八幡達は異世界にて奮闘する。   作:もよぶ

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第三十二話

街へ着くと担架と共に千葉亭へと駆け込む、外に近い場所に作って今日ほどよかったと思ったことは無い。

 

「比企谷くんおかえり~って葉山くんもきたんだ?みんなどうしたの?怖い顔して・・・って材木座くん!!!」

昼もすぎてお客がほとんどいなくなったのか外を掃除していためぐり先輩に会う。

 

「すみません、詳しいことは後で!それより大岡は来てなかったですか?」

「大岡くん?さっきお医者様連れてきてたよ?何があったの?」

「後で説明します!とりあえずお湯を沸かしてください!」

葉山は怒鳴るようにめぐり先輩に指示を出していた。

 

「う、うん!わかった!」

めぐり先輩と店内に駆け込む、中にはまだ数名の客が食事をしていた。

「すみません!今日はもう閉店です!お題は結構です!川崎!小町!大志!テーブルをくっつけるから手伝え!担架を乗せる!」

俺はそう言いうと手直にあったまだ片付いてないテーブルから食器を床に全部落として他のテーブルとくっつける、皆何があったか理解してくれたらしい、すぐに手伝いに来てくれた。

陽乃さんとめぐり先輩も出てきたのでとりあえず残っているお客を全員外に追い出してもらったり、宿の客は部屋に戻ってもらったりと接客対応をお願いした。

 

担架をテーブルに乗せると葉山は早速医者と話している。

「先生!腕を切断されました!、時間は結構経ってますができますか?」

葉山が医者の爺さんに切断された腕を見せている

 

「出来ますかと言われてもな、どうせやれというんだろ?しかしこりゃ結構ぼろぼろだな、切られた後齧られたか?くっつくかどうかは五分五分だがね、その分料金は高いしお前らにも手伝ってもらうからな?」

 

「お願いします、こいつを助けてください、土下座でも何でもします」

「私が全部悪いんです・・・彼がこうなったのはわたしのせいです・・・お願いします先生・・・」

俺と雪乃は床に膝をつく

 

「お前らが土下座して治るんならなんぼでもやってもらうが今やられても治療の邪魔だ!いいから手伝え!男連中はこの大男の手足を押さえろ!腕をくっつけるのは相当痛いから麻痺と睡眠が使えるのは手伝え、あと浄化の魔法もだ!手すきの奴はわしの手伝いをしろ!」

と医者は全員に怒鳴り材木座へ麻痺の魔法をかけるが

「こやつ防御の魔法が暴走しておるのか・・・?厄介だな」

 

「私がやります」

雪乃が名乗りを上げるが、かなり憔悴しきった顔だ、ここに来るまで走り続けることのできる薬を何本も飲み、麻痺や睡眠の魔法をかけつつ反射されてきた分を体力強化で補ってきたのだ。

 

「雪乃ちゃん、あなたはちょっと休みなさい」

そんな雪乃を陽乃さんがたしなめる

「でも!」

「駄目よ、ガハマちゃん連れて行って」

 

「うん、ゆきのん、行こう?」

「私がやらないといけないの!結衣さん離して!・・・う!・・・姉さん・・・あなた・・・!!!」

叫んでる雪乃に陽乃さんが近づくと雪乃は崩れるように陽乃さんに抱きとめられる、どうやら睡眠の魔法をかけたようだ

「ごめんね雪乃ちゃん、ちょっと正気じゃないみたいだから休んでいてね?ガハマちゃん雪乃ちゃんについてってあげて、お願いね」

「わかりました、陽乃さん、ありがとうございます」

結衣はぺこりと頭を下げると雪乃に肩を貸す格好で奥の部屋へと入っていった。

 

「さて、腕をくっつけるわけだが、多分こやつは痛みで目を覚ますから全力で押さえつけろ、上手く行けば数日で元通りだ」

医者が材木座の腕を切断面に合わせ縫合を開始する、やはりというかなんというか医療も魔法を多用しているようだ。

「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!!!」

陽乃さんと海老名さんが全力で魔法をかけるがやはりあまり効いていないのか材木座が痛みで目を覚ます

「押さえつけろ!」

「痛い!!!痛い!!!なんで俺だけ!!!八幡!俺何かわるいことしたか!!!くそ!!!なんでだ!!!八幡!」

材木座が痛みで喚き散らす

 

「すまん、本当にすまん!!」

あの時強行突破して森から出ればよかったのかもしれない、その前に不用意に骨のオブジェに近づかなければ、そもそもあのチャラ男からアクセサリーを受け取らなければよかったのだ、いつもなら疑い、裏を読んで受け取ったりはしなかったはずだ、あの時なんで俺は受け取ってなおかつ信じてしまったのだろう

「全部おれのせいだ・・・すまん材木座」

「貴様のせいだ八幡!!!ぐあ”あ”あ”あ”」

「ちょっと黙っててくれないか」

葉山が材木座の口をタオルでふさぐ

「ム”---ん”---」

 

「比企谷、今彼は錯乱状態だ、痛みに耐えきれず手近な人に怒りをぶつけているだけで心にもないことを言っている、落ち込んでる暇があるなら彼の体を抑えるのを手伝え、手術が失敗するとそれこそ一生後悔するぞ」

 

俺はバタバタと暴れようとしている材木座の腕を押さえつける、材木座はこちらを睨みつけているように見える。

魔法がかかりにくい為手術は長時間に渡り続けられた。

 

途中平塚先生や本牧達も駆けつけてくれた、皆材木座の状態を見ると言葉が出ないようだったが、すぐ手伝ってくれた。

そして医者の爺さんの健闘もありようやく縫合が終了し手術は終わった。

材木座もようやく落ち着いたのかまた眠ってしまった。

「なかなか厄介だったな、さてあとは定期的に浄化の魔法をかけるのと、目を覚ましそうになったら睡眠の魔法をかけてやるんだが、こやつは効きにくいようだしな、平行して薬を使うか、少々高いがお前さんなら払えるだろ、取ってくるからちょっと待ってろ」

そういうと医者の爺さんは出て行った。

 

「みんな本当にすまん・・・俺が甘く見ていたせいだ・・・」

「それについてだが比企谷、アレをどこで手に入れたか詳しく聞かせろ」

葉山がアクセサリーのことを聞いてきたので入手した経緯を詳しく伝えた。

 

「そうか・・・大岡、今の情報で探せるか?」

「顔知らないけど何とかなると思う、でもこれって隼人・・・」

「・・・ああたぶんそうだ、厄介そうだったら大和と戸部もつれて行ってくれ」

「そうだべ!俺も行くっしょ!ザイモクザくんにこんな酷いことする奴許せねぇべ!」

「だな」

葉山が大岡になにか含むような言い方をしている、二人とも顔が険しい、そして珍しく戸部が激高している、材木座と仲が良かったみたいだしな、三人はそろって出て行った。

 

残された俺たちは材木座を部屋へ運び込み、店内を片づける、皆終始無言だった。

店内を片づけていると金髪の女性が駆け込んできた。

「義輝様がお怪我をなさったとは本当ですか!?」

「・・・たった今手術が完了して今休んでいるところですが・・・」

この人誰だったかな、孤児院にいたマリアさんという人だったか?

「御無事なのですか?今どちらに?なにか私にできることがあればさせてください!」

 

ものすごく心配そうな表情だったので材木座のところまで案内をする。

「ごらんのとおり、こいつは今寝ています、あとは浄化の魔法をかけたり薬を飲ませるぐらいですので・・・」

 

「材木座様・・・こんな御労しいお姿になられて・・・比企谷様、その作業私がやります、これでもプリーストの職は納めておりますから」

いやこれはこちらでやるべきことだ、もっというと俺がやるべきことなのだ、だから外部の人にそんなことさせるわけにいかない

 

「いや無理でしょう、一晩中ですよ?それにこれはこちらで交代でやるんで・・・それにそちらは孤児院の方があるのでは?」

「いいえ!私がやります!孤児院の方は大丈夫です!神父様とシスター様に許可をいただいてきました!」

結局強引に押し切られてしまいマリアさんは材木座の部屋で看病をすることになった。

 

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