八幡達は異世界にて奮闘する。   作:もよぶ

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第五十七話

3日後、千葉亭にて

「戸塚殿、八幡はまだなのか?」

材木座が食料を買いに来ていた。

現在千葉亭は休業状態でお客は誰も入ってない

「う、うん、八幡はたまにこっちに来てご飯持っていったり僕に回復魔法かけてと言いに来るぐらいかな」

「一緒に混ざらないかなんて言ってきてたね!戸塚君?私は別にいいんだけど?」

とめぐり先輩

 

「お主ら・・・」

材木座は額に手を当てため息をつく、それも当然だろう、比企谷達の新婚初夜がまだ継続しているからだ。

「いやー姉が一時的にとはいえ4人も!小町的には嬉しいんですがちょっと頑張り過ぎかなって」

「流石お兄さんです!凄いっす!」

 

「いや大概にしろと言うべきであろう、しかも何故か陽乃殿まで・・・」

大体静かにしているとアレの音が微妙に聞こえるのだ。

「元の世界に帰ったこと考えてちゃんと避妊はしているんだろうな」

元の世界に帰るための転送装置は調整がまだ終わってないとかでしばらく暇なのである。

その為こんな事になっている訳なのだ。

「性欲を持て余すか、全く度し難いな、この世界に残る者達と話し合いしないといかん大事な時だろう」

材木座は呆れ顔、それもそのはず、葉山達は街の人に挨拶をしたり、吉原さん達にこれからの事について話し合いに言ったりと忙しそうにしているからだ。

 

「まあお兄ちゃんは近いうちそれについても話し合うとか言ってから大丈夫だと思いますよ?」

と小町がフォローをする

「まあそれなら良いが・・・あれ?戸塚殿は」

いつの間にか戸塚とめぐりがいなくなってる

「それは察してあげたほうがいいッス!師匠!」

「ちょっとお兄ちゃん達の声が大き過ぎるからねー、さっき戸塚さんの腕引いて奥に行っちゃいましたよ。めぐり先輩って結構好きモノですよね」

「本当に度し難い」

材木座はやれやれといった表情で帰っていった。

 

数日後話し合いが行われる。

「八幡、ようやく満足したようだな」

ため息混じりの材木座

「いや、俺は早々に満足してたんだが、その、な?」

比企谷は自分の両脇をチラチラと見る。

両脇は嫁4人にガッチリ固められているのである。

「そ、それより今回の話し合いはあれだろ、アレ、なあ葉山」

「君が進めたほうがいいと思うんだが」

ヤレヤレといった表情で葉山は話し始めた。

 

「もう少しで帰れる目処がつく、それに伴って誰がこの世界に残って誰が帰るのかハッキリさせておこうと思う、出来れば俺はみんなで帰りたいと思んだがそうでもない人もいるようだしね」

と葉山が言うと。

 

「私は残る」

手を挙げたのは平塚先生

「静ちゃんは旦那様見つけちゃったからねー、この数日私達に負けず劣らずすごかったそうじゃない?ご近所の噂になってたよ?」

「は、陽乃!」

「まあまあ先生、確か学校も作りたいとか」

「うむ!教育は大事だからな!友情努力勝利!この三本柱は人生において大変重要だ!これらを広めたい!」

それ某ジャ○プのスローガンじゃ無いですかね

 

「俺達も残る」

本牧と藤沢だ

「子供も生まれるしな」

そう言って藤沢の肩を抱く本牧

 

「我は言わずとも分かるであろう」

「もちろん私もですわ」

材木座とマリアさん

 

「八幡、あたしも残るよ」

と沙希も手を挙げる

「え!おい、沙希!」

「姉ちゃん!一緒に帰ろうよ!」

「ゴメン大志、やっぱしあたしがいたら駄目だよ。京華のことお願いね」

「姉ちゃん!」

沙希に抱きつく大志

「それにあたしだけ避妊しなかったんだ、だから多分一人じゃなくなると思う・・・」

「おいまじか!お前らもしかして知ってた?」

と雪乃達へ振り返る比企谷

「ええ、私達も説得したのだけど沙希さんの決意は固かったの、だから・・・」

唖然となる比企谷

 

「平塚先生、本牧、藤沢さん、材木座、川崎さん、以上だね。あと吉原さんたちに聞いたらこの世界に愛着湧いてるし、今更元の世界に戻っても誰も知り合いがいないから残るそうだ」

 

確かに吉原さん達は親がいなかったりと家族がそもそもいない人ばかりである、そもそも転送される条件が周囲の人と繋がりかが薄い孤独な人だ、仲間や知り合いがいるこの世界に残りたいと思うのは当然だろう。

 

「そういえばなんで俺達はこの世界に転送されたんだ?俺は条件に当てはまるが葉山が来るのはおかしいだろ」

葉山はリア充の化身のような奴だ、孤独とは縁が遠いはずだが

 

「君は俺が孤独に感じる事が無いと思っている様だな」

「違うのか?」

孤独が嫌だからみんなといるとかそう言う事か?

「比企谷、人は誰もが孤独に思う瞬間があるもんだ、気のしれた仲間といてもその瞬間は必ずある」

と平塚先生がしみじみと語る

 

「そんなもんですかね、俺はずっとボッチだから分かりませんが」

「ハッチーらしい答えだね」

とにこやかに言う結衣、こいつもそんなことを思う瞬間があったのだろうか?

そういう一瞬が重なって全員転送されたのか?

「まあ原因はいいんじゃない?帰れるみたいだし?ところで、調査隊からの連絡は?」

と陽乃さん

 

「先日届いた連絡では稼働させる事に成功したらしい、ただゴブリンロードが結構無茶な使い方をしてたとかできちんと転送させるには調整が必要らしくてまだかかるとか、仮に調整がうまくいっても転送は一度ぐらいしか無理らしいな」

「んじゃ居残り組とは本当にこれでお別れってことね・・・」

材木座ともこれで見納めなのか。

 

「八幡、約束は忘れてないよな?パソコンとベッドの下の木箱、燃やしておいくのだぞ?」

「俺のパソコンと本棚の奴も忘れんなよ」

「忘れねぇって」

ホントこいつ等何隠してんだ?

 

ともかく調整が終わるまですることがなく、ニート生活かと思っていたら、町の人から最後にまた美味い飯を!という要望がかなり上がっていたため、千葉亭の営業を再開することにしたのだった。

 


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