せんせーにも油断の表情が...なんだあれ。顔が緑の縞々模様になってやがる。絶対嘗め腐ってるだろアレ!

 

顔が非常にムカつくのでドアの隙間からの射撃を試みる。狙うのは触手の先、先生の注意が前から来る弾に向かっている内に...

 

 

 

 

 

――気配を殺す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――引き金に指をかけ構える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――今だッ!!

 

パチュン!!...と、小さな音が鳴った。

 

思わずといった風に皆が動きを止める。殺せんせーすらも。皆の視線は殺せんせーの横の床、確かにある触手の肉片が落ちていた。

 

殺せんせーがこちらを見る。ニッコリとした笑顔で返す。先生も笑顔で返す。

 

 

「...と、取りあえず出欠を続けましょう!」

 

と、先生の言葉で生徒達は我に帰り、一斉射撃を再開する。

 

 

少しして出欠をとり終わり、皆が散らかっているBB弾を片付けようとするが、先生が止める。

 

「今日は転入生が来ています。では藤原君、入って挨拶を」

 

そう言われ、俺はドアを開けて教卓まで歩いていく。さっきはあまり確認していなかったが、知り合いもちらほらいるようだ。教卓に立ち、にこやかに笑いながら挨拶をする。

 

藤原(ふじわら) (あおい)です。趣味は読書、好きなものは狐。これからよろしくお願いします、E組の皆さん!」

 

 

「あ、先程の命中弾は藤原君が撃ったものです。これから一緒に暗殺も勉学も楽しんでいきましょう」

 

...皆からの視線が痛い。偶然当たっただけなのに....

 

気を取り直して自分の席を先生に聞くと、一番後ろの右から三番目と言われたので、その席に座ると、隣にいた赤髪の男子に話しかけられた。

 

「俺は赤羽 カルマ。よろしく、藤原君」

 

ああ、と声を上げる。

 

「こちらこそよろしく。あと君付けはしなくて良いし気軽に葵で呼んでくれ。赤羽」

 

こっちもカルマでいいよーと手をひらひらさせながら言うので、わかったよ、カルマと返しておく。

 

「挨拶も終わったので、BB弾を片付けてHRを始めましょう。あ、それと藤原君、授業中の発砲は駄目ですからね。勉強の妨げになるので」

 

はーい、と返事をすると、満足そうに頷いてBB弾の片付けに取り掛かった。最初の授業はと....数学か。得意分野だな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「めっちゃ解りやすい...!」

 

感動だ。あんなに面倒くさかった証明がこんな簡単に書けるなんて。今までの俺にハイキックをぶちかましてやりたいよ。

 

「ねぇねぇ、あーちゃん!」

 

授業が終わり、感動していると、横から声をかけられる。

 

振り向くと、橙髪のゆるふわ女子が笑顔で話しかけてきていた。

 

 

倉橋 陽菜乃。

 

この学校での数少ない知り合いの一人で、小学校が同じで親友、と呼べる間柄である。

 

 

「ああ、陽菜乃か。殺せんせーの授業がわかりやすくてな」

 

そう答えると、陽菜乃が目を輝かせる。

 

「だよね!殺せんせーのお陰で成績どんどん上がっちゃうなー!」

 

と、陽菜乃が楽しげに話すが、ふととある疑問が浮かぶ。

ん?と俺が首をかしげると、陽菜乃は気がついたのか顔を青ざめる。

 

「陽菜乃。俺はお前が椚ヶ丘高校に行った後でも勉強を教えていたし、勉強するように言ったはずなんだが...?何故E組(ここ)にいる?」

 

あははーと乾いた笑い声を上げる陽菜乃。こいつ...勉強してなかったのか。

 

「まあまあ。倉橋さんと葵って知り合いなんだね」

 

カルマが助け舟を出す。チッ、陽菜乃との話は後にしよう。

小学校が一緒で仲がよかったと話すと急にカルマがニヤニヤし始めた。何だよ。

 

「いやぁ?なんでもないよ?」

 

はぁ。興が削がれたので席を立ち、このクラスのもう一人の知り合いの方へ歩いて行く。

 

「よぉ、竹林。お前もE組だったんだな」

 

「僕には君がE組だったことに意外性を感じるがね...葵」

 

 

竹林 孝太郎。

 

陽菜乃と同じく数少ない知り合いで、こいつとは以前友人に誘われて友人の友人である竹林とコミケに行った時にアニメの話で意気投合して、それからはよくアニメイトでグッズを購入している。

 

 

 

「君は何故E組に?」

 

ははは...と、今度は俺が乾いた笑いを出す番であった。

 

 

 

 

 

話したら着いてきていた陽菜乃やカルマも含めて爆笑してきやがった。

畜生。あとこっそり聞いてた殺せんせー。アンタも笑うな。教師としてどうなんだよ。

 

 

 

 

 

 

 

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