八幡達は異世界にて奮闘する。   作:もよぶ

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登場人物が多いと描写が大変ですね。



第十三話

宿舎に戻るがなかなか寝付けない、しばらくすると騒がしくなった。

皆戻って来たようだ。

材木座は酒が入ってフラフラになっており戸塚が引っ張るように連れてきていた。

 

「我は材木座義輝・・・太古に作られし最高の力なり・・・我は力であり、生命にあらず・・・弱き生命体よ、きえされ!」

酔っぱらっている材木座がなんかアホなこと言っている、戸塚に迷惑をかけるな、バニシュデスで消滅させるぞ。

 

「すまんな戸塚、アホの面倒見てもらって」

「いいよ、僕も楽しかったし、久々におもいっきり楽しんだよ、八幡はどうだった?」

戸塚も酒が入ってるのか?なんだか顔が赤い、ヤバいすごく色っぽい。

「ああ、そ、そうだな、戸塚も酔ってるみたいだしもう寝た方がいいんじゃないか?」

「うん、そうさせてもらうよ、八幡おやすみ」

戸塚の色気にくらくら来たので炊事場で水飲んで落ち着くことにした。

 

炊事場に降りるともう皆寝たのか宿舎の中は静かになっていた。

瓶に入っている水を飲み椅子に座って一息入れると月明かりに照らされた外を眺めながら考える

「これからどうしようか・・・」

葉山達は元の世界へ戻るための情報を得るためどんどん先へ行こうとしている、反対に平塚先生や川崎たちはこの世界に残る理由が出来てしまっている。

俺はどうしたらいいんだろうか?いや、どうしたいんだろう?

ふと先ほどの葉山との会話を思い出しあることを思いつく、でも実現は難しそうだなとすぐさま考えを否定してぼーっとしていた。

 

「比企谷くん?」

唐突に名前を呼ばれて振り返ると雪ノ下が立っていた。

「こんなところで一人でどうしたのかしら?とうとう闇の眷属にでも目覚めたのかしら?そうなると早々に首を跳ねないといけないわね」

ニコニコしながら隣に座ってきた。

 

「おまえの口から闇の眷属という言葉が効けるとはちょっと前までは思いもしなかったぞ」

「あら?本当にいるらしいじゃない?近寄りたくはない存在だと三浦さんが言ってたわよ?そう言えばあなたは元の世界でもそんなことを言ってたのだったかしら?名も無き神谷くん」

と雪ノ下はくすくすと笑う

「まだ覚えていたのかよ、俺の黒歴史を掘り返すな、それよりお前アルコール入ってるな?さっさと寝ろよ」

ナチュラルに隣に座ってくる辺り相当酔って無いですかね?

 

「いただいたのは少しだけ、でも眠れなくて、これからのことを考えると」

雪ノ下はうつむいてしまった

「葉山君達は遠くに行ってまで色々調べてくれているわ、でも私たちは毎日を生きるのに精いっぱいよ、今日あたらめて思い知ったのよ」

 

「あいつらはあいつらだ、俺たちは俺たちのペースでやればいい」

「不安なのよ、この世界に飲み込まれそうで、平塚先生達のように」

 

「別に飲み込まれてもいいんじゃね?」

「え?」

「そもそも帰れるかどうかは不確定すぎる、さっき葉山に聞いた話だが・・・」

先ほど葉山が得た情報の話をする

「そんな感じであいつも調べてはくれているが結局何もわかってないのが現状だ、全部無駄になるかもしれん」

「そんなことは無いと思うわ、きっと方法はあるはずよ、やはり私たちも王都に向かいましょう、そして情報を集めて・・・」

興奮気味にまくしたてる雪ノ下、焦っているのは目に見えてわかる

 

「落ち着け雪ノ下、さっきも言っただろ、俺たちのペースでだな」

「落ち着けるわけないじゃない!このままじゃいつかきっと誰かがモンスターに殺されてしまうわ、ゴブリン達に嬲り者にされてしまうかもしれない、それは明日かもしれないのよ!もう嫌よ・・・」

雪ノ下は下を向き震えている、泣いているようだった。

気丈にふるまってはいるが雪ノ下も所詮はただの女の子だ、アルコールが入って精神的につらくなっているところが爆発したのかもしれない。

 

その状況に何もできないでいるとさっきよぎった考えがまた浮かんできた、出来るだろうか?いやこいつと今いるメンバーとならできるかもしれない。

 

「なぁ雪ノ下、俺たちのペースってのも悪くないと思うんだが」

「今言ったでしょう!それでは」

「ちょっとだまれ、皆起きちゃうだろ」

話が進まないので手で雪ノ下の口をふさぐ、なんかいけないことしているような気がしてちょっと興奮したのは内緒だ

 

「いいか、情報を集めるには戦うのが必ず必要なわけではない、ここまではわかるな?」

雪ノ下はコクコクとうなずく

「さっき葉山と話したんだがあいつの情報源は国王のとこか酒場だそうだ、酒場に情報が集まるからあいつらも酒をたしなむとかなんとか言ってた」

 

雪ノ下の口から手を放して話を続ける

「だからよ、俺たちで酒場を作るってのはどうだ?酒がよくわからんってなら食堂だ、お前の料理は領主の奴も認めるぐらいの腕前だ、ともかく人が集まる場所を作る、宿屋も兼任してもいいな、酒場兼食堂兼宿屋だ、俺たちもそこに住む、平塚先生たちもだ、吉原さん達も住まわしたりして、異世界組皆で住めるようにしようぜ、後はそうだな、葉山達の部屋を特別に用意して帰る場所つくってやろうぜ、葉山達は王都じゃそこそこ有名らしいからな、あいつらが寝泊まりしてるってだけで人が来るかもしれん、要は葉山達を客引きパンダにするわけだ。人が集まれば情報も集まる、そうやって色んな情報を収集して異世界から来た人たち皆でシェアしていけばいいだろ」

 

「・・・まったくあなたはいつも斜め上の解決策ばかり思いつくのね、葉山くん達を利用するなんてあなたらしいわ、でも開店資金はどうするのかしら?食材を卸すルートは?どこに開店するの?」

「そこはまだ考えてない、資金は宝くじみたいなどーんと一発でかいのを当てるしかない気もするし食材は狩りに出かけたりすればなんとかなるか?」

「ふふふ、やっぱりそこまでは考えていなかったのね、でもその考え一口乗るわ」

 

つい言ってしまったが本当にできるのだろうか?

とんでもないことを言ってしまったのではないだろうか?

 

「あなたや由比ヶ浜さんには助けられてばかり・・・出会ってからずっとそう、ずっとあなたは助けてくれる、そうしてまたあなたに依存してしまう・・・本音を言えば宿舎を選ぶときあなたと一緒ならばと淡い期待をしていたのよ、良くないことよね」

「勘違いするな、俺にもかかわってくる問題だから解決策を考えているだけだ、それに今は非常事態だ、陽乃さんが言ってたことを気にするなら元の世界に帰ってからにしろ、今は一人でどうにか出来る状況じゃねぇだろ。だから関係ないし今の俺にはお前が必要だ」

 

陽乃さんにさんざん共存症だのなんだの言われたが所詮は平和な世界での話。

この世界では共存だろうが共生だろうが生き延びた奴の勝ちだ。

帰るという目標がある以上それまではこいつ等と何としても生き残る必要がある。

 

さしあたって雪ノ下の料理スキル、こいつを活用していくしかない気がする。

これは俺たちにとって大きな武器だ。

 

気が付くと雪ノ下は目を大きく見開いてこちらを見ている

「私も・・・あなたがいなかったら私はこの世界で自分を見失ってやみくもに進んでいって死んでいたかもしれない、比企谷くんあなたがいて本当に良かった。ありがとう」

 

微笑む雪ノ下といつの間にか正面から向き合う格好になっていた。

月明かりが雪ノ下の顔を照らす、はかなげなその顔に今にも吸い込まれそうな気がした。

二人とも無言で見つめ合うことになる。

いつの間にか二人は手を握り合っていた。

そのままお互いを引き寄せるように徐々に顔が近づくが唐突にそれは止められる。

 

「ちょっと中二押さないで!」

「材木先輩重いです!」

「良く見えぬだろうが!」

「僕も見たいんだけど」

 

振り返ると壁から頭だけだした4人がいた

 

「・・・いつからいたんだ?」

「ゆきのんが泣いていたあたりからかな?」

 

あーちょっと大声出して興奮気味にしゃべってたからな、それで起きちゃったかって今の見られてしまったということだよなぁどう考えても。

 

雪ノ下は顔を真っ赤にしてうつむいていた。

「八幡よ、今先ほど何をしようとしていたかはさておいてだ我もそのアイディアに乗るぞ、ついでに弁当の宅配なんかもあるといいかもしれぬな」

休もうと言ったのに一人で仕事を請け負ってたりしたこいつが真っ先に乗るってことが信じられないんだが、しかも新しいアイディアを提案してるし。

 

「僕も賛成だな、由比ヶ浜さんと一色さんはどうかな?」

「「賛成です」」

 

「だとよ雪ノ下、俺たちの目標は酒場件食堂件宿屋をつくるってことでいいな?帰る情報はそこで集める」

雪ノ下はうつむきながらコクコクとうなずく

「よし、目標も決まったし寝るか、んじゃあお休み」

と寝ようとするが

「その前にヒッキー今ゆきのんに何しようとしてた?」

由比ヶ浜が怖い顔で睨んでくる、一色も一緒に睨んできている、え?なんで俺睨まれてるの?

 

「全くリア充は度し難いものだな、なあ戸塚殿?」

と材木座はやれやれとしたオーバーアクションをとりつつ戸塚と一緒に部屋に戻ってしまった。

ちょっとマテ、俺だけ置いていくなよ。

「先輩、寝る前にちょっと話し合う必要がありそうですよね?」

「そうだよヒッキー、ここは戦場みたいなところなんだよ?」

 

なんですか?あなた方の顔が戦場ですよホントってか雪ノ下さんフォローは?

と由比ヶ浜と一色のよくわからない説教を受けながら雪ノ下を向くと顔は真っ赤でちょっとうれしそうな表情になっていた。

 

次の日、俺たちは葉山達の元へ向かい、今後の目標について話すことにした。

 

「そうか、君たちはそうするんだな、それでわざわざ話にきたってことは俺に何か要求するつもりで来たんだろ?」

「さすが聖騎士葉山様、話が早いな、お前国王と親しいんだろう?コショウをはじめとする香辛料や米なんかを格安で入手したい、何とかしてくれないか?」

 

「それはいくらなんでも無茶苦茶だよ、価値は俺もよく知ってる、そもそも」

と葉山が拒否しようとしたが雪ノ下が畳み掛ける

「出来る出来ないを聞いてるのではないわ、出来る方法を模索してと言っているのよ?」

雪ノ下さんブラック企業張りの無茶ぶりありがとうございます。

 

「・・・わかったよ・・・実際のところ輸送の問題をクリアすればいいわけだしね。実はワイバーン退治に行った際に奴らの巣に卵が大量にあったのを発見してね。普通は食べるか破壊するかなんだけど優美子と姫菜が嫌がったから、持って帰って孵化させて調教すれば何かの役に立つかもと王様に渡しておいたんだよ。うまくいけば輸送手段に使えるかもしれないしな」

 

さすがみんなの葉山、グループの奴が嫌がることをしない、いつもは悪化するが今回はいい方向に繋がりそうだ。

でもたしかどっかのゲームみたいにドラゴンに乗った騎士様に寝とられる展開あったりしませんかね?

あれはサラマンダーだから大丈夫か。

 

そうして葉山達は陽乃さんが向かったと言われている東の領土と出発していった。

葉山達の人気は凄いもので滞在中は若い女性に声をかけられまくっていたようだ。

「学校や王都だけじゃなくてここでも人気沸騰中だな、さすがイケメン様だ」

実際葉山達を見送りにきた比企谷達の他にも見送りに来ている人が山のようにいたからだ

 

「あなたじゃいくら活躍しても話題にすら上らないかもしれないわね」

「まあな、ボッチが目立ってもいいことなんてないからな」

 

「そうね、あなたが有名になるとしたら賞金首とかかしら?ウフフ」

「おいおい、そうなると俺は毎日賞金稼ぎの追っかけを相手することになるのか?すげぇなどこに行ってもキャーキャー言われちまうし不本意ながらワールドツアーしなきゃならなくなるな」

 

「そうしたら私はあなたとワールドツアーに参加しようかしら?そしてあなたのマネージャーになって追っかけ達の順番をきちんと守らせるようにするわ」

 

「毎日毎日決闘か、たまには休ませろよな?」

「あら?休みの日には私の相手をしないといけないからあなたに休みは永遠に来ないのよ?」

と腰につけた剣の柄を握る、休日はこいつと戦闘訓練?休ませてくれない雪ノ下さんマジブラック

 

「お前は体力ないから俺の相手を一日中なんて勤まらんだろ結構俺激しいの知ってるだろ?」

俺はシーフだから戦闘時は激しく動くが雪ノ下は瞬発力の勝負だ、体力がないから立ち会ってもすぐ体力切れを起こすだろうしな。

 

と俺は反射的に答えたが雪ノ下はハッとしたような顔をした後真っ赤になって下を向いていた。

「全く、体力の無さを思い出したようだな、口でだったら1日相手してやってもいいぜ、お前は口の方が激しいからな」

こいつは初対面の時から毒舌攻撃だからな、最近大分柔らかくなった気もするが気は抜けない、例えば今現在がそうだし。

 

と答えた後、あれ?なんか話が変な風に運んでないかこれ?と感じる

雪ノ下を見ると

「バカっ」

と脇腹をこづいてくる。

後ろから強烈な視線を感じて振り替えると由比ヶ浜と一色がすごい顔で睨み付けていた。

 

「ヒッキー、激しいの知ってるだろとか口の方がとかって・・・まさか、その、しちゃったの?」

「雪乃先輩、一日中口で先輩の相手ってその・・・うわだめです。想像したら恥ずかしくなってきましたごめんなさい」

 

何でこいつら文句つけてるんだ?

「その、ごめんなさい・・・・言い過ぎたわ」

雪ノ下が赤くなって顔を手で押さえてしゃがみこんでしまった

 

「八幡、そういうのはちょっと早いんじゃないかなって僕は思うよ?」

おい戸塚何をいってるんだ?

「全く後半のエロトークは置いといてどこぞのボニーとクライドじゃあるまいし、懸賞金かけられたなら我も付き合ってやるから仲間にいれろ」

 

は?エロトークってなんだよとさっきの会話を思い出してみると・・・

「ヤバい、俺死んでもいい?なあ材木座その剣でこうスパッとやってくれない?マジ死にたい」

 

やれやれとオーバーアクションをする材木座

「八幡よエロトークでセクハラするのは目標が達成してからじっくりやればよかろう?とりあえず金策だ、何か無いかのう?」

ナイス材木座、話題を切り替えるとはたまには役に立つな!

 

「中二の言う通りだね、ヒッキーあたしはいいよ?」

ナニがですかね由比ヶ浜さん

「先輩が望むならわたしも・・・・」

一色さん俺はなにも望んでいませんよ?

「そうね、目標が達成した暁には・・・」

そうですねその暁には雪ノ下さんには沢山働いてもらいますからね

 

「八幡!セクハラはダメだよ!」

うん戸塚の言う通りだ。

「当たり前だ」

同性の戸塚にならセクハラしてもいいかな?

ダメだよな、守りたいこの笑顔セクハラダメゼッタイ

 

「話が進まぬのう、戯れ言はおいといてまずは金だ、どうする八幡」

なんとこいつに諭される日がくるとはな

 

「屋台で雪ノ下のパンやら菓子やらを売ってもいいが小銭しか稼げんだろうし、かといってギルドのでかい依頼は正直難易度が高すぎる、前のオーガ退治みたくおいしいのはほとんど無いしな」

どこぞの火山にいるドラゴンを退治すると山のような財宝が手に入るとか噂で聞くレベルだがそもそもそんな巨大な生物を剣と魔法でどうにかできるんだろうか?どっかのゲートくぐれる自衛隊のみなさんみたくRPGやミサイルでないと無理だろ。

 

「例えば何か珍しい物を売ったりとかできればいいんだがな」

「ふむ、ではこの剣豪将軍直々にラノベを書いて売ればよかろう、幸い印刷技術はあるようだし、それにここにはラノベが無いから、パクってもわからん」

「アホか、お前のはラノベ以前の問題だ、内容より先に文章をどうにかしろ」

「ゴフゥ」

その言葉に大分ダメージを受けたようで膝をつく材木座

「珍しい物と言えば僕達がここに来たとき教室ごと来たよね?あそこに何かあったりしないかな?」

その手があったか、何しろ異世界の代物だからここではプラスチックの物ですら珍しいはずだ

「ナイスだ戸塚、俺の婿になってくれ、俺は専業主夫で頑張るから」

 

「んもう八幡は冗談ばっかり」

と若干顔を赤らめる戸塚、ぐへへやっぱり戸塚はかわいい略してとつかわいいだな

「ヒッキーキモイ!」

「先輩って本当にダメですね、本当に気持ち悪いですごめんなさい」

由比ヶ浜と一色にダメだしをされる、雪ノ下に至ってはため息をついてコメントすらない状態

コメントが無い方が何気にダメージが大きいですよ雪ノ下さん?

 

「・・・まあとにかく行ってみようぜ?」

この世界に来た始まりの場所へと比企谷達は向かうことにした。

 




自分は八雪派ですのでそういう展開になりがちです。
あと材木座は好きなキャラの筆頭ですので後ほど活躍させる予定でいます。
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