「・・・ッチー・・・ッチー」
何かとても息苦しい上にうるさい。
柔らかいものが顔に押し付けられて息苦しいのだが
「ブハァ、なんだ?どうなったんだ?」
目を覚ますとどうやら由比ヶ浜に頭を抱きしめられていた模様、柔らかいのは由比ヶ浜さんの自前のメロンでした。
「ハッチー!良かった!目を覚ました!」
「八幡、戸塚くん達が来るまで動いてはだめよ」
二人とも心配そうに俺の顔を覗き込んでいる
「俺はどのくらい気を失ってた?陽乃さんは?俺が倒れてからどうなったんだ?」
雪ノ下が刀を叩き折った瞬間、刀身の断面から黒い霧が吹き出し同時に陽乃さんは悲鳴を上げて倒れたそうだ。
呪いとやらはなくなったのだろうか?
俺の腹に刺さっていた刀の刀身はそのままだと危険だと思ったので抜いたそうだが触って大丈夫だったのか?
某アヌビス神みたくならないだろうな。
「そんなに時間は経ってないわ、出血が酷いから戸塚くんを呼んでくるので待っててちょうだい」
「ちょっとまて、由比ヶ浜と二人きりの時に陽乃さんが目を覚ましたら目も当てられん、俺の出血は大丈夫だ、それよりお前ら大丈夫か?」
「私たちは大丈夫よ・・・」
「あたしも大丈夫だけと・・・ダメだよ、早く止血しないと」
うーん本当はこのまま戸塚かめぐり先輩のどっちかを呼んできて貰う予定だったが、呼びに行っている間陽乃さんが復活したらヤバいし、このまま引きずってもらってもいいんだが体がだるいし思うように動けない。
まあ美少女二人に看取られて死ぬのも悪くないな、などと考えていると
「八幡、死んではだめよ、もし死んだら絶対に許さない」
雪ノ下と由比ヶ浜が今にも泣きそうな顔をする、だからそんな顔をするなよ。
まあ休んでれば回復するだろと目を閉じていたら
「八幡!我完全復活!助太刀に来たぞ!」
材木座が叫びながら入ってきた。
なんとか回復治療が成功したらしい
「八幡!大丈夫?僕も戦うよ!」
「比企谷くん!大丈夫?」
戸塚とめぐり先輩も来てくれたか、あの二人を見るだけで癒やされる、と思っていたら。
「ぬぅ!八幡!どうした?大丈夫か!八幡しっかりしろ!」
巨体がまっさきにやってきて俺の顔をはたき始めた
「八幡!寝たら死ぬぞ!はちまーん!」
うるせぇそれって雪山の話だろ
「材木座、ちょっとだまれ」
なんとか声を絞り出す
「城廻先輩、戸塚くん!八幡を助けてください、お願いします!」
「おねがいします、ハッチーを助けて!」
雪ノ下さん由比ヶ浜さん、ちょっとオーバーですよ?
あとさっきから気になってるんだがなんで俺のことを名前呼びなの?
由比ヶ浜さんに至ってはどこのみなしごミツバチですか?
めぐり先輩と戸塚がダブルでヒールをかけてくれたおかげで具合はあっという間にかなり良くなった、さすが最強の癒やしのコンビだな。
「はるさんは?」
「あそこに倒れています、陽乃さんは妖刀に体を乗っ取られていたようですね、妖刀は叩き折ったのでもう大丈夫かと思いますが」
「そっかーよかった」
めぐり先輩は倒れている陽乃さんのところに行くと様子を見ているようだ、ヒールをかけたり、枕代わりに何かを頭の下においたりとしばらくやっていると戻ってきた。
「気絶してるみたい、休んでいれば大丈夫かも」
本当に大丈夫か怪しいもんだが、そこうしていると外がだいぶ騒がしくなった。
葉山たちが到着したらしい
一色と葉山たちが部屋に入ってきた
「先輩!どうしたんですか!大丈夫ですか?!」
「おにいちゃん!」
「比企谷大丈夫か?陽乃さんに何があったんだ?」
「あー話すと長くなるんだが・・・」
と説明しようとしたら
「わたさない・・・」
どす黒い気配を感じて振り向くと陽乃さんが起き上がっていた。
手には先程跳ね飛ばした刀の柄を持っている。
柄からは黒いオーラのようなものが刀身のような形を形成していた。
なんかビームサーベル見たいで格好いいとかのんきに思っている場合ではないようだ。
どす黒い気配は大きくなり陽乃さんはそのまま空中に浮いた状態になる
「説明しろ比企谷!」
葉山が怒鳴ってくる
「簡単に説明すると妖刀に支配されているみたいだ」
「妖刀に体を乗っ取られているのか・・・まさか」
葉山も呆然としている
「諸君!ここにいたのかね!探したぞ!」
シリアスな空気をぶち壊すように平塚先生が部屋に入ってきた。
「必殺技を使えるというのは楽しくて仕方ないな!さっきはサイコクラッシャーをかましてやった!こんなか弱い女性に襲い掛かってくるなんぞ言語道断だから自業自得だな!」
か弱い?か弱いってなんでしたっけ?もうこの人何でもアリだな
「ム?陽乃はいったいどうしたというのだ?あれじゃ魔王みたいでかっこいいじゃないか!ちょっとずるいな!おい!陽乃!私の話を聞いてくれ・・・ってどうした?こちらを睨んで?よくわからんから遊んでないで状況を説明しろ!」
興奮気味の平塚先生は状況をイマイチ把握してないのか空中に浮いている陽乃さんに近づく
「邪魔しないで!」
陽乃さんが柄を振ると黒い刃が飛んで来て平塚先生を襲った、が平塚先生はそれを簡単に打ち消すと
「ほう、恩師に暴力とはいい度胸だな、一度お前には思いっきりお仕置きしないと行けないと思ってたところだからちょうどいい」
そういうと顔の前で腕を交差させ唸り声を上げ始めた
「ぬぉー」
平塚先生の体から白い何かが立ち上ってくる
「おい、葉山あれなんだ?」
「俺が知るか、かめはめ波じゃなさそうなのはわかるが」
あの人またとんでもない技を出すんじゃないだろうな?
「静ちゃん邪魔、どっかにいって!」
陽乃さんが叫んでまた柄を振り上げたがそのとき
「覇王翔哮拳!!!!」
はおうしょうこうけ、のあたりで食い気味に円盤状の光線の塊が飛んで行き陽乃さんに激突した、あまりにも早くてほぼぶつかった状態しかわからなかった。
ビシャーン
という音とともに陽乃さんが吹っ飛ぶ、柄はここから見てもバラバラになっているがわかる。
「あ、強くやりすぎた」
そのまま空中から落下する陽乃さん
「陽乃さん!」
葉山が走っていきそのまま受け止めた、親方!空から女の子が!でもあーしさんがすごい顔で睨んでた。
「あれ?隼人、なんでここにいるの?あれ比企谷くん?雪乃ちゃんも静ちゃんも?なんでここにいるの?めぐりは?」
雪ノ下や由比ヶ浜から安堵のため息が聞こえる、ともあれこれで終わったのか?
俺たちはどうやら魔女に勝利したようだ。
俺じゃなくて平塚先生が来てたらすぐ終わった気もするが、やはり俺は後方で待機してたほうが良かったんじゃないか?
でもまぁみんな生きのびたし、こういう感触が味わえるんだから今回はこれでいいか、と雪ノ下と由比ヶ浜が喜んで抱きついてくる感触を味わいながらそう思う事にした。