八幡達は異世界にて奮闘する。   作:もよぶ

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酒場計画の第一段階として冷蔵庫をゲットします。
今回から陽乃めぐり救出編スタートです。


第十四話

「たしかこっちの方だったな?」

来たときのことを思い出し森の中へ入っていく

「木こりの人が来るぐらいだからそれほど深い場所じゃ無いと思うし、馬車もそれほど長時間乗ってなかったと思ったよ」

と戸塚が思い出しながら言う、あの時は不安と心配ばかりでそんなことを全く気にすることができなかった。

さすが戸塚だ冷静さと度胸を隠し持っていたようだ。

 

比企谷達が森の奥へと歩いていくとほどなくして木が途切れかなり広い場所に出る、正面は壁のような山肌が見える。

 

「ヒッキー、もしかしてあれじゃない?」

少し奥まったところに場違いな建造物の残骸があった。

ここに来たときは気がつかなかったが他にも車や冷蔵庫、テレビやどっかの工場で使っていたと思われる機械等があちこちに転がっておりまるで無秩序な産廃廃棄所のような様相を呈していた。

 

比企谷達は部室だったものの中を探索したりしたが目ぼしい物は何もなかった。

元々学校の施設だから金品なんてあるわけがないのだが、因みに段ボールに入ったお菓子類は既にアダムさんの腹の中である。

車も数台あった、吉原さん達が色々挑戦しようとしたのか一台はボディーの大半やエンジンルームの部品が半分ぐらい無い。

陽乃さんの車も無傷の状態であったがやはり役に立ちそうは無かった。

 

「本牧くんを連れてきて使えそうな物を鑑定してもらえないかな?」

戸塚の提案には賛成だがここではまるで使えない者ばかりだ売れるものかな?

最もこの世界じゃ車なんて役立たずだし壊しても陽乃さんも大目に見てくれるんじゃないか。

戸塚と材木座とあれこれ相談していると後ろから悲鳴がきこえる

 

振り替えると放題されている冷蔵庫の前で女子三名が鼻を押さえていた。

「どうした?」

「先輩・・・臭いですぅ・・・」

一色さんそれじゃまるで俺が臭いみたいじゃないですか。

「ヒッキー、腐ってる・・・」

ガハマさんそれじゃまるで俺が腐ってるみたいじゃないですか、まあ目が腐っているのは本当なんですけどね。

雪ノ下は少し離れた所でゲホゲホ言っている。

 

冷蔵庫を開けてみるとそこは腐海の森、独り暮らしで冷蔵庫の中身を腐らせたとたまにネットでみるがあそこまではならんだろう。

何か独自の生態系が活動してそうなカビと胞子の海だ。

速攻扉を閉める、何か漏れたり出てきてたりしないよね?

 

「うえっ、・・・これは放っておくとして、電気の代わりに魔力的なので冷やすことはできないかな?」

冷蔵庫のようなものはここの世界にもあるが木箱に氷をぶちこんで冷やすという原始的なものだ。

冷蔵庫本体は巨大なクーラーボックスのようなものなので効率はいいはず。

「それができるかどうかは吉原さん達に聞いてみた方がよいのでは無いかしら?」

雪ノ下は色々剥がされてボロボロになった車を見る。

吉原さん達は既に色々試しているし俺たち学生と違って大人だ、専門的な知識を持っている人も居るかもしれない。

 

「結局売れそうなものは鉄とかかな、本牧連れてくるか」

電気や燃料がないと動かないものばかりな上に飾りやインテリアとして使えるような物がない。

その後本牧と鍛冶屋の店主を連れてきて車とかを見てもらったが車のボディーを切って鎧が作れるかもといった程度、吉原さん達に聞くと冷蔵庫は魔力を使ってそれなりに使えるように出来るそうだが、魔力を豊富に扱える人が定期的にチャージする必要があるそうで手間がかかるそうだ。

うちには由比ヶ浜がいるから使えるがやはり売れるような代物ではなかった。

 

「結局ほとんど空振りだったな」

「いえ、冷蔵庫が使えるのは大きな前進よ」

 

とりあえず食材の長期保存が出来るようになった。

「開店資金どうスッかなぁー」

悩みの種はまだつきない。

 

葉山達が出発して一ヶ月は経った、しかし冷蔵庫は手に入れたものの肝心の資金が手に入らず歯がゆい状態が続いてた。

「こいつのおかげで若干文明的な生活が出来るのは嬉しいが」

「そうね、食材を保存できるのは大きいわ、乳製品なんかは常温ではすぐ腐ってしまうもの、おかげでいろいろチャレンジ出来るわ」

 

「ウム、我もこの世界でピザが食えるとは思わなんだ」

「タバスコが無いのが残念かな?」

 

チーズを手に入れたので今日はなんと今雪ノ下と一色でピザに挑戦しているのだ。

「ゆきのん、火力はこんな感じかな?」

そして我らがガハマさんは有り余る魔力で釜の火力の調整をしているのだ。

薪がなくとも火力を簡単に調整出来てしまうので超便利。

毎度雪ノ下の料理補助をやっていたので、魔力の調整も上手くなっていき、水を一瞬で沸騰、そこから一瞬で凍らせ徐々に解凍、なんて芸当も出来るようになっていた。

本人曰くゆきのんへの愛の力だとか

 

ほどなくしてピザは焼き上がった

「ウーン自分で作っといてなんですけど今ひとつもの足りないですね」

一色の意見も最もだ。

「そうね、やはりタバスコやブラックペッパーが必要ね」

やっぱ香辛料だよなぁそれよりトマトは減らしてほしかったんだが。

ともかく例によってアダムさんのところへ持っていくことにした。

この世界で宅配ピザは初めてじゃないだろうか?

 

「相変わらず君たちの料理は美味しいな」

ピザLサイズを一人で食べてご満悦である 

「ところでお金は集まってるかね?」

一応酒場兼食堂兼宿屋については相談したが建物となると流石に金がいるとのこと、場所とかについては相談に乗るとは言ってくれているが

「まだまだですね」

「私としても君たちの料理が毎日食べられるようにしたいんだが」

「そんときはきちんとお金頂きますけどね」

「君は随分とズバズバ言うね、あ!そういえば君たちに葉山君から手紙が来てたんだよ、忘れるとこだった」

 

と手紙を渡された

宿舎に帰って中を確認するとそこには厄介事が書いてあった。

 

要約すると、陽乃さんを追いかけ東の領土まで行ったら道中、東の領主一家の馬車とすれ違ったそうだ、何でもクーデターにあって追い出されたと訴えてきた。

クーデターを企てたのは冒険者を騙った極悪な魔女らしい、初めは気が付かず仕事を求めていたので自分の館で働かせていたら、またたく間に館の人心を掌握洗脳し、相手が魔女と気がついたときには兵隊すらも言う事を聞かなくなり領内を勝手に荒らし始め住民を混乱に陥れ始め、民衆を煽動し追い出されてしまったそうだ。

 

葉山達は領主を連れて王都に戻り国王に報告、国王は軍を派遣したが向こうの兵隊の士気は異常に高い上に、城塞都市である為守りも堅牢であり、全く制圧できないとのこと。

捕えた兵士の目はうつろで支離滅裂なことを言っている為おそらく全員洗脳されてるといっても間違いない状態、その為ターゲットを館に絞り魔女の暗殺を計画、洗脳された館の人の妨害や人質を取ったり変装していることも想定し、館の人間は全員暗殺対象、もし暗殺に失敗した場合、予め配置していた魔法使い達によって屋敷を瞬間的に全焼させ、ダメ押しで岩石の雨を降らせて屋敷ごと魔女を葬るという計画だそうだ。

それって暗殺じゃなくてジェノサイドって言うんではないだろうか?

 

問題は偵察に行った者たちの報告から屋敷内に陽乃さんとめぐり先輩らしき人物を発見したと報告があったことにある。

 

「んでその暗殺計画が始まる前に二人を救出と、そういう事のようだな、というかこの魔女って陽乃さんじゃないだろうな?」

「うーん、でもヒッキーこれに兵士の人が洗脳状態だったーってかいてあるじゃん?補助魔法でチャームってのがあるけどさ、全員にかけるのは無理だよ、しかもずっとみたいじゃん?よほど魔力高い人でもそんなに持続なんて無理だよ、魔力の塊みたいなのがないと」

「なるほど、詳細は王都で相談しようって書いてるな・・・」

「行こうよ八幡、難しそうだけど助けなきゃ」

「そうね、もし無謀と言われても私は行くわ、きっと姉さんは捕らえられてるのよ、反撃のチャンスを窺っているかもしれない、下手したら洗脳されてるかも・・・」

あの人が洗脳されて敵側とか怖いんですけど、勝てる未来が見えない。

 

「確かに心配だしな。よし、行くか!」

 

「平塚先生にも話してみようよ!協力者は多いほうがいいじゃん!」

「そうですね!みんなで行きましょう!みんなで渡れば怖くないですよ!」

まあ本当に救出作戦に参加するかどうかはともかく、葉山たち以外は王都には行ったことないし、一度行ってみるのもいいだろ。

 

という訳で平塚先生達に話を持っていったところ、皆作戦に参加する気満々だった。

俺たちは迎えの馬車に乗り王都へ目指すことにした。

 

王都に着き葉山たちのいる宿屋へ向かう。

「・・・みんな来たのか・・・先生も・・・」

葉山は大分驚いているようだ

「当然であろう!陽乃もめぐりも私の大事な教え子だ!」

堂々とそう言う平塚先生はとっても男らしい。

 

「では早速作戦の打ち合わせと行くか」

実のところこの救出作戦、国王からは反対されたそうだ。

しかし国王は葉山に借りがあり、王女の後押しもあって渋々作戦を容認してくれたとのこと、ただし有名人とはいえ一介の冒険者である陽乃、めぐりの命より領地を乗っ取るほどの国の脅威である魔女の始末が最優先である為失敗したら後がないそうだ。

 

「勝負は一度だけか」

「そうだ、で作戦内容だが」

 

まず館へ潜入する救出チームと陽動チームに別れる。

東の領地は城塞都市である為陽動チームは城塞都市の正門から進行すると見せかけ注意を反らす。

国王からはなんとか1個中隊を貸してもらうことができたので盛大に正門突破をしようとしてると思わせ戦力を正門に集中させる。

 

その間救出チームが手薄になった館に潜入、二人を救出するという作戦だ。

「んでどう分かれるよ?」

「比企谷、君が救出チームの指揮を取ってくれ」

 

「なんでだよ、俺がそんな重要な役務まるわけ無いだろうが、大体魔女に鉢合わせしたらどうすんだ?」

「魔女は正門に引っ張り出すよ、攻城兵器で門を破壊にかかるからね、魔法障壁を張るため魔女は出てこざる得ない、前回攻めたときもそうだったらしい」

強力な障壁ほど術者が近くにいないと駄目なんだとか。

攻城兵器とやらは城壁を破壊するぐらいの物だから必ず門のそばで障壁を張る事になるそうだ。

 

「その隙に館を探索ってか、うまく行くもんかな?」

「どの道これは俺では務まらない、君たちでないと」

と葉山は雪ノ下を見る

「・・・わかった、俺には選択肢は無いようだな」

 

「もしも魔女に鉢合わせしたらこれを地面に叩きつけて逃げろ」

と葉山は部隊にこぶしサイズの丸い玉を渡す

「なんだこれ?」

 

「『異世界の人が考案した誰でも使えるマヒや目潰しなんかの魔法やアイテムを凝縮して封じ込めた物』だそうだ。一言で言うとスタングレネードって奴だな。効果を聞いたら全く同じらしい、ヤバいモンスターに遭遇したときとかに逃げるときに使う為に作ったとか、試作品だからこれしかない、だから簡単に使うなよ?」

 

「簡単に使えなかったら本末転倒だろうが、まあ一応もらっとくわ」

 

という訳で救出チームは俺たちが、陽動チームは葉山、平塚先生達と分かれることになった。

 

そして国王から出してもらった一部隊を率いて俺たちは東の領地に向かって進軍することになった。

 

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