「信号弾を見つけたから急いで来たんだ、いったいどうした?・・・材木座くん!その腕は!」
「ヒキオは下がりな、隼人、とりあえずこいつら何とかするし」
葉山と三浦は馬から降りる、三浦は両手からファイヤーボールを連射して散らばってるモンスターを掃討しはじめた。
ゴブリンチャンピオンが倒されたことに恐れをなしたのかゴブリン共の大半は逃走、しかしまだ残っているゴブリンやモンスターがこちらに襲ってきている。
「そうだな、他の奴らは追いついてきたか?」
「あいつら足早いからもう来るっしょ、それよりまとめて吹っ飛ばしていい?」
「まて、まず材木座君の腕を探してからだ、あと彼の応急手当だな」
「す、すまぬ・・・しかし・・・これで・・たす・・かった・・・」
材木座は安心したのかそのまま倒れ気を失った。
「材木座!」
「大丈夫だ、息はある、それより比企谷、どうしたんだ?慎重なお前らしくないな、結衣たちを途中で見つけて話を聞いた」
そうしているうちに戸部たちも到着、こいつらは走ってきたらしい、合流した結衣達もつれてきていた。
「どったの?ヒキタニ君らしくねーべってザイモクザ君、その腕!!!!」
「戸部、大和は材木座君の腕を探しつつモンスターの掃討を頼む、大岡は馬で一足先に戻って医者を探してくれ、材木座君は君たちの宿に一旦運び込む」
「「「わかった」」」
「姫菜はマジックポーションとかの回復剤を結衣たちに分けてくれ、それと適当な木の枝を切るからそれで担架を作ってくれ」
「うん」
「すまん・・・」
「それは材木座君に言ってくれ、聞きたいことは山ほどあるが今はここから逃げるのが先決だ・・・おい、比企谷腰につけてるそれはなんだ?」
葉山が先日チャラ男にもらった白い鳥居のようなアクセサリーを指差す。
「ああ、店に来たやつからもらったんだよ、ゴブリン避けって言ってたけど全く役に立たなかったな、まあお守りなんてそんなもん・・・おい!なにしてるんだ?」
葉山は比企谷から強引にアクセサリをもぎ取ると空に向かって投げる
「優美子!」
「わかってるし!」
空中で三浦のファイヤーボールが命中しあっという間に燃え尽きてしまった。
「おい、一体どういう・・・」
「ここに来たとき、変な物はなかったか?具体的に言うと骨で作られた物だ」
「ああ、確かにあった、なんか目が光ったかと思うといきなりモンスターが大量に押し寄せてきたんだ」
「そうか、やっぱり」
「おい、どういうことだ?それを壊してもモンスターの動きには全く変化なかったぞ」
「アレはスイッチみたいなもんだ、さっき燃やしたアクセサリーの能力を発動させるためにあるだけだ、一度発動するとアクセサリーの方を破壊しないと周囲一帯のモンスターを強制的に引き寄せ続ける、詳しいことは後で話す、とりあえず比企谷、モンスターの掃討を手伝ってくれ、アクセサリーを燃やしても引き寄せられなくなるだけでこいつらは逃げたりしないからな」
「・・・くそ!俺は騙されたのか!!」
「後悔は後にしろ!とにかく手伝え」
いつにない強引さで葉山の勢いに押されてしまう
回復剤を飲んだ結衣といろはも掃討に参加するが雪乃だけが座り込んでしまい動かない
「私のせいで・・・」
「雪乃、いいんだ、いいから顔を上げてくれ・・・」
説得するが身動きしてくれない
「比企谷ちょっといいか、雪ノ下さん」
葉山は雪乃の顔を強引につかんで上に向けると
パン
葉山は雪乃の横っ面をひっぱたいた
「おい!おまえ!」
「比企谷、黙ってみていろ、雪ノ下さん、今そんなことしている場合ではないだろ?君はいつも正面から戦ってきたはずだ、早く立つんだ、陽乃さんが知ったら失望するぞ」
その言葉を聞いて雪乃は葉山を睨みつける
「・・・・何故あなたにそんなこと言われないといけないのかしら?そんなことを言う資格が貴方にあるのかしら?」
「言われたくなければ早く立て、今の俺は比企谷みたいに甘やかしたりしないからな」
「・・・不愉快ね、貴方から説教されるとは思わなかったわ・・・八幡、もう大丈夫よ」
雪乃が立ち上がる
「葉山・・・すまん・・・」
「俺はこれ以上彼女に嫌われようがないからな、とりあえず立たせたから後のケアは任せたよ」
「腕見つかったショー」
「隼人君、担架できたよ」
「よし、優美子!まとめて一気に吹っ飛ばせ!他の奴は材木座君を担架に乗せるんだ、いいか!乗せたら速効この場から離れる!全員で走るぞ!」
材木座を4人がかりで持ち上げ担架に乗せようとするが材木座が目を覚ます。
「うーん」
「目を覚ましたか材木座」
「痛い」
「どうした?」
「すごく痛いよ八幡!!!、痛いよ!!痛い痛い痛い!!!!!!」
材木座は腕の痛みに耐えきれず暴れだす
「クソッ、落ち着いて痛みを感じるようになったのか?、おい材木座!暴れるな!担架に乗せられんだろうが!」
「姫菜!麻痺と睡眠の魔法を強くかけて!」
葉山が叫ぶ
「うん、それがやってるんだけど、防がれたりこっちに反射されたりしてうまくかからないの!」
「こいつ防御や反射の魔法を少し使えるようになったとか言っていた!多分それが暴走してるのかもしれん!」
ここに来る前にこいつ言っていたな、こんなことで裏目に出るとは
「私がやるわ、私なら、彼に麻痺や睡眠の魔法を連続でかけつつ反射してきた分体力強化の魔法を自分にかけて補うことができるわ」
「雪乃、走りながらだぞ?絶対途中でばてる」
「海老名さん?確か走り続けても疲れない薬あるのよね?」
「う、うんあるけど、連続使用はあんまり良くなくて・・・って雪ノ下さん!!」
雪乃は勝手に姫菜のバッグを漁ると
「これね、いただくわ」
勝手に飲み始めた
「準備は出来たわ」
そう言うと雪乃は睡眠と麻痺の魔法を材木座にかけるがやはり少し反射されて自分自身へと軽く睡眠と麻痺がかかってしまう
「っく!これは地味に辛いわね」
同時に自分へと体力増強の魔法をかける
「おい雪乃無茶するな!」
「ゆきのん、姫菜と交代でやろうよ、これじゃゆきのんの体が持たないよ」
「だめよ、海老名さんは逃げるときにみんなの補助をしてもらわないといけないんですもの、材木座くんは私が見なくてはいけないの!それにこの薬を飲み続ければ私もとりあえず走り続けられるから気にしなくて結構よ!葉山くん!早く行きましょう!」
「わかった、戸部と大和は担架を持て、優美子と結衣は前に立って前からくるモンスターを全力で吹っ飛ばせ、魔力が付きたら姫菜からマジックポーションをもらって打ち続けろ、戸塚といろはは走りながら援護だ、特に戸塚は材木座くんに感染症にならないよう浄化の魔法を定期的にかけてくれ、比企谷は俺としんがりをつとめろ、追いかけてくるモンスターを止める、森の外に馬車が止まってるからそこまで走るぞ!」
葉山はそう言うと全員を走るようにせかす、死のマラソンの始まりだ。
確か前もこいつと走った覚えがあるがあの時も厄介なことになっていた、今回もそうだ、こいつもたぶん同じことを考えてるのかもしれんな。
俺たちは全力で走った、雪乃は走る速度が落ちるとすぐ薬を飲み材木座に魔法をかけ続ける、魔法をかけるごとにわずかに反射されてくる麻痺と睡眠に苦悶の表情を浮かべながらそれでもかけ続ける、おかげで材木座も一応落ち着いているようだが大粒の汗が流れている。
前からダイアウルフの集団が突進してくるが三浦と結衣の魔法で吹っ飛ばされた。
次々とモンスターがとびかかってくる、いろはも走りながら矢を放つ、後ろから猛烈な突進を仕掛けてきたワイルドボアには葉山が盾で防ぎ俺が頭上から脳天に一撃を食らわせその場を離れまた走り出す、殺す必要は無い、ただまともに追いかけられなくするだけでいいのだ。
そうして俺たちは走り続けようやく森の外へと到達した。
「さすがにこの辺までくればもう大丈夫だろ」
「街に着くまで油断するな!馬車はすぐそこだ、ついたら全員すぐ乗り込め」
馬車自体は二頭立てだが一頭は大岡が乗っていった為一頭しかつながれてない
「おいこれ大丈夫なのか?」
「姫菜!馬に筋力強化の魔法を全力でかけろ!馬が潰れてもいい!街まで持たせるんだ!」
海老名さんが馬に魔法をかける、馬の体型が変わるぐらい筋肉が盛り上がっている、馬の化け物のようだ
「よし!すぐ出発だ!」
大和が鞭をふるい馬車は全力でその場を離脱する、後ろを見ると森からモンスターの群れが追いかけてきていた。
「あーしにまかせるし!」
三浦が群れにめがけて魔法を放つ
「クリムゾンフレア!」
さっき放った魔法の上位の魔法なのかモンスターの群れの中心部に炎の塊ができたとおもうと大爆発が起きた。
ドッカーン
ものすごい爆発音がし熱風がここまで吹いてくる。
あたり一面焼け野原となり、動いている物はいない。
「これで大丈夫だと思うが油断はするなよ」
馬車はものすごい速度で街へと走っていいった。