それではご覧ください。
ある日のE03地区の朝のこと。
朝食を済ませ、一息ついた指揮官はPP-90と416の二人と広報紙を読んでいた。
---あー、今日も平和やなぁ...
「そうだね、平和だねぇ...」
「そうね、平和ね。ここではいつものことだけど」
そんな中、三人はある記事を見つけた。
<[またSNSで不適切発言の発信。相次ぐグリフィン所属人形の不祥事]>
---あー、またかぁ。失言騒ぎの炎上案件。
「炎上ってナニ?」
---あぁ、炎上っていうのはな、問題発言とかで批判が殺到してどうしようもなくなる事、かなぁ。
「ふぅーん。大変なんだねぇ」
「ナインティ、他人事じゃないわよ。炎上って些細な事から始まるものだから気をつけるのよ」
<またグリフィンの戦術人形がやらかした。
昨日、SNS(登録制コミュニケーションサービス)にて、グリフィン所属の戦術人形である、一〇〇式、六二式、六四式自の三人が不適切発言をしたとして、本部へと送致される事態になった。>
「ふぅーん、三体もやらかしたのね」
「仲の良い者同士だと羽目を外しやすくなるものよ」
<当該人形三人は、昨日発生した火災現場へと出動し、救援活動を行なったメンバーの一部で、燃え盛る火災現場をバックにピースサインを決めた写真を投稿。その際に、
「仕事中なう。ちょっwwwwwwこれこそネットでの炎上じゃなくてホントの意味での炎上wwww」
「私たちがちょっと前に破壊した鉄血の基地より燃えてるw」
「キャンプファイヤーにしては火が大きいw火加減調整しないとww」
などといった文言を入れていたという。>
事件を説明した文章と共に、燃え盛る建物を前に三人の人形がピースサインをしている写真が掲載されていた。ただ、元の画像が荒いからなのか、プライバシーの保護のためなのか、解像度が荒いので、細かいディテールは分からないようになっている。
---うわぁ、やってしもうたなぁ...
「仕事中にSNSに投稿するってなかなか勇気あるなぁ...」
「流石にこの発言は酷いわね...」
<当該発言は瞬く間に広がってしまい、
「流石に不謹慎だ」
「グリフィンは仕事中にSNSの投稿ができるのか」
「罹災者に失礼ではないか」
などという苦情のメールや電話がグリフィンへと殺到。そこから問題の発覚へと至った。>
---そりゃそうやろ。不謹慎が過ぎるわ。
「苦情が入るのは当然よ」
<グリフィンとSNSが絡んだ事件では、二週間前にもSNSでラテアートを披露しているユーザーへと因縁をつけた者がおり、それがグリフィン所属の戦術人形の裏アカウントだったという事件があったばかりだ。その件に関しては、関係者の謝罪文と当該人形への罰則を持って解決しているが、こうも立て続けにこんな事件があると、我がグリフィンの信用問題に関わる由々しき事態だ。>
「うわぁ、そんなのあったんだ...」
---巷ではその人形、コーヒーに負けた女とか言われとるらしいで。
「どこかで聞いたことあるわね、その言葉」
---気のせいやろ。
<今一度、グリフィンに所属する諸君たちには、ネットモラルを再確認し、迂闊な発言が無いよう心掛けていただきたい。>
---半世紀以上前から言われ続けてたことやけど、簡単に情報を発信できるからこそ、発信する前に少し立ち止まって確認することが大切なんかもしれんな。
「そうね...」
「そういえば、この三人の人形ってウチのE03司令部にも同型が居たよね」
---そういやそうやな。
「そういえば、今日は三人の姿を見ないわね...」
などと話をしていると、いきなり連絡用の端末から呼び出し音が鳴った。どうやら本部からのようだ。
---はい。E03地区の司令官です。はい。はい。エエッ!!?分かりました。すぐに向かいます。
「どうしたの、いきなり大声出して」
---本部から連絡があってな。どうやらさっき見た記事内でアホなことした人形、ウチ所属の奴ららしいんや...
「嘘でしょ!?」
「はぁ...あのバカたち...そんな所まで日本っぽくなくていいのに...」
---監督責任でめでたく私も呼び出しや。帰りは遅くなるかもな...はぁ....
「しょうがない、私もついて行ってあげるわ」
「じゃあ私は留守番しとくわ。指揮官不在の中だと、やらかさない完璧な人形は必要でしょう?」
---頼りになるわ。完璧ちゃうけどな...それじゃあ行ってくるわ...
そう呟きながら、トボトボと本部へと向かう指揮官。今日一日お偉いさんがたにコッテリと絞られる羽目になるだろう。
E03地区は今日も平和である...
SNSの不適切発言からの炎上劇、怖いですよね。どんな拍子で掘り起こされて大事件になるのが分からないのが怖いところ。みんなも気をつけようね!
最後になりましたが、お話のネタをいただいたgarry966さんに感謝!
それではまた!