ポケットモンスター 夢追う者と去る者2 作:Blueクラーケン
サトシです…ニビシティのジムでタケシを会いに行ったら、まさかの仕事中でした。
サトシです…飯屋に行ったら追い出されてしまいました、ただ食い逃げをしようとしていたのに。
サトシです…カジノで一発逆転しようとしたら、オーナーのソーナンスに一発で持ってかれました。
サトシです…今こうしている間にも、警察に尋問されています。世間の目も寒いです。
サトシです…本編スタートです。
「とりあえず、服はこれでも着てさっさと家に帰りなさい」
あの家はもう解体されているんですけど。その旨を伝えると
「よ、よし。俺のお古で悪いけど服をあげよう、もうカジノなんて行くなよ」
警官のおっちゃんいい人だったな。
最後なんて俺のことを思ったのか泣いていたし
「まさかソーナンスがRSFを一発目から出してくる何て」
あれはもう、お手上げだわ。
幸いにも手持ちのポケモンまで取られる事にならなくてよかった
せめてもの慈悲だったのか、コイキング二匹とピカチュうだけは残った。
「もう、タケシに会うどころか飯食う事とも出来ねえよ」
調子に乗りすぎた結果で、このまま路頭に迷って死んでしまうのかさえ思った
「せめて、金さえ…あ…れば」
目の前に裕福そうな青年がいた
「よーし、今日もオークションで強いポケモンを買ってポケモンバトルに勝つぞぉ」
…見るに堪えないな。お金でポケモンを買うなんて、ポケモンをなんだと思ったやがる。
これは少し修正してやらねばいけないなぁ
「人生の先輩が教えてあげなくちゃね 」
満面の笑みを浮かべながら青年に近づいた。
~路地裏~
「よ~。兄ちゃんいっぱい金持ってんじゃねえか。まだ通帳にもあるんだろ恥ずかしがらず俺に投資しろよ。」
ま、投資した所で利回りなんて言葉は俺の辞書にはないが
教育も大変だ。愛の拳で顔を「アチャー」って感じまで変形させなくちゃ思いが伝わらないのだから
「ヒィッ!何でタネマシンガンが弾かれるんだよぉ」
まるで俺を化け物と見ているようだ。これはいけない、道徳というものがなっちゃいない。たかがタネマシンガン、あんなもの蚊に刺された程度の痛みだぞ?
だが
「ハァーイ。質問していいのは俺だけです。悪口なんて酷い言葉を使う人には、教育を始めたいと思います」
これも正しい心にするためだ。多少、心を魔王にしてもやってやる!
さて最初の授業は
「ピンポンパンポーン。ポケモントレードの時間です。貴方の全ポケモンと俺のコイキング二匹との等価交換です。泣いて喜びなさいな」
質のいい講義は高い教育費が付きもの、ハッハ。喜びで泣いている、最高の快感だ!
「コイキング二匹と僕のポケモンが同じなわけないだろう!」
…等価交換、将来このコイキングが赤いギャラドスになる可能性が…ないけど。
物の価値なんて誰が決めたんだ!今大事なのは現実と向き合う勇気だ!
「ここでの価値を決めるのは俺だ。黙らないと口縫い付けるぞ!」
まったく、これだからゆとり教育世代は。ああ言えば、こう言うだから。
「…あんた本当に人間かよ。」
失礼な
「人間はね。皮を剥がせばただの悪魔なんだ。お前は俺の事人間じゃないっていうけどさ、自分が『人間』と決めつける定義なんて曖昧なものさ」
他人との付き合いで、個性を殺されて常識という曖昧な皮を被された商品が『人間』だ
「さ、授業も終了の時刻になりました。」
出来の悪い生徒だけど、先生は忘れないよ。
「でも念のため。中毒性あるけど一度打たれたら止められない注射を打っておくか。」
ほい、ぷちゅっとな!
「…オ、オクレ、ニィィチャャァァン!!」
うんうん!効果テキメン。ちょっと体が華奢になる欠点もあるけど気にしない。気にしない。
「若者を正しく導く、大人になると大変だよね。」
これにて御免!!
「マッチョ、マッチョ、マーチョー。私の体はマーチョーだーぜー」
後ろから奇妙な歌が聞こえるが、俺にはもう関係の無いことだった。
さあーてタケシに会うまでにあとちょっとしかないから急いですべき事を成すか
~ニビジム前~
「遂に10年ぶりの再会か」
服を買い直し、体も服も綺麗にしたから大丈夫だと思うけど…
「…サトシか?」
この声、懐かしくもつい最近聞いたような安心感。間違いない
「タケシ!久しぶりだなあ」
なんだか照れくさい、何年も会ってないとなんかこう込み上げる感情が
「今は何の仕事してるんだ?ジムリーダー?」
最初は気さくにお互いの事を話した
「ああ、俺は今、孤児の子供達を育てる施設の運営して主に栄養管理人として講演会を実施しているよ」
流石だ。俺達の中でも将来性がピカイチだから当然と言っては当然だな
「すげえぜ。タケシ、俺なんてまだポケモンマスターにはなれていないのに」
随分と差がついてしまったな。笑われてしまう。
ああ。昔と変わらないこの感じ、これのために俺は
・・・だが思い描いていた再会が崩れてしまった
「…お前、まだポケモンマスターになる夢を追いかけているのか!?」
え?予想にもしていなかった。親友から夢の否定されるなんて、間違いだと思いたかった、自分の聞き間違いだと信じたかった。
「何言ってんだよタケシ。ポケモンマスターになるのが俺の夢なのに、冗談でも言っていいことがあるぞ」
夢なら覚めてほしい。そう思いながら会話を進めると
「いやマジだ。」
…どうやら現実の世界だそうだ。
「タケシ、お前は俺に夢を諦めろと?」
それしか見てなかった俺に?他の夢を追うなんて考えたくもなかったのに
「もうお互い大人だ。家庭を持ち、子供を見守る。
そういう年に俺達はなっちまったんだよ。いい加減現実を見ろ」
正論なのかもしれない。お互いに30歳になっている。ポケモンマスターなんて夢のまた夢.
理想に生きる事よりも現実を見ている方が正しい。
だが
「それは俺が誇りたかった道じゃない!!」
子供の頃からの夢を否定するというのは今までの自分を否定することに繋がる。それは嫌だ。
「サトシっ。夢を追うな!!仕事なら俺が紹介してやるから。今からでも遅くない。」
『ポケモンマスターなんて夢、捨てちまえ!!』
ああ、そうか。お前は今の俺に死ねと、そう言っているんだな。
「…もう、いい。タケシ。お前は俺の友ではもう亡いんだな」
サトシはタケシに背を向け、別れを言う。
「サトシ。お前は今のままでいいのか。それがお前の幸せだと言うのかよ!!」
そうだ。後悔なぞあるかよ。自分の選んだ道なんだ、例えお前との縁が切れようが
『構わない。例え独りになっても俺は辿りついて見せる』
さようなら
「サトシー!!」
快晴だったはずの天気は豪雨に代わり、俺はその中でアテもなくニビシティから出るのであった。
「…オカシイナ。寂しくないのに涙が」
眩しかった昔を思い返しながら、サトシは森の中に消えていった。
~同時刻:ニビシティ~
「…もう、タケシさん。雨だっていうのに突っ立ているなんて風邪引くよ」
俺の奥さんが心配してくれる。
「すまない」
家に戻り、タオルで体を拭う
「顔色悪いけど大丈夫?昔の仲間に会いに行くなんて嬉しそうにしていたのに」
俺も最初はサトシに会える事が嬉しかった。今では仕事付き合いが主だったから、昔話できて仕事の愚痴も言えるそんなことを期待していたはずなのに
「俺達は変わってしまったんだな」
奥さんが「?」って顔をしているが、俺は俺が選んだ道で手に入れた幸せを、奥さんを抱きしめた
「ちょっ!いきなりどうしたの?」
何も答えない。不甲斐無い夫で済まないが今はそっと抱きしめさせてくれ
(しかし、サトシの奴本当に・・・だと思っているのか?)
これが俺とサトシとの決別になってしまった。
今回は光と闇を交互に強くしすぎたと思っていますが。私は反省など一切しない。
この後、オクレ兄ちゃんを打たれた青年はフィットネスジムに通い詰めることになる。
しかし薬の副作用によりいつまでたってもキャシャリンになってしまう。
スゴイネ、人体!
因みにこの後の展開は現時点では真っ白になってしまっているので誰か知恵をくれ!
前回でも登場したソーナンスは伝説のディーラーとして君臨しています。だってあの表情なんだもん、勝てるわけねぇべや!