ポケットモンスター 夢追う者と去る者2 作:Blueクラーケン
ピカチュウとニャース、次はどちらからとんでもない話になるのか・・・・
そしてあの少年は・・・・
「…悪の親玉も大変やね」
ピカチュウの精一杯の言葉だった
「サカキも『これは私の第二の天職だ!!』と毎日、生き生きしながら励んでいるニャス」
もしかしたらだけど、最初はノリノリで悪の親玉をしていたのかもしれない。
けど、次第に彼は疲れ始めていたのかも知れないなと悟るピカチュウ
「そう言えば、ジャリボーイ2号やカスミはどうしているニャスか?」
どうやら始まりの地。カントー地方の仲間が今どうしているのか聞きたかったニャスとニャースが言う
「タケシは、今ではポケモンの栄養管理人としてほぼ毎日講演会を実施。予約しても三年は待たなくちゃいけない」
一緒に旅を共にしてくれたのは、俺の一生の自慢であり誇りだ。
追記しておくと、タケシは孤児の子供達を育てる施設「All people are equal」を設立。更にはタケシプロデュースのポケモンシチューなど、ポケモン専用の食品を開発に着手。その功績は世界に認められ、ノーベル平和賞を最年少で取得する快挙を起こした。
「タケシは元々、俺達の栄養バランスを個々で見てくれた優しい人間だった。
あの男が賞を受け取って当然だ」「ソーナンス」
そんなタケシに、三人は敬意を込めて乾杯した。
「でも、彼は美人に見境なしに口説いてしまう欠点があるニャア。そこさえなければ完璧ニャニョに」
ピカチュウも苦笑しながら「確かにな」と呟く
でも
「でも、三年前にタケシ結婚しているんだよ」
「ニャニャニ!」「ソーナンス?」
「あ、相手は誰ニャス?めっちゃ美人なお姉さんニャスか?」
ニャースは驚きつつ、肝心の奥さんの容姿について気になっていた。
「いやあ、お世辞にも美人というわけではない。しかも年齢もさほど変わらないって言っていたよ。」
タケシは大の美人なお姉さんが大好きで、よくハルカやマサト、グレッグに止められていたっけ
「マジかニャス」
「ああ、俺も式に呼ばれて初めて見たよ。タケシを知っている仲間内からしたら不思議で仕方がなかった」
「ソーンナンス」
ソーナンスもお茶を飲みつつ、話を聞いてくれる
「だけど、彼奴が披露宴での話で理解したし、感動したよ」
「どんな事を話していたニャス?」
「ああ、それはな」
~三年前~
「え~この度、自分の結婚式に来ていただき感無量であります!」
周りにはカスミやシゲル、オーキドのクソジジイ。 ハルカなど、かつて交流のあった仲間たちが来てくれてた。
ただ一人マサラ人を除いて
「自分と旅を共にしたことのある仲間なら、「タケシが美人のお姉さんと結婚していないだとお」と驚いている人もいるかもしれません。確かに妻は世間一般からすれば美人というわけではございません。でも僕にとって誰よりも大切な人なんです。」
あのタケシが、ここまで大人になるとは思いも知らなかったよ。
「…一度だけ親父に自分の事について、相談したことがありました。」
「どうして自分に彼女がいないのだろうと。今にしてみれば美人に口説きすぎたのが原因だと、自覚し反省しています」
会場がシーンと静寂に包まれる。
「ですが、親父は母さんに指を指して「タケシ母さんは美人か?」って自分に問うんですよ。
自分は正直に「いや」と答えました。」
ゲンコツを食らってしまうと思ったと、タケシは思い返していた
「でも親父は、ただ「そうか」と納得していたんです。打たれる覚悟までしていたので、ちょっと不思議でした。でも親父は自分の両肩を両手でつかんでこう言ってきたのです」
「タケシ、世の中は美人じゃないとだめだというわけじゃねえ。結局は己自身が決めるんだ、周りは関係ない。
重要なのは容姿じゃない「『俺は、この人と共に歩んでいきたいと思う人と出会うかどうかだ』と」
その話を聞いている内に、すすりなくカスミや仲間が出始めた
「自分は『なんて偉大な父なのだろう』と尊敬しました。その言葉を胸に刻み、今隣にいる世界で一番大切な女性と結婚式を挙げることができました。これも旅をしていたからこそ得られた教訓です。最後に会場に来てくれた皆さま」
最後にタケシはマイクを強く握って
「皆、大好きだ」
座っていた皆が立ち上がり、男数人でタケシを胴上げする者や盛大に拍手する者。泣きじゃくんでいる者もいた。
この日は快晴で間違いなく世界の中心はここなのだろうと、錯覚してしまうほどの出来事だった
~回想終了~
「まさかジャリボーイ2号が、大人に成長したニャスねえ。なんか涙が出てきたニャス」
「ソ、ソーナンス」
ソーナンスとニャースは聞いている内に涙が出てしまっていた。ピカチュウも思い出し泣きをして、涙を拭いている。
「タケシが嘆いていたんだけど。奥さんがポケモンドクターとしてポケモンの命を救う仕事柄、中々夫婦二人のプライベートの時間が作れないってさ」
仕事の合間を縫って、タケシが奥さんに愛情弁当を病院に持ってきた事があってさ。その時は流石の奥さんも顔真っ赤になったって。けど嬉しかったんだろうな、思わず勤務先でタケシを抱きしめたらしい。
その後、仕事仲間からからかわれたらしいけどな。
「夫婦円満はいい事だ。いい仕事をするには、人生共に歩んでいけるパートナーが必要だと俺は思う」
ピカチュウも酔ってきたのか、顔がほんのり赤くなっているのが分かった。
「カスミもあの頃よりスタイル抜群になって、まさかシゲルと付き合っていたなんて思いもしなかったけどな」
短髪だった髪型が長髪になって(大人になったなあ)としみじみ思った
「人間はいつの間にか、ニャーたちが思っている以上に代わっていくニャス。いつでも子供扱いじゃないってことニャー」
どこか悲しい口調のニャース。ピカチュウも理解できていた、誰だって同じ姿であるわけではない
でもだからこそ人生は面白いともいえるがね
「そろそろ夜が明けるな」
もう朝日が昇る時間になってしまった
「そうニャスねえ」
ニャースはもっとピカチュウともっと話がしたい、けど楽しい時間はあっという間に過ぎてしまった
「そうニャス!」
そういってソーナンスに酒を注文する
なぜ耳打ちしているんだと思ったが、すぐに品が来た為ニャースが何を注文したのかが直ぐに分かった
「…テキーラサンライズか」
「ソ~~ナンス」
朝日が昇るという意味を持つ酒だ
「これ飲んでまた次会える日まで、お互いに頑張るニャス」
ニャースなりの今日の締めだろう。ピカチュウもその気遣いに感謝をしつつ
「「乾杯」」「ソオオオオナンス」
次は旅の仲間たちと一緒に飲みたいと思う、ピカチュウたちであった。
~同時刻 マサラタウンにて~
「うそだあああああ」
そこにはポケモンマスターを目指していた青年が、更地になった自分の家があった場所で落胆していた。
こちらの世界線のタケシの兄弟は血のつながったものとします。(小説版の設定が重すぎるんじゃあ)
実はこの結婚式にはムサシとコジロウもいたのですが、贈る言葉が見つ駆らなかったのと変装をしてきていたため誰も気づく人はいませんでした。
ただジャリボーイ2号に誰よりも盛大な拍手をしたのはこの二人でした。
一方ニャースは翻訳本の取材で色んな地方を渡り歩いていたため知らなかったということになっております。