ハリー、ロックハートに指名されて彼の寸劇の相手役をすることになる。
ギルデロイ・ロックハートの心は熱く燃えていた。
村人を吸血鬼から守らなければならないという使命感が漲ってくる。
豪快に攻撃を振りかぶり、かつ冷静な判断で目の前の吸血鬼と戦い続ける。
一撃、二撃、三撃……ロックハートは必死に杖を振り続け――生徒達からの拍手の音が聞こえた。
――そうだ、私はいま芝居をしていたのだ――ハリー・ポッターを相手に。
次の瞬間、ロックハートの視界からノルウェーの村が消え失せ、見慣れた教室と生徒達の姿が入ってきた。
ロックハートは軽い失望に襲われた。
さっきまで……さっきまでの自分は『本物』だった。本当の英雄だった。まるで自分が自分でないような感覚だった。
なぜハリーが天才子役と言われるようになったのか、ロックハートには分かった気がした。
「ハリー、良かったですよ。グリフィンドールに10点差し上げましょう!」
「ありがとうございます」
今のハリーはごく普通の男の子らしく笑っている。
彼をパートナーに付ければ自分はもっと輝けるとロックハートは思った。
「では今日は解散です。次の授業までに『雪男との大いなる』を読み込んできて下さい。ファンの皆さんなら、もちろん既に穴が空くほど読んでいるでしょうがね!」
それからロックハートはハリーを呼んで、「また次回も授業の手伝いをお願いしますね」とウインクしながら囁いた。ハリーはちょっと困ったけれど頷いた。まさがこの先生は1年間ずっと演技の授業でもし続ける気なのだろうか。
授業が終わると、みんなが一斉にハリーの方に寄ってきた。
「私、ビックリしちゃったわ。どうしてあんなすごいお芝居ができるの?」
「私も。本当に本の世界の中に入ったのかと思ったわ。幻覚の魔法でも使ったの?」
ラベンダーとパーバティはキャピキャピ喜んでいる。
「小さい頃からやってたってだけだよ」
ハリーは恥ずかしそうに答えた。
「やっぱりこれ、みんなの前でもやるべきだよ。僕達だけに見せるなんて勿体ないよ!」
ディーンは興奮冷めやらない様子だ。
「でも、ハリーってプロだったんだよね。僕、見ちゃったから、お金あげないとダメだったりする……?」
ネビルが不安そうに呟いた。
「そんな押し売りみたいなことしないよ!」
「でも本来はお金を取っていいぐらいの出来なのよ。ハリーの生の演技って、マグル界では無料で見られないわ」
ハーマイオニーは得意げだ。マグル生まれのディーンも神妙に頷いた。
ホグワーツにおいて、噂はクィディッチの金のスニッチ並みに早く広まる。
その日の昼食の時間には大多数がハリーの闇の魔術の防衛術の授業での評判を知っていた。
他のクラスのロックハート先生の授業は、目も当てられないような状態だったらしい。だから皆グリフィンドールの2年生のことを羨んだ。
「やあ、ハリー。やっぱり誰相手でも君の演技はすごかったんだね。ロックハートと演技して完璧に演じられるなんて尊敬するよ」
6年生のマグル生まれのレイブンクロー生、フレディ・レイコックはハリーを褒めた。
彼は去年、ハリーに『魔法とマグルのCGの技術を融合させて映像作品を作る』という夢を語り、その役者にハリーを使いたいとお願いしてきた人だ。
「僕はまだいいけど、OWLを控えた5年生とか、NEWTの7年生とかは可哀想だよ。あんな授業を受けさせられて、重要なテストに臨むなんて……ゾッとする。だからレイブンクローでは毎週末に特別対策会を開いてるんだ。5年生と7年生の殺気と言ったら……半径2メートル以内に居るだけで刺し殺されそうだよ」
勉学に取り組む姿勢に関して、レイブンクローは4寮の中でずば抜けて真面目だ。
「でも、君と一緒に闇の魔術に対する防衛術の授業を受けられたら最高だろうな。どうせなら、学校全員で一斉に大広間で授業して欲しいよ」
コリンのファン活動もさらに熱心になって、コリンは「ああ、僕が1年早く生まれてたら良かったのに!」と嘆き続けていた。
その日は色々な人に話しかけられて、ハリーは忙しい1日を過ごした。
夜に談話室に帰ってシリウスからの手紙を確認している時、ハリーはロックハートの授業の後からロンと話していないことに気がついた。
ロンのベッドを見ると、ロンは静かにノートを片付けている。
僕も明日の準備をしてから寝ようかな、とハリーは思った。
「ねえロン、明日の時間割ってなんだったっけ?」
「――ようやく僕のこと思い出したってわけか」
「あはは、どういうことロン?」
ハリーはロンがふざけてそんな言い方をしたのかと思って笑ったが、すぐにロンが本気で怒っていると気がついた。
「『生き残った男の子』の上にマグル界でも有名なんだから、僕のことなんてどうでもいいに決まってるもんな」
ハリーは驚き過ぎて口をパクパクさせた。
ロンがそういう風に思っていたなんて、全く気がつかなかった。
「もういいよ僕なんかと無理して話さなくて。君にとってみれば、僕なんて金魚のフンみたいなもんだろ、どうせ」
「今日、話せなかったことはごめん。でも僕、そんなこと全然思ってないんだ……本当に。だって特急で初めて話したのは君だし、それに……」
ハリーは必死にロンを説得する言葉を探しながら言ったが、効果は無かった。
ロンはベッドのカーテンを閉めた。
取り残されたハリーは、ただ真紅のビロードのカーテンを見つめることしか出来なかった。
明日の朝、ハリーが起きた時にはもうロンは寝室に居なかった。
ロックハート先生の授業なんかで出しゃばったからこんなことになったんだ、とハリーは後悔した。
子役として名を知られていることが学校では悪影響になることは、マグルの小学校で散々学んだじゃないか。
ロックハート先生の申し出なんて断ればよかった。そもそも、ロックハート先生があんな提案をしなければ……ハリーは悶々と考えた。
ハリーにとってロンは大切な友達だった。
ロンは、ハリーが“生き残った男の子”だと知っても、数分後にはごく普通に趣味の話を聞かせてくれた。
それはハリーにとって特別なことだった。
「ねえハリー。あなた、ロンと喧嘩したの?」
その日の移動教室の時間、ハーマイオニーは心配そうに言った。
ハリーとロンはいつも一緒に移動しているが、今日はしてなかったからすぐ気付かれた。
「僕がロンを怒らせちゃったみたい。馬鹿なことしたから」
ハーマイオニーは少し考えてから、合点がいったように手を叩いた。
「つまりロンがあなたに嫉妬していじけてるってことね」
ハーマイオニーはズバリと言った。
「そんな言い方しないであげてよ。僕が悪かったんだ。ロックハートの提案にすぐオッケーしちゃったから……」
ハリーはロンに嫌われて落ち込んでいた。
「あなたがそんなに落ち込むなんて珍しいわね」
ハリーはスネイプにいびられても、コリンにまとわり付かれても飄々としていたから、ロンのことでこんなに落ち込むのは変に思えたのだ。
「だって、友達だよ? ロンは僕が有名だとか気にしないでくれると思ってたのに」
ハーマイオニーとハリーは階段に差し掛かった。
「そうね……やっぱり、友達だと思うなら悩みを打ち明けるのが大事じゃないかしら。私はハリーが子役の時にどんなに大変だったか知ってるけど、ロンは知らないでしょう。それもあって嫉妬しちゃうんだと思うわ」
ハーマイオニーは階段に仕掛けられたトラップを器用にかわしながら言った。
「僕、別にすごく大変だったわけじゃないよ」
ハリーは言い返した。
「だから、それが良くないのよ。あなた、自分の感情を押し殺し過ぎてるわ。あなたはもっとロンに対して怒っていいのよ」
「だって僕、本当にロンと友達になれてよかったって思ってるんだよ。怒ったら、もっと仲が悪くなるかもしれないよね?」
「大丈夫よ! そんなことないわ!」
ハーマイオニーは自信たっぷりに言ったが、ハリーはどうしても不安だった。
*
それから1日経っても、ロンは徹底的に話そうとしてくれなかった。
学校ではまだハリーの演技の話題が尽きないので、ロンと仲直り出来る未来はどんどん遠のいている気がした。
ホグワーツでは、ハリーが子役だと広まっても、大体の人が明るく声をかけてくれるので嬉しかったが、肝心のロンに無視されるなら無意味だった。
最近、ロンはもっぱら妹のジニーと居るようだった。
シェーマスやディーンはロンの嫉妬について「気にする必要ないよ」と言ってくれたが、そんなことできなかった。
コリン・クリービーと本日5回目の遭遇を果たした後、ハリーの足は自然と人気の少ない方へと向かってみることにした。
どうすればロンとよりを戻せるのか考えたかったのだ。
しばらく行くと、ハリーは小さな中庭を発見した。中央に噴水があって、周りの花壇に植物が色々と植えられている。
「うわーお」
いい気分転換ができそうな場所だ。他にも数人がいるが、静かにノートに向かって勉強をしている。
ハリーは噴水の淵に座った。噴水を覗き込むと、クラゲとイカが混ざり合ったような奇妙な生物が何匹も水の中を漂っている。
「それ、気になるの?」
しばらくして突然、頭上から女の子の声がしてハリーはびっくりした。
顔を上げると、金髪に透き通るような目の女の子――汽車の中で出会ったルーナ・ラブグッドがぼーっと突っ立っていた。
「レイブンクローの先輩が変身術の授業でクラゲをクリオネにしようとしたんだ。その失敗作がこれ」
「それ、噴水の中に入れていいの?」
「問題ないよ。ただ時々スミを吐いて分裂するだけだもん」
ルーナは楽しげに呟き、手の指と指を水の上で擦り合わせる。するとその奇妙な生物は一斉に水面付近に集まってきた。
「うわあ……!」
「わたし毎日見に来てるんだ。レイブンクローの大先輩に教えてもらったの」
「大先輩?」
「うん。トイレに住んでるんだ」
レイブンクローは個性的な寮だと言われているが、そこまでとは知らなかった。
もしレイブンクローに入っていたら、子役だった程度の個性は受け入れられてたのかなぁとハリーは一瞬思ったが、すぐにその考えを捨てた。
マグルの小学校に比べたらここは信じられないぐらい良い場所だ。
あの時に比べたら、大抵のことはよく思えるはずだ……ロンと仲違いしたのだって、前までは仲違いする友達すら居なかったことを考えれば、かなりの進歩だ。
しかしそんなことを他の人に言えるはずがない。
言ったとしても、「充分みんなから好かれてるのに、もっと友達が欲しいなんて、有名人は贅沢な悩みをお持ちざますねぇ!」と思われるのが関の山だ。
共通の悩みを持つ相手がいないことが、幼い頃のハリーが持っていた一番の悩みだった。
「そうだ! 僕、ちょうど環境を変えてみたいと思ってたところなんだ。だからトイレに住んでみようかな」
「それは思い留まるべきだと思うよ」
ルーナは淡い色の目で真っ直ぐにハリーを向けた。
「じゃあどこに住めばいいかな?」
「寝室が嫌なら、寮監の先生に相談すればいいと思うよ。マクゴナガル先生の自室に泊まらせてもらえばどうかな。女の先生が嫌ならスネイプ先生かフリットウィック先生でも。それかロックハート先生でもいいよ」
ルーナは肩にかけた鞄から、『ザ・クィブラー』と書かれた雑誌を取り出して、読み上げ始めた。
「有名人であることに悩んでいるあなたへ、わたくしが旅先でプライベートな時間を過ごすためにどうしたかお教え致しましょう。わたくしは鳥や吸魂鬼からも好かれる性分でしたが、この方法を使えば1人の時間を作ることができました!」
「え、吸魂鬼から好かれる?」
「うん。まだ続きがある。ある時、北欧フィンランドの田舎町を訪れた際、わたくしは吸魂鬼に好かれてしまい、日々付きまとわれました。そこでわたくしは有名人としての思いを吸魂鬼に演説すると、彼らは納得してくれました。そして無事、一人で旅を楽しむことができました」
突っ込みどころが多すぎるとハリーは思った。
それに、この記事を書いた人が誰なのか分かった気がした。
「それ、有名人用の雑誌なの?」
「違うよ。一般向けの大衆紙だよ。色んなコンテンツを入れることを重視してるんだ。1冊15クヌートだけど買う?」
「買う!」
ハリーは奇抜な記事を載せた雑誌が気に入った。
「ありがとう。パパが喜ぶと思うな」
15クヌートと引き換えに、ルーナから雑誌を受け取る。
「これ、君のお父さんが出版してるの?」
「そうだよ。世の中の真実を書くことを使命にしてるんだ」
ルーナは誇らしげに言った。
「だからあんたも、もしも世間に伝えたいことがあるなら寄稿してくれて構わないよ」
「なるほど」
ハリーは雑誌の目次を開いた。
『泣き妖怪バンシーとのナウな休日――武勇伝の裏』『ホグワーツはレイブンクローの秘密基地だったのか』『ピーター・ペティグリュー――殺人鬼?それとも陽気な猿回し師?』
実に興味深い雑誌だ。
「そうだ。ロックハート先生のところに行ってみたらどうかな」
「どうして?」
「きっと面白い話してくれるよ。ロックハート先生も有名人だから、あんたと同じ悩み持ってるかもしれない」
ハリーはそう思わなかった。それにロックハート先生のところに一人で行くのは危険だと過去の経験が知らせていた。
ルーナはハリーが微妙な顔をしていることに気がついた。
「あんたロックハート先生のことが嫌なんだ」
「ううん、嫌ってわけじゃないよ。でも……」
「私はよく会いに行くよ。いろんな話を聞かせてくれる」
「あ、僕も君とならロックハート先生のところに行ってみたいかも!」
「うん、行こう」
ルーナが嬉しそうなので、ハリーもなんだか嬉しくなってきて微笑んだ。
その時、グリフィンドールのローブが廊下の方に居るのが目に入った。
「あ、ロン! 待ってよ!」
ハリーは慌てて中庭から飛び出したが、ロンは振り返らずに大階段の方に走り去ってしまった。
ロンが階段に乗った瞬間、階段は動き出した。
ハリーは肩を落とした。
どうしたらロンが前のように仲良くしてくれるのか、ハリーには分からなかった。
それは仲違いした経験が少ないからではなくて、むしろ多すぎるからだった。仲良しだと思っていた子から次会った時に距離を置かれるなんて日常茶飯事だ。
学校に行ける日数が少ないから仕方ないと、ハリーは諦めの境地に達していた。
しかしロンとの友情は簡単に諦められるものではないぐらい大切なものだ。
「おーいロナルドー!」
ルーナがハリーの後を追いかけてきて、ロンに向かって声をかけた。
しかしもうロンは遠くまで行ってしまっていた。
「ロンのこと知ってるの?」
「ジニー・ウィーズリーの兄さんだって彼女から聞いたんだ」
「なるほど……あのさ、どうやったらロンと仲直りできると思う?」
ルーナは困った顔をした。
「あたし友達が多い方じゃないんだ」
ハリーはルーナと波長が合う理由が分かった。
「すっごく分かるよルーナ!!!」
ハリーはルーナの手を強く握った。ルーナは面食らったままだった。
*
一方、ホグワーツの校長室にはダンブルドアと、呼び出されたスネイプが居た。
「どうかね、授業の様子は?」
「……どうして私を闇の魔術に対する防衛術の担当にさせて下さらないのですか?」
スネイプは責めるような口調だ。スネイプが闇の魔術に対する防衛術の教授の座を狙っているのは、ホグワーツ生なら誰でも知っていることである。
「ロックハート先生が見つかったからじゃ」
ダンブルドアは朗らかに答える。
「あなたは私よりも彼奴の方が良い授業をすると思っていらっしゃるのですか?」
「今のところ生徒の間では良い話題になっているようじゃが」
「それはポッター……特定の生徒との絡みがあったからです」
「授業は生徒と作り上げるものじゃ」
「……ならば私も次の授業から自らの武勇伝を芝居にすればいいのですか?」
「セブルス、それは君が自由に決めていいことじゃ。もしその授業をするのであれば招待してくれんかの? ぜひ見物に行きたいのう」
スネイプは顔をしかめた。
「ダンブルドア先生、私は真剣に話をしているんです!」
「そうだったの。それはそうとして君のさっきの案は――なかなか良いかもしれん。ここだけの秘密じゃが、わしは何年もかけてあるものをコレクションしてきたのじゃ」
ダンブルドアは杖を本棚に向けて軽く振った。すると本棚は音を立てて動き出し、奥に新たな棚が現れた。
「これじゃ」
ダンブルドアは棚を開けた。
スネイプは絶句した。そして、これを見てしまったことは口外するまいと強く誓った。
「なぜそんなに驚いておるのじゃ」
「ダンブルドア先生、あなたは校長です! 自分の学校の生徒のものをこんなに集めていると知られたら……」
「これは校長としてではなく、個人的なコレクションだから問題ないのじゃ」
ダンブルドアは棚いっぱいのハリー・ポッターグッズに向かって両手を広げた。
個人的なコレクションならば校長室に置くべきではないんじゃないか、とスネイプは思った。
不死鳥のフォークスはそっぽを向いてホーホー鳴いている。
「君は彼の出演している作品を見たことがあるかね?」
スネイプは首を横に振る。
「それはもったいないことじゃ! そうじゃ、わしのコレクションを貸してあげよう」
ダンブルドアは棚からビデオを一斉に取り出して魔法で空に浮かべた。
「うむ……どれがいいじゃろうか……ふむ、これはどうじゃろうか?」
ダンブルドアが選び出したビデオのパッケージには、赤毛に染めた8才頃のハリーが木の上に座っているのが写っていた。眼鏡はしていない。これだけで随分と雰囲気が違って見える。
スネイプは怪訝な目でダンブルドアを見るが、ダンブルドアは涼しい顔だ。
「映画が嫌ならショートムービーもある。どうかね、一緒に鑑賞会でも?」
結局のところ、スネイプは校長の誘いを断りきれなかった。鑑賞中はどんな顔をしていれば良いのか分からなくて気まずかった。
あかりが消された校長室に並べられた長椅子に座っての鑑賞会を終えると、ダンブルドアはすぐさま立ち上がって映像を写していた機材を片付けた。
「どうかね、分かったじゃろう? なぜわしが君に映画を見せようと思ったのかを」
ダンブルドアは棚の物を吟味していくつかをポンポンと紙袋に入れながら、スネイプに聞いた。
スネイプはてっきりダンブルドアが悪戯心を暴走させたのだと思い込んでいたが、どうやら違っていたらしい。
「どうやら分からなかったようじゃの。お土産をあげるから、彼についてほんの少し心に留めておいてくれ」
ダンブルドアは紙袋をスネイプに押し付けた。
中を軽く覗くと、ハリーのポスターや写真やビデオやらが大量に入っている。
「いりませんこんなもの!」
「まあまあ、持っておいて損はないじゃろう。見続けていれば意外とファンになれるかもしれん。あと、その中にはハリーが出ていない映像もある。それがヒントじゃ」
帰ったらすぐに燃えたぎる大鍋の中に入れて処分しよう。スネイプはそう思った。
ハリーポッターシリーズに関して
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映画だけ見たことある
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本だけ読んだことある
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本読んでから映画見た
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映画見てから本読んだ