とあるXD世界で頑張る翼の話です。
ひと昔に虹を書いてみたくなって頑張ってみたもののうまく物事が進まず、pcに埋もれていたものをつい先日発掘しました。このまま放っておくのも勿体無いので投稿してみた次第です。
「Imyuteus amenohabakiri tron」
風鳴翼はLinkerを首元に打ち、聖詠を歌いシンフォギアを身に纏う。
普段は軽鎧を纏うのだが、鎧の代わりに両手両足、両肩と腰部分にジョイントパーツを装備している。
『シンフォギアの展開を確認。これより着装フェーズへ移行します。』
オペレーターの無機質な声と共に、巨大な強化パーツを吊るしたクレーンが動き始める。
両手には巨大な武器を持つための、自分の手の5倍はあろう義手を。
両脚には高速行動するための、ホバーブースターに姿勢制御スラスター、更にフォニックゲイン・コンデンサが装備されている義足。
両肩には、イチイバルを兵器転用した武器庫が装着され、サブアームを利用し様々な銃火器を放てる複合武装が。
腰には背部バックパックが装備され、大型ブースターに可動式サブブースター二基が装着される。
『システムチェックオールグリーン…あれチェック項目増えてる!?』
無機質だった声は動揺で揺れる。あぁ気付いてしまわれたか…
『ちょっと司令、またですか!』
『いやそのな、試したいことがあってだな…』
『だったら報連相をしっかりとやって下さい!今月で2回目ですよ!』
『むぅ』
友里さんと司令の言い争いが出撃準備ドッグで響き渡る。結構うるさいのだが整備課の人たちも慣れたもので、顔をしかめながらも黙々と作業を続けている。
『はい諸々の行程完了っ!つぎ!!』
怒りのあまり報告が雑になっている友里さんを横目に、次の武器装備フェーズに入る。
今回ノイズが出現した場所は周囲に人が住んでない開けた土地で、数は数万。なので広域殲滅型の装備が望ましいのだが…
『翼、俺の開発したタクティカルアームズを使うといい。大剣と機関銃が融合した遠近両用の素晴らしいモノだ!』
『翼ちゃん、お願いだからこれ以上変な武器を私のシンフォギアに追加しないで…』
『僕の作ったネフィリム・キャノンを持っていけぇ!ノイズを全て吹き飛ばして君もぼくも英雄だぁ!!』
「俺が開発したダウルダブラ・グフタスを使うといい。有効射程距離2000メートルのワイヤーが、全てのノイズを切り刻むだろう。」
我が二課が誇るイロモノ開発者達が、我先にとオモシロ兵器達を押し付けてくる。一部泣き声で何かを訴えてくる人も居たが、あの人も割と大概なのでスルーする。
「申し訳ない、いつも通り全部乗せでお願いします。」
「わかったよ。あんたも大変だねぇ。」
大変な作業を頼んだというのに、整備課の人も生暖かい目で返事をしくれる。まぁ開発した兵器の使用を拒むといじけたり発狂したりと、オモシロ兵器を使う事より100倍はめんどくさい事態が待っているのを知ってるからだろうが。
結局、右腕にタクティカルアームズ、左腕にネフィリム・キャノン。右肩の武器庫を外しダウルダブラ・グフタスが装備される。
…タクティカルアームズは青が基調なので天羽々斬に合う配色になっているのは素晴らしい。
しかしこのネフィリム・キャノンは酷い。左腕に装備されたコレはなんか蠢いているし黒光りしてるし、先端の砲口だけ太い有様はなんだが○頭みたいだ。
そして右肩に装備されたダウルダブラ・グフタスはトゲトゲの巨大紫肩パッドを着けているみたいで、パリコレのモデルみたいになっている。うーむ、先鋭的。
『了子さん、しっかりして下さい!あなたのチェックが必要な部分もあるんですよ!!』
『いやよぉ、あんなの見たくないわよぉ〜』
『大の大人が泣かないで下さいよ…』
亀○キャノンに紫トゲ肩パッドを付けた天羽々斬を見たシンフォギア開発者は泣き崩れて居た。
藤尭パパが了子ちゃんごさいを叱る光景も日常になってきたなぁ。
『ふん、無駄に歳は重ねているクセに鳴き声だけは一丁前だなぁフィーネ。』
『あなたも年増じゃない!』
『なにをっ!?』
『君達ぃ!少しは英雄出撃を見送ろうとは思わんのかね!!』
あぁ始まった。コレが始まったら30分は止まらない。しょうがないのでマニュアルになっている兵器達のシステムチェックを無視し、発進シークエンスに入る。
「多分大丈夫なんだろうから出撃します。あんなのでも腕は確かですしね。」
『ごめんね翼ちゃん。』
「いつもの事ですから。」
友里さんと軽い雑談をしながら、網膜投射モニターを使い追加武装による重心のズレとバーニアのバランスを微調整する。これだけは自分でやらないといけない作業だからね、まぁくそ兵器のせいで微調整とは言いづらい感じになったが。
○○○
正眼の構えをとる。
「風鳴翼…」
この身に生まれ落ちて、早17年。この身がいくら傷つこうとも「無辜の民」を守るという誓いは決して破らず、今は届かない彼方の戦友へ今日もまた誓う。
「天羽々斬…」
世を守る、剣であらんことを
「推して参る!!」
背部のブースターが点火し、ひと時の間を置いて戦場へ飛び立つ。どんよりと浮かぶ雲から薄っすらと見える白き太陽と黒き月を背に、音を置き去りにして駆け抜ける。目的地はかつて大型のレジャーランドがあった跡地。今回のノイズはそこに2万体程出現したらしい。
…世が世なら、人々の安息の地であった場所に現れるとは。無情さに嘆き脳裏に疾る激情を抑え、右手の剣を強く握りしめる。
『目標地点到着まであと2分、攻撃準備を。』
「了解した。」
使うのはゴミ兵器達ではなく、天ノ逆鱗を生成し居合の構えをとる。コンデンサに貯蓄されたフォニックゲインを使い臨界まで刀身にエネルギーを貯める。
「初手より奥義にて仕るッ!」
目標地点が見えてきた。天、地ともにノイズで埋め尽くされており、そこが憩いの場であったとはとても思えない。心にほとばしる激情を、剣とともに敵へ解き放つ!
《蒼ノ一閃 疑・滅破》
横薙ぎに払われた巨大な蒼の斬撃が、ひしめき合っていたノイズを半分ほど消しとばす。
本来ならば限定解除状態でしか放てない技を、溜め込んだフォニックゲインで無理矢理放つ技だ。奏者への負荷は大きいが、その威力は真に勝るとも劣らない。
蒼ノ一閃を放った反動で朽ちていく天ノ逆鱗を背後に投げ、前方の地平線全て蠢くノイズに対し、司令が開発したタクティカルアームズを構える。
この武器は大剣、砲撃、スラスターの3形態に変形する事が出来る、遠近両用武器だ。
「土砂降りの十億連発、受けて貰おうか!」
砲撃形態を使用し、四連装ガトリング砲が火を吹く。銃口から発射される銃弾型天羽々斬が、自身を弾丸として降ってくる飛行型ノイズを消しとばしその奥のノイズにまで風穴を開ける。
倒しきれなかったノイズを避ける為、脚に装着されたホバーブースターを使い戦場を滑る様に駆け巡りながら空へ弾丸をばら撒く。
「むっ」
だが空のノイズを気をかける隙に、巨人ノイズが突進をしてくる。だがこのタクティカルアームズは自身をも覆い隠せる程の大剣にもなる。防御にはなんの抜かりも…
バキャァ!!
『ぬぅ接続が甘かったか…』
刀身自体は無傷だったが、変形機構が脆かったのか突進を受け止めた衝撃でタクティカルアームズがバラバラになってしまう。
『翼、今後の発展の為に残骸の回収を…』
《 MEGA DEATH PARTY 》
『翼ぁ!?』
だいたい予想できてたポンコツ兵器の末路を、左肩のイチイバルでノイズ諸共焼却し左腕のネフィリム・キャノンを構える。
博士の作った兵器の使い方は簡単だ。何もない場所で地上に打たないこと。
「放つは断魔の閃光!」
《HERO !! WELLBEAM》
世界が白に包まれる。
あまりにも大出力で、真上に拡散して放たれた光線が上空のノイズを一匹残らず吹き飛ばし、どんよりと曇った空も吹き飛ばし、ついでに人工衛星も数機撃ち落とす。
『ヒェア!世界救済の狼煙だぁ!!』
『空の全ノイズと風鳴人工衛星3機撃墜。鎌倉から「もう勘弁してくれ」との電報が入りました。』
『超高熱による上昇気流により高気圧が関東上空に発生。今後1週間の天気予報が変更されます。』
『博士あなた、ネフィリムに実験用の天ノ逆鱗何個食べさせたの!?』
『もちろん在庫全部さぁ!!』
本部が色々と騒がしいが、自分には裏方の仕事は関係ないので知らぬ存ぜぬを貫かせてもらおう。
いやじゃ、もう始末書なんぞ書きとうない。ひたすら天の逆鱗を創る作業もしとうない。
気を取り直し、残りのノイズを片付けるために1番の問題児、錬金術師の兵器を起動させる。
ダウルダブラ・グフタスは両手の指10本に接続された特性ワイヤーが指の動くまま自由自在に動き、敵を切り裂き壁となる攻守両用の兵器だ。そう、意のままに動けば。
わりと脳筋な防人頭脳には10本のワイヤーを自在に動かせるはずもなく…
「うーん不覚。」
頑張って振り回してはみたものの、気が付いたら体に絡みついていた。ご丁寧にイチイバルにも巻き付いている為、遠距離攻撃もできない。どうしたものかと寝転がっていると、ふとテレポートジェムの輝きが目に入る。
「まともに使いこなせないオマエには錬金術のお勉強フルコースを味合わせてやる。」
「本当は幼子の癖に容赦ない…」
「喧しいわっ!」
ダウルダブラのファウストローブを纏ったでかキャロルが姿をあらわす。どうやらかわりにノイズを殲滅してくれるらしい。
「俺がケツ拭きをしてやる。そのかわりに帰ったら『想い出作り』を手伝え。」
「えぇ…」
「拒否したら、オマエの大好きなネタ兵器を作りまくってやる。」
「喜んで付き合わせて頂く!」
「よろしい。」
必死の返答にでかキャロルは満足したのか、ノイズの方へ歩き出す。その身に纏ったダウルダブラからは既に100本近いワイヤー、いや竪琴の弦がノイズに向かって伸びている。
「そこでじっとしてろ。手本を見せてやる。」
そこからは蹂躙の時間だった。キャロルがあやつる弦はまるで生きているかのようにノイズを攻撃する。まるで空間ごと切ったように辺り一帯のノイズを真っ二つにしたかと思うと、巨大なノイズ相手には四方八方から弦で襲いかかり微塵切りにしてしまう。残り二千もいたノイズは1分もかからず全滅してしまった。
「すっごい」
「何を呆けている。オマエにもこれ位はやれるようになってもらうぞ。」
「えっ」
割と衝撃的なことを言いつつ、懐にからテレポートジェムを取り出すキャロル。
「帰ったら反省会だ。覚悟しておけ。」
「帰りとうない」
「その絡まった状態じゃ逃げられんよなぁ!」
すごくいい笑顔で煽ってくるキャロルを見ながら、私はテレポートジェムの光に包まれた。
○○○
特異災害対策機動部二課。ここは対ノイズの政府公認組織ではあるが、10年ほど前から変人達の巣窟になった。なってしまった。元から風鳴司令に了子さんというそこそこの奴らはいたが、新たに登場した2人のせいで二課組はセーフティのネジが外れてしまった。
始まりは、シンフォギアのより深い研究の為にとアメリカからウェル博士が応援として派遣されてきた事だった。今思えば、厄介払いだったのかもしれないが。
彼は生化学に関して他に並ぶ者は居ない程の頭脳の持ち主ではあるが、同時に酷く歪んだ英雄思想の持ち主でもあった。
今でこそ説得に応じて裏方として頑張ってもらっているが、当時は『自分が世界を救う英雄』として暴走した事もあり、自身にネフィリムを融合させる「ネフィリム事変」を起こし暴れ回ったりもした。
まぁマリアと一緒にネフィリム共々ボコボコにし、圧倒した上で英雄のブレインになってくれと頼んだら即堕ちしたが。
ちなみに強化兵装達を使うのに必要な、非常に高い適合係数を補うためのLinkerを開発したのはウェル博士だ。イロモノ開発者たちの中で正直1番役に立っているかもしれない。複雑。
そして4人目の変人、キャロルとの出会いは「第三次ノイズ大量発生」のそのさなかであった。
日本の東京には数十万体とあまりにも大量に発生したノイズと新種の黒いノイズ相手に、当時の私とシンフォギアではまともに対抗する事は出来なかった。数の力で圧倒され、敵の刃が喉元に届くかと思ったそのとき、
「父の命題を邪魔するものは誰であろうと許さん。」
そんな声とともに周囲一帯のノイズは、黒いヤツ共々微塵切りにされていた。
「ここは俺がやる。下がっていろ。」
そんな声と共に緑の獅子が出現する。後に聞いた話だと200年分の『想い出』を使用して纏ったソイツは、シンフォギアの超強化状態、つまりエクスドライブモードをも遥かに超えるスペックを発揮して数十万体ものノイズはあっという間に殲滅されたらしい。
そして…
「パヴァリアのアダムから依頼を受け助太刀に来た、キャロル・マールス・ディーンハイムだ。こんな形だが歳は500を超えているので日本の法律やら何やらは問題ない。よろしく頼む。」
「キャロルの助手を務めているエルフナイン・マールス・ディーンハイムです。ボクも今年で123歳になるので他の方と同じように接してもらえると嬉しいです。よろしくお願いします!」
ちびっ子達(極悪ネタ開発者とその外付けセーフティ)が二課に所属する事になった。
そしてその日から、現代技術・異端技術・錬金術のエキスパート達が揃った二課開発部は誰にも止められない(止めることが出来ない)、風鳴機関ですら目を背ける組織が出来上がった。
そして今日も…
「コイツは俺との『想い出作り』の約束がある。お前には渡さんぞ。」
「んっんー、彼女は英雄になる人物だから無駄な時間は必要ない。チミっ子のおままごとはフィーネちゃんとでもやればいいんじゃないかな?」
「英雄かぶれのゴロツキがほざくじゃないか。」
「あぁ?」
「ふん。」
トレーニングルームで今日の喧嘩が始まった。しかし今日は比較的扱い易い2人の喧嘩だったので運は良かったのかもしれない。ただ放っておいてもやっぱりロクなことは起きないので、急いで仲裁に入る。
「ほらウェル博士、あなたは『ヤントラ・サルヴァスパ』を使用したシンフォギアの機能拡張実験を行いたいのでしょう。キャロルとの『想い出作り』にソレを使いますから、この場はどうか…」
「あぁ寛大な心をお持ちで。やはり貴女こそが英雄だぁ!」
うーん、扱い易い。
モニターのためにうきうきで司令室に走っていくウェル博士を横目に、ご機嫌ナナメなキャロルと向かい合う。既に大人びた姿にダウルダブラのファウストローブを纏っており、臨戦態勢といった感じだ。
「そんなオモチャを使って俺と戦る気か?」
「そう何でも侮るのはキャロルの悪い癖だ。」
「ほざけ。」
『ヤントラ・サルヴァスパ』。それは聖遺物のひとつでありその機能は、使用者の意思を機械にダイレクトに伝え、自在に動かせるようになる…らしい。
これを天羽々斬に使用すると、ギアの周りに自分の意思で自由に動かせるファンネル、いやソードビットが6つ展開される。
「準備は出来たか?」
「あぁ。いざ尋常に…勝負!」
「オモチャごとブッ飛ばしてやる!」
キャロルの『想い出創り』が始まる。勿論ほんわかしたキャッキャウフフなものではなく、真剣勝負をする。キャロル曰く、のんびり無為に過ごした時間と、一手一手が思い出せるような濃密な闘いのどっちが『想い出』として使えるかは一目瞭然、とのことらしい。
「《蒼ノ一閃》ッ!」
「こんなヌルい攻撃など効くものか!」
「だが動きは止まった。」
そう、効かないことは分かっているからこその牽制から次へ動く。緒川さんから頂いた煙幕を使用し、キャロルの視界を防ぐ事で次の一手の為の時間を稼ぐ。
「煙幕など、全方位攻撃で吹き飛ばして…」
「影分身の術!」
煙幕で稼いだ時間で印を結び、計10体の分身を作り出す。そして分身達を全てキャロルへ突撃させ、自分も一手遅れて突撃する。
しかしキャロルもその状況に即座に対応。こちらの分身目掛けて、いくつもの弦の斬撃を放ってくる。
「所詮、分身は虚像。この弦の1本すら受け止められまい。」
「それは…どうかな。」
「なんだと…?」
忍術の影分身は相手にその場にいると誤認識させる術であり、弦の斬撃どころか小石の投擲すら受け止める事は出来ない。だが…
ギャリィ!!
先行していた分身のうち、4人が天羽々斬で弦を受け止める。想定外の事態に動きを止めているキャロルに、残り6人の分身と本体で最後の詰めにかかる。
「なぜ虚像である分身に俺の弦が…。まさか!?」
「私の前で他事に気を取られるなどッ!」
「ぐっ!?」
キャロルの放った最後の足掻きの弦を、6人の分身で撹乱、無駄玉とし、先行し弦を受け止めていた4人の分身、いやソードビット達と共にトドメの技を放つ。
《残影無刃衝》
ソードビットが風鳴翼達となり、断魔の5連撃をキャロルに叩き込む。
要塞ノイズすらも消し飛ばす攻撃に耐え切れるはずもなく、キャロルはトレーニングルームの壁に叩きつけられる。
「まずい…やりすぎたか?」
「大丈夫だ、生きている。」
そんな声と共にキャロルは立ち上がる。ファウストローブが脱げ、小さくなったその身は傷どころか汚れ一つ付いておらず、ピンピンしている。流石は最上位の錬金術師だ。
どえらい事故が起きてなくて、少し安堵する。
「まぁ次第点だ。影分身=虚像という訳では無いというのは収穫だった。」
「ふむ…キャロルが褒めてくれるのは珍しいな。」
「し、次第点と言っただけだろうに…。まぁジュース位は奢ってやる。」
私に指摘された事が恥ずかしかったのか、若干頰を赤く染めながら照れ隠しをするキャロル。そんな姿を見て、自然とにやけてしまう。
ああ可愛いなぁ、お持ち帰りしたいなぁ。
『エェェルルェガントッ!流石は未来の英雄、歳をとり過ぎ腐った知識をお待ちのお子ちゃまなんぞ相手にはなるぁないなぁ!!』
「…ツバサ、『想い出作り』はこれで終いだ。俺は少し用事が出来たんでなぁ。」
そんなほんわかした空気も、ウェル博士の特大煽りで一気に霧散してしまう。
あゝ無情な、しかし両手両足の指の数を超える程この光景を見てきた私には、最早なる様にしかならない、私が手出しをしてもどうにもならない状況になってしまったのを理解する。
「司令室は出来るだけ破壊しないで下さいね…」
「それはあの狂人の態度次第だ。」
そう言って、目にも留まらぬ速さで司令室に飛んで行くキャロル。まぁ最悪、風鳴訃堂パパやフィーネが青い顔をしながら2人の諍いを止めてくれるだろう。
今日はノイズの殲滅にキャロルの『想い出作り』、ウェル博士との会話など、疲れる事が沢山あった。この後は私室でシャワー浴び、テレビでも見ながらのんびり過ごす事にしよう。
司令室ではフィーネがネフシュタンの鎧を使ってまで場を収めようとしている裏で、そんな事を当然知らない私はゆっくり自室へ向かう。
その騒動の後、フィーネにお説教されているキャロルに変わり、エルフナインがジュースを持ってきてくれた。ついでだったので色々とお話をした。
可愛かった。エルちゃんマジ天使。