八幡達は異世界にて奮闘する。   作:もよぶ

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第二十九話

「よし、荷物はこれで十分だな、弁当も持ったし、んじゃいくか」

今日は狩り目的の討伐の日だ、店は陽乃さん達に任せて雪乃と結衣、いろは、戸塚、材木座と共に出る。

無理はしないとはいえ最低このぐらいはいないと何かあった時大変だ、さらにいろはには煙が出る矢を持たせている、いわゆる信号弾のような物だ、もし負傷者が出たり面倒なことが起きたらこれを空に向けて撃って周囲に知らせるのだ。

近くに冒険者がいた場合は救助に来るような暗黙の了解のような物があるらしい。

お互い助け合えということだが、まあ来てくれるかは五分五分だ。

 

ヤバい時は陽乃さんにお願いしてテレポートの魔法で戻してもらおうと思ったが、実際は目視できる範囲を移動するぐらいであまり使い物にならないとか、人ひとり転送するだけでかなりの魔力を消費してしまうらしい、前めぐり先輩を転送できたのは妖刀の有り余る魔力のせいでできてたんだとか、確かに領地の人全員にチャームをかけて魅了したりとか異常な量の魔力だったみたいだったし、それに一般人が簡単にぽんぽん使えたら盗みとか簡単にできちゃうし、使えると言ってもそんなもんなのだろう、現実は厳しい。

 

「またいつものところかしら?」

「そうだな、それとおまえも最近は少し体力がついてきたみたいだな」

「補助魔法をなるべく使わないで戦うようにしているからかしら?最近は体が軽いのよ」

その調子でお願いしますよ?厨房担当が倒れられたら困りますもの。

 

「八幡よ!最近我も補助魔法を少し使えるようにしているのだよ!」

そう言うと材木座は小さな盾のような防御魔法を見せてくれた

 

「ふっふっふ、投石を弾き返すとまではいかないが、少しだけなら防御可能だ!あと反射の魔法もだな・・・」

と長々と講釈を垂れ流そうとしてきた、うーんちょっとうざいかな?

「ほーん、んじゃあ結衣の魔法を受け止めたり反射できるかやってみようか?結衣は気軽に魔力調整が出来るからな、たまに人の数倍の威力が出す時があるが練習にはもってこいだろ?」

 

「え?あー八幡?遠慮しときます・・・」

まあ、今日の結衣は出かける前に全部の冷蔵庫に魔力注入してきたからそれほど魔法連発できないんだがな、調子に乗るのは良くないから材木座にはいい薬だ。

 

そんなこんなでいつもの広場へ到着した、途中モンスターに遭遇しなかったので余計な体力を使わずに済んだのは良かった。

ちょっと気楽すぎるかな?と思っていたが無理しないし、この辺はモンスターも小さい個体しかいないので大丈夫だろ、そう思っていたらふと広場の真ん中に妙なオブジェが置いてあるのに気が付いた。

 

「何だこれ?」

骨で作られた妙なオブジェが異様な存在感を醸し出してる

「ゴブリンが作った物に似てるわね?罠かもしれないから近づかない方がいいのではないかしら?」

「うーんなんか妙な魔力を感じるよ?ゴブリンが作った物とは違うんじゃ・・・」

戸塚がそう言いオブジェを観察している、俺も一緒に覗き込んでしげしげと観察してみる。

「強いて言えば斬新なかかしに見えなくもないな、まぁ大丈夫だろ、何かが飛び出てきたら俺が戸塚を守ってやる」

とそんなことを言っていると突然オブジェの目のあたりが光りだす

 

「うわ!」

「戸塚!大丈夫か!」

 

「ハッチーなんか変だよ?なんかこの辺の魔力が変な感じになってる!」

「先輩!なんか突然モンスターの気配が接近してきました!この気配はゴブリン、ダイアウルフ、オウルベアー、ワイルドボア・・・ほかにも虫やトカゲの奴とか!なんか凄くいっぱいこちらに向かってます!」

 

「はぁ?んなバカな!さっきまでなんもいなかっただろ!クソ!罠か?とりあえず逃げるぞ!」

来た道を戻ろうとするが

「嘘だろ・・・」

道の向こうから姿を隠そうともせずモンスター達がこちらに向かってきているのが見える。

 

「クソ!こいつが原因なのか?」

オブジェを破壊してみるが、モンスターの様子に代わる気配が無い

 

「ここで迎え撃つ!お前ら固まれ!あのゴブリンがこっちまで来たら一点突破で逃げ・・・」

最後までしゃべる前にゴブリン共が放った矢の雨が降ってきた。

 

「お二人とも危ない!」

材木座が雪乃と結衣を突き飛ばして矢の雨から回避してくれたが、落ち着く間もなく矢継ぎ早にモンスターたちが襲って来た為俺たちは分断されてしまった。

 

「八幡!雪ノ下殿と由比ヶ浜殿のことは任せられよ!」

 

材木座が二人をかばい襲ってくるモンスターたちを切り捨てている、無論雪乃も結衣も負けじとモンスターを倒しているがどんどん襲ってくる、こちらにいる戸塚やいろはは接近戦は苦手だがなんとか対処してもらっている。

 

倒しても倒してもきりがない、幸いこの辺には大きい個体のモンスターは冒険者たちに狩りつくされほとんどいない、ほとんどが小さい個体モンスターなのでなんとか対処できている、ただ武器を振り回すゴブリン共が厄介だ。

 

「クソ!きりがないぞ!」

しかもこいつら攻撃よりもこちらに接近することを最優先にしているかのようにふるまっている。

おかげでモンスターが邪魔ですぐ近くにいるのに雪乃達と全然合流できない。

 

「いろは!信号弾を打て!」

「ハイ!」

 

いろはが隙を見て空に向けて信号弾を放つ、オレンジ色の煙を出しながら信号弾は空へと消えていく

「誰かが見てくれてばいいんだが」

 

この辺には小さい個体ばかりだが実際のところ大きい個体がいつ襲ってくるからわからないのだ、可能性は0ではない、ここは辺境だ、前に見たオーガなど森の奥深くには大型のモンスターが多数いるという話もある。

 

「早く逃げ出さないとまずいことになるな」

雪乃の方を見るとさすがに疲れが見え始めていた。

結衣の魔法も威力が落ちているように見える

「まずいな・・・ん?」

木が不自然に揺れているので上をみると斧を持ったゴブリンが雪乃の頭上にいる

「雪乃!上だ!」

俺が叫ぶと同時にゴブリンは雪乃の頭上に飛び降りた。

 

「雪ノ下殿!」

「きゃぁ!」

頭上から振ってくるゴブリンに気が付いた材木座が雪乃を思いっきり突き飛ばした。

 

ズバッ

 

「はれ?腕が?」

 

材木座が雪乃を突き飛ばそうと伸ばした左腕がそのまま頭上から落ちてきたゴブリンの斧でひじから先を切断されてしまった。

 

「ちょっと材木座くん乱暴すぎ・・・あ・・・」

振り向いた雪乃はひじから先が無くなった材木座を正面から見る形となる、切断された腕から血が勢いよく噴出し雪乃の顔が真っ赤に染まる。

「いやぁあああああああ!!!」

 

雪乃の声がこだまする

 




この世界は体の一部が欠損した場合は医者による治療が必要です。
魔法で回復するのは切り傷、刺し傷等の体の一部が欠損しない怪我になります。
外部からの病原菌を消滅させたり消毒に仕えたりする浄化の魔法もありますが効果のほどは魔法を使える人の能力に依存しています。

魔法を使えても誰でも同じように回復や浄化の効果が期待できるわけではない世界です。
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