八幡達は異世界にて奮闘する。   作:もよぶ

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第三話

街へつくと皆は領主の館へと案内される

「領主様は気さくな方ですので緊張しなくても結構ですよ、さっき見た人もいると思うけど現場に出向くほど好奇心旺盛な人でね、では我々は先にあなた方のことを報告してきますので」

そういうとあとはその場にいたメイドに任せて吉原たちは館の奥へと消えて行った。

そのまま皆は大広間のようなところに案内され領主が出るまで椅子に座り待つように指示されるが

 

「八幡!我本物のメイドさんみたの初めてであるぞ!」

「やべーあれが本物のメイドさんかーすげーわやべーわー」

「お前らどこにいてもその調子なんだな・・・」

この二人のマイペースっぷりには比企谷も葉山も呆れ顔

 

しかし女子たちは皆一様に不安な様子

「お兄ちゃん大丈夫だよね?私たち突然殺されたりしないよね?」

「わざわざ自分の家で殺すようなことはしないだろ・・・」

と口では言うが、右も左もわからないこの状況、果たして吉原という男たちもどこまで信用していいのかわからず。

もしかしたら自分たちは奴隷として売り飛ばされたりするのでは無いだろうかそうなったら自分はどうなっても妹だけは守り通さなければと一抹の不安を覚える比企谷だった。

 

暫くすると先ほど見た身分の高そうな男が部屋に入ってきた。

「ふーむ、これで全員かね?今回はずいぶんと多いんだな、しかも女子供ばかりか・・・あー席を立たなくとも良い、楽にしていてかまわん」

そう男は言うと、ゴホンと咳払いをして

「みなさんようこそ、私はこの辺境方面の領主のアダムという、以後お見知りおきを、といっても皆来たくて来たのではないことは知っている、緊張しなくても良い、別に君たちをどうこうするつもりは無い」

そう言うとニコッとした笑いを皆に向ける、本当に大分気さくな人なようだ。

 

その発言で少し緊張がほぐれたのか平塚先生が手を上げる

「いろいろお聞きしたいことがありますがよろしいでしょうか?」

 

「ふむ、まず君たちの境遇を説明してからでも遅くは無いであろう」

 

領主のアダムはそう言うと説明を始めた。

 

何故かはわからないがある日突然この地に異世界の物が出現するようになったとのことだった。

きこりの男が出現現場に居合わせ館に届けたのが発見の発端とのこと、初めは小さい物ばかりで見なかったことにして埋めたりしてたが大きめ物もやってくるようになり処分に困るようになった、しかも人まで出現するようになった段階でこれはまずいと思い、国王に報告したが辺境の地ということもあり未だにほったらかしにされてる状態。

 

「今王都周辺の国にはモンスターが大量に集まってきて大変なんだと、んで実害がでていないことは後回しにされててな、一応対策考えるけどそれまでそっちでなんとかしとけとさ、物だけなら放置しておくが、さすがに人をそのままにしておくわけにもいかないからな」

王都といっても役所らしく丸投げ体質なのはどこも変わらないらしい、しかしこの領主大変人がいい模様

 

「ここは王都から遥かに離れた辺境の土地だからな、どっかが攻めてくるような重要なところでも無し、後回しにされても仕方がない面もある。ここは人口はそこそこあるが名産品も無い、未開の土地に面しているから冒険者連中が他より多い程度、君たちが出現するようになってちょっとは退屈がしのげる、まあそんな土地だ」

 

辺境?ここって王都からも見捨てられてるんじゃないのか?

ともかく奴隷に落とされたり殺されたりすることは無さそうだが・・・

俺は不安になり小町と顔を見合わせる。

 

吉原が声をあげる

「まーみなさんが不安がるのも当然ですが、説明しておかなければならないことがあります」

「なんでしょうか?」

 

「皆さん変に思われませんか?何故こちらの領主様とお話しできるのか、あとその辺に書いてある文字読めますよね?」

確かにそうだった、この領主明らかに日本人ではないが言葉が通じるし、部屋にある調度品とかにかかれてる文字も日本語ではないがちゃんと読める。

冷静になって考えてみるとおかしいことだ。

 

「それについても私から説明した方がいいな」

領主が声をあげる

「ここに来る直前に、気分が悪くなったはずだ、こちらの魔法の一つに自分たちの言語を無理矢理他人の脳に刷り込ませるというのがある、短時間で習得させるためかなり危険で膨大な魔力を必要としてな、本来は未開の土地を侵略する際言葉が通じない原住民等に使って拷問させるような術だ、一つ間違えると脳みそが弾ける」

 

「弾ける!?」

全員が驚愕する

 

「うむ、しかしながら安心してほしい、今まで来た人の中に脳みそが弾けて死んだ人はいないし後遺症があるような人もいないようだ、よほどうまくやっているのだろうが一体何の目的でやっているのか見当がつかん」

 

「我々の世界の道具や知識を使って何かをしようとする連中がいるのではないでしょうか?」

平塚先生がそう発言する。

実際異世界物とかのラノベにありそうなシチュエーションだ。

召喚され戦わされて世界を救う。

王道ではあるが、召喚する方が正義とは限らない。

邪な考えを持ったものが異世界の強力な力を手にしたら?

昔のアニメにダンバインってのがあったが、初めに召喚されたのは敵側だったはずだ。主人公達は途中で離脱したが残ったショットウェポンは自分の知識で強力な兵器を開発しまくってた気がする。

 

「何者かが君たちの世界の知識や力を得る為にやっていると?つじつまはあうかもしれんがそれならば私のいるような辺境の地に捨てるように物や人を送るわけは無かろう?武器になりそうな物はないしそもそも全部動かん、今まで来た人に動かせないか試してもらったが全部だめだった。」

 

そうアダムは言うとメイドになにかを持ってこさせる。

「例えばこれ、時計か?文字盤と針がついてるようだが」

平塚先生に所謂目覚まし時計を渡す。

「これは我々の世界では目覚まし時計というのですが」

そう言うと電池が入ってるふたを開けてぎょっとする。

乾電池はものの見事に破裂していた。

「私はこういうのに詳しくないが・・・比企谷」

「なんで俺なんすか?」

と嫌そうな顔をするが仕方ないと平塚先生のところへ行き中を確認する。

「あーこれだめっすね、完全に使えないっすね」

と一目見て言った後

「そういえば」

と携帯を取り出す。

「俺たちがここに来る前に携帯使えなくなりましたよね?」

「あーそういえば、そうだったな」

「多分召喚の反動かなんかでバッテリーが全部お釈迦になっちゃうんじゃないすか?」

 

「ふむ、吉原くん達も同じようなこと言っていたな、動かなければ全部ガラクタ、なんだか残念だ」

そう言うと苦笑いをして質問は無いかと皆に問いかける領主

 

「我々はこれからどういう扱いになるのでしょうか?」

平塚先生が聞く

 

「さっさと帰りたいだろうが、目処が全くつかんのでな、まぁ君たちは吉原くん達みたく冒険者になってもらうしかないな」

「冒険者ですか・・・」

 

「ただ飯食わせてやれるほど財政に余裕は無いのでね。知らない土地だし不安になるのもわかるが、今まで来た連中は全員読み書き計算ができるし勤勉だということで街での評判は結構高い、安心して仕事を任せられるとな、モンスター討伐が主な仕事だか他にも色々あるから食うには困らんと思うよ?」

 

モンスターと聞いて約一名以外一気に暗くなる、当然だろう、現代日本に住んでいた俺たちただの高校生に怪物を殺せと言っているのだ。野良犬程度と戦ったことすらない現代っ子にそんなことができるわけがない、唯一喜んでるのは例によって剣豪将軍

 

そんな様子を見て吉原が言葉を繋ぐ

「実は、どうも召喚時の影響なのか、体力とかの能力が飛躍的にアップするみたいなんだよね、しかも何故か魔力も使えるというおまけ付き、少し訓練するだけで結構強くなれるんだな」

 

自分は魔法は苦手なのだがと吉原は手のひらを上に向け何事かつぶやく

 

「ボッ」

 

手のひらに炎が立ち上がった。

 

「まあ適正とかあるみたいだけど僕は魔法は苦手でね、今はこれが精いっぱいってとこかな?ここは冒険者が多いから訓練所ってのがある、そこで一ヶ月ほど教えてもらえればいっぱしの冒険者になれるよ」

 

「マジで!レベルはどのくらい上がるのだ?レベルマックスまで訓練所にいることは可能なのだろうか?」

材木座がここぞとばかり喜びの声を上げるが

「うーんゲームじゃないからね、そこはその人の素質次第かなぁ・・・ああそう言えば君ステータスとか叫んでた子か、気持ちはわかるし他にも君みたいに考えてる人はいたけどそういうの無いんだよね、普通に実力勝負だよ」

 

「え・・・マジ・・・レベルとかないの?」

苦笑いをする吉原に対しがっかりした表情をする材木座

いや俺も少しは期待してたんだけどな。

弱いモンスター数千匹倒せばレベルMAXとかやっぱり非現実的ですよね。

 

「その魔法というのはどういう所まで使えるのだ?例えば怪我とかは治せるのか?」

平塚先生興味深々だ

色々説明をしていたが某有名RPGでいうところの復活系の魔法は使えないが他の攻撃や回復補助魔法に似たようなのはあるらしい、死んだらおしまいなんだそうだ。

あと体の一部が切り取られたらくっつけるのは医者でないと無理とのこと。

そして今のところ召喚されてきた人たちには死者は出てないとのことだった。

 

「そういえばこの間来た女性はすごかったな、一ヶ月で剣と魔法はおろかあらゆる戦闘職を覚えちゃってたなぁ、一緒にいたおさげの女の子はプリースト職をあっという間にきわめてたっけ、近くにいるだけで癒されるとか・・・」

 

「もしかしてその人は雪ノ下陽乃と城廻めぐりという名前ではなかったかしら!教えて!陽乃は、姉さんは今どこにいるの!」

雪ノ下は食い気味に吉原に詰め寄る。

「ま、まぁ落ち着いて、あなたは妹さんなのかい?あの陽乃って人すごいね、魔法を行使しつつモンスターを切り裂く姿はヴァルキリーとか呼ばれたよ、でも残念ながらここにはいない、元の世界に帰る方法を探すと言ってめぐりさんと旅立って行ったよ」

 

「・・・そう、ここにはいないのね、でもよかった、生きていたのね・・・」

雪ノ下はその場にへたり込んで泣き出してしまった。

 

「ま、まあ何はともあれまず、住むところだろう、町はずれに冒険者用の宿舎がいくつかある、吉原君達もそこの一つをねぐらにしてもらっている、ただ宿舎と言っても廃屋を簡単に改装したものだからね、君たち全員が入れるところはないから分かれて住むことになるな、元々廃屋だったから好きにして構わんよ、本来はそこそこの家賃はもらうんだけど、事情が事情だから格安にしておく、案内は吉原君がしてくれ、あーあと何か困ったことがあったら何でも言ってくれ、金銭的なこと以外なら相談に乗るぞ、んじゃ後はよろしく」

 

泣いてる女の子の扱い方は苦手なのか領主は一気にそう捲し立てると奥に引っ込んでいった。

 

うぁーでたよ、好きな人同士班を作って、ボッチの俺はこういう時どうすればいいんでしょう、そうか戸塚がいたな、戸塚と小町とだけ一緒居ればいいや。

比企谷はそう思うと

 

「なぁ戸塚、俺と一緒に・・・」

そう言おうとしたところで

「八幡!無論我は一緒だよな!」

巨体がぐいっと肩を掴んでくる

え?マジデ?まあそうだよな、こいつが葉山とかと一緒になるわけないしな、んじゃあ戸塚と材木座と小町と4人で・・・

「八幡!僕一緒にいてもいいかな?」

「無論だ戸塚!むしろ戸塚だけでいい!一緒にこの世界を旅しよう!」

「えー八幡、我は?」

「そういやいたな、だとおまえは馬小屋、俺と戸塚はベッドだ、これで完璧だな」

「酷いよはちまーん」

「なにはともあれ一回見てみないと何とも言えんからな、ベッドが少ない場合は仕方がない」

 

その時は戸塚とダブルベッドだな、とニヤニヤしながら廃屋まで吉原の案内で皆でぞろぞろと歩いていく

 

 

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