StrikerS Sound Stage X After   作:宮永 悠也

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思わせ振りなドクターの一言で終わった1話。
その続きでございます♪
どうも宮永悠也です♪1話で名乗っていませんでしたね( ̄▽ ̄;)何故か2話目の前書きで自己紹介です(笑)
第2話 選択 そのタイトル通り、いろいろな選択を迫られるお話です…。
ドクターの言う選択に注目してご覧ください。


02 選択

急なドクターのひとこと……。

続けて放たれた脈絡も何もない唐突な言葉に、

ギンガはおろか我々も一瞬思考が停止した。

 

 

ギンガ「一体…、何のことですか…?」

 

スカリエッティ「君の判断が重要になる…。君は正しい選択をするべきだ…♪ギンガ捜査官…♪」

 

 

放たれた言葉についてギンガは聞き返すが、ドクターはその問いに答えず話を進め続ける。

不敵な笑みは崩さぬまま、声のトーンだけを落とし、ギンガに言葉を投げ掛ける。

 

 

スカリエッティ「ここから先の数分…、

捜査官殿には席を外してもらいたい…♪」

 

ギンガ「なっ…!!?」

 

 

口から紡がれた言葉は誰もが予想だにしなかったモノであった。皆、驚愕した。

当然だ…。驚かない方が不自然と言える…。

虜囚の身であるドクター側からの唐突な提案、というよりこれは暴案である。

今、こうして我ら姉妹が通信越しとはいえ会話出来ていることさえ、ギンガの完全なる好意によるものなのだ。

それを不敵な笑みを浮かべたまま、言い放っている。

 

そもそも我らは全員罪人であることを忘れてはならない……。

ただ別の選択肢を選んだが故に、

このような状況へと分け隔てられているだけで、

我々は皆、同じく罪人だ……。

ガラス越しの牢獄で、中にいるか外にいるかの違いがあるだけなのだ……。

 

檻の中にいる罪人【ドクター達】、

檻の外にいる罪人【私達】、

そしてそれを見張る監視官【ギンガ】、

今の私達は、大まかに言ってしまえば、

こういう立ち位置に変わりないのだ……。

一番重要なキーである監視官【ギンガ】に、席を外すように檻の中の罪人【ドクター】が促しているという今の状況……。

ハッキリ言ってこんな暴案が通るはずがない。

 

 

ギンガ「それは……、出来ません……。」

 

 

当然の選択……。

これが正しい選択でなくて何だと言うのだ…?

ここでギンガがいなくなる意味を理解できない程、

ドクターも酔狂ではない。

なら何故…?何故そんな暴案を提示したのか…?

ざわざわと嫌な感覚だけが妙に背筋に残る。

 

 

スカリエッティ「ふむ…。やはり無理…、か…。

く…、くく……♪」

 

 

ドクターは肩で笑う……。

その様子は不気味と形容するに相応しい。

 

 

ギンガ「な、何が可笑しいの……?」

 

 

ギンガは困惑する。

我々にもドクターの提案と不気味な笑みの真意は分からない。

 

 

スカリエッティ「いや…、君はどう思うね…?

クアットロ……♪」

 

クアットロ「え?私ですかぁ?ドクター…?」

 

 

また脈絡もない言葉を、次はクアットロへと掛ける。

クアットロは頬に手を当て、思考を開始する。

やがて数秒の後、気落ちしていた先程とは一転してニタリとした毒々しい笑みがこぼれ、視線がギンガへと向けられる。

 

 

クアットロ「あ…♪ふふ…♪サーティーンちゃんってばひっど~い♪やっぱりそういうことなんだぁ…♪」

 

ギンガ「な、何…?」

 

クアットロ「口ではなんだかんだ言いいつも~♪

結局はチンクちゃん達のこと……、、、

【信じてない】ってわけよねぇ……♪」

 

 

ギンガ「!!?」(ビクッ…!)

 

 

チンク・ノーヴェ・ウェンディ・ディエチ

「……っ!!?」

 

 

これは、実に巧妙だ……。巧妙すぎる……。

ドクターの放った正しい選択を問われるとは、

つまりこういうことだったのだ。

ここでギンガが提案を断るということは、

私達姉妹を【信じてない】ということに直結するのだとまさに今、クアットロを通じて確定付けられてしまったのだ。

 

短い時を過ごした私達にも、ギンガの優しく裏表のない性格は伝わっている。

姉としてとても素晴らしい存在だとも…。

だが、ドクターはそれを利用しに来た…。

そういった感情につけこむスペシャリストであるクアットロに狙い澄まされた。

 

これがただの挑発程度の物ならば、ギンガは動揺することなく、切り捨てただろう…。

だが、これはただの挑発とは訳が違う…。

【信じていない】という確付けを無意識的に今、埋め込まれたからこそ出来た立派な交渉なのだ。

 

 

スカリエッティ「どうかな…?ギンガ捜査官…♪

ついでというにはおこがましい限りだが、頼まれてはくれないかな……?」

 

 

勿論、我々はドクターのこれを断ったからといって、

ギンガに対し不信を疑うことはない。

けれど、ギンガにとってそうではないからこそ、

この交渉は巧妙であり有効に成り得てしまうのだ。

 

ギンガも信じてくれているだろう。

我々がその程度で不信を疑うことはない…、と。

ただ、可能性がどうしても捨てきれない……。

人の事を想いすぎるギンガにとって、

もし【信じていない】と思われてしまったらが

心の中で消えずに残ってしまう…。

だから……、、、

 

 

ギンガ「ん……。分かり…、ました……。」

 

 

ギンガは、こう答えてしまう……。

ギンガは、【もしもの可能性】を、

人を想いすぎるが故に捨てきれない。

 

家族になりつつある我々へ、ギンガは姉としての証明と信頼を守る道を選ぶことにしたのである……。

 

 

チンク「ギンガ……、、、」

 

ギンガ「チンク……、、、」

 

 

選択を変えるなら今だと…、私はそう告げようとした。

けれどギンガは、そんな私の言葉を遮り、小さく私の名前を呼ぶ。

 

 

ギンガ「ごめんなさい……、私は……、、、」

 

 

左手で右袖をぎゅっと掴みながら、ギンガは下を向く。

そして弱々しく、儚げに言葉を重ねた…。

その先の言葉を紡げないまま、ギンガは口を閉ざしてしまう。

その先の言葉を察することは容易であったが、私はこれ以上、ギンガに重い言葉を紡いでほしくなかった。

私は、ゆっくりとギンガの左手を取り、頷く。

 

 

チンク「心配しなくてもいい…♪私達は理解(わか)っている…♪」

 

 

ギンガ「ん…。ありがとう…、チンク…♪」

 

 

私はそれだけ告げる…。

それに対し、ギンガは、ただ「ありがとう」と返してくれた。

これだけで私達は理解を共有できる…。

多くを紡がなくても大丈夫なんだと安心し合えた…。

 

 

ギンガ「5分…、いえ、10分席を外します。

それで、いかがでしょう……?」

 

スカリエッティ「ん…♪嬉しいね…♪正しい選択に感謝するよ……♪」

 

 

毅然とした態度で言い放つギンガに対し、

ドクターもまた変わらず不敵な笑みを返しつつ答える。

 

 

ギンガ「では……、、、」

 

 

[ヴィィィ……ッン……!!!]

 

 

そう告げ、ギンガは扉の外へと出ていく。

扉が閉まる直前、小さく笑みを浮かべて軽く手を振るギンガに私達も各々小さく応えた。

 

さて……、、、、、

 

 

スカリエッティ「水入らず…、とは言えないな…♪

ここは常に映像で監視されている…♪

今でこそ音声は記録されていないけどね…♪」

 

 

ギンガが席を外し、張り詰めた空間を割いたのはドクターのひとこと…。

 

 

クアットロ「無粋も無粋…、あの子が席を外そうが外しまいが同じこと…。ですよね…♪ドクター…♪」

 

スカリエッティ「ああ…、まさにその通り…♪」

 

 

続けて空間を割いていく。

クアットロとドクターの会話が途切れることなく、咳を切ったように溢れ出す。

 

 

スカリエッティ「だが、全く同じではない…♪

大きな意味がある…♪彼女がここにいないのは都合がいい…♪」

 

クアットロ「うふふ…♪そおですねぇ…♪少なくとも息が詰まるような思いをしなくて楽です…♪

緊張感がこっちにもビシビシ伝わってきて、ほんと窮屈~♪」

 

 

痺れを切らした私は、自ら会話を遮断することにした。

 

 

チンク「出来れば、話は我らが姉妹ドゥーエの追悼の後にでも…。ギンガが与えてくれた時間を無駄にしたくはない……。」

 

スカリエッティ「うむ…♪実に最もな意見だ、チンク…♪だが、私はそれに異を唱えよう…♪」

 

チンク「は……?」

 

スカリエッティ「優先すべきことが他にあると言っているんだよ…♪それに…、選択をするのはまだまだこれからなのだからね…♪」

 

 

ドクターは相も変わらず、意味不明な切り返しで会話を歪ませる。

何を言う気なのか、不気味な笑みを維持したままでは意図を読み取ることなんて出来はしない。

 

 

ノーヴェ「いい加減にしろ!!あんた何が言いてぇんだよ!!!訳わかんねぇんだよ!!!」

 

 

たまらずノーヴェも話に割り込む。

先程のギンガの件もあり、ノーヴェの苛立ちはピークに達していたに違いない。

身を乗り出してドクターへと明らかな苛立ちを露にする。

 

 

ウーノ「ノーヴェ…!ドクターへのその物言い…、改めなさい……!」

 

 

ノーヴェのドクターに対する過ぎた物言いに、

静かに怒り制止を求めるウーノ。

それを鎮めたのは、またもやドクターの言葉だった。

 

 

スカリエッティ「いや、そうだね…。私もいささか言葉遊びが過ぎた…。これは私の落ち度だよ、ウーノ…♪」

 

ノーヴェ「あぁ…?」

 

ウーノ「ですが……、、、」

 

 

ドクターが妥協し、非礼を詫びるような態度を取って、ノーヴェの怒りを鎮めた。

聞き分けの良すぎる不自然さに逆に不安を覚える。

ウーノは、納得のいかない顔で言葉を続けようとしたが、ドクターの手前、最終的には飲み込んだ…。

というよりも、ドクターが言葉を続けたからというのが正しいか……。

 

 

スカリエッティ「時間が惜しいのは私も同じさ…♪

【私達】に猶予はそれほどないのだから…♪」

 

チンク「………私達…?」

 

 

ドクターが【私達】に妙に強くアクセントを付けて言い放ったことに対して違和感を感じた。

その違和感の正体について、ドクターはゆっくりと語っていく……。

 

 

スカリエッティ「【私達】というのは紛れもなく【私達】のことだよ…♪私と…、その可愛い娘達…、勿論……、君達を含めた…、ね…♪

猶予がない…。そう、【私達】には猶予がない…!

しかし、選択を誤らなければ我々にはまだ未来がある……♪」

 

ノーヴェ「だ、だから!何言ってんだって!!」

 

 

わからない……。

ドクターが何を伝えようとしているのか……。

 

 

いや、違う……。

 

 

理解したくないのだ……。

さっきよりも嫌な感覚が、頭に響いてくるから…。

何かひどく苦しい選択…。

それを強いられるのが分かる……。

ドクターの口から告げられる……。

 

 

スカリエッティ「簡潔に伝えよう……。

チンク、ノーヴェ、ウェンディ、そしてディエチ…。」

 

 

チンク「………ん。」

 

ノーヴェ「あ……?」

 

ウェンディ「???」

 

ディエチ「ん……。」

 

 

スカリエッティ

「ここからの脱獄に……、手を貸してほしい……♪」

 

 

チンク「…………なっ!!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ご愛読ありがとうございます♪作者の宮永悠也です♪
どうでしたでしょうか?第2話 選択…。
最後まで読んでいただけた方には分かると思いますが、突拍子もない展開が続いております(笑)
そこはオリジナルストーリーなのでご勘弁を♪

結構大袈裟に書きすぎている描写とかもあるんですが、やはり展開を大きくするにつれて、含みがあるかの、ような描写が好きなのでこういった形になります(笑)
なのでいつのまにかボリュームが大きくなって読むのが大変だったり( ̄▽ ̄;)

今回のこの2話では、それぞれのキャラの性格描写というのを重点に描きました。
言わずもがな、ギンガさんに関しては相当描写に悩みました。
物語の構成上、これまた勝手な性格描写になっていることはお許し願いたいのですが、本当のギンガさんでも、この時期のこのタイミングならああいう考えを持つかなー、とか深く考えながら描いたので自分的には満足です♪

文章の書き方についてお話させて頂くと、
私は、基本大事なワードだったりする所は【】←このかっこを使います。
あと、台詞のあとに多用している …… ←これ。
これは、冷静な台詞だったり、間を取るような話し方をするキャラによくつけています。
これが無いところは、割りとすっぱりと言い放っていたり、普通のテンションの台詞だったりします。
真剣な口調とか、テンションが低めな時の台詞描写はあれを使いますね♪

あとがきが長くなって参りましたのでここいらで終了させて頂きます♪
感想やご質問、ご指摘など頂ければ幸いです♪
ここどういうことなの?とか、ここの描写わっけわかんねぇよん!とかありましたらご遠慮なくメッセージお願いします♪
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