蒼炎のレジスタンス   作:シン・ファリド

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第4話 レジスタンス

「見つけたぞ...お前がイグナだな」

「...誰だ?」

 

城に向かって進み続けるその途中、俺達の前にまた、新たな魔族が現れた。

だが...他の奴らと雰囲気が違う。魔王の臣下、とかか?

 

「私の名はアスト。王の命で、お前を捕らえさせてもらう」

 

やっぱり、あいつらを仕向けたのは魔族の王様なんだな。何があったのか、調べる必要がありそうだ...。

だけど、今はとりあえず。

 

「...俺がついてったら帰ってくれるのか?」

「そうはいかないな」

「じゃあ...従うわけにはいかないなっ!」

 

先手必勝。俺は双剣を引き抜いて走り出す。

龍の力の使い方も分かってきた。

するとアストの方も、短刀のようなものを構えて俺の攻撃を受け止める。やっぱり、他の奴とは違うか...!

けど、お前の武器は一つだけ。なら!

 

「横が!」

「がら空きだよ!」

 

ロアとレギナにも俺の意図は伝わったみたいで、それぞれアストの左右から攻撃を仕掛ける。

さあ、どうくるか...!

 

「...ふっ」

 

アストは、受け止めていた俺の剣を押し返し、自由になった短刀でそのまま2人の攻撃も捌いた。

さっきのあれで勝てれば楽だったんだが、そうもいかないか...けどこれくらいは、想定の内だ!

 

「まだまだぁっ!」

「無駄な事を...」

 

双剣で連続攻撃を浴びせていく。だが、その全てが受け流され、有効打にはならなかった。

ロアとレギナも共に攻撃してくれているが、それでも中々ダメージを与えられず、むしろこちらが消耗していくだけだった。

 

「こいつ...相当強いな...!だけど...」 

 

 

 

俺は勝つ...勝たなきゃいけない...

もっと...

もっと...力を...!

 

 

 

 

 

 

 

 

『いいだろう』

 

 

 

 

 

 

 

またあの声...ってことは...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────!?

 

 

 

 

 

 

 

 

「がっ...ぐぁぁっ...!?」

「...兄さん!?」

 

ちょっと待ってくれよ、今攻撃なんてされたか!?

兄さんの目が一瞬赤くなったかと思ったら、急に苦しみだして...

 

「どうした?もう終わりか?」

「くっ...!」

 

やべぇ...あいつはまだピンピンしてるってのに!

 

「まずは邪魔者から片づけようか...はっ!」

「しまっ...!」

 

あいつは一瞬で間合いを詰めて、斬り掛かってきた。

その速度に俺は反応しきれなかった。

あいつの構えた短刀が、後少しで俺を斬るっていうその時、だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バァンッ!

 

目の前で弟を失ってしまうと思ったその時、どこからともなく魔法と思われるエネルギー弾が飛んでくる。

一体誰が...?

 

「勝手にこいつらに手を出さないでくれよな?」

 

その声は、何度も聞いた声だった。そしてその顔は、とてもよく知った人だった。

 

「ラクシアさん...!?」

「よっ!お前らこんなとこにいたのか...探したぞ?」

「それは...ってそんなことより急がなきゃ!あの城の中に人がいるかもしれない!」

「ふむ...」

 

俺達の戦い方は、ラクシアさんに教わった物だ。つまりこの人は、俺達の親同然の人であり師でもある。そんな人が一緒に戦ってくれるなら...!

 

「...退くぞ」

「え...なんで!」

「...今のお前じゃあ、魔族達を退けることはできない」

「でも!」

「安心しろ。この国の王族やその兵士達は魔導にも秀でてる。俺達が助けなくとも、無事でいる筈だ」

 

ラクシアさんは俺の考えとは逆に、退くという選択をした。

確かに...俺はあいつに勝てそうもなかった...けど...だからって...俺は...逃げなきゃいけないのか...?

何も出来ないのか...?

 

「逃がすつもりは無いぞ?」

「つもりが無くても逃げさせてもらうぜ...よっと!」

 

ラクシアさんはさっきと同じエネルギー弾を地面に向かって放ち、爆煙で辺りを覆う。

 

「お前ら、今の内に!」

「あ、ああっ!」

「うん!」

「...イグナ、お前も早く!」

「...っ!」

 

悔しさを噛み締めながら、俺は皆と一緒に逃げ出した...。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これぐらい逃げればもう十分だろう」

「はぁっ、はぁっ...流石に疲れたよ」

 

相当な距離を走ってきた。どうやらアストは追いかけてきていないらしい。

 

「...で、兄さん。さっき後回しにしてた話、教えてくれよ。どうやってあんな力を?」

「あぁ、そうだったな...あれは...」

「おっと、話はもう少し待ってくれ」

「?何かあるのか?」

「もうすぐで見えてくる筈だが...お、きたきた」

「あれは...?」

 

ひび割れた瓦礫の散らばる土地に、いくつかのキャンプと無数の人。これって...?

 

「紹介するぜ。ここにいるのは...魔族の侵略に対抗するために集まった人間達」

 

ラクシアさんはそこで一度言葉を切った後、こちらを向いて言った。

 

「要するに...レジスタンスってヤツだな」

「レジスタンス...」

 

レギナは口が開きっぱなしになるくらいに驚いていた。かく言う俺も、だいぶ驚かされていた。

 

「さっきはあんな事言った訳だが...もしまだ戦う気があるなら、俺達と一緒に戦おう。ここで皆と一緒に強くなり、魔族の侵略に打ち勝つんだ」

 

こんなにも、侵略に抵抗しようとしている人達がいたなんて。

この中でなら、俺はきっともっと強くなれる。

 

「わかったよ、ラクシアさん」

 

俺の答えは決まっていた。

 

「俺、やるよ!もっと強くなって、いつかあいつらを...!」

「...お前なら、そう言うって思ってたよ!さて、お前らはどうする?」

 

ラクシアさんは俺の答えを笑って受け入れると、ロアとレギナの方に向き合った。

 

「兄さんには負けてられねぇからな!俺もやるぞ!」

「私だって!誰かの為に出来ることがあるなら、しないわけにはいかないよね!」

「決まりだな」

 

ラクシアさんは3人分の何かを持ってきた。これって...スカーフか?

 

「それはレジスタンスの証だ。それを巻いてる奴は全員仲間だ。ちなみに、魔力を使えば通信も可能っていう便利な物だから、大事にしろよな?」

 

すう言いながら渡されたスカーフを首に巻きながら、俺は決意する。

 

 

 

俺の...いや、俺達の力であいつらを倒す。

その為にも...もっともっと強くなる、と。

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