真・恋姫†無双 ~番長伝~   作:アニアス

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前回のあらすじ

孫堅にタイマンで負けた京馬。
だが孫堅から自分が天の御使いだということを告げられ孫呉に天の血を入れるために重臣たちを全員孕ませろと命じられる。
京馬は拒むものの孫堅が自分と同じ志しを持っていることを知り孫呉に仕えることを決心した。


番長、孫呉の将たちと交流を深めるとのこと

京馬が孫呉に来て一週間が経った。

 

孫堅に仕えることを決心したものの、やはり初めての世界での生活は慣れないことが多い。

まずは文字がさっぱり分からない。

日本語は通じるにも関わらず、文字は昔の中国の文字のためとても苦労している。

 

そこで京馬は、

 

 

 

陸遜「う~ん、こことここ、あとここもですねぇ。あっ、こんなところも」

 

 

京馬「うわぁ~結構間違ってるな俺・・・」

 

 

 

軍師の陸遜から文字の読み書きを教わることにした。

 

周喩は孫呉の筆頭軍師のため忙しく、張昭は政治やらの仕事が多いためさすがに京馬も頼めなかった。

仕方なく書庫で読み書きの勉強をしていると偶々見かけた陸遜が仕事の合間なら教えてもいいと言ってきたため、京馬は有り難く教わることになった。

 

 

 

京馬「今回結構自信あったのにな~・・・」

 

 

陸遜「でも最初よりは半分くらい覚えられてますから大したものですよ~」

 

 

 

京馬は今、陸遜の自室で机を挟んで座っていた。

勉強内容は、京馬が考えた文を紙に書いてそれを陸遜が訂正するというシンプルなものだった。

一週間かけて必死に文字を覚えようとはしているものの英語のように文節や動詞の配置などが難しく中々覚えられない。

自分の不甲斐なさに京馬は頭を机に伏せてしまう。

 

 

 

京馬「悪いな穏、冥琳や雷火さんと同じくらい仕事が忙しいのに俺の勉強なんかに付き合ってもらって」

 

 

陸遜「大丈夫ですよ。このくらいどうってことありませんから。そもそも私が言い出したことですから」

 

 

 

自虐的になっている京馬を陸遜は優しく宥めてくれた。

 

京馬が孫呉に来てか、『真名』というものを知った。

 

真名とは、家族と同じくらい親しい者たちしか呼び合うことを許されない真の名前。

他人が真名を呼べば死罪になってもおかしくないくらいとても大切なもの。

孫堅を始め孫策たちも孫呉の人間となった京馬に真名を教えてくれた。

 

孫堅は『炎蓮(イェンレン)』、孫策は「雪蓮(シェレン)」、周喩は『冥琳(メイリン)』、陸遜は『穏(ノン)』、程普は『粋怜(スイレイ)』、黄蓋は『祭(サイ)』、張昭は『雷火(ライカ)』という真名らしい。

 

ちなみに京馬には真名がないためみんなから京馬と呼ばれている。

 

 

 

穏「では今日はここまでにしましょうか」

 

 

京馬「・・・そうだな」

 

 

 

もう少しだけ勉強したかったが穏の仕事のことも考えれば無理に頼めないと思い紙や筆の整理を始めた。

 

 

 

京馬「いつもありがとな。読み書きできるようになったら穏の仕事も手伝うからよ」

 

 

穏「ふふっ。お気持ちだけでも十分ですよ」

 

 

 

和みながらも京馬は荷物の整理を終えて穏の自室から出て行った。

廊下を歩きながら京馬はこの世界と自分の役目について改めて考えた。

 

この世界は後漢末期で三国志の武将たちはほぼ全員が女。

管輅という占い師の予言では天から御使いがこの地に現れて乱世を治めると言ったらしい。

孫堅曰く、それが自分だと。

そこで孫呉に天の血を入れるために武将から軍師までも孕ませるように命じられた。

 

 

 

京馬「・・・改めて考えてみると、俺とんでもない状況に置かれてるな」

 

 

???「何がとんでもないのじゃ?」

 

 

 

はははと京馬が苦笑いしていると後ろから声をかけられたため振り向くとそこには張昭こと雷火が立っていた。

 

 

 

京馬「あ、雷火さん、どうもっす」

 

 

雷火「どうもではない。お主何をやっとるのじゃこんなところで?・・・ってあぁ、穏から文字の読み書きを教わっておったのか」

 

 

 

京馬の持ち物を見て雷火は穏の勉強会を終えた後だと推測した。

穏から勉強会の話を聞いていたため京馬が熱心に取り組んでいることには雷火も感心していた。

 

 

 

雷火「読み書きを覚えようとするその心がけは感心じゃ」

 

 

京馬「は、はぁ・・・」

 

 

雷火「じゃが京馬よ、お主の孫呉での役目は文字の読み書きを覚えることではない。それは分かっとるな?」

 

 

 

ジト目で雷火から見られて京馬は気まずそうに顔に出してしまう。

雷火は何かと厳しいことを言ってくるがそれも孫呉のためであるので誰も文句は言わない。

 

 

 

京馬「そりゃあ分かってますけど・・・」

 

 

雷火「けど何じゃ?」

 

 

京馬「いきなり孕ませろって命じられても、会って間もない女を孕ませる度胸なんざ俺にはねぇっすよ。せめて交流を深めてからとか・・・」

 

 

雷火「それは分かっておる!無理やり孕ませろとは言うとらんじゃろ!」

 

 

京馬「す、すんません・・・」

 

 

 

雷火の叱責が廊下に響き渡り、京馬も何か悪いことを言っただろうかと疑問に思いながらも取り敢えず謝った。

孫呉に血を入れると言っても京馬はまだ武将や軍師たちとの交流が浅いため、そこは雷火も理解していた。

 

 

 

雷火「はぁ、まったく・・・じゃがお主の天の国での話は大変興味深い。特に銀行やら目安箱などは中々面白いものじゃしのう・・・"あべのみくす"なるものはよく分からんかったが」

 

 

 

京馬はたまに周喩こと冥琳たち軍師に京馬がいた世界(天の国と呼ばれている)での歴史やら政治などを話している。

治政関連の仕事を主としている雷火は銀行の仕組みに結構食らいつき導入してみようと言っている。

この世界での歴史が天の国では古い歴史として語り継がれていることを教えた時は冥琳たちも面食らっていた。

 

これから起きることを京馬は話そうとしたが、

 

 

 

 

 

孫堅『これから起きることを知ったらつまんねぇだろうが!!』

 

 

 

 

 

と、孫堅から叱責されてしまい話すのをやめた。

 

 

 

雷火「まぁ何はともあれ、お主の天の国での話、時間が空いた時で構わぬからまた聞かせてくれ」

 

 

 

そう言って雷火は政務に戻るためにこの場から離れた。

京馬も雷火から言われた孫呉での自分の役目がいかに重要なものか改めて再認識した。

 

 

 

京馬「・・・考えても仕方ねぇし、なんか食いに行くか」

 

 

 

空いた腹を満たすために京馬は街へと出向くことにした。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

京馬が街へ赴くといつもと変わらず多くの人で賑わっていた。

慣れた足取りで京馬がある店に入ると、

 

 

 

店員「いらっしゃいま・・・あぁ京馬さん!また来て下さったのですか!」

 

 

京馬「よっ、茜」

 

 

 

担々麺をタダで食べさせてくれた店員が笑顔で元気よく挨拶をしてきた。

 

店員の名は練師。

真名を『茜(アカネ)』。

店員かと思っていたこの娘はこの店を切り盛りしており、言わば店長でもあった。

彼女の作る料理は街でも絶賛されており多くの人が通っている。

京馬も通うようになり真名を交わすまで親しくなった。

 

 

 

京馬「今日も茜の料理食べに来たんだが、席全部埋まってるみてぇだな・・・」

 

 

 

京馬の言うとおり、店の席はすべて他の客で埋まっており、空いているところが見当たらなかった。

 

 

 

茜「申し訳ありません京馬さん。折角来て下さったというのに・・・」

 

 

京馬「・・・いや、多分大丈夫かもしんねぇぞ?」

 

 

茜「え?」

 

 

 

頭を下げている茜は京馬の大丈夫という言葉に頭を上げてしまう。

京馬はある席を見つけるとそこへ歩いて行き座っている人物の正面に座った。

 

その人物は、

 

 

 

祭「ん?おぉ京馬ではないか」

 

 

京馬「どうもっす祭さん」

 

 

 

黄蓋こと祭だった。

祭は酒を飲みながらツマミを食べており顔も赤くなっていた。

 

 

 

京馬「こんな時間から酒盛りっすか?」

 

 

祭「応とも。儂にはこれが生き甲斐なのじゃ。それに少しばかり飲んでもバチは当たらぬわ」

 

 

京馬「少しばかり・・・?」

 

 

 

祭の机には既にからの酒器が何本も置かれており、これのどこが少しばかりなのだろうと京馬は疑問に思うがそこに突っ込むと祭からガミガミ言われそうなため触れないようにした。

すると茜が京馬の元へ寄り注文を聞こうとした。

 

 

 

茜「京馬さん、何にしますか?」

 

 

京馬「じゃあ餃子で」

 

 

祭「あと酒も頼むぞ」

 

 

京馬「・・・まだ飲むんすか?」

 

 

 

京馬の注文に便乗して祭も酒を注文した。

 

 

 

茜「あの~黄蓋様、そのくらいにした方がよろしいのでは?まだ仕事が残ってらっしゃるはずですよね?」

 

 

 

飲み過ぎている祭を心配して茜もこれ以上飲ませるのをとめようとするものの、

 

 

 

祭「構わぬ。仕事くらい酒を飲みながらどうとでもなるわ。ほれ!早く持ってこんか!」

 

 

茜「は、はいっ!」

 

 

 

祭から少し怒られた茜はたじろいで厨房へと向かった。

 

 

 

京馬「祭さん、ほんとにそのくらいにしといた方がいいっすよ。酔っ払ってたら将軍としての威厳ってもんが・・・」

 

 

祭「お主までかようなことを申すか。儂は酔っておらんというのに、まったく近頃の若いもんは・・・」

 

 

 

ブツブツ言いながらも祭は再び酒を口に運んだ。

 

 

 

京馬「ホントにどうなっても俺知らないっすからね?」

 

 

???「諦めた方がいいわよ?祭は酒が入ると止まらなくなるから」

 

 

京馬「そりゃ分かってますけど、流石に限度ってもんが・・・あ?」

 

 

 

いつの間にか誰かが会話に交ざっており誰だろうと空いている席を見ると、程普こと粋怜が座っていた。

 

 

 

京馬「・・・いつから居たんすか粋玲さん?」

 

 

粋玲「京馬くんが餃子を注文した辺りから」

 

 

京馬「全然気がつかなかった・・・」

 

 

 

そんな前から座っていたのかと京馬は驚いてしまう。

 

 

 

祭「おぉ粋玲!聞いとくれ!京馬のヤツが儂の生き甲斐を奪おうとするのじゃ!お主からもなんとか言うとくれ!」

 

 

 

祭はまるで自分は悪くないかのような口振りで粋玲に京馬をなんとかしてくれとお願いした。

粋玲は『はぁ・・・』とため息をついて額に手を置いた。

 

 

 

粋玲「まったく、私は今休みだからいいけど・・・祭、貴女はまだ仕事の最中の筈でしょ?それなのにこんな時間から酒なんて飲んで・・・これはもう冥琳に言うしかないわね」

 

 

祭「なっ!?冥琳じゃと!?」

 

 

 

冥琳に言いつけるという粋玲の言葉に祭は冷や汗をかいてしまう。

冥琳は軍師の中でも筆頭軍師の地位にいるため祭と同等の立場にいる。

そのため冥琳は年上の祭だろうと厳しく取り締まっている。

 

 

 

祭「ま、待て粋玲!冥琳に言うのだけは勘弁しとくれ!もしバレたら儂は!」

 

 

粋玲「だったらサボってないでちゃんと仕事しなさいよ」

 

 

祭「ぬぅぅ・・・」

 

 

 

冥琳に仕事をサボっていることをばらされたくない祭は観念して仕事に戻ることを決めた時だった。

 

 

 

京馬「・・・祭さん、もう手遅れかもしれねぇっすよ」

 

 

祭「ん?どういうことじゃ・・・?」

 

 

 

京馬がバツの悪い表情をしているのに祭と粋玲は疑問に思うが何やら後ろから鋭い視線を感じて振り向くと、

 

 

 

冥琳「・・・・・」

 

 

 

冥琳が佇んでおり祭を鋭く睨んでいた。

 

 

 

祭「め、冥琳・・・」

 

 

 

祭の顔は酔っ払った赤い顔から血の気が引いた青い顔へと変色していった。

京馬と粋玲もあ~あ、と苦笑いをしていた。

 

 

 

冥琳「さて祭殿、貴女はまだ政務の仕事があった筈ですが、こんなところで何を?」

 

 

 

冥琳は視線を祭から机へと移した。

机の上には空の酒器が何本も置かれており食べ掛けのツマミの皿もあった。

 

 

 

祭「こ、これはじゃのう・・・そうじゃ!粋玲と京馬じゃ!こやつらが飲め飲めとうるさくてのう!」

 

 

粋玲「えぇっ!?」

 

 

京馬「はっ!?祭さん!?」

 

 

 

コイツ!俺らを売りやがった!と内心で京馬と粋玲は祭を恨むも直ぐに祭に天罰が下った。

 

 

 

茜「お待たせしましたー、ご注文の餃子とお酒になりますー。ってあれ?程普様に周喩様も来ていらしたのですか?」

 

 

 

茜がお盆に京馬と祭が頼んだ餃子と酒を運んで来た。

それにより祭も固まってしまい、冥琳はやはりかと思いフッと笑った。

 

 

 

冥琳「・・・練師よ、その餃子と酒は誰が注文したのだ?」

 

 

茜「え?えっと、餃子は京馬さんが頼まれて、お酒は黄蓋様ですけど・・・」

 

 

冥琳「そうか・・・」

 

 

 

冥琳は祭を見ると、当の本人は汗をダラダラと掻いていた。

もはや弁解の余地はなかった。

 

 

 

冥琳「さて祭殿、ここでは練師に迷惑が掛かりますので、場所を変えてお話でもしましょうか」

 

 

祭「す、粋玲!京馬!助けてくれ!」

 

 

 

冥琳から腕を掴まれて逃げられない祭は京馬と粋玲に助けを求めるも、

 

 

 

京馬「粋玲さん、餃子たくさんあるんで良かったらどうっすか?」

 

 

粋玲「ありがとう京馬くん。練師、お酒は私が貰うから置いといて」

 

 

茜「は、はい」

 

 

 

完全に祭を無視して話に夢中になっていた。

 

 

 

祭「この薄情者どもがぁーーー!!」

 

 

冥琳「貴女が人の事を言える立場か」

 

 

 

仕事をサボった挙げ句、京馬と粋玲を売った祭は冥琳に連れていかれてしまった。

 

 

 

茜「放っておいていいんですか?」

 

 

粋玲「自業自得よ」

 

 

京馬「仲間を売るような人は庇えねぇよ」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

粋玲と話を済ませて茜の店を後にした京馬は屋敷の自室へと戻り文字の読み書きの勉強を始めた。

空いた時間を少しでも活用しようと1日の半分を勉強に注ぎ込んでいる。

 

すると、

 

 

 

ガチャッ

 

 

 

雪蓮「は~い京馬!調子はどう?」

 

 

 

孫策こと雪蓮が勢いよく扉を開けて入って来た。

京馬はビックリするも雪蓮と分かるとホッとした。

 

 

 

京馬「なんだ雪蓮か・・・」

 

 

雪蓮「なんだって何よー!ぶーぶー!」

 

 

 

リアクションが低い京馬に雪蓮は頬を膨らませて寝床に腰掛けた。

 

 

 

京馬「また仕事すっぽかして来たのか?」

 

 

雪蓮「大丈夫よ、後は冥琳が全部やってくれるから」

 

 

京馬「それは押し付けと言うのでは?」

 

 

 

祭と同じように仕事をサボっている雪蓮に呆れるも話し相手が出来たことに笑顔になってしまう。

京馬は筆を置いて雪蓮の隣に座った。

 

 

 

雪蓮「どう?ここでの生活はもう慣れた?」

 

 

京馬「まぁ大方はな、けど毎日文字の読み書きの勉強するだけでタダ飯食ってるって感覚だな」

 

 

 

仕事を与えられてもらえず勉強以外何もすることがない京馬にとっては孫堅に申し訳なく思っていた。

 

 

 

雪蓮「何言ってるの。京馬には母様からの使命があるじゃない。なんだったら今ここで私とやっちゃう?」

 

 

 

そう言って雪蓮は生足をチラチラと見せつけてくる。

ツヤツヤと輝いている生足に京馬はゴクリと喉を鳴らすが直ぐに正気に戻った。

 

 

 

京馬「そうやってからかうのは止せよ。それにこういうのはもう少し交流を深めてからだ」

 

 

雪蓮「とか言っちゃって、少し本気になっちゃったくせに~」

 

 

京馬「うぅ・・・///」

 

 

 

完全に否定しきれないため京馬は少し顔を赤くして反らしてしまう。

 

 

 

雪蓮「京馬ぁ~。私、女の子がいいなぁ~」(ギュッ

 

 

 

京馬のリアクションを見て面白がり雪蓮は首に手を回して抱きついて来た。

京馬は内心、ドキッとなるが美人に抱きつかれる機会なんて滅多にないためもう少し堪能しようとした時、

 

 

 

ガチャッ

 

 

 

冥琳「しぇ~れぇ~ん~!」

 

 

 

おっかない形相をしている冥琳が扉を開けて入って来た。

 

 

 

雪蓮「め、冥琳・・・!あ、あはは~・・・」

 

 

 

いいムードが一瞬で壊れてしまい雪蓮はとひきつった笑みになっていた。

 

 

 

冥琳「仕事を放り出して京馬とイチャイチャするとは、随分と暇なようだな。そんなに暇ならば今から一週間分の仕事を・・・」

 

 

雪蓮「やるやる!仕事ちゃんとやるから!じゃあ京馬!またね~!」(ピュー!

 

 

 

冥琳がいい終える前に雪蓮は部屋を飛び出して行った。

 

 

 

冥琳「はぁ、祭殿といい、まったく・・・」

 

 

京馬「あんたも苦労してるな冥琳」

 

 

 

疲れきっている冥琳に京馬は同情してしまう。

仕事が多忙にも関わらず、サボっている雪蓮や祭を捜すのだからその苦労は京馬の想像を超えるだろう。

 

 

 

冥琳「もう慣れたものさ。それはそうと文字の読み書きは出来るようになったか?」

 

 

京馬「・・・まだ、です」

 

 

 

京馬は気まずそうに顔を反らしてしまう。

この世界の文字の読み書きがいまだに出来ない京馬にとってはこれ以上恥ずかしいことはない。

 

 

 

冥琳「焦る必要はないぞ?穏が覚えがいいと言ってるからな。この調子なら政務を手伝わせてもいいとな」

 

 

京馬「ありがとな」

 

 

冥琳「だがお前も本来の使命を全うしてしらわなければな」

 

 

 

冥琳はからかうかのように笑いながら京馬を見つめた。

 

 

 

京馬「わ、分かってるさそんくらい」

 

 

冥琳「はっはっは!ならいい。邪魔して悪かったな」

 

 

 

機嫌が良くなった冥琳は笑いながら部屋から出て行った。

1人になった京馬は勉強を再開した。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

深夜。

外も暗くなった頃、京馬は寝床で眠っていた。

勉強疲れで睡魔に襲われたため、直ぐに眠りについてしまった。

京馬がぐっすり眠っていると、

 

 

 

モゾモゾ・・・

 

 

 

京馬(んん・・・?何だ・・・?)

 

 

 

自分の身体を誰かに触られている感覚が走り眠気を押しきって重い瞼を開くと、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

炎蓮「よぉ京馬、起きたか?」

 

 

 

目の前に孫堅こと炎蓮の顔があった。

炎蓮は京馬に覆い被さるように一緒に横になっていた。

 

 

 

京馬「・・・ッ!?何してんすか!?」

 

 

 

炎蓮が目の前にいることで眠気が吹き飛んだ京馬は起き上がろうとするも手を抑えつけられて起き上がれなかった。

 

 

 

炎蓮「なぁに、ちょっとオレと夜の相手をしてもらうだけだ」

 

 

 

炎蓮はニヤリと笑い京馬のインナーを掴んだ。

京馬はハッとなり炎蓮が何をしに来たかを察した。

 

 

 

京馬「いやいや炎蓮さん!流石に今からは勘弁して下さいよ!こういうのは雰囲気ってもんが!」

 

 

炎蓮「うるせぇな・・・つべこべ言わずに脱げぇ!」

 

 

 

そう言って炎蓮は力任せに京馬の服を脱がそうとした。

 

 

 

 

 

京馬「ちょっ!やめっ!あぁーーーーーーーー!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、京馬が1日部屋から出て来なくなってしまい、孫堅の肌が綺麗になっている経緯を知る者は、誰もいない。


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