ポケットモンスター 夢追う者と去る者2 作:Blueクラーケン
私とウルが出逢って、世界を巻き込む『事件』が起きるまでの出来事。
これは、私が記者になって間もないことの記憶。
「はぁ?未解決事件の再取材ですか」
新人の私に、部長が企画した一面に任された。
「そうだ!今から、突如として爆発した孤島に向かってもらうぞメイ君」
「分かりました。頑張ります!」
ふんすと気合いを入れて、私は20年も前に突如として爆発した孤島へと取材しに向かった。
~第3章:『美女と魔獣』~
「此処がその現場ですか」
辺りには何かの機材やガラスが散乱していた。
しかし、『何をしていたのか』それについてはソースが分からない。
当時のこれを追っていた先輩は、取材しにいった翌日に行方不明となってしまい、企画は頓挫されたらしい。
「部長もこんな危ない件に、私1人で行かせるなんて信じらんない~」
予算が出なかったのか、女性1人だけで本当に取材しに行かせるなんて、私が襲われてもいいってかい!
「でも、爆発があったって聞いていたけど」
噂ではロケット団やギンガ団などの、悪の組織の人がここに訪れ何かを探しているのを、度々見たと。
「でも、どうやって記事にまとめよぅ。これと言ったものがない」
ただただ、時間が潰れる一方だ。足が疲れちゃうし、何も進展がないから精神的にも疲れが出始めちゃう。
「…女か?」
「え?」
今、後ろから声が聞こえた?
「いやいやいや、まさかね」
後ろを振り向いてみても誰もいない。疲れから来た幻聴なのかな?そう結論づけようとしていたが
「こんな所で何してんだよ」
「!?」
さっきまで見ていた所に、男性が立っていた。
「観光客ってぇ面ではねぇな」
その男性は赤いTシャツに黒のコートを羽織って私に近づいてきた。
「あのおぉ~。私、メイと申します。新米記者をしている者です」
直ぐ襲ってくる雰囲気を感じなかった。私は怪しい者ではないと伝えるため、先に名乗った。
「俺はウル。ここで番人をしている者さ」
番人?見張るべき『何か』があるの?
突然の出来事が多すぎて、頭がクラクラしてきた。
「・・・・・アンタは個々について何も知らないんだな」
「え?」
私には何の事だか分からない、けどウルは此処の何かしらの関係者であるのは明白だ。
「あ、あの。宜しければ教えてはいただけませんか?
この場所で何があったのかを…」
記者として、彼に聞き込みして知りたい。
この場所で何があったのかを。
「アンタ『それ』を知ってどうしたいわけだ?
金とかにあまり興味がないと思っていたんだがねぇ」
見破られている。確かに金とか興味がないし、ファッションにもさほど興味が…今の仕事に遣り甲斐を感じているから取材しに、来ただけなのだから。
「私は此処で起きた『真相』を知りたいんです。今はインターネットが普及して誰もが色々な情報を得られる時代になりました。だからこそ、私は真実を世に発信して良くしようと思っています」
多分あの彼に嘘は通じない、勘だけどそう感じ取れた。
だからこそ『正直』に話すのが正解だと思えた。
「辞めた方が賢明だ。記事にはとてもできるものじゃないからな」
「ど、どう言うことなんですか?」
「面倒くせぇがけど」ウルが頭をかきむしりながら文句を言っている。そこから間を置いて直ぐに
「…ちょっと、俺についてこい」
そう言われて、私はウルについていくことに
ガラスを踏み、パリパリと軋む。
「ここだ」
ウルが私に見せたかったのは、円柱型のガラスだった。
「あの!これが私に見せたい物なのですか?」
「そうだ」
でも、何でもない物が見せたかったとはどういう事なの?
私はウルの行動の意味が分からなかった。
けど、すぐにその答えも本人の口から語られた
「此処は人間の技術革新が生み出した『災厄』だ。人類が夢見た実験『クローン技術』が確立し、
『ミュウツー』が産まれ落ちた場所なんだよ」
ミュウツー、カント地方ーに生息していると言われている伝説のポケモン。
一度発見された後、詳細すら不明。ポケモンクラブでも数多くのファンを産み出したミュウツーの誕生の地がここだったなんて・・・
私は記者として、『最高のネタ』を手に入れたと舞い上がった。
「アンタが思っているほど、良いネタではない。これは革新でもあり、災厄でもあるといったろう?」
ウルは私の思考を読み取れる、超能力者なんだなと確信した。そう考えると何故か裸を見られている見たいで、無暗に考えられないじゃない。
「…俺だって好きでこの力を手に入れたわけじゃない」
「あ!何か言いましたか」
「いや独り言だ。気にするな」
「?」
ウルが小言で何か呟いていたけど、聞き取れなかった。
「ミュウツーを産むんでしまった要因『クローン技術』は、人が手を出して良い物じゃない。本来在るべき形を変える事は、いずれ破滅に導くものだから」
私は言っている意味をすぐに理解出来なかった。
『理解する』というのは簡単じゃない。それは自分が体感してやっと『理解』出来る。
だからこそ、私にはピンと来なかった。
「でも。これを世に出せば、保護団体が出来てミュウツーを保護してくれる可能性だってあるはずです。
クローン技術だって、資料を消失させれば」
少なくとも、ミュウツーの様な人工ポケモンは産まれてはこれなくなる。
安直な考え方だけど、やらないよりはマシだ。
「仮に資料は消えても技術は無くなることはない。欲する者が必ず出てくるからな。保護とは言うが、隔離した施設や檻の中で暮らすことがそのポケモンにとって幸せとは限らない」
「でも、何か記事にしないと上司に怒られちゃうんですけど…」
流石に手ぶらは不味い。
少し愚痴ってしまい、それを聞いたウルは「丁度いい。ミュウツーの事を黙ってくれるのならアンタの仕事、手伝ってやんよ」
コートの中から、ウイスキーのボトルを幾つか取り出してはそこら辺に投げた。入れ物はガラスなので割れ、この中から液体が流れ始めた。
「まさか、これって!」
「ああ、ガソリンだ。今から一体を燃やす、アンタは火を放つ前に脱出して消防隊に電話をかけていればいい」
どうやら、前から準備をしていたらしい。いい加減外にででやることを済ます為に、焼き払うとのこと。
「あ、あの!」
別れる前に私は一言
「また、会えますよね」
ウルにそう告げた。
彼は振り返らず前を向いたまま
「俺とアンタに…『縁』があれば、待たな」
そうして述べた後、走り出していってしまった。
私も言われた通りに、来た道を急いで戻り孤島から脱出した。
~翌日~
私はその後ミュウツーに関連した事は書き込まず、周辺に住む人達の孤島に関する噂や、昨日起こった火事の事を何処よりも早く仕上げた。
いち早く発行したこと、どの社より詳しく書き込んだ事で発行部数も上々だったそうです。
その甲斐があり、次の仕事を担当することが決定しました。
「これもウルのお陰様だよぉ~」
今は何処にいるのか解らないけど、また会えるといいなぁ。
~???シティ~
「・・・」
俺=ウルは先日起きた、事故について追っていた。
とりあえず、出逢いの話は短編に仕上げちゃいました。
ぶっちゃけた話、一話目は出会うだけですし…
二話目からは色々な事件や事故に巻き込まれたり、首を突っ込んだりしますので長くなります。
どうぞ、よろぴこ。
胸くそ悪い締め方が多くなります。ご覚悟を