八幡達は異世界にて奮闘する。   作:もよぶ

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今回で陽乃めぐり救出編終了になります。


第二十話

「確か領主の悪行の証拠品を整理していて・・・!!!」

陽乃さんの顔つきが変わる、まずいなこれ、やってたことを覚えているパターンだ。

 

「比企谷、一体どうなっている?魔女は?」

葉山がよくわかってないといった顔だ、そもそもここにいる大半がそういった顔をしている。

 

「魔女はここにはいない、初めからそんなのはいなかった、今詳しく説明するからちっとまて」

ともかく今は陽乃さんを落ち着かせないと、俺は一呼吸して気持ちを落ち着かせる。

 

「雪ノ下、由比ヶ浜、城廻先輩は雪ノ下さんをつれて別な部屋に行って状況を説明して落ち着かせてくれ、頼む」

 

あの状態だと身内や近い者が話をした方がいいだろう。

「比企谷くん、ごめんなさい・・・」

陽乃さんは今にも泣き出しそうな顔だ。

 

「雪ノ下、頼む」

「・・・ええ八幡任せて、姉さん、言いたいことは沢山あると思うけど今はいいの、行きましょう」

四人は部屋から出ていった。

雪ノ下と陽乃さんの話がこじれても由比ヶ浜とめぐり先輩がいれば大丈夫だろう。

 

ともかく状況説明だ。

皆に状況を説明した。

「そうか・・・妖刀のせいか・・・」

葉山はバラバラになった刀の柄や刀身を拾い上げる

「おい触って大丈夫なのか?」

「一応俺は聖騎士だからな、プリーストも呪いに対する耐性の加護はうけているよ、城廻先輩が影響を受けなかったのはそのせいかもな、これは証拠品として持ち帰ろう、しかし外の連中や国王になんて報告したらいいんだ?」

 

外では部隊が屋敷を包囲、葉山の帰りを待っているのだ

窓からも包囲している兵士達が見える。

 

「ともかくここを出ないか?それと葉山ちょっといいか?」

「・・・君がちょっととかいうとろくでもないことを言ってくる気がするんだが?」

「当たらずとも遠からずだな、お前にとっても悪い話じゃないが他の奴に聞かれると面倒だからな」

比企谷は葉山に何か耳打ちしている。

葉山は驚いたような顔をして拒否したり揉めたりしていたようだが

 

「わかったよ・・・俺としては君が解決したと伝えるべきだと思うんだがな」

「俺みたいなのが出しゃばってもいいことはねぇよ、お前もそろそろ学習しろ」

 

ちなみに海老名さんはその光景に例によって鼻血大噴出していた。

あと小町から散々怒られてしまった。

あの時はああするしかなかったし雪ノ下も由比ヶ浜も了承済みだと言ったが俺が丸め込んだんだろうとか言われてしまった。

まあそうなんですけどね、ともかく二度とこういうことをするなと釘を刺されてしまった。

 

川崎からもきつい口調でバカとか言われるし、平塚先生に至っては一辺死なないとわからないようだなと指をゴキゴキならしながら言ってくるし、やめてくださいしんでしまいます。

本牧と藤沢は俺らしいと苦笑いしてくるし、大志に至っては尊敬の眼差しだ、やめろ、おまえに尊敬されてもうれしくねぇ、それより小町に怪我させてないだろうな?

 

陽乃さんが落ち着いた後皆は東の領地から撤収する。

やはり領内の兵士も妖刀の影響を受けていたらしく、現在は皆正気に戻っているようだ。

葉山達は洗脳されていることを考慮して戦ったとかで奇跡的に死者はいないらしい、それより平塚先生がやらかしたことの方がでかすぎる、門の扉は破壊されてるし館から門まで一直線に道が出来ている。

これでよく死人でなかったな、あとでこれどっかから怒られるだろ。

 

陽乃さんは俺たちと顔を合わせるとひたすら謝っていた。

特に材木座には土下座せんばかりの勢いだったが、当の材木座は妖刀のせいだから、大丈夫だからと逆に逃げ腰だった。

しおらしい陽乃さんを見れるのはかなりレアじゃなかろうか?

 

それよりも問題は雪ノ下と由比ヶ浜である、呼び方が比企谷くんから八幡、ヒッキーからハッチーに呼び方変わってしまったことだ。

こちらが苗字で呼ぶと無視である、その上

「姉さんと城廻先輩のことは名前で呼んでいたのに・・・」

「ハッチーはもう名前で呼んでくれないんだ・・・」

陽乃さんの場合は仕方ないでしょ?

めぐり先輩はつい呼んでしまったんだよなぁ、だってしろめぐりって長いじゃん、とっさについ口に出しちゃったわけで、と弁解しようにもなんか目のハイライトを消してこちらに迫ってくるので観念せざるを得なかった。

 

「わかったよ・・・雪乃、結衣・・・これでいいだろ?てかハッチーってなんだよ」

「八幡だからハッチーなんだけどだめ・・・かな・・・」

結衣さんそんな悲しそうな目で見ないでくださいよ

「わーったよもう好きに呼べよ」

 

二人はニコッと笑って俺の両隣に座って満足そうだ、馬車が狭いのも相まって密着度が半端ない、一色はふくれっ面になっていたがその他の連中はニヤニヤしていて・・・もう勘弁してください。

「あー比企谷くん?私のことも名前で呼んで欲しいかな?雪乃ちゃんだけなんてずるいとおもうな」

陽乃さん、あなた何を言っているんですか?

「先輩、こうなったらわたしも名前で呼んでもらわないとバランス取れませんよね?」

一色も何を言ってるんだ?バランスってなんだよ。

「うーん、だとせっかくだからわたしも呼んでほしいかな?私のこと名前で呼んで庇ってくれた時凄く嬉しかったよ?」

めぐり先輩までかよ!

 

「フム、だと我のことも名字ではなく『よしてる』と呼んでもらう必要が有りそうだな!我を名前で呼ぶ事を許可してしんぜよう!さあ早く呼べ!恥ずかしがらずに!」

材木座、お前は調子に乗るな、戸塚なら名前で呼んでもいいな。

と戸塚の方を向くと

「あははは、僕は別に戸塚でいいからね?」

クソ!

「まぁ、わかりましたよ・・・陽乃さん、いろは、めぐり先輩、これでいいですかね?」

今度は雪乃と、結衣が不満そうだ。

もう誰をなんて呼んでもいいでしょう?

 

「あれれ?八幡?我は?ねぇ?」

これ以上めんどくさくならない事を願いつつ絡んでくる材木座を無視して王都までの道のりをひたすら疲れて寝たふりをして過ごすことにしたのだった。

 


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