あとこの世界でのゴブリンの扱いはゴブリンスレーヤーとグリムガルを足して2で割った感じです。
集団になると厄介なのは周知されています。
パン屋では雪ノ下が店主と話をしていた。
何でも製法を少し変えて味の向上を図るとか、店主もよく了解したな。
「本当に君達は凄いな、よその世界というのは君たちみたいな人ばかりなのかね?」
領主のアダムさんも言っていたが召喚されてきた人たちの評判は元々良い、おかげで店主の信頼も得られやすく儲かるかもとやけに興奮ぎみだ。
サンプルで作ったパンを試食すると今までのパンとは雲泥の差だ、雪ノ下さんなにか変なもの混ぜてませんかね?
「いや本当に素晴らしい!あんたら家に正式に雇いたいんだがどうかね!」
店主は大喜びだが丁重にお断りした。
代わりに小町と大志待遇をあげてもらうこととパンの材料を融通してもらうようお願いして俺達は店を出ることにした。
「さて次はどうするか」
「香辛料をどこで入手するかかしら?」
街をあちこち歩き回り情報を集める。
どうにか香辛料の類いを扱っているところを見つけたがやはり高い。
原因はやはり運送費の関係だ。
「この辺で栽培するか手軽に大量に輸送できる手段があればな」
中世の頃も胡椒と金は同じ重さで取引されたというからな、香辛料マジ偉大
「その辺はおいおい考えることにしましょう、パン屋さんから塩と砂糖を入手することに成功出来たのだから」
「砂糖はあるんだよな、よくわからんな」
「菓子パンなんかも作れるかしら?少しは食生活に彩りが出そうね」
雪ノ下は嬉しそうだ。
「卵や乳製品も入手可能みたいだし、菓子類には困らんかもしれんぞ」
「焼き菓子なんかできるわね」
焼き菓子と聞いて由比ヶ浜ががぜんやる気を出す。
「本当!ヒッキーあたしクッキー練習したんだよ!ねぇゆきのん、クッキー作ろうよ!」
「あ、ああそうだな、うん、由比ヶ浜、材料は貴重だから掃いて捨てるほど材料がたまったらやろうな」
「ヒッキー酷い!」
プリプリとお怒りになっている由比ヶ浜には悪いが消し炭量産するほど余裕はないからな
「それより雪ノ下、戸塚、釜は出来そうか?」
「理屈は分かったし全く同じものは難しいけどできないことはないと思うよ」
「レンガとかの建築資材なら安価で手に入りそうね、領主様に相談したらどうかしら?」
「金以外のことなら相談に乗ってくれるとか言ってたしな」
俺達は雪ノ下が焼いたパンを領主のアダムさん元に持っていき釜を作りたいと相談したところ
「うまっ、なにこれ?え?釜がほしい?釜があればいくらでも作れるって?マジで?」
なんかすごくフレンドリーに接してきてパンや焼き菓子などを定期的に作るという条件で釜をただで作ってもらえることになった。
ついでにに香辛料について聞いてみたが
「あーそれは私にも無理なのだよ、祝い事とかにしか使えん、むしろ君たちなにか良いアイディアあるかね?」
逆に聞かれてしまう始末、やはり輸送手段がないとどうしようもないらしい
ともかく宿舎の隣に小屋を作りそのなかに釜を作ってもらえることになった。
そしてその晩川崎沙希とはしばらくご無沙汰だったということもあり晩飯を川崎沙希のバイトしている食堂でとろうということになった。
パン屋に顔を出した際ちょうど小町達も晩飯の時間だということで一緒に食堂へと向かう。
「サキサキ、やっはろー」
「あ・・・・」
店に入って早々川崎を発見したが見られてはいけないところを見られてしまったといった顔つきになって奥に引っ込んでしまった。
「ちょっと待っててくださいね、小町が行って呼んできます!」
と小町も奥へ姿を消す。
席についてしばらくしたら川崎と小町がやってきた
「・・・店長が休憩していいって」
「ここの店長いい人ですね!小町が行って仲間ですのでたまには一緒に食事したいので休憩取らせてくださいって言ったら即OKしてくれたよ!」
川崎は憮然とした態度、そんなに俺たちと顔を合わせたくなかったのか?
「まあ、一緒に食うぐらいいいだろ何かおすすめあるか?」
川崎は本日のおすすめと書いてあるボードを指差す
「んじゃそれにするか」
注文するが川崎はずっと無言状態
「あー俺たち来ちゃ悪かったか?」
無言で首を振る
「姉ちゃん、もしかしてお兄さん達に合わせる顔がないとか考えてる?」
「大志、そりゃどういう意味だ?あと俺をお兄さんと呼ぶな、はたき殺すぞ」
「大志、余計なこというんじゃないよ」
川崎が大志を睨みつける
「比企谷くんあなたが余計なことを言うとややこしくなるから黙ってくれるかしら?それと川崎さん?何か悩みがあるのであれば相談にのるわ、もしかして生活費の問題かしら?それなら小町さんと大志くんの待遇を上げるようパン屋さんに伝えたので・・・」
と雪ノ下が説明しようとしたが
「違う!そういうのじゃない!違うんだ!」
頭を抱えてしまう川崎を見て大志が言う
「姉ちゃんは元の世界に帰りたくないんだそうです。このままここで生活したいってだから元の世界に帰る方法を考えてるお兄さん達や葉山先輩達に合わせる顔が無いって考えてるんっすよ」
「大志!」
川崎が立ち上がり怒鳴る
「おい待て、落ち着け、一体何があったんだ?」
「そうだよサキサキ、落ち着こうよ」
比企谷と由比ヶ浜が川崎をなだめる
「姉ちゃんは家族にとって自分が重荷だと思ってるんっす、深夜バイトの一件もそうでしたし、自分がいればバイトしようがなんだろうが親は自分にお金を使わざるを得ない、でもいなくなれば全部京華の為に使われます。それに一応生命保険もかけてあったんで・・・それが生きて戻ってしまうと・・・と考えてるんっす」
「そんな・・・」
雪ノ下達は一気に暗い顔つきになる。
「あたしだって帰って京華に会いたいさ、でもあっちの世界じゃ生きるのに必要なお金を稼ぐのは今のあたしには難しいし家族にとってあたしの存在は大きな負担だよ、でもここなら家族に迷惑をかけることは無いし、生きて行く分なら稼ぐのはそれほど難しくない、モンスター討伐だってこの間一人でやってみたらゴブリン数匹程度なら全部一撃で倒せたし・・・」
下を向いて絞り出すような声で川崎が言うと比企谷はめんどくさそうに話しかける。
「あーいいんじゃね?」
その答えに川崎はびっくりした表情をする。
「まー帰れる方法を考えてはいるが正直俺たちも今を生きるので精いっぱいなんだよな、葉山達はどうかしらんが、それに帰れるかどうか本当のところはわからんしな、どうするかは帰れるとわかったら考えようぜ、本牧なんかは手に職付けようとしてるしいいんじゃね?」
「そっか・・・比企谷・・・ありがと・・・」
川崎は下を向いたままやはり絞り出すようにお礼をする。
「それとなぁ、ゴブリン数匹いるのに一人でやったのか?おまえスカラシップの件まだ懲りてないようだな?」
「・・・どういう意味?」
「お前に欠けてるのは情報収集能力とボッチの俺が言うのもなんだが誰かに相談したり協力を要請する能力だな、おまえゴブリンに囲まれた冒険者の末路聞いたことないだろ?」
「一番弱い奴だから誰にでも倒せるってしか聞いてない・・・」
あちゃーとした顔をする比企谷、雪ノ下たちもこれはまずいと言った表情になる、格闘教官は脳筋っぽかったから大雑把にしか説明してなかった可能性もある。
そもそも格闘訓練所には女性が少ないからかもしれない。
「小町、大志、お前らは聞いてるよな?特に小町は俺と一緒だったからな、川崎に・・・こう、オブラートに包んで優しく説明してあげなさい」
「小町にお任せ!」
「頼んだ、川崎、あとできちんと聞いとけ、俺の口からはこれ以上言えん、あー料理が来たな、早速食べるか」
宿舎に戻った川崎が大志と小町から詳しい話を聞いた際に真っ青になり、二度と一人でゴブリン狩りをしようと思わなくなったとのことだった。
その後何だかんだで釜は2、3日で完成、結局なんだかやけに本格的なものが出来上がってしまったが雪ノ下や一色が大喜びしてるから良しとしよう。
これで旨いパンやお菓子が食えるからな。
試しにパンを焼いてみたがこれが旨い。
二度と外食する気が起きなくなってしまうレベルなのだが
「以外と材料費が高くつくな」
「そうね、食堂の食事は安いものね」
材料費が以外に高くつく
「パン屋で商売しても面白いとは思うのだけれど・・・」
「うーん店を開いてしまうと討伐出来なくなってしまうし・・・」
一応俺たちには帰るという目標もあるのだ。
若干揺らいではいるが
「まあその辺は後で考えようよ!それよりいっぱい作って吉原さん達にも上げたらどうかな?」
「由比ヶ浜にしてはいい提案だ、雪ノ下、練習がてらパンたくさん作ろうぜ、お菓子関係も作ってみよう」
「どういう意味だし!」
そういうわけでパンや焼き菓子などを量産して吉原さんやご近所さんに配ることにしたのだ、無論大好評だった。
由比ヶ浜に試しにやらせてみたら本当にそこそこ食えるレベルになっていた。
雪ノ下や一色には遠く及ばないがとりあえず食えるレベルにはなっていた。
恐らく余計な材料を入れる余裕がないからなのかもしれないが、桃缶とか
しかしやはり現代日本と比べて圧倒的に手間はかかる、色々相談した結果自炊関係は材料費の問題や加工が大変なので雪ノ下の体力も考えて出来るときにやろうということになった。