俺の暗殺教室   作:鬼如月

7 / 10
第6話 テストの時間

 

 

一学期中間テストの日。E組の生徒達はいつもより一層厳しい面持ちで本校舎へと向かう。どうやら全校生徒が本校舎で受けなければいけないらしく、本校舎の教師が露骨に邪魔をしてくるらしいとはカルマが元E組の卒業生から聞いた談。ここでもまたE組差別かよ...そこまで徹底的に成績を下げたいのか。

 

と、本校舎に着きテストの教室に着くと、既に殆どの人が来ていたようで、扉近くに座っていた竹林が声をかけてきた。

 

「葵....少し遅いんじゃないかい?テスト開始まであと数分じゃないか」

 

「そうか?皆が早すぎるだけだと思うけどな。まあテスト頑張ろうぜ、後で映画でも行くか?fa○eのやつ」

 

「...余裕だね。50位以内なんて朝飯前ってとこかい?勿論行くけどね」

 

行くのかよ。少し棘のある言い方をする竹林に苦笑しながら言葉を返す。

 

「まあなるようになるさ。それにあの(タコ)のことだからどうせいなくなったりは...いや、なんでもない。ほら、本校舎の先生も来たみたいだし早く筆記用具の準備でもしてな」

 

「君が話しかけてきたんじゃないか...」

 

本校舎の先生が教室に入ってきたのを見て、呆れた目でこちらを見てくる竹林から離れ、そそくさと自分の席へと移動する。○ateは楽しみだけどまずはテストに集中しないとな。

 

 

 

 

 

 

 

―――――

 

 

 

...テストは本校舎で受ける決まりであり、僕らE組だけアウェーでの戦いになる。

 

 

 

〈コツコツコツコツ....〉

 

「ヴッヴン!ゲフンゲフン!」

 

 

一時間目のテスト担当である大野先生が教卓の椅子に座り、僕らを監視している。わざとらしく咳払いをしたり、指で机を叩いたり...明らかに僕達の集中を乱そうとしている。

 

「E組だからってカンニングなどするんじゃないぞ。俺達本校舎の教師がしっかり見張ってやるからな~」

 

...テストに集中しよう。

 

 

 

 

 

 

―――――

 

 

俺はテスト返却ではあまり期待しない方だと思う。正直テストの手ごたえでなんとなく点数はわかるし、もはや緊張や期待をしても遅い。つまり諦めている。だが、こんなでもこの椚ヶ丘中学校に転入できたんだ。学年50位くらいは余裕で入れる....はずなのだが.....

 

手ごたえが悪い。それもとてつもなく。普段ならわからない問題なんて一教科に多くて7、8問程度なのだが、今回は全ての教科がそれ(・・)だ。

 

俺でさえ。カルマ程、とまではいかないがこの教室ではトップクラスの俺でさえこの手ごたえ。それが意味することは.....

 

 

 

 

 

 

 

「.....これは一体どういう事でしょうか。公正さを著しく欠くと感じましたが」

 

烏間先生の厳しい声が教室に響く。誰と話しているかは解らないが話の内容的に本校舎の教員だろう。

教室はお通夜状態で、殺せんせーさえも黒板の方を向いて喋らない。

 

「.........伝達ミスなど覚えは無いし、そもそもどう考えても普通じゃない。テスト二日前に...出題範囲を全教科で大幅に変えるなんて」

 

どうやらテスト範囲が変わっていたらしい。E組の奴らは全く聞かされていなかった事実だ。

 

烏間先生が厳しい顔つきのまま電話を切る。抗議は受け付けられなかったらしい。

 

ふむ。....ここまでしてE組を地の底へ這い蹲らせたいか。転校初日に会ったきり、一度も顔を合わせていない理事長の顔が頭に浮かぶ。

 

 

 

「...先生の責任です。この学校の仕組みを甘く見すぎていたようです。...君達に顔向けできません」

 

いつもはイラっとくるくらいにおしゃべりな殺せんせーも今回ばかりは弱々しい。別に殺せんせーが悪いってわけじゃないだろうに。

 

そんなことを考えていると、後ろを向いている殺せんせーに向かって対先生ナイフが投擲される。...ああ、カルマか。

 

「にゅやッ!?」

「いいの~?顔向けできなかったら俺が殺しに来んのも見えないよ?」

 

驚きながら殺せんせーはナイフを回避し、カルマに怒り出す。

 

「カルマ君!!今先生は落ち込んで...!」

「俺問題変わっても関係無いし」

 

怒る殺せんせーを余所にカルマは教卓まで歩いていき、手に持っていた答案用紙を教卓の上に置く。....ッ!ここまでか...!

 

赤羽業。合計点数494点、186人中4位。

 

なんと学年4位。頭が良いことはこれまでの生活で知っていたがここまで点数をとってくるとは先生も予想外だったようで答案を見て固まっている。

 

「俺の成績にあわせてさ、あんたが余計な範囲まで教えたからだよ。

 

―――だけど、俺はE組(このくみ)出る気無いよ。前のクラス戻るより暗殺の方が全然楽しいし。ねぇ?葵」

 

げ。俺の方に振ってきやがった。学年4位の後に出すとか恥ずかしすぎるだろうが....!

 

「...まあ一応俺も50位以内には入っていますが。勿論E組を抜ける気はありません」

 

カルマの答案用紙の横に自分の答案を置く。こうして見比べるとやはり苦手教科での差がすごいな....

 

 

 

 

 

藤原葵。合計点数422点、186人中39位。

 

50位以内には入れたが、なかなかパッとしない順位に納まってしまった。

そのことに少し悲しんでいると、カルマが続けて先生に声をかける。

 

「...で、どーすんのそっちは?全員50位以内に入んなかったって言い訳つけてここから尻尾巻いて逃げちゃうの?」

 

殺せんせーが一瞬身動ぎする。

 

「それって結局さぁ...殺されんのが怖いだけなんじゃないの?」

 

あ、イラついてる。殺せんせーの額に青筋――――血管なのかコレ?―――が浮かび上がる...よし、俺も参加するか。ニヤニヤと自分ができる限り一番憎たらしい笑みを浮かべながら語りかける。

 

「そっか~。先生怖かったんだ、俺達に殺されちゃうのが。もしかして先生いつもドヤ顔でイキっておきながら実はビビリだったの?ごめんね~気づいてあげられなくて。怖いから逃げたいって正直に言ってくれればわかったんだけどな~」

 

ああ面白い。先生の顔がどんどん真赤にそまっていってるのをみてケタケタわらっていると何人かに引かれた気がする。解せぬ。

 

「.......にゅやーーーーッ!!!逃げるわけありません!!期末テストであいつらに倍返しでリベンジです!!」

 

チョロい....

 

 

 

 

テストの成績で言えば今回E組は惨敗したと言っていいだろう。

 

だが、それでも俺らはこのE組であることに心の中で胸を張った――――――

 

 

 

 

 




藤原葵

英語:68
国語:80
数学:98
理科:94
社会:82

総合:422,E組2位

赤羽業

英語:98
国語:98
数学:100
理科:99
社会:99

総合:494,E組1位
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。