それではご覧ください。
ある日のE03地区の昼下がりのこと。
昨日から昼間に姿を見せていない指揮官を探すため、HK416とPP-90は司令室へと足を運んでいた。
「全く。あの人はどこに行ったのかしら」
「指揮官ってサボるタイプじゃないんだけどなぁ」
「そうね。だからこそ、あの人がいつもいる司令室へ来たんじゃない」
「し、知ってるわよ!ここなら証拠があるかもだしね」
そして、司令室へとたどり着き、中へ入る二人。いつも通りの空間だが、やはり指揮官は不在のようだ。しかも、不在時の立て札すらしていない。
何か手がかりがないか。室内を見回す二人。数分後、416が声をあげた。
「ナインティ、これを見てちょうだい」
「なになに?何か見つけたの?」
ナインティが目にしたのは、指揮官が愛読している広報紙を手にした416の姿。
「それ、指揮官の真似?あんまり似てないよ」
「そんなわけないじゃない!手がかりが書いてあったのよ!」
軽く声を荒らげながら、416はナインティにあるページを見せつけた。
<[SG三体の製造確率アップについて苦言を呈する指揮官多数。一部ではデモも。]>
「あれ、これ前に見たような…」
「そう、あの解禁されたSGタイプの人形についての続報よ」
<AA-12、SPAS-12、Super shortyの三体が正式運用開始されたことは以前に報じた通りであるが、それに伴い、IOPは期間限定で上記の三体の製造確率を上げる告知を一昨日夕方から行った。>
「へぇー。そんな告知があったんだー」
「新人形が発表されたら、その数日間は製造確率を上げる手法はIOPではよくあることよ。不思議ではないわ」
<大型製造ではかなりの資源と資材、契約書類が必要なのだが、必ずしもショットガンが製造されるとは限らない。むしろ確率的には低い方だ。特にプレミアムモデルであるAA-12は非常に製造されにくい部類なのだ。
となると、指揮官諸君が製造確率上昇期間中にお目当ての人形を狙うのは自明の理であろう。>
「まぁ、そうなるよね。当たりやすい方がいいもんね」
「それこそIOPの思う壺なのだけれど…」
<だが、現実は甘くなかった。そう、件の三体が出ないのだ。
そもそも、ショットガンタイプの特定の人形を狙うのは勝率が低い賭けである。それに追い打ちをかけるのが要求資材の多さ。
一回の製造で通常製造の十倍近くは資材が必要なのだ。当然爆死者も多数出てくる。>
「やはりね。あくまで『SGの特定の三体が出やすくなった』だけであって、『SGが出やすくなる』とは一言も言ってないもの」
「ミスリードさせるように仕向けてるように見えちゃうわね…」
<ある司令部所属のH氏(仮名)はこう語る。
「ええ、一瞬で配給を六万以上は溶かしました。SGはお迎えできたんですが、新しい三人は出なかったんですよ。おかしくないですか!?おかげで司令部は火の車。IOPはどうしてくれるんでしょうかね!?」
と、疲れ果てた様子だった。>
「いや、さすがにそれ自業自得でしょ。」
「逆ギレにも程があるわね…」
<また、別の司令部に所属しているF氏(仮名)はこう語る。
「俺も言葉に釣られて大型製造を試したクチですが、まぁヒドいもんですよ。 RFタイプの人形はそこそこ出たんですが、SGはほとんど出ない。まだSPAS-12が出てくれただけマシですがね。資材?もちろん消し飛びましたよ。人力なんか二桁台になるまでね。さぁて、一〇〇式に後方支援をガンガンこなしてもらわないと…」
と、これまた疲れた様子だった。>
「とばっちりを受けた一〇〇式がかわいそう」
「これぞブラック司令部の鑑ね…」
<また、昨日から三体が出ないことに起因したデモも起きているようだ。IOP社の前で一部司令部の指揮官たちが『Give me SG!』、『SGを出し惜しみするヘイト企業IOPは謝罪しろ!』などと書かれたプラカードを片手に行進している。>
「デモまで起きてるのかぁ…大ごとになっちゃってる…」
「製造確率が上がってる期間ではよくあることよ。毎回、期間が終わると同時にデモも収束するのが定番の流れね」
<とある指揮官がインタビューに答えてくれた。
「ええかげんIOPの殿様商売に嫌気が差してもてな。一回ガツンと言うたんねん!」
と、語気を荒くして答えてくれた。なぜ関西弁なのかは謎であるが。>
「ん?これって…?」
「あのバカ…!ナインティ、IOPまで行くわよ!」
「あぁっ!ちょっと待ってよ416!」
ポカポカ陽気の中、IOPへと向かうE03地区司令部所属の二人が地平線の彼方へと消えてゆく…
今日も『E03地区は』平和である…
結局、私のところの成果はSPASが2体に収まりそうです。試しに一回三式を回してニイハオ指揮官が出たのは流石に禿げ散らかりましたが。
やっぱIOPってクソだわ!(暴言)
最後になりますが、取材協力いただいた焔薙さん、F(仮名)さん、どうもありがとうございました。
それではまた!