八幡達は異世界にて奮闘する。   作:もよぶ

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第二十七話

夕方千葉亭の営業が開始される、

開始と同時にまたどっと人が集まりまたも大混雑になった。

夜はお酒も出すため回転は悪く、おかげで相席をお願いしたり立ってでもいいから入れろとか言われたり本当にすし詰め状態である。

 

そんな状態、やはりというか冒険者連中は血気盛んなので酒が入ると暴れ始めるのがちらほら出てくる

「ああ!やんのかこら!」

「上等だ!てめぇ!」

お決まりの文句から殴り合いスタートだ。

やっぱり始まったか、嫌だけど一応止めに入ることにするが

 

「てめぇは引っ込んでろ!」

と突き飛ばされてしまった。

「いてて、クソ!暴れんなよ!」

と文句を言うがまるで聞き入れてくれない

 

「大丈夫かね?君は参謀には向いてるかもしれんがこういうのは得意ではないと見える、まあ見ておきたまえ」

と国王がラフな格好でやってきた、鎧の上からではわからなかったが筋肉がものすごい、腕が俺の脚より太い。

でもこの人酒が入ってないか?悪化しないだろうかと心配になるが今の俺には見ることしかできない。

「やー君たち、ちょっといいかな?」

殴り合いしているところに強引に割り込んでいく。

 

「あんだ?オッサンは引っ込んでろ!」

「うっせぇぞ!割り込んでくるんじゃねぇ!」

と喧嘩してる連中が国王に殴り掛かる

「一応用心棒なのでそういうわけにもいかなくてね」

と殴ってきたこぶしを簡単に受け止めるとカウンターで殴り飛ばした

 

ガッシャーン

 

近くにいた人のテーブルをひっくり返しそのまま男達は壁まで吹き飛ぶ

「あー諸君!こうなりたくなければ楽しく酒を飲みたまえ!君たちも水を飲んで頭冷やして落ち着きたまえ、次やったら追い出すからな?あとそこのテーブルの人?大変ご迷惑をかけた、ここはわたしがおごろう」

あっさり場を収めやがった。しかも迷惑かけた人へのフォローも忘れない、流石経験者である。

 

「こんな感じで躊躇なくやるのが大事だよ?ほら君の友人を見てみなさい」

と川崎を指差す

「ちょっとあんた!どこ触ってるんだ!」

どうも尻を触られたらしい川崎はテーブルにいる客の顔をグーで殴ってた。

顔はいかんから、ボディーにするのが座右の銘じゃなかったでしたっけ?

でも一応加減はしているようだ、殴られた方の連れはゲタゲタと笑ってる。

「こういう場はあのぐらいがちょうどいい、連中にもいい薬だ」

そういうと国王は自分の席に戻っていった。

 

でもそうなると平塚先生はどうなるんだ?また変な必殺技かまされたらやばいな、とあたりを見回すと

ちょうど何かされたらしく男の胸ぐらを掴んでいた。

そこに格闘の教官も居合わせて一緒に睨みつけている為、男がなんかかわいそうな感じになっていた。

まあ自業自得だろう。

 

「ちょっとやめてください!」

結衣の声が聞こえる、やれやれまたか

「えーいいじゃん一緒に飲もうよ!君結衣ちゃんっていうの?かわいい名前だね!ねぇこんなところの連中とじゃなくて俺と組もうよ!きっと楽しいよ!」

あーチャラ男みたいなのにからまれてるな、面倒だが今回は俺が行ってみるか、どうにもならなかったら国王に助けを求めればいいやと考えると結衣とチャラ男の間に割って入る

 

「いやーすんません、こいつはうちの大切な奴なんでスカウトは勘弁してくれませんかね?」

 

いきなり殴るのは心情的にどうかと思ったので一応説得から入る

「ああ?おめーには聞いてねーよ、結衣ちゃんこっちにきなよ」

とチャラ男は結衣を引っ張る

「嫌!やめて!」

 

「ちょっとやめてもらえませんかね?」

軽く男の手を軽くはたいたがそれが良くなかったようだ。

「ああ!やんのか!」

といきなり顔面パンチをもらって倒れてしまった。

「ハッチー!」

結衣に抱きかかえられるがそれが余計にチャラ男を刺激した模様

「てめぇ!いい気になってんなよ!」

と今度は腹を踏みつけられる

「がふっ」

「ああ?その腐った目で分かった、てめぇ最近調子にのってるヒキガヤとかいう奴だろ!領主様に取り入りやがって!何が異世界人だ!俺なんかバイト先の生意気な女をちょっと殴っただけで異世界から来た人を見習えとか言われて首にされるしよ!大体てめぇはいつもかわいい子侍らしやがって!ずるいんだよ!」

と言いがかりをつけられたうえ何度か腹を踏みつけられる

「ゲホッ、ガハァ」

「もうやめてください!」

結衣が叫ぶ、こんなんだったら初めっから殴っときゃよかったと後悔していると

 

「やれやれ、やっぱり君は優しすぎるな、まあ異世界の連中は全体的にそう言うところがあるみたいだがね」

国王がやってきてチャラ男の前に立つ

「君が痛めつけた人はここのオーナーなんだけどね?首がどうこうは自業自得だろう、彼には関係ないことだ、出て行ってくれないか?」

国王はそう言うと片手でチャラ男の胸ぐらを掴むとそのままヒョイと持ち上げ睨みつける

「ヒィ!」

歴戦の勇士の眼力はかなりものらしくチャラ男の表情は見えないがかなり怯えてる模様

「酔っていたとはいえ無抵抗の人間を痛めつけるのはどうかと思うがね、二度と顔を見せるな」

そう言うと扉からチャラ男を文字通り外に投げ捨てた。

 

「ハッチーごめんなさい・・・」

「結衣、謝んな、俺の対応が不味かっただけだ」

「確かに対応が不味いな、あと結衣くん、会計待ってるお客がいるぞ?ここは任せて早くいくといい」

国王が戻ってくる、ちょっと辛辣ですね。

「まぁ慣れない時はこうなる物だ、私も酔っ払いでも言えば分かってくれると思っていた時期もあった、君は少し休むといい、代わりに私が働こう」

「それは、流石にちょっと」

「気にするな、こう見えて結構楽しんでいるからその礼だ」

無理やり休憩室に押し込まれると国王は俺の代わりに注文取りに向かってしまった。

 

その後回復した俺は国王の助けもありなんだかんだでその日を乗り切った。

次から躊躇なくいくことにするか、中途半端は良くない。

戸塚も絡まれたが男だと言ったら微妙な反応になり即解放というのが何度かあったらしい、小町も絡まれたが材木座がすぐにやってきてにどうにかしてもらったりしたとか、あいつ中身入れ替わってないよな?本当に本人か?

 

奴は以外に結構多くの冒険者と顔なじみであるらしく、対応すると、よう!将軍!と言われて穏便に事が済んでしまってたとか。

あの口調と行動だから面白がられてるのかもしれん。

 

大志は自分のことで精一杯だったみたいだが小町のピンチに駆けつけなかったペナルティとして後で説教だな。

 

「やっと終わったな」

夜、ようやく最後の客を追い出し店を閉めた。

閉めるのが早いみたいなことを言われたが昼もやってるのだから夜遅くまでやるのは正直俺たちの体が持たない、明日の仕込みもあるんだから早々に締めることにした。

 

「しかし疲れたな、今日だけでずいぶん稼いだんじゃないか?」

「ごめんなさい、私が途中で抜けたりしなければ・・・」

「雪乃先輩!その分わたし達頑張りましたから!」

「そーだよゆきのん!へーかにも手伝ってもらったし!」

確かにみんな頑張ってくれた、しかしお客であるはずの国王にも手伝いをさせたのは問題だと思う、ここは一応オーナーとしてお詫びをすべきだろう。

 

「国王陛下、お手伝いさせて大変申し訳ありませんでした」

 

「いやいや、楽しかったので私はいいんだ、それより葉山君や陽乃君達から話を聞くと君たちの世界は大分物騒な武器があったり世界情勢もめんどくさそうで厄介だと思っていたのだよ、だが今回君たちの働いている所を見てわかった、君たち一般人の世界は平和すぎるんだな、正直羨ましくはある、だが商売をしていく以上もっとこの世界の流儀に慣れた方がいい、優しくしていると相手はつけあがるぞ?守りたいものがあるなら力を見せるんだな」

と自分の腕の筋肉を見せびらかす、マジで丸太のようである

 

「すっごーいカチカチだよおにいちゃん!」

なんか小町が国王の腕を触っている、ちょっとやめなさいって

「スッゴーい!小町普通にぶら下がれる!おにいちゃんもこのぐらい鍛えればいいのに!」

小町ちゃんあんたなにやってんの?国王もなんだか楽しそうだし

 

「フム、鍛えるのは良いぞ!比企谷、私と一緒に鍛えようじゃないか!」

平塚先生勘弁してくださいよ、あんたと鍛えたらいつの間にか亀仙流か極限流空手の門下生になっちまうわ。

でも雪ノ下の体力増強は課題の一つだろう、討伐でも戦いが長引かないよう補助魔法を駆使しての一撃必殺の戦い方しかしてこなかったしな

 

「雪乃ちゃん?もう少し体力つけないとこれからいろいろ大変よ?お姉ちゃんとトレーニングしよっか?」

陽乃さんうれしい申し出です、しかしここにきてなんだか姉妹の仲がぐっと近づいた感じではある、妖刀のことがあったり一緒に仕事したりして少しは雪乃の話を聞くようにしたからかもしれない、雪乃もなんだかうれしそうだし仲良きことは美しきかなである。

 

「あのー先輩、そろそろ明日の仕込みをして寝ませんか?このままだと深夜になってしまいませんか?」

ナイスいろは、明日も朝から混雑が予想されるからな

「そうだな、結衣、清算しておいてくれ、あと明日食材調達も必要になるからその確認も必要だ、さっさと準備をして寝ちまおう」

他にも掃除やら食器洗いやら色々な雑用が沢山残っているので皆に指示を出して片づけに入る。

「やはり君はこういうのは得意そうなんだな、私は明日帰るがもしその気があるなら城に来たまえ」

またスカウトされた、ちょっと困るんですけど

「あと陽乃君のことは諦めてないからな、むしろ雪乃君と結衣君といろは君もセットで欲しい、うちの王女の良い友人になってくれそうだしな、他の者もできたら欲しい所だ、色々いい刺激になる」

平塚先生とか物理的に刺激を与えかねませんがね。

 

そういうと国王はまた笑いながら自分の部屋に帰って行った。

引き抜きの対象が増えてるんですけど、なんだか変な風に目を付けられてしまったな。

 

店はまだまだ忙しさが続くだろう、しばらくは情報収集なんてできるような状態ではないが、命の心配が無いし焦って討伐をする必要も無い上に明日の飯のことを考えなくて済む、こんな元の世界では当たり前のことがこんなにうれしいことだったとは思わなかった。

 

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