八幡達は異世界にて奮闘する。   作:もよぶ

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第一話

ここ最近日本のあちこちで家電や機械類の盗難事件が相次いで起きていた。

侵入の形跡が無く、物だけが忽然と姿を消してしまう為、警察も犯人につながる手がかりが得られずいまだ解決の糸口すら見つからない状態であった

また同時にその家電や機械類の近くにいた人まで消えるということもちらほら起き始めており、有益な情報には懸賞金までかけられる事態になっていた。

 

そんなある日の総武高校奉仕部、今日は雪ノ下陽乃と城廻めぐりが訪れていた。

二人は奉仕部の面々とひとしきり会話?を楽しんでその場を後にする。

「じゃあ私たちはこれで、これからはるさんと遊びに行くんだよ、比企谷くんもどうかな?」

「遠慮しときます」

 

「あーめぐり振られちゃったね、んじゃあ比企谷くん、雪乃ちゃんをおねがいね、あんまり甘やかさないようね~」

「姉さん!」

「わーこわーい、んじゃぁねー」

陽乃とめぐりが出て行く、まるで台風一過のようだった。

 

「ふー、あの人の相手は疲れるな」

「ごめんなさい、姉がまたあなた達に迷惑をかけてしまって」

「気にしなくていいよゆきのん、あたしは楽しかったし!」

「そう言ってもらえると助かるわ」

「ゆきのーん」

「由比ヶ浜さん、近いわ」

 

また由比ヶ浜が雪ノ下の抱きつくているな、百合百合も大概にしてほしいですねと思う比企谷。

何気に窓辺に立つ、ちょうど陽乃とめぐりが校舎から出てきて陽乃の車に乗っているところだった。

 

「あの人いつの間に免許を・・・しかもあの車は外車か?」

「ええ、しかも新車よ?今度あなたを助手席に乗せてドライブしたいと言っていたわ、良かったわね」

「げ、勘弁してくれよ、あの人と一緒にいたら車酔いどころの騒ぎじゃなくなるぞ」

 

窓から既に陽乃とめぐりが乗った車をぼーっとみていると突然車の周りの空間がゆがんで見える

「ん?なんだあれ?おい雪ノ下、お前んところの車変な装備でもつけてるのか?」

「何を言い出したかと思えば、ただの車よ、外車だからって僻みは良くないわ」

そうはいいつつ一緒に窓の外を覗く雪ノ下と由比ヶ浜

「あれ?なんかゆがんでない?ヒッキーあれなに?」

「ちょっとヤバい感じがするな、俺行ってくる」

 

そういうと比企谷は部室を飛び出したが、車の前まで来たとき一瞬目の前がまぶしく光ったかと思うと目の前で車は乗っている人ごと忽然と姿を消してしまったのだった。

 

 

一ヶ月後、未だ消えてしまった陽乃とめぐりは見つかってはいなかった。

 

「なあ雪ノ下、いつまでも落ち込んでいても仕方ないだろ」

「・・・・」

「部長がこんな調子じゃ依頼者逃げちまうぞ?」

「・・・・」

「あーもう!あんなことがあったからと言ってお前の姉さんが死んだりしたわけじゃないだろ!あんな変な消え方したんだからきっと異世界とかどっかの国にワープでもしたんだって!あの人ならどこにいっても天下取ってそのうち戻ってくるだろ、だから気にするなよ」

 

「・・・姉さんは私の家族なのよ・・・それが目の前で突然消えるなんて・・・」

「だから・・・わかった!雪ノ下!確か部室の備品買うとか言ってたよな?今日行くぞ!」

「え?」

「だから気分転換だっつうの!いくぞ!」

「・・・そうね、比企谷くんのお友達をそろそろ買い足さないと比企谷くんがかわいそうですものね」

ようやく顔を上げ微笑む雪ノ下

「ようやく調子が戻ったようで結構だが、お前の所の一族はいちいち人を貶さないといけない病気にでもかかっているの?」

そう言い出ようとする比企谷をそれまで黙って聞いてた由比ヶ浜が呼び止める。

「あ、ヒッキー・・・今日パセラにハニトー・・」

「あれ?それって今日だっけ?まぁ雪ノ下がこんな調子だからな、一緒に行くか?」

 

「・・・んーんいいや!ゆきのんを元気づけてあげて!」

「まかせろ、んじゃあ雪ノ下・・・」

と比企谷が出る準備をしようとしたところで部室の扉がガラッと開く

「我参上!はっちまーん迎えに来たぞ!」

そこに現れたのは材木座と戸塚

「八幡、今日材木座くんと一緒にゲームセンターに遊びに行く約束じゃなかったっけ?」

 

「え?マジで?今日だっけ?明日じゃなかったっけ?」

「何をいうか八幡、今日は水曜日であろう!」

 

「中二、今日は火曜日だよ・・・」

「ほら見ろ、全くお前は・・・」

 

「二人ともその辺にしなさい、とりあえずノックは聞こえなかったけど一応お客様だからお茶を出すわ、ノックは聞こえなかったのだけれど」

そう言うと雪ノ下は材木座を睨みつけ紅茶を淹れる茶菓子を準備をし始めた。

材木座は例によって視線を全く合わせずどっか向いている。

 

「ごめんね邪魔しちゃったみたいで」

戸塚が謝罪する。

後ろで材木座も一緒に頭を下げる。

 

「戸塚は悪くない、悪いのは全て後ろのでかいのだ、なあ材木座」

「ごふぅ、わ、我は悪くないぞ!せ、世間が悪いのだよ」

「中二が悪いよ!せっかくヒッキーがゆきのん誘って・・・」

「いいのよ、由比ヶ浜さん、買い物は今度一人で行くからいいわ」

「うー、ヒッキー!絶対ゆきのんの買い物に付き合ってあげてね!約束だよ!」

「お、おう・・・」

 

「リア充め爆発すればいいのに」

ぼそぼそと文句を言いながら茶菓子をむさぼり食う材木座に

「全くおまえは・・・あとそれ以上食うな、他の人も分もあるんだから」

材木座の手からお菓子を奪い取ってるところへ扉をノックする音が聞こえる

 

「どうぞ」

 

今度は小町と段ボールを持った川崎大志がやってきた

「じゃじゃーん、小町参上です!」

「どもっす、あ、お兄さん久しぶりっす!」

「お、小町、今日はどうしたんだ?あとそこのアイテムキャリアーは段ボール置いたら消えろ」

「アイテムキャリアーって俺のことっすか?ひどいっす、これ平塚先生がここに持って行けと言われて持ってきたんす、一緒に食べようと言われてるんっす!」

 

「またあの先生は・・・一体何を持ってきたんだ?」

トラブルの種じゃないだろうなと中を覗いてみると

「お菓子だな・・・スルメとかのつまみみたいのもあるな」

「いったいどうしたのかしら・・・平塚先生は他に何か言っていなかったかしら?」

「たしか商店街の福引きで当てたとか言ってたっす!」

 

「一人では食べきれないからこちらにもちこんだのね・・・」

「そうだな・・・一緒に食べる相手がいないからだろうな」

残念そうな表情で顔を見合わせる比企谷と雪ノ下を見て由比ヶ浜が声を上げる

「ゆきのんとヒッキーばかりなんか知っててずるい!」

「ずるいっておまえ・・・考えればわかるだろう・・・」

とりあえず皆で箱の中のお菓子を物色していると

 

「諸君!元気かね!」

今度はノックもせずに平塚先生が入ってくる

「先生、毎度いってますがノックをしてください」

「細かい話はよいだろう!お菓子を持ってきたのだ!福引きで当てたのだよ!私にも運が向いてきたようだ!皆で食べようじゃないか!」

今年の運はそれで全部使いきったんじゃないですかね?大丈夫ですか?婚活とか婚活とか?

ウキウキな顔をしてお菓子を漁る平塚先生を見て若干不安になる比企谷、雪ノ下はそんな先生を見てため息をつきつつ紅茶を準備する。

 

またノックの音が聞こえ今度は川崎が入ってくる。

「あのー大志はここにきてない?っていたいた、あんた!今日は買い物当番だったでしょ!」

「げ、ねーちゃん見つかったか」

「全くあんたは・・・」

飽きれ顔の川崎に平塚先生がお菓子を勧める。

「まあまあ川崎!お前もこれ食っていいぞ!なんなら家に持って帰ってもいい!たくさんあるからな!」

 

「本当ですか!京華はこれが好きだったかな?」

相変わらずのシスコンぶりを発揮しながら嬉々としてお菓子を物色する川崎

 

そしてそれらを完全無視してひたすらうまい棒だけを両手に持ちむさぼり食ってる材木座をそろそろ止めないといけないかなと腰を上げたところまたノックの音がして今度は三浦と葉山グループが入ってくる

 

「結衣ー迎えに来たよー!」

「え?優美子どしたの?」

「ちょっと結衣!今日あーし達とカラオケ行く約束してたっしょ」

「え?今日だった?」

「ほら優美子、やっぱり違っただろ?だから言っただろ」

「隼人はだまっているし!」

「まあまあ優美子、なんかみんな食べてるみたいだね、俺たちももらっていいかな?」

「ああいいぜ、たくさんあるから好きなのとっていいぞ」

「おい比企谷、それは私のだろう・・・まあいいか!みんな食え!若者は食わないとな!」

 

「許可が出たみたいだね、ほら優美子、これ食べて落ち着きなよ」

そういってスルメを進める葉山、戸部達も適当なお菓子をむしゃむしゃと食べ始めたあたりで今度は一色が部室に乱入してくる。

 

「先輩!大変なんですぅー」

「比企谷すまないな、会長を止められなかった」

入ってきたのは生徒会長の一色いろはと副会長の本牧、書記の藤沢

「一色、もう何も手伝わんぞ、おまえの力で何とかしろ」

材木座からうまい棒を奪い取りながら比企谷は答える。

 

「ほら会長言わんこっちゃない、比企谷も忙しそうだし俺たちでなんとかしましょう」

「えー先輩!うまい棒食べてるだけじゃないですか!今度学校代表でスピーチをしないといけなくなったから一緒に原稿考えてくれるって言ってたじゃないですか!」

 

「比企谷くんまた勝手にそんなことを・・・」

「ヒッキーいろはちゃんに甘すぎ」

雪ノ下と由比ヶ浜に睨まれる比企谷

 

「マテ、誤解だそんな約束した覚えが・・・あ、もしかしてこの間の昼飯の時か?戸塚の練習風景見るのにに集中してたからなに言ってたか覚えてねぇ」

その発言に雪ノ下はこめかみに手を当てながら

 

「はぁー仕方ないわ、本当はダメなのだけれど手伝ってあげるから感謝しなさい」

と雪ノ下は比企谷を自分と由比ヶ浜の間に座るように指示する

「比企谷くんこちらに来なさい、遺憾ながら私と由比ヶ浜さんも手伝うから」

「本当ですか!だから雪乃先輩は大好きです!」

そういうと一色は比企谷の正面へ

 

「わ、お兄ちゃん両手と正面に花だね!小町的にポイント高いよ!」

「比企谷はリア充だな」

「うむ八幡はまごうことなきリア充であるな」

「やっぱ八幡にはかなわないよ」

「ヒキタニくんぱねぇわー」

「それな」

「だな」

 

「おまえらいい加減に!「比企谷くん?」はいすみません」

結局皆がにやにやしている中雪ノ下に指導されながら原稿を考える比企谷、雪ノ下は指導しながら新しく来た人の分まで紅茶を淹れる、どんどんなくなる紙コップを見ながら

「比企谷くん大変、あなたのお友だちがもう底をつきそう・・・」

「なんでおまえはそう物を俺の友達にしたがるんだよ、そして何故悲しい目をする」

 

「ぷっ、ヒキタニくん紙コップが友達なの?面白いね、あ!写真撮ってあげよっか?」

そういいながらスマホを取り出す海老名、しかし一向に撮影をしようとしない。

「あれ?スマホ壊れた?うわ、反応しないー」

海老名のスマホが全く反応しないようだ、由比ヶ浜が代わりにと自分のスマホを渡すが同じく反応がない

「あれれ?ねぇヒッキーあたしのスマホも壊れちゃった」

「俺に言うなよ」

 

そういって比企谷も自分のスマホを出すが真っ暗なまま反応しない

「げ、俺のもかよ」

それを皮切りに皆自分の携帯やスマホを確認するが全員同じく動かなくなっているようだった。

 

「いったい何が起きているのかしら」

雪ノ下が不安そうな顔をしたとき唐突に気分が悪くなる

「なんだかめまいがするわ」

「俺もだ」

「ヒッキー、なんかぐるぐるする、気持ち悪い」

おいまじかよと比企谷が回りを見ると皆下を向いて具合の悪そうな顔をしている

「酸欠か?だれか窓を・・・」

葉山がそういって窓の方を向くがそのまま固まってしまう

窓の外はいつの間にか真っ暗になっていた、夜になったわけではなく真っ黒な紙を貼り付けているような感じの暗闇だ

 

「なにこれ?」

三浦は窓を開けようとするがびくともしない

「なんかヤバイぞ、ドア開けてくれ!」

気分が悪い為か片膝をついた葉山が怒鳴り、扉の近くにいた材木座が開けようとするがびくともしない

「開かぬ、閉じ込められた?」

 

そう騒いでる間にも気分はどんどん悪くなる、何かが体に流れ込んできているような感触がする。

しばらくすると唐突に頭痛とめまいが解ける、が同時に教室内に轟音と衝撃が走り天井が割れる

「お前ら机の下に入れ!」

比企谷はそういうと長机の下に隠れる

「ヒッキー、怖いよう」

由比ヶ浜は比企谷の腕にぎゅっと抱きつく、反対側は雪ノ下が無言で腕に抱きついている。

「先輩!」

一色が正面から首にしがみついてきた。

 

「小町は?小町!」

比企谷が怒鳴ると

「おにいちゃ「今いくからな!」」

そういうと比企谷は三人を振りほどこうとする、小町の元に行かないと思っていると

 

「比企谷!小町は任せろ!」

見ると川崎がこちらをにらみながら大志と小町の頭を抱えている

「んなわけいくか!小町!」

比企谷はなんとか小町の方へ行こうとしたが、三人が抱き着いているのと教室の振動が激しくなり身動きがとれなくなる。

 

衝撃と轟音は止まらず電灯が落ちてくる

「きゃあ!」

誰かの悲鳴が聞こえる

窓ガラスは全部砕け一瞬落下するような感覚に陥る

教室の振動はさらに激しくなり完全に身動きがとれない

「くそっ!三人とも捕まってろ!」

比企谷はそういって三人を抱き止めている腕に力を入れる

しばらくすると

 

ドガン!!!!

 

という音と衝撃とともに一気に静かになる

教室内は壁は崩れ天井は半壊しており青空が見える、床も大きな亀裂があり地面が見える、音も衝撃も無くなり静かになった。

「いったい何がどうなったんだ?」

皆動けないでいる仲、しばらくして比企谷が顔をあげるとガラスが全部無くなった窓からはどこかの森のような景色が広がっていた。

 

 

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