その辺を歩いていた令嬢を監禁してみた   作:るら

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女の子とHするだけの簡単なお仕事です

 

 

 

その子を誘拐しようと思い立ったのは、電車内でたまたま見かけたからだった。

 

 

 ある日の夜、俺は吊革につかまりながら、心地良い電車の揺れに身を任せていた。そして左手に本を持ち、それを読むふりをしながら、周囲に目を走らせる。丁度いい「獲物」がいるかどうかを確かめるために。

 

 俺の勤め先の動物園は安月給だが、こういう好みの女を探して調査するために時間を割けるので文句はない。ここのところ経営不振ではあるらしいが、俺の優雅な監禁ライフを持続させるためにも、もう少しもってほしいものである。

 

 そう思いながら、俺の右側に座っている少女に目を留めた。まず髪型は艶やかな黒髪を肩まで伸ばし、青いゴムで結んでいる。俺好みだ。肌は雪のように白く、容姿も整っていてグッド。胸は小さすぎず、しかし主張は控えめなところが可愛らしい。着ている制服から、この辺りの高校の生徒だということが分かった。

 

(よし、この子をターゲットにしよう)

 

 俺はこの道(監禁道)のプロである。今まで14回ほど女子を監禁してきたが、一度も捕まっていないし、失敗もしていない。俺の家に連れ込んでしまえばあとはこっちのものである。

 

 え? 監禁した後その女の子をどうするかって? ……流石に殺したりはしない。キャッチアンドリリース。数日家にいてもらって、やることをやったらお家に帰してあげる、いたって親切な誘拐犯だ。もちろん顔は見せないし、手がかりも残さないが。

 

 車掌のアナウンスで停車駅が知らされると、彼女は席を立った。自分の降りる場所ではなかったが、俺も同じように電車から降りて、改札を通った。

 

 俺はその子の後を尾行して、辺りの状況を探る。物陰が多い。人があまり歩いていない。とても仕事がしやすそうである。そのうちに彼女はある家に入っていった。なかなかの豪邸で、ひょっとしたらどこかのお金持ちのお嬢様なのかもしれない。俺はその表札を見て、その子の名字が「如月」ということを知った。

 

 

 

 

 結論から言って、誘拐は成功した。

 

 俺は綿密に調査を重ね、誘拐ポイントを決めた次の日の夜、彼女の帰宅ルートの途中に車を止め(レンタカーである)、待ち伏せていた。そして予想通り彼女が通りかかったところで車から飛び出し、悲鳴をあげられないようにその子の口を押さえた。

 

「………っ!?」

 

 その子が暴れ、もがくたびにいいシャンプーの香りが鼻をついた。腕力は俺の方がはるかに勝っているので、無駄な抵抗にすぎない。いじらしい抵抗を愉しむのも一興だったが、誰かに見られても面倒なので、さっさと片をつけることにする。

 

 俺は空いた右手でポケットから麻酔銃の弾を取り出すと、彼女の腕にぷすりと突き刺した。無論、健康に害が無いよう、きちんと麻酔薬の量を調整している。女の子は自分に何かが注射されたのと、それが麻酔薬であることを悟ったのか、悔しげな表情になる。しかしそのうちにくたりと倒れ、眠ってしまった。

 

作戦大成功! というわけで、後部座席にその子を載せ、先ほど暴れた時に落としたらしい鞄を拾うと、俺は意気揚々と自宅へ帰った。

 

 

 

 

 

 

俺は家に帰って「貴賓室」のベッドに彼女を寝かせた。上着を着たままでは寝にくかろうと思って、俺はブレザーを脱がせた。ブレザーはハンガーにかけ、クローゼットの中に入れた。

 

ことりと何かの落ちる音がした。

 

ぎょっとして振り向いたが、彼女がすやすやと無警戒に寝息をたてているだけだった。安堵して彼女の白いブラウスがゆったりと上下するのを見ていると、途端にその下にある彼女の肌を思うがままに蹂躙したいという欲望が頭をもたげてきた。

 

(待て待て。メインデッシュはまだだ)

 

 俺は手を引っ込めると、鍵を閉めて素早く出た。まずは彼女のことをよく知ってから行為に及ばねばならない。会話を楽しんでからの方が、気持ちいいのだ。

 

 俺は「貴賓室」ーという名の地下室であるーから出ると、彼女の荷物を物色した。人の持ち物からある程度情報を得ることができるのだ。

 

「……へえ」

 

 フルネームは如月雪音。制服から分かっていたことだが、この県でもなかなかの高偏差値の学校へ通っているようで、ノートやそこに偶然挟まっていたテストを見るに、頭は良いらしい。そして財布の方には2万円と、高校生にしてはかなりの金額が入っている。成績優秀な深窓の令嬢といったところか。

 

 そんな人生ヌルゲーで、恵まれた彼女がこんなところに監禁されるのだから、人生は分からないものである。俺も気を付けなければならない。

 

 俺はスマートフォンの電源を入れ、「貴賓室」の監視カメラの映像を見た。本来はシャワーシーンの録画(これも重要)のために用意されているのだが、別の目的もある。安全確認である。

 

 あの部屋には監禁している女の子が暇にならないよう本や携帯ゲーム機などを用意してあるため、それを武器にして不意を討ってくる可能性があるからだ。普通はそれほどガッツのある娘はいないが、1度だけそんなことがあって、俺は前もって用意していたスタンガンで(紳士であろうとする俺にとって不本意ではあるが)制圧し、目的を遂げたことがある。

 

 映像の中で、ちょうど雪音が目を覚まし、周りを見回し始めた。襲った時のような警戒心はなく、落ち着いているようである。少しこの子は鈍いのだろうか。

 

 とりあえず俺は彼女と話すため、地下へ下りた。もちろん顔を見せるわけにはいかないので、マスクとサングラスを付ける。「貴賓室」の扉を開けると、雪音はびくりとしてこちらを見た。

 

「こんばんは」

 

「………あなた、誰?」

 

「お前をここに連れてきた者だ」

 

 そう言うと、雪音は警戒の度合いを引き上げたようだった。顔に怯えの色が浮かんでいる。彼女は、絞り出すように訊いてくる。

 

「……身代金目的?」

 

「お前の家ってそんな金持ちなのか?」

 

 そう訊き返すと、雪音はこくりと頷いた。

 

「多分頼めば3億くらい余裕で出すと思う」

 

 それを聞いて、俺は心がぐらついた。身代金を貰えれば、働かずに監禁道に専念できる。だが……一度でもその理念を曲げて身代金目的の監禁に切り替えた瞬間、俺は道を踏み外したことになるだろう。

 

「俺は……そんなことのためにお前をさらったんじゃない」

 

「じゃあ、何のため……」

 

「お前とセックスするためだ」

 

 雪音は少し呆気にとられていたが、やがて、「何だ、それならいいや」と答えた。

 

「はあ?」

 

「というか、これからしばらくここに居させて。ずっと勉強から解放されたいと思ってたの」

 

「……そうか。まあどちらにせよ、お前の身体は俺が好きな時に好きなようにさせてもらうからな」

 

「お好きにどうぞ。まだ私の婚約者よりはましだから」

 

「婚約者いるのか? 高校生なのに?」

 

「いるの。お父様がこいつがいいって言って勝手にね。肝丘京太郎って言うんだけど。あれよりあなたの方が遥かにいいわ」

 

「あ、そう」

 

 俺はそれを聞いて、雪音とやろうという気が萎えてしまった。これほど彼女に抵抗がないのは予想外だった。男の侵入を嫌がる雪音と無理やりまぐわうイメージが、完全に破壊されてしまったのである。イメージが完全でない状態では、最高の行為は望めない。適当に性処理をしてもいいが、それは俺のポリシーに反する。レイププランを練り直さなくてはならないだろう。

 

「……今日はもういい。夕食にするか」

 

「あ、私ピザ食べたい」

 

「なんて?」

 

「ピザ食べたい。宅配ピザ。1回も食べたことなくて……皆食べてるんだけど。お父様は和食派だから、朝ごはんもお弁当も夕食も全部和食なの」

 

 思ったより厳しい、というよりもヘンな家庭だったようだ。それでちょっとずれた娘に育ってしまったのだろう。しかしそもそも雪音の貞操観念がもっとしっかりしていれば俺も今頃は楽しく行為にふけっていたはずである。如月家の父に一言もの申したい。

 

「分かった。今日はピザにしよう。その辺にある本とか漫画読むか、ゲームしてて待ってろ」

 

「あ、これが噂に聞く漫画……。どうやって読むの?」

 

 箱入り娘か。今時漫画を読んだことない日本人など、トキなみの絶滅危惧種だろうに。

 

 俺が読む方向を教えると、雪音は礼を言って、真剣に読み始めた。俺はそれをしり目に、出前を頼むためにそろりと部屋を出て鍵を閉めた。

 

「妙な娘拾っちゃったなあ」

 

 もっと怖がれよ! 嫌悪を露わにしろよ! イメージが崩れるじゃないか! ……と叫びたかったが、さらったものは仕方がない。しかも雪音のプロポーションは俺の理想だし、何もしないで解放するのは勿体なすぎる。男として、せめて1度は一夜を共にしなくてはなるまい。

 

 雪音を犯すイメージを構築しようと四苦八苦しながら、俺はピザ屋へのダイヤルを回した。

 

 

 

 

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