八幡達は異世界にて奮闘する。   作:もよぶ

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第三十話

「ゆきのん!どうしたのって!中二!その腕!」

モンスターを魔法で吹っ飛ばしながら結衣が近づく

 

「ははは、斬られてしまったようだ、すまぬな雪ノ下殿、我の血で汚してしまったようだ、しかし不思議とあんまり痛くは無いな?アドレナリンというものか?それより片腕ではうまく剣をふれぬようだ」

 

しゃべりながら右手でロングソードを振っているがゴブリンにすら致命傷は与えられず追い払う程度しかできていないようだ。

「また、私のせいで・・・材木座くんも私のせいで・・・入学式の八幡のように・・・ごめんなさい・・・」

 

血だらけの顔で雪乃がへたり込み放心している。

「ゆきのん!そんなことしてる場合じゃないよ!ハッチー!中二の腕斬られちゃった!あとゆきのんおかしくなっちゃった!」

 

一部始終を目の前見ていた。

材木座の腕が切断されたのに俺は何にも出来なかったのだ。

「クソ!雪乃!しっかりしろ!あと結衣!雪乃のカバーをしろ!材木座は止血だ!」

 

この世界の回復魔法は万能ではない、体の一部が欠損してしまったら現代で言うところの手術をするしかないのだ、その為の医者はいる、今の俺たちに出来ることは今すぐここから逃げ出して医者に駆け込むことだ、だがそれも出来ない。

 

「材木座くん、ごめんなさい、今すぐ止血しないといけないわね、なにかひものような物が・・・ちょうどいいわこれを」

雪乃は自分の髪につけているリボンをほどく

「これで腕を結べば止血できるわね、動かないでちょうだい?」

雪乃の目には光が無くなっていた、ショックで正気を失っているようだ。

 

「雪ノ下殿!そんな細いリボンでは意味が無い!」

「ゆきのん・・・ハッチー!ゆきのんこわれちゃった!」

 

「くそっ、結衣!マントとかを破って腕を結んでやれ!」

「無理だよ!モンスターを追い払うので精いっぱいだよ!!!そんな暇無いよ!!」

「我は大丈夫だ!なに!体が軽くなっていい感じよ!」

材木座は片手で剣を振るいどうにか対処しているが出血がひどくどう見ても長く続きそうにない、その時森の奥からモンスター唸り声が聞こえる

 

グオオオオオ

 

「なんかやばいんじゃないのか?」

「先輩、やばいです、あれやばいですよ!」

 

モンスター達が一瞬固まった

「おい!今だ!材木座達の所へ行くぞ!固まれ!」

一瞬の隙を見てダッシュで合流する

「八幡・・・ごめんなさい・・・私のせいで・・・ごめんなさい・・・」

雪乃は涙を流しながらへたり込んでいた。

「戸塚!材木座の止血だ!あと雪乃!あとからいくらでも話を聞いてやるから今はまず立て!立って剣を構えてくれ!」

「私が悪いのよ・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・」

 

ドスン、ドスン

 

と森の暗闇から大型のモンスターが歩く音が聞こえる、

 

こん棒を持ったゴブリンチャンピオンが姿を現した。

 

「嘘だろ・・・あんなん無理だろ・・・」

「先輩、どうしましょう・・・」

「ハッチー・・・」

 

「ええい!クソッ、戸塚、材木座、俺と前に出ろ!時間を稼ぐから結衣といろはは雪乃を担いでここから逃げろ!逃げることを優先しろ!」

 

結衣の魔法はそろそろ打ち止めだ、目に見えて威力が落ちている、しかしゴブリンの数を大分減らしたし他のモンスターもゴブリンチャンピオンに恐れをなして逃走したのかさっきよりは減っているようだ、森から抜ける道にもまだモンスターはうろついてはいるが、そろそろ打ち止めの結衣の魔法でも、あの程度なら薙ぎ払えるはずだ

 

「嫌だよ・・・一緒に逃げようよ・・・」

「逃げてもあいつが走ってきたら簡単に追いつかれる!今しかチャンスは無い、いいから逃げろ!」

「先輩・・・わかりました!結衣先輩!雪乃先輩!行きましょう!」

「結衣さん?いろはさん?どこへ連れて行くの?八幡は?嫌よ・・・嫌よ・・・」

 

「二人とも雪乃を頼むわ、あと小町のことも頼む、それと・・・きちんと答えを出せなくてすまなかった」

「ハッチー・・・」

 

「ふん!アレを倒してしまっても構わんのだろう?なぁ八幡よ!」

「そうだよ、怪我しても僕が回復させるから大丈夫だよ」

「二人ともすまん」

「そこは『ええ、遠慮はいらないわ』というところであろう?まあよいわ、某アーチャーではないがこういう結末になるとはさすがの我でも予想は出来なかったがな!」

 

「本当にすまん」

「僕も最後に男らしいところ見せれるんだもん、八幡も一緒だし、気にしてないよ!」

「戸塚・・・」

 

俺たちは構えた、結衣たちは既に後ろの道を進んでいるようだ、雪乃の叫び声が聞こえる。

 

「・・・では八幡、戸塚殿いこうか」

 

「いくぞ!」

と踏み出した途端

 

「三人とも伏せるし!」

後ろから聞き覚えのある声がした。

俺たちは反射的に地面に伏せる

 

「ファイヤーアロー!!」

 

後ろから炎の矢が数発飛んでゴブリンチャンピオンの体に突き刺さる

 

グギャアアアアアア

 

ゴブリンチャンピオンは悲鳴を上げかがみこんだ

「エクスプロード!」

 

ズドーン

 

かがみこんだゴブリンチャンピオンの頭に魔法が命中する。

煙が晴れるとそこには上半身が無くなったゴブリンチャンピオンだったものが座っていた。

 

「比企谷!」

振り向くと馬に乗った葉山と三浦が俺たちを見下ろしていた。

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