それではご覧ください。
ある日のE03地区の早朝。
朝食をとっていた指揮官の元へあるデータが送信されてきた。
朝食を食べながら情報端末を見ている指揮官に気づいた416が、近寄ってきてこう切り出した。
「あら、ご飯を食べながら情報端末を眺めるとは感心しないわね」
ジト目の416に諌められた指揮官は、頭を掻いて苦笑いしながらこう返した。
—いや、いつもはしとらんねんけどな。たまたま緊急の用件が入ったから詳細を見てたんや。ホンマにたまたまやぞ!!?
思いの外必死な言い訳を並べる指揮官に苦笑する416。
「フフッ、分かってるわよ。それで、その要件って?」
—これを見てみ。
大体を読み終わった指揮官は416へと情報端末を手渡した。
<[IOP社の輸送車襲撃。一部戦術人形が行方不明か]>
「ふうん、IOPのトラックが狙われたのね….」
<昨日未明、IOP社の輸送車輌が鉄血の軍勢に襲撃され大破。辛くも軍勢は退けられたが、車中にいた戦術人形数名が行方不明となっている。>
「襲撃の混乱時に仲間からはぐれてしまったのかしら」
—ああ、その可能性が高いだろうな。
<行方不明と見られるのは、■■■■■■(この部分だけ処理されており、識別できない)地区のG36、PK、SPP-1、NZ75、M99、ネゲヴの六体。最後の救援信号から推測される場所は、最前線であるS09地区の戦闘区域であり、六体とも散り散りになってしまっているとのこと。>
「■■■■■■地区所属の六人は聞いたことがあるわ。皆とても優秀な戦術人形だと聞いている。でも、いくら優秀と言っても一人一人がバラバラで潜伏しているのはマズイわね…」
—416、■■■■■■の部分分かるんか…?
「ええ、なんとなくだけどね」
<さらに運が悪いことに、六体が居ると思われる箇所は鉄血のハイエンドモデルが陣取っていると思われる場所である。>
「鉄血のハイエンドモデルがいる…ますます厳しい状況ね」
—一人だけでは攻勢もできないし、かといって迂闊に退却するのも難しい。難儀やなぁ…
<■■■■■■地区所属の六体は■■■■■■司令部が誇る優秀な戦術人形ではあるが、ジリ貧であることに間違い無い。もったとしても一週間だろう。だが、この六体は作戦に関する重要なデータを所持しているという情報も入っている。殊更救出せねばならない状況である。使い捨て感覚の見殺しなんかは以ての外だ。>
---心細い動力源が尽きたら強制シャットダウン。そんな状態で鉄血に見つかったら…考えたくも無いな…
「今よりも更に状況が悪化するのは必須ね」
<そこで、グリフィン本部は各指揮官へ救援要請を飛ばし、大掛かりな救援作戦を決行することにした。>
「やはりそうなるでしょうね」
<各人形の救援が成功した場合、報酬として同型の人形を支給するという大盤振る舞いだ。>
「ここまで状況が逼迫している裏返しなのかしらね」
---■■■■■■地区所属のモデルでは無いにしても、ベース自体がええから戦力の増強にはもってこいやな。
<期限は約一週間。作戦を実行するかは自由だ。戦力が心細い者は無理に参加しなくともよい。参加する場合は….活躍を期待している。>
「で、指揮官はどうするの…?」
その言葉に答えるように、指揮官は椅子から立ち上がってこう告げた。
—もちろん出動や。報酬はともかく、仲間の危機は助けなあかんやろ?
その言葉、待ってました。といわんばかりの微笑を浮かべながら、416はウキウキした声色で返した。
「そうこなくっちゃ。私も久々の実戦ができるかもってワクワクしているの」
—よし、今回の作戦は第一、第二部隊で行う。三十分後に司令室に集合するように伝えといて。第一部隊長は君、416や。
「了解。私は完璧よ。必ず任務を成功させてみせるわ」
そして、戦術人形救援作戦は幕を開けた….
…続く?
これ、いかにも「俺たちの戦いはこれからだ...!」みたいな終わり方なんで、最終回っぽくなりましたがまだまだ続ける予定です。
救援作戦でも何話か割ける勢いかもしれませんね。他地区所属の戦術人形達の合同作戦みたいなノリで。
オリジナルのネタも何個かあるんで、そこをどう調理してどの順に出すかが悩みどころです...とある司令部の指揮官紹介ってコーナーも挟んでいこうかな...?
それではまた、ごきげんよう!