戦うことを選ばなかった凡人   作:ロック大佐

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 配布BBちゃんを完全体にしたので初投稿です。
 こんなサブタイトルですが、別に裕司くんが手フェチの殺人鬼になったりはしません。

 前回実装したリンクですが、アンケの投票数が上三つのいるを合わせてもいらないに負けてる上に感想でも特に助かる報告はなかったので、リンクは設置しない方針で行きます。
 とはいえ折角設置したので前回のリンクは消さずにそのままにしておきます。
 前書き後書きの対策については設定でOFFにするか作者が頑張って短くするしかないです。チクショーメ!

 プーリンアーケード登場おめでとうございます。設定が性癖に刺さりまくって痛い。
 ちなみに裕司くんに子育てを任せたのはプーリンではないです。書いてた時に未登場だったし。
 登場してたらプーリンにしてたかもしれないけどね。というかしてたと思うけどね。惜しい。

 前回のあらすじ。赤ちゃんが三人いた。腹減った。飯食おう。以上。


藤原裕司は平和に暮らしたい

「いやはや、まさか道中で王様系と遭遇してしまうとは……肝が冷えた」

 

 あれは赤ん坊のミルクと自分のクソ遅い朝食、つまり昼食を手に入れる為に食堂に向かう道中。

 迷子にならないよう手に持った地図をちょくちょく確認しながら進んでいた時のこと。

 前方からピンク色の髪の毛をした女の子が歩いてきたのだ。

 一瞬アストルフォかと思ったのだが、それにしては服装が白一色で違和感を覚えた。

 じゃあ誰だろうと思ってよく見てみると、歩いている女の子はなんと女王メイヴだったのだ!

 アイエエエ!? メイヴチャン!? メイヴチャンサイコー!?

 ここはカルデアなので別に王どころか神が歩いててもおかしくはないのだが、それはあまりにも突然の遭遇で超驚いた。

 どれくらい俺が驚いたかというと、驚きのあまり足がもつれて転んだ程である。

 倒れた俺をメイヴが貴方大丈夫? と言いながら起こしてくれたのはもっとビックリだったが。

 しかも俺を起き上がらせた後は私が魅力的すぎて驚くのも無理はないけど、次は気をつけなさいと言いながらこちらに何もすることもなく去って行った。

 あれは本当にメイヴだったのだろうか? ただの似ているだけの優しいお姉さんだったのでは?

 でも声は原作のメイヴちゃんそのものだった……まあ面倒事が起きないに越したことはないのでヨシ!(現場猫)

 

「さて、そんなこんなで食堂に到着したわけだが……はて?」

 

 食堂には誰もいなかった。食事をしている人は勿論のこと、料理人達すら影も形もない。

 微妙な時間の食堂ってこんなにシーンとしてるもんなんだな。誰一人いないとは恐れ入った。

 念のため台所を覗き見してみたが、マジで誰もいなかった。皆はレイシフト中なのだろうか。

 ミルクとかはできればミスをしたくないから料理人の誰かに頼みたかったんだけど。

 しかし誰もいないのなら仕方ない。昼食もミルクも全部自分で作るしかないね。

 台所にずかずかと突入し、少し調理場を調べてみると、驚くほど簡単に色々と見つかった。

 

「冷蔵庫はともかく、調理器具や調味料がわかりやすい場所にあったのは幸いだな」

 

 とりあえず見つけた物の中からフライパンとヤカンを取り出す。

 まずはミルク。ヤカンに水を入れ、強火にかけ、沸騰するまで待ち、沸騰したら更に10分待つ。

 沸騰する前もした後も時間がかかるので、フライパンをコンロに乗せてから火を付けて温める。

 同時進行で昼食を作るのだ。俺は10分後にアラームをセットし、フライパンの方へ向き直る。

 

 次は目玉焼き。調味料置き場? から油を取り出し、少量フライパンに入れて全体に油を引く。

 油を一面に塗り終わったら、冷蔵庫から取り出した卵を二個割って落として焼き始める。

 その際に卵の殻をコップ代わりにして水を少量入れ、弱火にした後に蓋をする。

 こうすることでカリカリではない目玉焼きが焼けやすくなる(必ず焼けるとは言ってない)

 目玉焼きの黄身部分が色付いてきた辺りで火を消し、後は余熱で焼く。

 こうすることで黄身がトロトロな状態で焼けやすくなる(必ず焼けるとは言ってない)

 焼き終わったらお皿に移して終了。我ながら上手に焼けました。

 

 次にサラダ。これはサニーレタスがあったので、それにドレッシングかけて終わり! 閉廷!

 流石にある程度は洗ったり千切ったりしておくが、他人に出すわけじゃないから多少はね?

 ついでにお米もお茶碗にパパパッと盛って、終わり! 綺麗な白米だぁ……。

 とりあえず昼食はこんなもんでいいか。貧相な昼食だが、食べるのは俺なので問題ない。

 

 ……ここまでやっておいてあれだが、勝手に使って作って良かったのだろうか? 良いよね?

 皿や調理器具はちゃんと洗うし、消費した食材も卵二個にレタスが少々。多分大丈夫だろう。

 いざとなれば全力土下座で許しを請えばいいか。プライド? 何それ美味しいの?

 

「プライドで飯は食えない。至言だと思いますね、はい」

 

 昼食の準備を終えたのでミルクの準備を済ませてしまおう。

 まず懐から粉ミルクを取り出し、携帯で検索したミルクの作り方通りに哺乳瓶に入れる。

 慎重に粉を入れてる間にアラームが鳴ったので、ヤカンで沸騰させたお湯を大体70℃ぐらいまで冷まし、哺乳瓶にできあがりの2/3の量まで注ぎこむ。

 注ぎ終わったらすぐに哺乳瓶にふたをつけて、軽く振りながら粉ミルクを溶かす。

 ……哺乳瓶をゆらゆらさせながら底の方を覗くが、特に溶け残しはなさそうかな。

 ヤカンのお湯を人肌程度に冷ました後、哺乳瓶に残りの1/3の量を足し入れる。

 最後はミルクが37℃ぐらいになったらこれで完成らしい。初めてにしてはよくできたのでは?

 知らない情報は携帯で調べられるってやっぱり便利よねぇ……文明様様や。

 

「ではでは、昼食とミルクを持って行くとしますか」

 

 トレイに貧相な昼飯とミルク×3を乗せ、自室まで歩き始めた。

 ミルクしか飲めないのに目の前で飯を食うのは可哀想かなって思うけど、勿論理由はある。

 もしこれで羨ましそうな態度を取ったら完全に黒。中身は赤ちゃんではないことが判明する。

 逆にこっちを気にせず哺乳瓶をチュウチュウ吸い続けるなら白……かな?

 結局のところこっちの主観で決めるしかないんだよなぁ。超わかりやすく行動してくれればまだ見極めやすいんだけど、流石に高望みだろう。

 でも罪悪感は確かにあるので、黒なら赤ちゃんでも食べられる適当なおやつでも用意しよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 自室前に到着した。行きとは違って帰りは誰とも遭遇しなかったな。

 何事も起きなかったことにほっとしつつ、足でドアを開ける。

 

「……届かねぇ」

 

 高さの問題で足で開けるのは無理だったので、肩や肘を使ってなんとか開けた。

 

「え? ちょ、おま、何してるんだ!?」

 

 自室に入ると、やんちゃな赤ん坊が行動的な赤ん坊に掴みかかっていた。

 いや、あれはじゃれているだけなのか? 微笑ましい光景に見えなくもないな。うーん。

 少なくとも大人しい赤ん坊が不安そうに見守っているので遊んでる雰囲気ではないと思う。

 万が一怪我でもされたら困るのは俺なので、さっさと事態を収束させることにする。

 

「おら! 強制高い高ーい!」

「むー!」

 

 持っていたトレイを机の上に置いてからやんちゃな子の元へ急ぎ、脇腹を掴んで持ち上げる。

 そこそこ重い上に暴れるので持つのが面倒だが、ジャックと比べたら楽勝である。

 少しの間不満そうに赤ちゃんはバタバタしていたが、無駄な抵抗だとわかると大人しくなった。

 流石に赤ん坊の状態で男の力を超える筋力はなかったようだ。良かった良かった。

 丁度いいので段ボール箱からベビーハイチェアを取り出し、そこに座らせる。

 更に二つ取り出して残りの赤ちゃん二人をそこへ座らせる。やんちゃな子とは違って抵抗らしい抵抗はなかった。良い子良い子。ご褒美に頭をナデナデしてやろう。

 

「それじゃあ、頂こうか」

 

 ベビーハイチェアに哺乳瓶を置いて、自分も食事をする為に席に着いた……チラッ。

 

「…………」

「…………」

「う~!」

「ふむ、なるほど」

 

 黒……! 圧倒的に黒……! まっくろくろすけ……!

 大人しい子はチラチラ見てるし、行動的な子は俺を凝視、やんちゃな子は不満タラタラである。

 はい、これで彼女達がただの赤ん坊じゃないことがわかりましたね! いや知ってたけど。

 本当に普通の赤ちゃんがこんなところにいるはずもないしね。絶対そうだと思ってました。

 とりあえずこのまま放置は可哀想なので、赤子でも食べられるたまごボーロでもあげようか。

 俺は一旦立ち上がり、俺専用お菓子置き場からおやつを三つ取り出し、三人に配った。

 ほら、これで満足やろ? 渡す前に開けておいたから開けられないという悲劇も起きぬはずよ。

 

「それじゃあ今度こそ、頂きます」

「まう」

「あぃ、まう」

「まーう!」

 

 一斉におやつとミルクに手を伸ばしたのを確認し、俺も目玉焼きを食べ始めた。

 ……ちょっと冷えてら。




 今回はザ・日常って感じの話でした。こういう日常的なお話っていいよね。
 特にアニメとかでたまに出る料理シーンとか大好きです。
 ちなみに今回本当は円卓の三馬鹿が登場する予定でしたが、話が進まなくなったのでボツに。
 でも折角思い付いたネタを使わないのは勿体ないのでいずれ出すさ。いずれな……。

 前回に引き続き真名当てクイーッズ!(勝手に言ってるだけ)
 今回は外見をヒントに加えるので参考にして想像してください。
 多分これでほぼ真名がバレるだろうけど、待たせすぎたしいいよね!
 ……いや本当にすいませんでした。

 赤ん坊その1。
 他の二人と比べて一番大人しい。
 薄紫色の髪と紫色の目をしているっぽい。
 その正体はまだ感想欄でほとんど当てられてない。可哀想ななげふんげふん!

 赤ん坊その2。
 他の二人と比べて一番行動的。
 金色の髪と碧色の目をしている。
 その正体はそこそこ感想欄でも当てられてるあの人です。結構わかるもんだねぇ……。

 赤ん坊その3。
 他の二人と比べて一番やんちゃガール。
 金色の髪と碧色の目をしている。
 その正体は……今更ヒントいる? なんで皆やんちゃってだけでわかるの?(困惑)

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