戦うことを選ばなかった凡人   作:ロック大佐

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 誰だろうと裕司くんにとってはデビルみたいなもんやろ(適当)
 最初はそう考えたけど、冷静になった今では悪魔というより死神に思えてきたので初投稿です。

 ここまでお待たせしてしまい、本当に申し訳ございません!
 本当はもっと早く投稿する予定だったのですが、リアルが忙しくなってしまいまして……。
 多分これからも週一は難しい状態が続くと思われます。本当にすまない……。
 お詫びとして今回のお話に重要なヒントを突っ込みました。これで許して。
 遅れた理由はもう一つありますが、予想以上に長くなったので活動報告に投げときます。

 そういえばボツネタ集で裕司くんのプロフィールを適当に書いたのですが、身長158cmって中学二年生ぐらいの身長なんですよね。
 適当にぐだ子と一緒の身長にした結果がこれだよ!
 このままショタ路線で突っ走るかどうか少し悩みますね……。


あれは誰だ?

 アストルフォに凧揚げされて汗だくになった俺は今、大浴場に来ている。

 広いお風呂場ではかぽーんという音がなるイメージがあるが、あれってなんの音だろうか。

 そんなくだらないことを考えながらシャワーの前に屈み、お湯を浴び始める。

 石鹸で洗ったわけでもないのに既に気持ちがいい。

 シャワーは良い文明……そんな誰かの口癖を脳内で真似しつつ、一旦シャワーを止めた。

 シャワーのお湯が出る音が途切れるのと同時に風呂の扉が開く。

 宣言通りにアストルフォが入ってきたようだ。

 同性とはいえ、可愛い外見をしてるからなるべく見ないようにしなくては。

 俺はアストルフォが入ってくるのを音で確認し、そっと体を見ないように顔を背けた。

 

「やっほー裕司! 折角だし洗いっこでもする?」

「出会ったばかりなのにもう洗いっこするの?」

 

 相変わらずアストルフォきゅんのコミュ力は異常。

 ぐいぐい押してくるタイプだから仲良くなりやすいという意味では悪いことじゃないが……。

 でも理性蒸発してるから何仕出かすかわからないのが怖い。

 それに女性と見間違えちまいそうな容姿の彼と洗いっこなんてしたら息子が多分やばいことになりそうだからできれば洗いっこはお断りしたいところ。

 節操なし? 性欲に勝てる男の子なんていません!

 

「で、できればアストルフォの体を洗うのは遠慮したいなぁ」

「えー? なんで?」

「だってアストルフォは可愛いし……」

 

 適当な理由では納得しないだろうから本音を吐き出してみた。

 とはいえ本音を吐き出す恥ずかしさで小声になってしまったが。

 男の娘の前でこの発言ってどんな羞恥プレイやねん。自分から言ったことだけど。

 しかしばっちり耳に届いてたらしく、アストルフォは目をパチクリさせていた。可愛い。

 

「それってボクに欲情しちゃうってこと?」

「正直かなり美少女に見えるんで」

 

 ド直球な発言が効いたのか、流石にアストルフォも一旦口を閉ざす。

 いくら会った事がある気がするからって初対面同然の同性に欲情されるのは嫌だよね?

 いや、アストルフォなら受け入れるか? でも理性蒸発してるとはいえ、流石に──

 

「まあ裕司とならいいかな? マスターの親友だし」

「たったそれだけで信用しすぎでは!?」

「大丈夫! ボクを信じろ!」

「このタイミングで何を信じればいいのだ!?」

 

 あまりに突っ込みどころ満載な発言に思わず俺はアストルフォの方へ振り向く。

 まず網膜に飛び込んできたのは顔。やはり男とは思えない程に可愛い。

 彼の美少女そのものと言える顔を堪能し、次は視線を体の方へ移動させる。

 

 ……想像以上に男らしくね?

 

 アストルフォの隠されていない体をじっくり眺めて、俺は思った。

 確かに女顔ではあるのだが、体はなんというか男性なのだ。

 いや、性別が男なんだから体は男の子で間違ってないが……。

 触ったら柔らかそうではあるが、全体的に見ると結構ガッシリしてる?

 よく見ると肩幅が広いような気もするし、わりと体は男の子をしていた。

 何より股間にぶら下がるモノは完全に男子の証です。ありがとうございました。

 

「裕司?」

 

 アストルフォの息子を眺めていたら、視界に彼の顔が入り込んできた。

 突然フリーズした俺を心配して顔を覗き込んできたようである。

 その瞬間俺の頭は一気に冷静になった。

 男の娘の股間をガン見するとか変態か? 俺はいつから同性愛に目覚めた?

 他人の股間を凝視していたという事実に俺の頭は再度混乱状態へ陥る。

 ……とりあえず洗おう。

 俺は一旦アストルフォのことは放置して頭と体を洗い始めた。高速で。

 それを見て洗いっこをする気がないと判断したのか、アストルフォも自分で体を洗い始める。

 このままだとリアル同性愛に目覚めそうで怖いなぁ。

 体に付着した泡をシャワーで流しながら、間違ってもその性癖が開花しないようにと身を引き締めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いい湯だなぁ、はふぅ……」

「これだけ広いと泳ぎたくなるよね裕司」

「気持ちはわかるよアストルフォ」

 

 でもマナー違反なのでやりません。

 体を洗い終わった俺達は湯船に浸かった。温度が熱すぎなくて丁度良い感じで最高。

 全身の疲労が湯に吸い取られているかのようで極楽極楽。

 ここまで気持ちいいと例の歌を歌いたくなるが、今はアストルフォがいるのでやめておこう。

 流石に人前で歌うのは恥ずかしいし、更に人が増えたりなんてしたらもっと恥ずかしくて死ぬ。

 

「あ、思い出した!」

「どうした? 何か用事でも忘れてた?」

「さっき会ったことないかって話をしてたよね?」

「お、おう」

 

 横に座っていたアストルフォはこちらをチラチラ見ながら先程の話を蒸し返した。

 そういえば会ったことなかったっけって言ってたね。

 あの話はあのまま真相は迷宮入りするのかと思ったが、まさかここで真相が暴かれるのか?

 もし、もし会ったことがあるとしたらどこで出会うことになるんだろうか。

 ……まさか遠くない未来にアポ時空へ俺が飛んでしまうフラグが!?

 

「会ったことがあるような気がしたのは気のせいだった!」

「気のせいだったのか……」

 

 朗報。アポ時空行きフラグ、建設途中で圧し折られる。

 だよねー。英霊でも記憶を他の平行世界に持ち込むことはできても、直接移動はできないしね。

 ただの一般人である俺が平行世界行きなんて、そんなことがあるはずもなし。

 冷静に考えればわかることだったわい。余計な心配をしてしまった。

 少しだけ安心しながら、無意識に入っていた肩の力を抜いた。

 

「でも会ったことがあったんだ。()()()()()()()()()()に」

「んあぇ?」

 

 俺と凄く似ている奴? はて、誰のことだ?

 記憶している限りではアポ時空にもテラリン時空にも俺に似ている人はいなかったはず。

 いや、ジークくんを黒目黒髪にして情けなさ成分を500%ぐらい突っ込めば辛うじて似てるか?

 駄目だ。それだと凄く似ているなんて言われないだろう。ならば誰に?

 

「そ、その似ている奴って?」

「名前は確か、デ──」

 

 アストルフォが名前を言いかけた瞬間、俺の目からアストルフォの姿が消える。

 時を同じくしてパシャンと水が跳ねるような音が聞こえた。

 

「……えぇふぇ?」

 

 まるで初めから誰もいなかったかのように風呂場が無音になった。

 もしかして突然湯船の中に潜ったのかと想い、キョロキョロと見渡してみても人影はない。

 どうして突然消えたのだろうか。もしかしてデなんとかさんは俺が知ってはいけない人物?

 だから誰かがアストルフォを移動させたとか? それなら少しはありえそうである。

 ただ、もしこの仮説が正しいのならその俺と似ているらしい頭文字Dさんは何者?

 頭にデが付く人物といえば……誰だ?

 

「デ……デ? デ……大王? んなわけないか」

 

 何をどうやったらあの陛下(屁以下)と俺が凄く似ているってことになんねん。

 そもそも人間じゃないから似ようがないっていう。性格だってあそこまで酷くない。多分。

 他にも色々と思い出そうとしてみたが、やはり俺と似てる人は誰も思い浮かびそうにない。

 

「む? 先客がいたのか」

 

 そういえばディルムッドがいたけど、ほぼ似てないからないなと思ったところで出入口から声が聞こえた。

 はて、女性的な気しかしない声だったような。ここはアストルフォ曰く男湯だったはずじゃ?

 声の正体を確かめるべく、俺は風呂場と脱衣所を繋ぐ扉へ顔を向ける。

 そこにいたのは……絶世の美女だった。

 いや、可愛らしい顔立ちなので絶世の美少女の方が正しいのかもしれない。

 長い金髪を下ろしていて、目はエメラルドのように輝いている。

 あれは誰だ? 服を着ていないからどうしても判断材料が少なくて特定できない。

 いつもは服装で七割ぐらい判別しているので、着ていないと途端に誰かを見抜くのが難しく──

 

「……着て、なあ!?」

 

 思わず視線が顔の下に行く前に正面へ向き直り、自分の視界に女性が入らないようにする。

 なんでこんなところに女の子が? ここは男湯だったはずだよな!?

 突然の乱入者に脳内が大パニックになっている。ここは深呼吸をして落ち着かねばばばば!

 必死になって落ち着こうと努力しているが、こちらの慌てぶりなど知ったことではないと言わんばかりに風呂場へやってきた美少女? は俺を更に混乱させる爆弾を落としてきた。

 

「ふむ……丁度良いな。そこの貴様、顔を余の方へ向けるがよい」

 

 なーに言っちゃってんのこの人ぉ!?




 Q.あれは誰だ?
 A.勿論、余だよ!(大ヒント)

 ここまで読んでくださいまして、ありがとうございました。
 お気に入りが9000件を超えてて凄いビビってるけど、なんとか書き上がってよかったマジで。
 ……もしこのキャラはこんな口調じゃないよというのを発見したら教えてね(小声)

 そういえば最近妙にガチャ運がいいんですよね。
 初めての星5鯖の水着BBを10連で当てて、福袋でカーマを当てて、呼び符で水着のおっきーと武蔵を当てて、更に10連でマーリンを当てて……これが当てさせてやるからはよ書けという賄賂か。
 ちなみに水着BBを当てる前にも星5鯖は三人いましたが、それらは全て姉に引かせたら出た鯖達だったので、初めて自力で引けた星5であるBBちゃんは即行でレベル100にしましたん。元々好きなキャラでもあったが故に後悔なぞない。

 ちなみに前のお話で裕司くんが凧揚げ状態になりましたが、実は元々の予定ではギャグ漫画みたいに壁にガンガンぶつかりまくって最後は突然手が離れてしまったことで思いっきり壁に張り付け状態になるという展開でした。
 でもシリアス混じりのこの小説でそれはアンチ・ヘイトになるのでは? と思い直して少しマイルドな感じに修正。
 命拾いしたねぇ裕司くん。

 さて、最後に登場せしは謎の美少女。
 今まで出会った鯖達は危険度に差はあれど、なんだかんだで話がわかる人達ばかりでした。
 しかし次回から本格的に関わることになる女性は暴君として知られるお方だ!
 王に対する礼儀作法なんて全然知らない裕司の運命や如何に!?

日常編のネタが数えられる程しかなくなっててどうしようか悩んでるんですが、どうしたらいいと思いますか?

  • その数個を出したら第二部へ移行
  • そろそろ、第二部へ、行きませんかね……?
  • もっと頑張って日常編の構想練ってください
  • いっそのこと読者からリクエストを取ろう!
  • 第二部がどんな内容なのかによる

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