八幡達は異世界にて奮闘する。   作:もよぶ

61 / 61
これで終わりです。


第六十話(最終話)

数年後

 

「雪乃、すごくうれしそうだな」

 

「当然じゃない、結衣さん達が返ってくるのよ?ホームパーティーにしない?私、腕によりをかけるわ」

海外でボランティア活動をしていた皆はチャーター便で帰国する予定だ。

だが、その楽しげな雰囲気も終わってしまう

 

「臨時ニュースです!某国にて復興に尽力してくれた日本人の一団、通称『新生奉仕部』のメンバーが乗った飛行機がクーデター軍に撃墜されました!詳細は・・・」

 

ガチャン

 

テレビを見ていた俺の背後で食器の割れる音がする。

放送を聞いた雪乃が皿を落としてしまった。

 

「嘘よ・・・そんな・・・」

「雪乃!なにかの間違いかもしれない、大使館に問い合わせるから、落ち着け」

「八幡・・・私・・・どうしたら・・・」

「いいから、落ち着け?」

 

大使館に問い合わせた結果は・・・黒だった。

某国が用意してくれた日本直行のチャーター便、結衣達の為にわざわざ用意してくれたもので間違いないと大使館からの回答が来た。

飛行機は海に落ちたらしく捜索はしているが機体は見つかってないとのこと。

 

「嘘よ・・・嘘よ!!!!」

 

その知らせを聞いて暴れる雪乃

 

「落ち着け、落ち着けよ!暴れても何にもならんだろ!」

「嘘よ!・・・・結衣さん、姉さん、いろはさん、みんな・・・・あああああああああ」

子供のように大泣きをしてその場に泣き崩れる雪乃

 

俺にできることは何もなかった。

 

留美と京華がニュースを見て心配して家にお見舞いに来てくれた。

泣いている雪乃を見て慰めてくれる。

でももう雪乃は限界のようだった。

 

俺達は休職することにした。

 

そして街中にいてはマスコミがうるさいので山奥の別荘に移った。

「結衣さん達の為、みんなの生まれてくる子供達の為に世の中を良くしようと頑張ってたのに・・・私どうしたら・・・」

「雪乃、しばらく仕事のことから離れよう・・・ほら釣りにでもいかないか?」

家に閉じこもってばかりでは良くないと、別荘の側の湖まで出るよう雪乃を促す

 

「雪乃さん、家事は私と京華でやっておくから・・・」

留美と京華も一緒に連れてきた、二人だけだと気分が落ち込んでいく一方だと思ったからだ。

 

でも雪乃は毎日落ち込んでいた。

 

一か月が経った。

相変わらず留美も京華も山奥だというのに通ってきてくれる、雪乃の精神も少しは安定してきていた。

 

ある日、俺はベランダの椅子に座り湖を見ながらぼーっとしていた。

 

「八幡?お昼ご飯はラーメンでいいかしら?」

少しだけ体調が戻った雪乃が珍しく台所に立ってくれるみたいだ。

 

「ん?ああ、すまん」

 

ふと材木座のことを思い出す。

あいつは異世界でまだ楽しくやっているだろうか?

マリアさんと喧嘩せずにやっているだろうか?

沙希は?平塚先生は?本牧は?藤沢は?

 

会いたい・・・

 

あいつはいつも俺のことを八幡八幡とうるさかったなぁ、あいつは俺の事最後まで相棒呼ばわりだったけど、あいつの方が格が上だよな・・・

 

「八幡!」

 

そうそうこんな風にうざったい声でしつこくて

 

「おい八幡聞いているのか?」

 

「材木座ぁ、おまえ今何してるんだ?俺達もあっちの世界にずっといればこんなことには・・・」

 

「おい八幡!八幡!聞いておるのか?我はここにおるぞ!おい!」

誰かから肩を揺らされる

後ろを振り返るとそこには

 

 

材 木 座

 

 

「うわ!なんでお前ここにいるんだ!?」

 

「ゆきのん!ハッチー!やっはろー!!」

 

「ゆ、結衣さん!どうして!」

騒ぎを聞きつけて奥から出て来た雪乃は驚愕している。

「でへへー中二が助けてくれたんだ!」

 

「一体何が・・・?」

全く理解が追い付かない

 

「説明しよう!、我は新しい魔法を模索するべく葉山殿が置いていった剣をいろいろいじくってたらな?次元の扉を開くことが出来るようになったのだ!某幽遊白書の次元刀的な?んで例の施設の資料とかを見たりして色々やってみると会いたい人や物を念じて空間を切るとその人や物の近くに出られることが出来るようになったのだ!ただ膨大な魔力を消費するので乱用は出来ぬのだがな」

 

「それで・・・結衣達を?」

 

「うむ!実は結構前からこっちの世界にはちょくちょく来れてたのだ、その件は葉山殿達には知らせていたのだよ。でもお主らの立場を考えると下手な接触は辞めおこうと思ってな?」

 

「そんな・・・お前だったらいつでも大歓迎だ・・・」

 

「まあそんな調子だったのだが、一度マリア殿を飛行機に乗せたくてな、葉山殿にお願いしたら乗せることが出来ると言われたんで乗ったら撃墜されてな?これはやばいと空間切って、飛行機を丸ごと異世界転送よ!吉原殿らはエンジンやジュラルミンが大量に手に入ったと大喜びよ」

 

「良かった・・・本当に良かった・・・」

安堵しそのまま座り込む雪乃

 

「それが良かったということでもないのだよ、我がなぜこちらの世界にちょくちょく来てたと思う?」

「お前のことだからアニメかゲームかラノベだろう?」

「違うわ!まあそれも少しは持って帰ったが・・・いやそうではなくてだな、物資調達の為なのだよ、今我らの世界では大変なことになっておってな!」

 

「物資調達って、金はどうしたんだよ」

「ん?そりゃ金塊持っていけば取引なんぞいくらでもできるワイ、ブラックマーケットならそれで何とか出来るしな」

 

「ブラックマーケット?」

「葉山殿らはその手の連中がうろついてる所で活動していたからのう、利用させてもらったのよ、そうせざる得なくてな」

こいつは何を言っているんだ?

異世界にこの世界の武器を持ち込んだのか?

 

「そういえば結衣さん?その手に持っているのは・・・?」

「あーこれ?『はるこんねん』って色々改造して魔力で使えるようにした鉄砲!これでゴーレムを吹っ飛ばすんだ!」

とごつく長いライフルと見せる結衣

「ハルコンネン?ゴーレム?一体・・・」

 

「貴様らが帰った後、こちらの科学は飛躍的にアップしたのだよ!物理の教科書と科学の教科書のおかげでな、あとスマホもとりあえず電源が入るようにできたのでな、中に入ってる辞書アプリだの計算ツールだので色々とテクノロジー情報を活用出来るようになってだな」

 

「まあ吉原さんたちはその手の仕事してたから詳しいだろうしな」

 

「うむ、んで魔法もあるんだからゴーレムの技術を応用して巨大ロボが実現できるだろと誰かが言い出して、手始めに1/1ガンダムを作ってな?次にザクやらジムやらを作り出して、他のも作ってみようぜとバルキリーやらスコープドックやらゾイドやらを作ってみてな」

 

「なんか夢のような話だな」

 

「うむ!皆趣味全開で造りまくってのう、魔法を応用して原作同様の能力も付与して、そしたら各国の国王や領主が防衛や大規模な作業なんぞに使わせてくれと注文が殺到してもう凄いことになったのよ!」

 

「それでブラックマーケットなのか?バルカンやらミサイルとかつけたのか?なんつうことやってんだよ・・・」

 

「仕方なかろう、いかに原作に近づけるか、それがモデラーとしての意地よ!それに魔法のおかげで改造や複製は簡単であったしな」

 

「もはやプラモデルとかそういう次元じゃないだろ・・・1/1で動くんだったらもはや本物だろうが、んでなんで頭吹っ飛ばさないといけなくなってんだ?戦争でも始まったのか?」

 

「逆だ、戦争の代わりに争い事は最強ロボ対決で決めたらいいんじゃねみたいな話になったのだよ、各国の国王も諸手を上げて大賛成でのう」

「ガンダムファイトかよ・・・」

 

「それで済めばよかったのだが、調子に乗りすぎてゴーレムなんだから自立できるはずと仕事も戦いも人を乗せず全部やらせようぜという話になってだな、こっちの世界で言うAIを手当たり次第に搭載してみたのだよ、そしたらだな・・・」

 

「おいなんだそのB級映画みたいな話は・・・」

「作用、些細なミスで自我を持ち始めしまったが故に今現在異世界vsロボット大戦の真っ最中である」

「やっぱりかよ!」

 

「まあおかげで各国一丸となって協力するようになったのでな、いがみあいや面倒な垣根は取っ払われて統一国家を作って対抗しようという話になっておるわ」

共通の敵を作ったからか?

しかしスケールが段違いだな

 

「そしてまたも陽乃殿が独断先行してしまってだなぁ」

「おい勘弁してくれ、同じ事になっているんじゃないだろうな・・・」

「原作同様の能力を有したデビルガンダムに取り込まれちゃって現在平塚先生と葉山殿が鹵獲したマスターガンダムとゴッドガンダムに乗って救出に向かっておるのだが苦戦していてな」

なんつー余計なもの作ってるんだこいつらは

 

「ちょっと!姉さんは無事なの?」

雪乃が材木座に詰め寄る

「わからぬ、それともう一つ大変なことが起きてな」

「んだよこれ以上大変な事って」

 

「・・・マリア殿がさらわれてしまったのだ・・・」

さっきまでの勢いはどこへやら意気消沈する材木座

「おい、無事なのかよ・・・」

 

「それを調べる人材がいない!だが我にはお主ぐらいしか知らぬのだ!気配を消して敵の懐へ潜り込める人材を!この通りだ頼む!我に協力してくれ」

 

床に這いつくばり土下座する材木座

 

「・・・材木座、俺とお前は相棒だろう?相方のピンチに駆けつけない相棒はいないだろ」

「八幡が行くならパートナーである私も行かないといけないわね」

「八幡!スマヌ!本当にスマヌ!」

 

泣きじゃくり感謝言葉を叫びながら材木座が抱き着いてくる

「わかった、わかった、大丈夫だから、な?落ち着け?」

 

涙と鼻水でべとべとになっている材木座は一旦落ち着くと背中のバッグからコートのようなものを取り出す。

「これを八幡に差し上げる」

渡されたものを着ると

「これ光学迷彩か?」

「うむ、雪乃殿はこれを渡しておこう」

と何かのグリップのようなものを渡す

 

「魔力をちょっとチャージしているからここでも数秒は使える、念じてみよ」

雪乃がグリップを握り念じると

 

「・・・これ映画で見たライトセーバーというものかしら?」

振り回すとブォンという音がするがチャージしていた魔力が無くなったのかすぐ消えてしまう。

「それでお主等にはスニーキングミッションを敢行してもらいたいのだ・・・貴殿ら忙しいと聞くが今長期休暇中なのであろう?」

 

「・・・いやお前がすぐ俺達に話に来れば休暇なんて取らずに済んだんだが」

「雪乃殿の親父殿のような議員の身内に得体のしれない奴が接触したなんてどこぞのマスコミにでも嗅ぎつけられたらワイドショーのいいネタであろう?でも済まなかった、お主等にはあまり触れぬようにしていたからな、結衣殿がどうしても話さないと、と言ってたのでちょっと調べたら・・・スマヌ」

 

「いいのよ、今は再会を喜びましょう?」

結衣と抱き合う雪乃

 

「まあ実際時間が無いのだ、八幡?最後の確認だ、本当に協力してくれるのか?」

「返事なんて決まってるだろ」

俺はそう言うと材木座が出てきた空間をのぞき込む

 

空には巨大な戦艦や戦闘機が浮いている

「ファンタジーの次はSFかよ・・・」

 

「決まりであるな!」

材木座は腰に付けた無線機のようなもので何事か話していると車のようなものが迎えに来た。

「よし!到着したな!八幡!運転手が挨拶したいそうだ!」

到着した車の運転手が降りてくる。

「八幡、久しぶり」

運転していたのは沙希。

「沙希!お前無事だったか!元気にしてたか!」

「・・・うん、あんたの子供も元気だよ・・・」

 

「八幡、雪乃さん?これはいったい・・・?」

「もしかしてさーちゃん?さーちゃん!生きてたんだ!」

買い出しにいっていた留美と京華が戻ってくる、京華は沙希を見ると飛びついていった。

 

「あーちょうどいいや、お前ら旅行に行きたくないか?少々命がけだが」

「「え?」」

 

「良ければ親に電話しろ、しばらく俺達と旅に出るってな」

「え?本当!私絶対行く!さーちゃんとはーちゃんと一緒に行く!」

「なんだか状況がよくわかんないんだけど八幡と一緒なら・・・」

「八幡?また戦いましょうか?」

 

嬉しそうな雪乃と結衣

不安そうな留美

ニコニコ顔の沙希と京華

無線機に怒鳴っている材木座

 

それを見て思う

 

やっぱり俺たちの異世界召喚は間違っていると。

 




あとがき

設定から何から色々ダメダメガバガバでした。
とにかく物語は完結させないと、と思い頑張りましたが、異世界物って案外難しいですね。
整合性を取る為の設定はそうですが、細かく決めるべき設定とそうでない設定と色々あるみたいで、世界観に没入できる異世界物のラノベとかはその辺ちゃんと考えてたんだなと思いました。

読んでいただいた方、本当にありがとうございました。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。