八幡達は異世界にて奮闘する。   作:もよぶ

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第八話

寄生虫の体液で、デロデロになっている由比ヶ浜の頭を撫でながらボーッとしていると雪ノ下がやってきた。

「その、由比ヶ浜さんは大丈夫なのかしら?」

「ああ、怪我はしてないがメンタルが限界みたいだ。今日はさっさと帰ろう」

比企谷達は早々に撤収することにした。

 

報酬とオーガの爪や牙や骨、寄生虫の内蔵等全部合わせると結構な額になったので、風呂に入った後宿舎に戻り由比ヶ浜を寝かせるとこれからのことについて相談することにした。

とりあえず結構な量の報酬を得たのと由比ヶ浜のメンタルの問題もあり、しばらく休みを取ることにした。

「やはり休日は重要だよな」

「あなたは目を離すとすぐ休もうとするじゃない・・・」

 

おいおい、これでも頑張ってる方だぞ、この世界に来て八幡超頑張ってるじゃん。

まぁ学校では隙あらばサボって帰ろうとしてましたけどね、でもここだと帰る場所には雪ノ下さんがいるからサボれないじゃないですかー、ヤダー。

 

「フム、休むのはよいアイディアだ!戦士にも休息は必要なり!生き急ぐ必要もなかろうて!」

と材木座がうざったく叫ぶ、声を押さえろよ、由比ヶ浜が起きちゃうだろ。

「そうだね、ところで生き急ぐといえば葉山くんたちは今どの辺にいるんだろう」

戸塚が心配そうな顔をする。

 

葉山たちは訓練を終えると俺たちへの挨拶も早々にもらったお金をすべて装備と旅の支度金に変え王都へ向けて出発したのだ。

やつのことだから早く聖騎士になってみんなを導く役に収まり、元の世界へ帰る方法を見つけたいのだろう。

 

「王都まで結構あるそうだけど、それよりあいつら野宿とか大丈夫なのか?」

「サッカー部でキャンプとかやってましたしその時も葉山先輩主導してやってましたから多分大丈夫ですよ!」

と一色はいうが管理された世界でのキャンプと死と隣り合わせの世界でのキャンプではまるで違うのではないだろうか。

でもあいつらはあいつらだ、俺がどうこう考えても仕方がない

「・・・そうだな、あいつらなら大丈夫だろ、それよりも俺たちの今後だ、さしあたって金の使い道だな」

 

材木座は強い武器を欲しがったが、俺たちのレベルで強力な武器を持っていても使いこなせないので却下。

かといって防具関連もまだ新品同様なのでそれも却下。

結局貯金に回そうかという話になったが、雪ノ下が異議を唱える。

「貯金もいいのだけど比企谷くん、あなたここの世界の食事に満足かしら?」

 

確かにここの世界の食事はあまり美味しいとは言えない、現代社会の味に慣れきった俺たちには少々厳しいと思っていた。

それは仕方がないことだと皆諦めてはいたが、微量ではあるが醤油らしきものや味噌らしきものを召喚された人たちがなんとか作り上げているらしい。

しかし作るにはかなりの金がかかる、また塩はどうにか流通してるものの胡椒等の香辛料は高額でなかなか手に入らない。

雪ノ下はそれが不満のようだ。

 

今までは訓練期間もそうだったが討伐終了後は雪ノ下がダウンしていることと、討伐でいっぱいだったのでこの世界の食材事情を調べる余裕が無く、ほとんど自炊をしてこなかったというのもある、それに食堂の食事は格安でとりあえず食べるだけなら何とかなっていた。

 

「そうだな、正直うんざりしているところはある、味は単調でただ食うためだけに存在しているものばかりだ、それに米や味噌汁が食いたい、あとマッカンがないのが辛い」

 

「その味覚を破壊する飲み物ですらここでの価値は下手すると金貨一枚に相当する可能性があるわね。それに調味料が手にはいれば少なくともあなた方を満足させられるものは作れると思うわ、このお金でなんとかならないかしら」

 

雪ノ下の料理の腕前はプロ級だ、店に出せるレベルといっても過言ではない、お菓子に関しても同等だが、この世界にはそれを実現する材料をどうやれば入手できるか分からない。

そして米がそもそもこの辺りでは栽培していないのでかなり遠くから取り寄せる必要がありその費用がとんでもない。

 

「出来るんだったら吉原さん達がどうにかしてそうなもんだがな」

実際風呂やトイレや簡易な水道等はどうにか実現している。

ただ食べ物に関してはレベルが圧倒的に低い。

 

「まぁアレじゃね?俺たちの当面の目標は食生活の向上にするか?」

不味い食い物ではやる気もでないしな。

それに一応元の世界に戻るという最終目標はあるが、未だに何をどうしていいかわからないし、遠出するほど俺たちは強くはない。

何か直近で出来そうな目標があった方がいいだろう。

 

「そうね、丁度お休みすることですし街で色々情報や材料を集めましょう」

雪ノ下がそう言うが一名不満げな者がいる。

「食も大事であるが、我々の能力の向上に勤めるのが急務では無いだろうか?」

剣豪将軍こと材木座だ。

 

「生き急ぐ必要がないと言ったのはお前だろ。それも大事だがまず食い物の方どうにかしようぜ」

「・・・確かにそうであるが、我はそういうのは門外漢なのでな、すまぬが我だけ別行動でもよいか?」

こいつにしては珍しく強気な発言ではある。

確かにこの中では一番女子力?が低そうだしな。

「わかった、いいぜ、その代わり夕方にはちゃんと戻ってこいよ。勝手に遠出されたらこっちも心配だしな」

「是非もない、スマヌな」

次の日から材木座だけ別行動を取ることになる。

 

比企谷たちは街に出て食材を調べることにした。

 

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