オリ主が周りから認められるお話
ネタバレを言うと次回は宴回でヨシモーに脱がされます。
僕が目を覚ましてから1週間がたった。
法力の力の影響かそれとも国綱さんの霊気によるものか傷口は完全に治っていた。幼い頃から父さんと法力の特訓をしていたが 仕組みのことしか知らず、なぜ使えるのか等全く知らないそれが神秘の力と呼ばれるのかもしれないのだろうが…
それでもお医者様やヨシテル様や義昭様は政務は暫く休んで下さいと言われていた。この1週間街を歩いたり、何もせずゆっくり過ごしたり、暇を見つけては義昭様が部屋に来てくれて一緒に外を歩いたりした。
『ヨシテル様、魁です。』
「はい、どうぞ入ってください。」
そう言われヨシテル様の部屋へと入った、文机の書類を片付けた後机を端へと寄せ正座していたので、自分も正面に正座した。
「今日は大事な話しがあって呼びました。何か判りますね?」
『はい』
「私があなたと手合わせしたのは、覚悟を示して欲しいと言いました。」
『やっぱり駄目…ですか?命を投げ出すようにするのは』
あの時の鬼丸国綱を体で受け止めて攻撃する手段は、「肉を切らせて骨を絶つ」と言えば聞こえはいいかもしれないが、あの時は無謀に近い賭けだった、僕のした行いは、対話による泰平の世を目指すヨシテル様の理想とは程遠い行いだ。
「確かにあの様な危ない真似は控えて下さい、私や義昭達の身が持ちません、貴方はもう此処には無くてはならない存在なのですよ。」
『そんな事』
「ありますよ、だって義昭があそこまで心を開いているじゃないですか、私が仕事で会えない日は義昭との約束に関係なく、食事を共にしてくれたではありませんか」
『バレてたんですね』
「義昭が嬉しそうに話してくれました。最近では勉学を教えてくれるようになった言っていましたよ。」
最初は食事を共にするという約束だけだったが、食事を終えて部屋を出ようとした時、寂しそうなの表情の義昭様見ていられなかった。将来幕府を治める将軍としてでは無く一人の子供なのだ、家族や親しい人と仕方無いとはいえ日常の中で全く話せない日もある、それに自分も親しい人と話せないという苦痛はよく知っているだから放っておけなかった。
「魁は優しいのですね」
そう言って僕に優しく語りかけてくれる、この方はいつもそうだ暖かい心の世界で国綱さんと会った時の雰囲気に似ている、あの時御所を出て故郷に帰っていたらこんな感覚は知ることは無かったと思う。
『ヨシテル様にそう言われて嬉しく思います。』
「話がそれてしまいましたね、単刀直入に言うと魁の提案を受ける事に決めました。」
『ほ、本当ですか!』
「ええ、私もずっと悩み続けてきましたが答えを出すことが、ただ話合うだけでは駄目だと、力を、そして想いをぶつけなければ行けない魁との手合わせで理解出来ました。」
武人とははそういう物なのだ、言葉には無い想いを自分の力や技に乗せて戦う一言で言うなら不器用な人間なのだ…その代表的な人物が松永様だ、確かに天下を支配する為に立花様を利用するなどの悪逆を尽くしてきたが最終的には争いを無くし力による泰平の世を望んでいたのだろうか…まぁ本人が死んでしまって真意は聞くことが出来ないが
「魁が休んでる間、魁の部屋の書類を全て拝見しました。その中にこの書類が」
表紙には「極秘」という題とその下に、ヨシテル様・義昭様以外の者が開けた場合、げんこつ10発と書かれていた。
「各々の武将による代表戦、これが貴方が出した最善の結論ですね」
『はい、広い土地を必要としますがこれが大規模な戦をしないで済む方法だとおもってます。他の方々か納得するか分かりませんが天下統一を掛けた戦いなら黙ってないでしょう。』
ヨシテル様は何も言わず頷きながら聞いてくれた
「では、一度各地へ伝令を送りその後に日程を決めましょう。」
『わかりました。では』
「あぁ、魁待ってください。」
早速、書状の用意をしようと部屋を出ようとしたらヨシテル様に呼び止められてしまった。
「貴方の部屋、というより御所の一部の改修しているので完了するまで執務は無いですと言うより暫くは休養に専念してください。」
『どのくらいですか?』
「そうですねぇ…代表戦が始まるまでです。」
『長いですね…』
「今まで休まずに働いてくれたのです、三ヶ月程休んでも問題ないですよっ!」
笑顔で答えてくれるヨシテル様の言葉とは裏腹に自分の中では複雑な思いが渦巻いている、自分の今までやり続けた仕事は誰でも出来てしまう程簡単だったのかと不安になってしまう
「不安にさせてしまいましたか?」
『い、いえ』
僕の表情見たヨシテル様が察したのだろう
「魁が思うような心配はしなくても大丈夫ですよ、それに魁が丁寧に書状をまとめてくれたから他の人に任せることが出来るんですから、それにあなたには私の補佐とを頼みたいのです。」
『わかりました。』
「では魁には、姓をあげなければいけませんね」
『そんな僕には勿体ないですよ…』
姓とは高い身分や地位を表す言葉だ、元から名字の無い自分には無縁だったが
「遠慮しないでもいいのですよ」
『いやだからって名字も何も無い自分が貰うのも』
そんな押し問答を繰り広げるなかヨシテル様は冷たい様な言葉でこう言った
「へぇ…では魁は名字があれば問題ないのですね。」
『え?』
「ふふふ」と不敵に笑うヨシテル様は次の瞬間とんでもないことを言った
「では、今日から"足利 魁"と言う名前になって私の事をお姉ちゃんと呼んでくださいね♪」
『すいません、許して下さい。』
この言い合いはヨシテル様の完全勝利で終わった、流石は将軍である
「それに魁は私の補佐になるんですからちゃんとした身分を持たないと周りから白い目で見られてしまいますよ。」
『それは困りますね…』
只でさえ白い目で見られてる今これ以上周りとの溝を深めてしまうと此方の胃が持たなくなってしまうからなぁ、と言うか姓を受け取らなかったら逆に義昭様やミツヒデ様に怒られてしまいそうだ。
『ヨシテル様、貴女がつけてくださった姓を謹んで頂戴します。』
魁は深く頭を下げて感謝の言葉を言った
「そうですか…では貴方の姓と名字は「
ヨシテル様が「季節の四季とかけてみました!」とえへんと胸を張って言った。
「私と魁が手合わせをした時に魁がほうじゅつ?と言う力を使った時に雷は青、風は緑、炎は赤と色々な霊気を纏っていたと義昭が言っていたので、私の名前の「輝」を貴方に託しました。私と義昭二人で考えたので自信がありますよ!」
『その…ありがとうございます。』
「魁の笑顔久しぶりに見ました」
ヨシテル様の言葉に驚いてしまった、自分がそんなに無愛想な人間なのかと疑ってしまう。
「いえ魁が無愛想と言うよりは、私達の前では事務的な対応を取ることが多いのでとても珍しいのですよ、それに一部の侍女や兵達も基本的に無愛想で近寄りがたいと言っていましたし」
『そんな事いつ聞いたんですかっ!?』
「魁が寝ている間ですよ、手合わせの時に魁の陰口を聞いたと言う者がいたと今川殿が言っていましたのでこの際御所内の魁の印象を聞いてみようと思ったのです。」
僕が眠ってる間にそんな事をしていたとは、ヨシテル様の行動力が半端無いと言うかそこまでしてくれると自分自身が御所の人々との交流を怖がっていたと言うものあるが、それを疎かにしていた事が恥ずかしい
『本当に何もかもありがとうございます。』
深々と頭を下げて礼を言って、顔をあげるとヨシテル様の顔が目の前にあった、驚いて下がろうとしたがヨシテル様が頭の上に手を置いて撫で始めた
「前も言ったように魁は周りを気にしすぎですよ、もう少し楽にしていればいいのですよ」
『でも僕は…』
「ですから、私は気にしていませんよ義昭とミツヒデだって同じ事をいいます、だから周りを頼ってください貴方は一人で何でも背負いすぎですよ。」
『わかりました、僕自身これからき「気をつけますではなくちゃんと頼ってくださいね」』
はい、と返事をした瞬間ヨシテル様は再び頭を撫で始めた、こう言うのは誰かに見られると流石にマズいのでやめて欲しいと言ったら
「魁は私にこういうことをされるのは嫌ですか?」
と軽く泣きそうな声で言われてしまい断るに断れない、ヨシテル様が満足するまで他の人が来ないことを祈るしかない
「ヨシテル様ーっ!今日は南蛮のおかし、を」
「どうしましたソウリン様そのような所で固まっ、て」
お約束と言うのかこう言う時に限って人の想いは裏切られるのだ、しかも弁明が聞く義昭様やミツヒデ様ならまだマシだったが
「ほほう、お二人共なかなかやりますね」
「か、かかかか魁さんっ!?ヨシテル様もっ!!白昼堂々な、何をしようとしているんですっ!!!!」
案の定こうなる、立花様は何かを察してにやにやして、大友様は顔を真っ赤にして声を荒げて詰め寄ってきた
『大友様これh「いいじゃないですかぁ~こうやってスキンシップしているだけなのですから♪」ヨシテル様っ!?』
大友様の顔は更に赤くなりとうとう「ボンッ」と頭から煙が出て座り込むように崩れ落ちて気絶をした
「ヨシテル様、お二人をからかうのも程々にしましょう…」
「ふふ、魁の慌てる姿を見ているとつい」
立花様が「その気持ち分かります」と言う顔をして頷いたそうしてヨシテル様とくっついている僕の方に近付きヨシテル様と同じように頭を撫で始めた
「魁殿に申し訳無いですが、私もすきんしっぷと言うのをしましょう」
『立花様まで、やめてください』
「いいじゃないですか、ドウセツも魁の撫で心地の良さを分かってくれますよ 」
「そうなのですか?では魁殿の撫で心地を堪能させて貰いましょう」
そう言って二人は僕の頭を撫で始めた、ヨシテル様は時々頬を撫でたりしている、立花様は優しく、時折強く撫でたり指の間に挟めて櫛ですくように感触を確かめている、立花様は「これは…」や「なるほど」等と呟きながら撫で続けている
『あのお二人共…そろそろ』
「ヨシテル様が気に入るのが分かります。魁殿の髪の触り心地は癖になりそうです。」
「分かりますか、ドウセツ!この指に挟んで撫で下ろして行くと最後にはスゥっと離れて行く感覚がまたいいのですっ!!」
僕の願いをよそに二人は撫でるのをやめなかった
「魁殿はもっと髪を伸ばしてもいいと思いますよ、藍色の髪の毛がより綺麗に見えますよ」
『そう、でしょうか』
「そうですよ!魁も私やドウセツの様に腰辺りまで伸ばしたら凛々しくなります!」
『お二人が…そういうなら』
その後ミツヒデ様が報告に来るまで二人に撫で回された
「先程はすみませんでした。」
『いや、悪い気はしなかったのでお気になさらないで下さい。』
大友様はヨシテル様と二人だけで話をしたいとの事だったので立花様と城下町に出ていた、町はいつも通り賑わっており戦乱の最中とは思えない程だ。
「
『自分には勿体ない位ですけどね…』
「謙遜しないで下さい貴方は姓を貰うにあたいする覚悟を見せたのです、それに貰える物は素直に貰っておくべきですよ」
多分大友様の事を言っているのだろう
『ありがとうございます、立ば「ストップです!」』
「魁殿はヨシテル様の側近とも言える立場にいるのです、私の事も名前で読んで下さらないと示しがつきませんよ」
『え、とわかりました、ド、ドウセツ殿』
「はい」
こうして名前を呼ぶのは言いが道の真ん中でやり取りをしていたため、気付いたら周りの人達の注目を集めてしまった。
ドウセツ様も少し頬を赤らめていた
「若いわねぇ」
「魁様もすみに置けないなぁ」
老夫婦が二人をみて話していた
「かいさまとからくりのおねえさんラブラブだ~」
女の子にもからかわれる始末…
『ドウセツ殿、行きましょうっ!』
「あ、魁殿っ!?」
流石に居づらくなったのでドウセツ殿の手を引いてその場から走り出した、途中すれ違った人々から黄色い悲鳴があったが聞かなかった事にした。
御所前
「魁殿も強引な所があるのですね」
『流石に恥ずかしかったので』
そうして話していると御所から突然今川様が現れた
「お二人とも随分早いお帰りですわね」
『い、今川様今日はどうしてここに、わっ!!ドウセツ殿急に目を覆って何をって今度は抱き上げて何を!!!?』
「説明は後でしますのでついてきてください」
ドウセツ殿に目隠しをされ更にはお姫様抱っこをされて何処かに運ばれて行く、一体何が始まるのか不安で仕方がない
つづく