ポケットモンスター 夢追う者と去る者2 作:Blueクラーケン
マサラ人は不幸の渦中にいるのであった
俺はマサラタウン出身のサトシ、相棒のピカチュウ。
ちょっと喧嘩していなくなっていたけど、直ぐに見つけて仲直りしたぜ
今はアローラ地方でZワザを覚えてるために、奮闘中…
が
「うそだあぁぁぁぁ」
そこにはポケモンマスターを目指していた青年が更地になった自分の家があった場所で落胆していた。
~サトシ編 「人間地獄」~
~時は少し前に遡る~
今俺は一度実家に行って、英気を養うため帰ってきたのだが
「カントー地方もすっかり寂れちゃったなぁ」
今問題となっている古い地方の若者離れが増加の一手となっている。
カントー地方は一番最初に訪れる地方であったがため、他の地方よりも廃れている
「交通の便も自転車で成り立っていたなんて今の若いトレーナからしたらドン引きされること間違いなしだ」
そういいながら、マサラタウンに向かうため森を進む
「至る所にアリアドスの巣があるじゃないか、だから過疎化していくんだよ」
ぺっぺと顔に引っ付く蜘蛛の糸を吐き捨てながら目的地であるマサラタウンにたどり着いた
「うわぁ。もうほとんどの家が売却の看板になっているんやが」
週刊雑誌「君このタウンに住みたいと思う?」の雑誌に「ヤダ・ムリ・キチク」の三冠を獲得したマサラタウンだ
高度成長を見せるニビシティなんて今では土地の販売価格がかつての150倍になる異例づくしで、カントー地方の唯一の観光地なんて言われている
「ハナダシティは別の意味での有名になってしまったし」
ミラクルサイクルという名のぼったくり自転車。価格は100万円もしたため買うことはなかったのだが
詐欺容疑の疑いで経営者が逮捕。そしてその自転車屋も廃業となった。
「だからこそ、詐欺シ(師)ティなんて言われる始末。」
その恩恵?とゴールデンボールブリッジも金玉橋の呼び名が主流になってしまい風評被害の都市として観光客が来る皮肉な都市になった
オーキド博士も「最近は日当たりでお茶を飲みつつもりのヨウカンを食べるのが何より幸せじゃあ」と、
ポケモン博士から隠居爺さんになっちゃったらなあ
「先にオーキド博士の処に行ってお年玉貰いに行こうかな、もうそろそろ寿命も尽きるだろうし遺産も
俺の元にくるだろ多分」
血のつながらない孫みたいなものだ、血の通ったものこそ家族なんて幻想は現実という名のゴミ箱にすてな
「オーキド博士、こんにちは。今日も日陰で光合成してますか?」
合鍵で侵入…もといお邪魔してみると家の中は埃でいっぱいだ
「遂に家政婦呼ぶ金も無くなってしまったか、畜生…新しい地方の遠征代(お小遣い)もらう計画がパーじゃないか」
こうなればガサ入れ兼質屋に売るものでも見ておくか
財布(名称オーキド博士)が不在の中、サトシとピカチュうは博士の研究データや目ぼしい物をバックに入れて
(まあ、これでお年玉分くらいにはなるだろ)と満面の笑みを浮かべたサトシ
「あれ、仏壇か?」
サトシがまだガサ入れをしていなかった襖の部屋に入るとそこには誰かの仏壇があった。
「オーキドの爺さん、奥さんがいたのか?」
もう何十年の付き合いになるが、そんな話は聞いたことがなかった。
もしかしたらその奥さんの生命保険の金が俺の仕送りに流れていると流石に気が引けた
「…線香をあげるか」
微かに残った良心に従い、リンを鳴らすため遺影が見える位置に移動すると
「…なんでオーキド博士の遺影なんだ?」
そこにあったのは奥さんのものでもなくオーキド博士の遺影だった。やっぱりあの人は独身貴族だった。安心したぜ
・・・・/
「!?」
(今玄関の方から音がした)
まさかとは思うがこんな辺境の町にコソ泥が来たのだろう。なんということだ、ここに残ったオーキドの遺産を取る気だな。恥を知れ
「これは俺の物だ!! 誰にも渡さん!!」
コソ泥は悪人のすることだ。俺がやっているのはただの無償の商品回収だ。無論利益は全て俺に行くに決まっているだろ。死んでしまったオーキドには悪いが金というものは生きている者にこそふさわしいものだ(力説)
「ピカチュう、もし泥棒だったら加減はいらん。遠慮なく10万ボルトを浴びせろ」
相棒のピカチュウはそれに頷く
「…しかし、たった三日間の間に浮かぶようになるなんてなぁ」
ポケモンは日々進化するから多分俺のピカチュウもその類だろうと考える
「それより玄関にいる人は誰なんだろう?」
こちらから覗き込んだ感じ若くはない50代当たりか、これなら制圧は問題ないなと安心する。
「おーいそこにいるのはもしかして
サトシという青年かぁかぁー」
玄関先から俺の名を呼ぶ…どうやらコソ泥ではなさそうだ。安心安心。
玄関にたどり着き、開けると
「はい、サトシは僕ですけど…お坊さんでしたか」
この世界でシオンタウンが唯一、ポケモンを供養する為の町としている。
逆に人間を供養する町であるフジタウンがある。
このお坊さんはそこのご住職なのだが若かれし頃にオーキド博士に出会い度々、この町に来てはオーキドの墓にお参りしに来てくれていた
「オーキドさんが孫の様に思っている少年がいたのを聞いてな。是非一度会って話がしたかったんじゃ」
「…オーキド博士が」
ここ最近は連絡していなくて俺の中では人の形をしたATMなんて思っててごめんよ
「幸いと言っていいかは分からぬが、オーキドさんの墓はこの町を一望できる崖に作った。先ずはそこに案内しよう」
一望出来るからといって崖に墓を建てるなんて、ファンキーじいちゃんだったのか。
…いや一度こんなことを言ってたな
「人生楽しく生きるコツはな。
人生という名の道をノーブレーキで進むことでじゃ。
生死を行ったり来たりするスリルを味わうことができて最高じゃ」と
今思うと、ファンキーじいちゃんでした。
オーキド博士は!
そんな事を思い出しながら崖に着いた
「ここがオーキド博士の墓…か」
一年ほど前に老衰により息を引き取ったとのこと
最後は色んな地方のポケモンに看取られながらお亡くなりになったそうだ
でも
「それ、俺が送ったポケモン達じゃねぇかよぉ」
オーキド博士が生涯捕まえたポケモンはヒトカゲ、ゼニガメ、フシキダネだけだった。
ピカチュウは若かれし頃にサバイバルをしていた経験での自然を用いた罠によって捕獲したとのこと
「俺がポケモンマスターになるまでは元気でいるって約束したのによぉ」
オーキド博士の墓で涙ぐみながら合掌をする。
「サトシさんや、天国でオーキドさんはアンタを見守っているよきっと。」
お坊さんはサトシを励ます。出会って間もないのに優しく励まそうとしてくれる。
「また今度、違うポケモンをつれてくるよ。」
涙を袖で粗っぽく拭きながら、サトシはオーキド博士の墓を後に自宅に向かった
お坊さんは途中で帰路で別れた。最後にオーキド博士の遺書と思わしき物を貰い、お坊さんからは「…お経をかける」と言い、簡易的だったがお経を読んでくれた。多分お坊さんなりの「旅の無事を祈る」的なやつなのだろう。
さて
帰るか
~現在に至る~
「俺が送ったポケモン達もすべて、跡形も無くっている。…何コレもう十数年間の旅にして前途多難すぎね?」
「…まさか!」
オーキドの遺書を見てみると
「拝啓 サドルへ
元気にポケモンバトルしていますか。これを見ているということはワシはもうこの世から去っている事でしょう。」
どうならオーキド博士は自分の死期が近いという事を知っててこれを書いていたのだろう。
しかしボケが進行しすぎて、俺の名前が自転車部品に改名しているんだが、この際気にしないでおこう。
「サドルがポケモンマスターに成る日を待ち遠しく思っていましたが、身体が言うことを聞いてはくれませんでした。こんなじいちゃんを許してくれ」
もう会うことも叶わぬ者からの謝罪。
「俺の方こそ、あんまり帰って来れなくてごめんよ。」
もっと早く帰ってきていれば…なんて事を考えていても時は戻らない。
「家族がいなかったワシにとって、サドルは孫の様な存在でした。ありがとう…そしてさようなら。」
「……/」
不幸中の幸いと言うのであろうか、ここが辺境の町な為サトシの鳴き声は誰が止めること無くただ泣き続けた
遺書がくしゃくしゃになってしまう時にやっと涙が止まり、冷静になった
「…あれ?別の紙が??」
どうやら手紙は一つだけでは無かったらしい
「これ、母さんの字だ!」
間違いない!これに真相があるはず。と思い読んでみると
「拝啓 サトシへ
母さんはもう疲れました。毎日何十体のポケモンの世話、しかも年々その数も増えてくるのに嫌気が差しました。
これからは一人の女として生きていくため、サトシのポケモンをオークションにかけ、次いでに家も解体しました。」
「は?」
何言っているか分からなかった。
「さようならサトシ。お元気で」
「かあさぁぁぁぁぁん」
サトシはまたも涙を流した。
フジシティというのは、シオンタウンのポケモンタワーにいる老人の名前からとりました。
因みにこの物語は今の所、サトシだけが地獄に行きます。
あとは悪の親玉たちでの飲み会などをできたら作る予定です