八幡達は異世界にて奮闘する。   作:もよぶ

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総武高校へ帰ってきました。


第五十八話

一ヶ月程経ち、ようやく転送装置の調整が終わったと連絡が入る。

千葉亭の営業は終了だ、あとは沙希達に任せることとなる。

 

「でもよ、戻るのはいいが俺達どのぐらい居なくなったことになってってるんだ?いきなり戻ったら面倒なことにならないか?」

元の世界がどうなってるのか分からないが教室ごと校舎から引っ剥がされるように転送されてきたわけだ、校舎は半壊しているだろうし俺達は死んでいる扱いをされていることは想像に難くない。

 

「そうだよ!受験とかどうなったし!あたし達全員留年?」

結衣の心配も笑えない話だ、もとの世界で生きるには、留年は相当なハンデだ。

 

「それなんだけど、戻るのが結局俺達だけらしいから転送装置も俺達に合わせてくれていたらしい、そのせいで時間がかかったとか」

「つまりどういうことだ?」

「俺達がこちらの世界に来た日に転送してくれるんだそうだ」

おーといった声が上がる。

確かにそれは嬉しい、でも実際勉強しなくなってどんだけ経ったんだろう。

「戻ったら受験勉強頑張らないと、八幡?結衣さん?覚悟はいい?」

 

マジかよ、帰ったら雪乃のスパルタ教育が待ってんのか、それはそれで地獄だな。

そんな俺の悩みをよそに、陽乃さんと葉山が話し合っている。

 

「それはそうと隼人、例の話本気?」

「よく考えた結果だよ、俺達のグループの連中も協力してくれる、陽乃さんも手伝ってくれるんだろ?」

「まあね、でもこの件は・・・」

「ああ、確実になるまで内緒だ」

 

二人でボソボソと話し合いをしているのが見える。

「あいつら何話してんだ?」

「さあ?それよりハッチー帰ったら今度こそはっきりしてね?」

「そうね、もう私達は一度結婚までしてるのだし貴方と何度も一つになったんですもの、悔いはないわ」

「先輩?逃げるのは無しですよ?」

「八幡、ちゃんと選んでね、あたしはこの世界であんたの子供と一緒に生きるからさ、アンタが作った千葉亭もあたしが守っていくからね」

沙希からも強く言われてしまう。

 

「すまん・・・」

 

「八幡?何謝ってるの?これからだよね?」

戸塚も厳しめに言ってくる。

「そうだぞ、貴様はもっと我のように素直になれ!」

と材木座

なんかこいつ等も大分変わったな。

 

「みんな!道具とかの整理をしといてくれ!武器防具は勿論持って帰れないからな、残ったものは材木座君が管理してくれるそうだ」

葉山が指揮を取り皆で武器防具や道具の整理をする。

この千葉亭ともこれでお別れだ。

 

整理が終わり、皆に挨拶を終えると俺達は転送装置が待つあの森へと行くことになった。

 

馬車に揺られ数日後、森の入り口へと到着する。

「久しぶりだな、ってかちゃんとした道作ったんだな」

木は伐採され施設までの道ができていた。

全員大事に取っていた制服に着替えると施設へと向かう、施設内では転送装置が既に稼動状態になっていた。

 

「これでこの世界ともお別れだな」

「そうだな」

葉山も感慨深げだ

「千葉亭は貴様らが残したレシピで沙希殿と我らで何とかしておくワイ!安心召されい!」

材木座は相変わらずだ

「向こうの世界に行っても元気でな、この世界に美味い飯を広めてくれてありがとう」

アダムさんも見送りに来てくれていた。

 

俺達は全員魔法陣の上に立つ

「では転送を開始します。転送後は記憶はそのままですが、魔力とここの言語知識は消滅するように設定してますのでご注意を」

操作担当の人から注意点を言われる。

 

「魔法が使えないのは寂しいっすね」

「まあ本当は使えるのがおかしいし、もっとも小町とお兄ちゃんは大して変わらないんだけどね!」

うーんステルス能力は正直残ってほしかったな、だって目立ちたくないし、と余計なことを考えていると。

 

「では転送を開始します」

合図とともに周囲が光に包まれる、体から何かが抜けていくような感覚が襲ってきて頭がボーッとしてくる。

そのまま俺達は気絶した。

 

誰かが大騒ぎしている声で目が覚める

「んあ?どうなった?」

体を起こすと瓦礫の山の中に倒れていたようだ、他に雪乃やら葉山やらが倒れている。

 

周囲を見渡すと確かに戻ってきたらしい、目の前には教室が丸ごと抜き取られて半分倒壊して残りも崩れかかっている総武高校の校舎が見え、他の生徒たちや先生が大騒ぎしているのが聞こえる。

 

「おい起きろ!早く!なんかヤバイぞ!」

せっかく戻ってこれたのに崩れた校舎の下敷きとか洒落にならん

「ん、んー?八幡?まだ足りないのかしら?」

と寝ぼけている雪乃

「おい!目を覚ませ!葉山!お前も起きろ!」

葉山はその声で目を覚ますとすぐに状況を把握したようだ。

 

「全員起きろ!」

倒れている奴ら全員を起こすとその場から逃げ出そうとするが間に合わなかった。

校舎がバラバラと崩れながらこちらに倒れてきたのだ。

 

「えーい!ウィンドショット!」

「障壁展開!」

結衣とめぐり先輩が叫ぶと瓦礫の半分はふっ飛ばされ、残った半分も障壁のおかげで跳ね返されていた。

 

「まだ魔法が使えるのかよ」

驚いてると

「ううん、これで本当に終わりみたい、体に魔力感じないもん」

「障壁消えちゃったし私もこれで打ち止め」

二人はちょっと残念そうだったが助かった。

でもこれで剣と魔法の世界からは完全におさらばしたということか。

 

その後は大騒ぎになった。

突然教室が消滅し校舎が倒壊したのだ、幸い魔法については見ていた人もよくわからなかったらしく俺達もしらを切りとおしたので単純に運がよかったという話になって追求されることはなかった。

 

今回の件は爆発事故として扱われたらしい、何が爆発したことになったのかはわからんが、てんやわんやの大騒ぎになっていた。

ただやはり平塚先生、材木座、沙希、本牧、藤沢は行方不明となり死亡扱いにされる。

 

葬式が執り行われ、俺は二人から言われていた物を処分することにした。

生前から言われていたと二人の両親に伝えパソコンの破棄の許可を貰うとそのままHDDを破壊し処分。

 

材木座の木箱と本牧の本棚の奥のものは河原で燃やすことにする。

燃やしているとき材木座の箱が崩れて中身がちょっと見えた、雪乃や結衣や他の女子達が写っている写真が見えた、やけにローアングルだったり服を着ていないように見えたが火がすぐに燃え移ってしまったので詳しくは分からなかった、でも大体予想が付く、あいつの活躍に免じて黙っておこう。

 

その後はやはり俺達は受験生の本分を全うせねばならず受験勉強に取り組む。

普通の予備校に行ってもブランクが長い為追いつくのは難しいので陽乃さんや葉山と雪乃による特別塾が開かれ俺達は連日勉強漬け。

そのせいで部活動は必然的に無くなり全員ひたすら勉強に取り組む事になる。

 

その結果何とか全員受験をクリアすることに成功したのだった。

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