次の日の朝、部屋に駆け込んできたマリアさんに俺は起こされた
「義輝様が目を覚ましました!それと腕は治っているみたいなのですが・・・」
昨日手術したばかりだろう、治っているとはどういうことなんだ?
とりあえず材木座の部屋に行ってみることにする
「材木座!大丈夫か?」
「あ、ああ八幡、おはよう・・・」
材木座は、上半身を起こしていた
「すまない、俺のせいで・・・腕の方はどうなんだ?」
「・・・何が起きたのか大方マリア殿から聞いた・・・それより我の方こそすまぬ、八幡は全然悪くないのに、怒鳴ったりして・・・あの時はどうかしていた、すまなかった」
顔をこちらに向け頭を下げる材木座だったがなにかおかしい、一日しか経っていないのに少し痩せている上に布団で左腕を隠している。
「いや俺のせいだ、俺がアレを受け取らなかったらこんなことにはなっていなかったはずだ」
「自分を責めないでくれ、我が言い過ぎた。それにヌシはやさしいからのう、あの場で受け取ってなければおそらく我らによってあの男はボコボコにされていたであろう、もっとも現状を見るに話は我らのことだけではなくなっているみたいだが」
「そうだな、俺の軽率な判断で大変なことになりつつある、あの場であいつをぶち殺しておけばよかったんだ」
「貴様らしくも無い発言だな」
「それより腕の方はどうなんだ?動くか?大丈夫か?」
「あ、ああ腕・・・だ、大丈夫、ほら動くし・・・」
と何故か若干焦ったような感じを見せながら布団の下で腕を動かして見せる
「腕の状態は私にも見せていただけませんの、義輝様?本当に大丈夫なのですか?」
「し、心配にはおよばぬぞ、ヌハハハハ」
「ちょっと見せてみろ」
強引に布団をめくり縫合されている腕をみて驚愕した、腕の太さが右腕よりかなり太くなっているのだ。
しかも腕をくっつけた跡が完全になくなっている
「これはいったい・・・」
「め、目が覚めたらこうなっておってな、な、なに見た目だけだ!」
化膿したりして腫れているわけではない、明らかに筋肉の量が増大して太くなっているようだ、国王の腕より太いかもしれない。
「ともかく医者を呼ばないと!」
速攻で医者をつれてくる
「これは・・・確かこいつの腕はモンスターどもに齧られていたな?他に強力なモンスターの体液に浸かっていたりしなかったか?」
あの時材木座の腕が飛ばされた後ゴブリンチャンピオンが出てきていたが、三浦の魔法で上半身が吹っ飛ばされていた、あの時は炎で蒸発したのかと思ったが、もしかすると千切れた残骸が腕の所に飛んで行ってたのかもしれない
「それはあるかもしれません」
「まあ、こういうことはまれにある、強力なモンスターだと体液に含まれる魔力も強力でな、それが腕に入り込んで体中の栄養を吸い取って筋力や回復力を増大させてしまったんだろ、齧られていたというのも原因の一つだな、命には別状ないがこやつの力は普通の人間とは比較にならんレベルになっているはずだ、くっついただけマシだと思え、それと栄養ある物たっぷり食わしてやれ」
そう言うともうくっついてるからと抜糸してさっさと医者は帰ってしまった。
「八幡、こうなったらもう隠しておけぬ、先程ベッドの縁を握ったら縁が割れてな・・・薪を持ってきてくぬか?ちょっと試したいことがある」
早速薪を一本持ってきて材木座に渡すと
メキメキメキバリッ
左手で薪を軽く握りつぶしてしまった
「やはりな・・・力加減ができなくなっているようだ・・・思いっきり握るか軽く握るかのどちらかしかできなくなっている・・・これではまともに戦いに出れぬな、味方を傷つけてしまう」
材木座が起きたと聞いて皆が駆けつけていたのだが、今の状態を見て雪乃と俺は膝を付く
「本当にごめんなさい」
「俺のせいだ・・・お前が怒鳴ったのも無理はない、本当にすまない」
「顔を上げてくれ、あの時はつい反射的にな?だからお主らのせいではないと言っておるだろう、ほら、右腕が大丈夫だから我にはまだ執筆が残っておる!な?八幡」
「反射的に言ったってことはそう思ってたってことだろ、本当にすまない」
「そこは『言葉の勉強をしてからだ』とかでいつものツッコミをいれるところであろう、雪ノ下殿もやめてくれ、お主らは悪くない、お主らのそんな姿みたくない、由比ヶ浜殿も一色殿も二人を止めてくれないか?戸塚殿も頼む、二人の顔を上げさせてくれぬか、クソッあの時我があんなことを言わなければ・・・」
材木座は泣きそうな顔になっているが全員動くことはできなかった。
「言おうが言うまいが俺のせいであることには変わりはない」
「そうよ、私のせいであなたの腕は・・・ごめんなさい」
「もうやめてくれぬか・・・いつものようにしてくれよ、マリア殿すまぬが・・・二人を部屋から連れ出してくれ・・・」
マリアさんから即され部屋から出る
「比企谷様、義輝様のことですが、私のところに住み込みで働いていただくのはいかがでしょうか?男手が全然足りませんの、片腕だけでも使えるなら十分ですわ」
「あいつがああなったのは・・・」
「義輝様はそういう扱い嫌いですわ!それに比企谷様や雪乃様がそのような態度ですと義輝様はずっと嫌な思いをしてしまうことになります!」
「でも彼の腕力は尋常じゃない強さよ、子どもたちにとっても危険よ」
雪乃が言うことももっともだ、あれじゃ子供を握りつぶしてしまいかねない
「大丈夫です!義輝様は以前言っておられました!たまに腕が暴走すると!その度に『静まれ!我の腕よ!』と言って収めておられましたわ!!今回も似たようにすれば大丈夫ですわ!それでもだめなら私が腕のカバーを編んであげます!」
いやそれ違いますよ、それは単なる中二病ってかあいつ何やってんだ?
マリアさんはまくしたてるように自分が面倒を見ると言って聞かない
「比企谷くん、雪乃ちゃん、そうしてもらいな」
いつのまにか後ろにいた陽乃さんが話しかけてくる
「悪いけど君たちでは材木座くんには何もできないよ?仮に君たちがお世話すると言ってもどうするつもり?お店で働けないからといってずっと部屋で飼い殺しにするつもり?そんなのお互い不幸よ」
陽乃さんはマリアさんの方を向くと
「彼のことお願いしますね」
「任せてください!」
パッと笑顔になると材木座の部屋にマリアさんは駆け込んでいった。
そして材木座は孤児院に住み込みで働くこととなった。
しかしこれではまるで厄介払いである、材木座に俺たちも何もしないというわけにもいかないと力説したら、食材を買い集めるのは地味に時間がかかり大変なので一括で購入させてもらえたら嬉しいとのことだった。
無論そんなことは簡単だ、喜んで協力させてもらうことにした。
材木座は自分も言い過ぎた、痛み分けってことで今までと同じようにやっていこうと言ってくれたがやっていけるのだろうか?
あいつには大きな借りが出来てしまった。
今更ですがオリジナル設定をかなり入れてるので色々別物と化してます。
あとこの辺りから材木座が強くなります。