戦うことを選ばなかった凡人   作:ロック大佐

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 えー、まず皆様に番外編についてのお知らせっす。
 とある読者様に番外編を一番上に移動されると最新話がずれて困るという意見を頂きました。
 確かに……でもそういう意見が出るわりには一番上派が圧倒的なんですよね。
 これは恐らく続きを読もうとして番外編に飛んでしまうのが嫌なのでは?
 だから一番上派はこれを理由に上に移動してほしいのではないかと作者は思ったのです。
 かと言って貴重なご意見を無視するのもなー……というわけで今回は実験として七話に九話への直リンクを設置してみます。
 更に目次からでもわかるように番外編のサブタイトルには番外編と付けたままにします。
 これで一応皆ハッピーですかね? 一番上派の意見が欲しい。
 もしこれで大丈夫そうならこの方針で書いていくぞー!


でんぢゃらすロリータ

 立香と廊下を歩いていた時。それは突然やってきた。

 上半身はジャケットであり、ブラでもサラシでもないのに下半身は紐パンもどき。

 顔に切り傷があり、腰のあたりにナイフを装着し、ハイソックスを履いている謎の銀髪少女。

 どう見てもアサシンのジャック・ザ・リッパーです。本当にありがとうございました。

 

 ジャックは俺達を見付けたと言って、こちらへ走り寄ってきた。

 先程お母さんと呼ばれてびびったが、立香のことだよね? 俺を母扱いする理由ないよね?

 ある意味カルデアの中でも上位に君臨する程の危険な鯖と出会ってしまった……どうしよう。

 機嫌を損ねないのは絶対として、無知な一般人はどう反応するのが普通なのだろうか。

 幼女が職場にいることを指摘? 顔に切り傷があることを指摘? 短剣所持してるのを指摘?

 駄目だ駄目だ! どれもこれも死亡……かどうかは置いといてフラグの匂いしかしねぇ!

 

「おうおうジャックちゃん! 一体どうしたの?」

 

 立香が嬉しそうに駆け寄ってきたジャックを受け止めた。

 これは母性本能を刺激されていますね。間違いない。

 

「あのね、おかあさんを探してたの」

 

 ジャックは頭をなでなでされながら立香を見つめている。

 良かった。もしここで俺を見ながらの発言だったらどうしようかと。

 俺が密かに安堵の息を吐いていると、ジャックの頭を撫でている状態で立香がこちらへ顔を向けた。

 

「この娘はジャック。ちょっとした理由で私が母親代わりになってるんだ」

 

 ちょっとした理由か。ちょっとした理由なら仕方ないね。深くは聞かんよ。

 でも腰周りの布面積が壊滅的なのはどう説明するんですかね……。

 更にジャック自身もこの格好を恥ずかしがってるんだよね。着せた奴は間違いなく変態だな。

 とりあえず着ていた上着を脱いでジャックに渡した。

 

「ジャックちゃん。そんな格好じゃ風邪引くよ? お兄さんの上着を貸してあげよう」

「わたしたち、風邪なんかひかないよ? でもありがとう。()()()()()

 

 ジャックはお礼を言いながら、早速渡した上着を羽織った。

 うむ。丁度ワンピもどきになっていい感じである。

 上着の裾がスカートの役割になって逆にチラリズム的な意味でエロい気もするが、細かいことは指摘しない方が安全だろう……………………今この幼女俺のことなんつった?

 

「お、かあ?」

 

 こちらを見ながらジャックはお母さんと呼んだが、立香がお母さんなのでは?

 それを間違えて俺にお母さん呼びをするなんておっちょこちょいだね。

 そうだよね? そういうことだよね? さあ間違えたと言うんだ! 言ってください!

 

「あ、おかあさんじゃなかった。ごめんね()()()()()

 

 どういうことなの?

 思わずお前の仕業かと立香の方へ目を向けるが、立香も俺と同じように絶句していた。

 どうやら立香も初耳だったらしい。じゃあ誰がなんのために俺をお父さんに?

 ジャックは堕胎された赤子の霊の集合体という性質上、お父さんという概念が存在しない。

 父を知らぬ身で自分から誰かをお父さん呼びするとは考え難い。なら誰かが教えたのだろう。

 問題は誰が教えたかだ。悪戯か作戦かで予測できる相手が変わってくるが?

 

「ジャックちゃん。今裕司のことなんて言った? ワンモアタイム」

「おとうさんだよ?」

「更にワンモアタイム!」

「おとうさん」

「私は?」

「おかあさん」

「裕司は?」

「おとうさん」

 

 相当衝撃的だったのか、立香がジャックに何度も俺に対する呼び方を聞いている。

 一度も会ったことがないはずの俺がお父さん呼びされてるんだ。驚くのも当然だろう。

 当然俺もいつ立香と結婚したっけか? と考えたほどには頭の中が大混乱である。

 心なしか顔が熱いような。これ赤面しているのでは? 絶対赤くなってるよね?

 

「そ、そうだ! まだ一度も俺の部屋のゲームを起動してないね! 今からやりに行くか!」

 

 いたたまれなくなったので立香とジャックの手を掴んで歩き出す。

 今の俺の手元には朝に立香から渡されたカルデアマップがあるので、道に迷うことはない。

 立香も気分転換をしたかったのかコクコクと頷き、なすがままについてくる。

 途中ジャックをチラチラ見たけど突然手を繋いだのを嫌がってはなさそうだったので安心した。

 え? 職場案内? 知るか馬鹿! そんなことより交流会だ! 好感度下げると死ぬしな!

 そんな感じに立香の言ってた職場案内のことをすっかり忘れて自室へ急いだのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 自室に到着。幼女誘拐犯に見えなくもない強引さだったが気にしたら負けだ。

 

「ここがおとうさんの?」

「お部屋だよ。殺風景だけども」

 

 何が楽しいのか、ジャックは俺の部屋のベッドの上でぴょんぴょん跳ね始めた。

 あの、跳ぶ度に上着の裾が捲れて紐パンがチラチラ見えるんですが……誘ってんの?

 こうして見るとジャックって意外と肉付きがいいな。やばいかなりエロく感じてきた。

 太ももとか尻肉とか結構むっちりしているし、思わずガン見してしまいそう。

 でもこれ以上見続けると立香の視線が絶対零度になると思われるので、そろそろ本題に入ろう。

 

「ジャックちゃん。早速遊ぶか?」

「うん!」

「じゃあこれがいいって要望はある? 好みに合うやつがあればいいんだけど」

 

 俺はジャックの前にゲームのカセットを並べた。この中から選ぶがいい幼女よ。

 でも格闘ゲームはあんまり得意じゃないから勘弁な! それがいいなら止めないけど。

 

「じゃあおとうさんになでてほしい!」

 

 どこか眩しささえ感じるほどに明るい笑顔を浮かべながらジャックはおねだりしてきた。

 子供は風の子元気の子ってことね。もうちょっとゲームに興味を移して、どうぞ。

 

「いいよぉ!」

 

 しかし要望を聞いた手前、ここで断れば少なからず悪印象を持たれそうだ。

 危険な英霊の一人であるジャックの好感度を下げるなんて真似は俺にはできねぇ。

 いくらでもなでなでしてあげるからお腹を裂いたりしないでね。お願いします。

 そんな悲願を込めた手でジャックの頭を撫でた。髪の毛サラッサラやね。

 

「次はたかいたかいして?」

「了解したぁ! 立香も手伝って!」

「……裕司って昔から面倒見がいいよね」

 

 俺はジャックの右手を掴んでから立香に左手を掴むように頼む。

 そして俺達はいっせーのーせ! でジャックを持ち上げた。意外に重かった。

 しかしこうしていると本当に家族のようである。俺達結婚してないけど。

 

「おとうさん。次は肩車をしてほしいな」

「イエス・マム!」

 

 敬礼の姿勢を取りながら同意し、俺はジャックの脇に手を入れて持ち上げようとする。

 しかし重すぎて失敗した。子供だからって軽いとは限らないというわけか。

 いや、これ俺が貧弱すぎるだけかな? 立香も持て……いや、立香は主人公だしなぁ。

 ああ見えて俺より力強いし、あっさり持ち上げそうである。

 仕方ないので俺はジャックにあるお願いをした。

 

「俺の貧弱な腕の筋力では持ち上げられん……ジャック。大股開きになってくれる?」

「いいよ」

 

 俺はジャックの足の間に後ろから頭を突っ込ませ、そのまま起き上がる。

 こうすることによって腕の筋力がない人でも肩車ができるのだ!

 ミッション達成! ジャックの好感度が多分上がった! 立香の視線の温度が下がった!

 確かにパン一の幼女の足の間に頭突っ込むとか変態みたいだけど俺は絶対に悪くない。

 

「遊んでくれてありがとう、おとうさん」

「いいってことよ……」

 

 おとうさんの肩車にジャックちゃんもご満悦である。

 俺も貧弱だけどこれぐらいはできるんだぜという意味を込め、立香に向けて親指を立てた。

 しかしここで問題が発生した。

 

 こいつ……やっぱりむちむちしているぞ!

 

 頬に当たる太ももがもっちりしてて、擦れる度に柔らかさを堪能する破目に。

 後頭部にはお腹が当たっているような気がする。上着を着てるはずだし気のせいだよね?

 更に首の後ろに柔らかい感触がががが! これは理性がガリガリと!

 は、早く降りたいと言ってくれ! いや、俺から提案するぜ!

 

「そろそろ別の遊びをする?」

「もうすこしこのままがいい」

 

 神は死んだ。ふと立香を見てみると立香の目も死んでた。なんでさ。




 タイトルのでんぢゃらす(デンジャラス)の部分はそういう意味だったのさ!
 立香の目が死んでるのはロリコン疑惑が浮上したからですかね?(すっとぼけ)

 すまない……今回もかなり遅めの投稿で本当にすまない……。
 家庭の事情が色々ありまして、疲労で執筆時間&意欲が削られてしまう。
 一応目標文字数を少なくしているので楽ではあるのですが。
 もし5000文字とかにしてたら既に週一更新守れてなかったなこれ。畜生。

お詫びとしてボツネタでも公開しようと思っているのですが、どうでしょう?

  • 是非読みたい
  • どっちでもいい
  • 読みたくない
  • 番外編の方が読みたい

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