誤字・脱字、感想等書いてくれると喜びます。
自分の中ではこうしたいと軸を設けても、登場人物が自由に動き回れる様にしたいと思って話を書いているので予想を超える展開(今回登場するオリキャラとの絡み)が続いて書いている側としても楽しいです。
二人の立ち合いから3日が過ぎた、魁はまだ眠り続けたままだった、あの後大友様・立花様・今川様は一度自分の領地に帰って行った、三人ともまた来るとの事だ。医者によれば出血が酷いらしく起きても暫くは絶対安静らしい、元々魁の部屋は御所内では経年劣化が見てきた区域の部屋だったため軽い改装を含めて、ヨシテル様の部屋で休んでいる、医者やミツヒデ様からは部屋を用意すると言ったがヨシテル様は自分が怪我をさせてしまったと責任を感じている。
「ヨシテル様、失礼します。」
ミツヒデ様が部屋へと入ってきた、ヨシテル様は日中の仕事は魁の部屋を借り、食事や就寝は義昭様の部屋で取っている。この事に関してヨシテル様は、義昭様と過ごす時間が少し増えて魁には申し訳ないが嬉しく思っている。
「魁はまだ目覚める気配はないですか?」
「ええ、呼吸は落ち着いているのですが、やはり出血や体力の消耗が激しかったようです。」
「そうですか…」
前と変わらない報告を聞いて落ち込むヨシテル様、自らの手で魁を傷つけてしまった責任の他に彼の部屋で執務をしている内に様々な事が分かっていった。
「魁はいつも私の元に報告書を持ってくる時、ソウリンが前に持ってきた南蛮の書物よりも少し薄い位の量でした。私は魁の仕事量はそんなに多いものではないと思っていました…」
そういいながら部屋の棚を見渡した、棚には隙間が無くほとんどが本として書き写された報告書や予算表だ自分の趣味として読んでいる本は20冊程しかない
「魁がちゃんとまとめてくれているお陰で私達の負担も少なくなっていたんですね」
「はい、魁殿は魁殿なりの考えで私達の役に立とうとしてたんだと思います。」
「私も…考えを改めなければならないのかもしれませんね」
そう言って目を閉じて意を固めたヨシテル様
「ありがとうミツヒデ、今日の仕事はこれで終わりましたのでお互いゆっくり休みましょう。」
「はい」
閑話休題
ヨシテル様の部屋では魁の様子を見に義昭様が来ていた
「義昭来ていたのですね…」
「姉上」
ヨシテル様は義昭様の隣に座り眠っている魁を見つめた
「今日は魁と一緒に食事をする日でしたので、魁が起きていたら一緒に食べましょうって言いたかったです。」
「皆驚いていましたよ、人前に出ることの無かった魁が貴方と食事を共にして、魁の笑みを見ることが出来たんですから」
「私も魁のはにかんだ笑顔は今でも覚えています、何と言うか凄い優しい雰囲気が出ていて、何気ない事やお互いの事を話し合ったりして食事を終えた後でも魁は私の相手をしてくれました。姉上やミツヒデが忙しい時には勉学を教えてくれたり、外に連れ出してくれました」
「まるで兄弟みたいですね」
「魁がそれを聞いたら倒れてしまいますよ」
クスクスと笑いあっているとミツヒデ様が部屋へと入ってきた
「御二人共食事の準備が出来ました」
「ありがとうミツヒデでは義昭いきましょう。」
「はい」と返事をして義昭様は部屋を出たヨシテル様は部屋を出る前に魁の方を振り向いた
「魁が目を覚ますのを皆待っていますからね」
そう言って部屋を後にした
『…ここは?』
気がつくとそこは青々とした草が生い茂る草原だった風がふくたびに草木は波のように揺れ空には白い雲と青空が広がっている
『僕は確かヨシテル様の雲切で…』
自分の頭の中を整理する、僕はあの後ヨシテル様に持ち上げられたのは覚えている、ただこの草原は行ったことも、見たことが無い
『死んだのか…』
「そんなわけ無いじゃないか」
声の聞こえる方に振り向いてみるとそこには袖の長い白と青い色の着物を来た女性がいた
『あな「あなたは?何て言うとは私の事を汚しておいてよく言えるなぁ」』
『なぁっ!?』
「そうだろう君に乱暴に入れられたせいで私は血に染まってしまったんだからな」
よよよ…と言いながら口元に手を抑えている
『あの何と言うか覚えが無いのですがごめんなさい、僕自身会ったことも覚えていない人に酷い事をして本当にごめんなさい』
「うん、覚えてなくて当然さこうやって会話するのは初めてだもの」
『へ?』
魁の謝罪に対して何事も無かったかのように振る舞っている、その言葉に対して魁は声を出さなかった。鳩が豆鉄砲を喰らった様な顔をしていた。
「ははははははははっ!」
『騙したんですか!?』
「ごめんごめん、まさか信じると思ってなかったからw」
謝りながらもまだ笑っている女性は落ち着くと改めて魁にこう告げた
「改めてましてだ、こうやって会って話すのは初めてだね魁、ここは君の精神いわば心の中だ。今私はここでしか話す事が出来ないから君の意識を縛り付けて会話を試みようとしたが君が目を覚ますのに時間が掛かってね…まぁその分色々調べることが出来たけど」
心の中かそれなら合点がいくこの心地良さが何よりの証拠だ、多分この人は俺の一番落ち着く世界をイメージしているのかもしれない
「自己紹介がまだだった、私は国綱だよ」
『国綱?ってまさか!』
「君の予想は当たっているよ、そう鬼丸国綱の思念さ!!」
目の前にいるのはヨシテル様のもつ愛刀であり天下五剣のうちの一つ鬼丸国綱だ足利家に伝わる家宝の一つであって強力な霊気を秘めている刀だ意志があってもおかしくない
「いやはや君のその真っ直ぐな所はからかいがいがあって良い、私の主に一矢報いる事が出来たのも頷ける。」
『でも肉を断っても骨は砕くことは出来なかったですけど』
「まぁそう気を落とさないで、私としては主の頭を思いっきり地面にたたきつけたところなんか上出来さ」
気を落とす僕に励ましの言葉を掛けてくれているのは嬉しいのだが聞きたい事は色々ある
『あの、どうして僕に会いに来たのでしょうか?』
「まぁそこは気になるわよね、いいわ君の聞きたい事を全て教えてあげよう」
「一つ目は何で君に会いに来たから、これは理由が二つあるから一つ目ね簡単に言うと君が主との立ち合いで私が刺さり、大量の霊気が君の体に流れ込んだのが原因だ」
「二つ目は、君の体質が気になったからだ何せ法術に必要な自然エネルギーを自分の肉体に取り込む事が出来る、しかも私の霊気も例外ではなかった。」
『えーとそれってつまり』
考えられることは一つ僕が取り込んだ大量の霊気それは鬼丸国綱本人が吸い込まれてしまったという事なのだ、だから彼女は此処にいるそう考えるのが自然なんだ
「その様子だと結論にたどり着いたようだね、君は頭がいいなぁお姉さんが撫で撫でしてやろう」
そう言って彼女は後ろから彼にしがみつき頭を撫でた
『あの恥ずかしいです鬼丸国綱殿…』
流石に撫で続けられて顔が赤くなっていく
「そんな他人行儀はやめて国綱と読んでくれたまえ」
『で、でも』
「呼んでくれるまで撫でるのを止めないぞぉ~」
『わ、分かりましたから撫でるのを止めて下さい国綱さん!』
「やはり君はからかいがいがある、その弄られ具合はもはや天性の物だ」
そう言いながら魁を離した
『そんな不名誉な物入りませんよっ!』
「ははははごめんごめん、まぁ話を戻すと君が目を覚ますまで私自身閉じ込められていて、暇潰しに君の記憶を調べていく内に興味が出てこうして本人と話そうとおもってた。」
そうやって話し込んでいる内に魁の体が光だした、理由は一つだここが魁の精神の中ならこうして意識を取り戻したと言うのなら肉体の方も目を覚ますと言うことだ
『何と言うか楽しかったです。』
「私も同じだよ、主の事ちゃんと支えてやってくれ私自身が君の力になれることは少ないがあちらでもよろしくね」
そう言って国綱は手を振って光に包まれて消える魁を見送った
「魁、君はこれから沢山の戦いを経験していく、その中で自分の運命の分岐点に直面するけどきっと…いえ君は喜びや悲しみ時には絶望する事だってある、でも主や義昭にミツヒデ、色んな人達と出会いを重ねて真っ直ぐに育ってくれ」
そう言って国綱も光に包まれて消えていった、この景色を形作った本人が居なくなった草原は後少しすれば消えるだろう、だが風や波の様に揺れる草木はまた何処かで感じることが出来るだろう、草原を渡る風は一度愛した者を見放しはしないのだから
翌日、日も真ん中の位置まで上った頃全ての政務を済ませ魁の寝ているヨシテル様の部屋へと向う義昭様、途中ヨシテル様、ミツヒデ様と会い一緒に向かった。
「魁、起きていますかね?」
義昭様がヨシテル様に訪ねた
「お医者様によるといつ起きてもおかしくはないと言っていたので、やはり魁の回復次第かもしれません。」
「そうですか…魁が起きたらまた一緒に食事をしたかったのですが」
そう言いながら廊下を歩き続けヨシテル様の部屋の前に着き襖を開けた
『えっと、おはようございます。そのどうして僕はヨシテル様の部屋で寝ているのでしょうか?』
そこには目を覚まし布団の上に座っている魁がいた
「「「魁っ!!!」」」
『え?は、はいっ!』
三人に自分の名前を呼ばれ返事をしてしまった。いや国綱の言うとおりなら多分長い間眠っていたから心配してくれたのだろう、しかし僕を休ませるにしてもヨシテル様の部屋に連れて行かれていたとは…
「良かったです。ずっと起きてくれなくて、僕てっきり死んでしまったかと」
「お主と言う奴は皆にどれだけ心配を掛けたと思っているのだ、本当に目覚めてよかった。」
二人とも小粒の涙を浮かべながら僕の元へと詰め寄ってきた、あの時自分のやった事が原因というのもあって罪悪感がある
『二人とも本当に心配かけてしまいすいません。それにヨシテル様も』
「…」
ヨシテル様に話かけても返事がなかった。
(あの様な事をしてしまったんだ怒っているのは当然だろうなぁ、ここはちゃんと謝罪をしよう)
『あの、ヨシテルさ「馬鹿っ!」』
ヨシテル様が凄い勢いで抱きついてきた、魁の顔の横で「馬鹿ぁ」と泣き出しそうな声で更に強く抱き締めてきた
『ヨシテル様、ご心配お掛けてしてごめんなさい』
今回の件で一番悲しませてしまったのは他でもないヨシテル様だ、今の僕に出来る事と言えば…
そう言って魁はヨシテル様を抱き締め返して頭をなでた
「本当に魁は大馬鹿です。御所で周りの者達の態度なんか気にしなくていいんですっ!松永の部下だったから何なのです!魁は魁のままでいいのですよっ!!松永の事をずっと慕っていたって構いません!だからって貴方は人に頼らないでずっと一人ぼっちで過ごして…そんな辛い道をずっと歩き続けて、辛かったですよね?」
涙を流しながらヨシテル様は自分の思いを打ち明けた
「ごめんね、ずっと気付いてあげられなくて」
『…そんな事ないですよ、ヨシテル様』
「魁?」
『僕はヨシテル様に「ここにいても良い」って言われた時、とても嬉しかったんですよ、松永様がいなくなって居場所が無くなった僕にヨシテル様はちゃんとここにいても良いって、義昭様やミツヒデ様も僕と食事の席を共にしてくれました。だから僕はヨシテル様と義昭様についていくと決めたのです。』
僕とヨシテル様、2人の思いを打ち明けあっていくヨシテル様だって話を持って天下を結ぶそんな事、無理に等しいと感じていても最善の道を選んだ、だからと言って僕はそんな事許さない、主君一人が辛い思いをさせるのは家臣としてはあってはならないんだ
「ありがとう、魁。お陰で胸の内が楽になりました。」
『こちらこそ本音で話してくれてありがとうございます。』
そう言ってヨシテル様の頭をなで続けていたらミツヒデ様が咳き込んだ、義昭様も頬を赤くしてうつむいている
「お二人共その様な事をされては困ります。それに魁は家臣なのですからちゃんとした距離感をわきまえてください」
徐々に頬を赤らめていくミツヒデ様の言葉と共に二人も自分達のしている事の重大さに気付いて離れた
「えっと姉上と魁も皆でご飯を食べましょう」
「そうですね///今日は4人で食べましょう…ね、魁 」
『はい///』
そう言って4人は部屋を出て義昭様の部屋に向かおうとした
『?、風か…』
ふと小さく風を感じた魁は何かを思い出した
(国綱さん、僕は精一杯ヨシテル様を支えていきます。ですからこれからも近くで見守っていて下さい)
「魁~、おいていきますよぉ~」
廊下で立ち止まっている魁にヨシテル様が呼び掛けた
「はーい!」