深夜に書き上げたから変な部分があるかもです。
その時は遠慮なくご指摘くだサイヤ。
まさか三話まで続くとは思わなかったよ。短編ってなんだっけ?
あ、そうそう。この小説について大切なお話があるので後書きをお見逃しなく!
ん? 今回はどんなお話かって?
ヒロイン好きの諸君、ちょっぴり期待していいぞ♡
それと
今の内、別の小説、漁ってこい。
逃げちゃ駄目かな。
……同じことを八秒もしない内に五回は思った。
もし逃げれないというのなら、俺は一体どうすればいいのだろう。
手には木刀、目の前には杖を槍のように構えた男。
そして自分は剣なんか持ったことはない素人。相手は槍の達人。
得物は杖というハンデこそあれど、どう考えても勝ち目はない。
「どうした、来ねぇのか?」
構えないのか? ではなく来ないのか? と聞いてくるってことは戦うことは強制かい。酷い。
やっぱり確かめたいことがあるって言ってたのは俺の実力のことなんかねぇ。
とりあえず隠れ場所と逃げ道を探してキョロキョロと周りを観察する。
しかしどれだで見渡しても隠れられそうな障害物は影も形もない。隠れられねぇ。
逃げるなら出入口は入ってきた扉の一つだけなので、そこから逃げ出さなくてはならない。
その扉は俺の背後にあるが……残念ながらとある二人が陣取っているので逃げられそうにない。
「せ、先輩。藤原さんは大丈夫なのでしょうか?」
「力を確かめたいって言ってた皆の中では一番マシだから、きっと大丈夫……」
そう、主人公とヒロインが俺……達? のことを心配そうに見ている。
何気にマシュと初めての遭遇だが、状況が状況なので気にかける余裕なんてない。
カルデアに来てから笑顔しか見せなかった立香も流石に難しそうな顔をしている程だ。
まあ英霊ならともかく、この二人が陣取るだけなら逃げられそうにないなんてまだ思わない。
女子の前で逃げるのは恥ずかしいが、それで命を拾えるなら安いと思える人間だからな。俺。
ただ……立香の発言を聞く限りだと逃げたらもっとやばい奴と戦うことになりそうなんだよ。
もしもトップサーヴァントと戦うことになったら気迫だけで吹き飛ぶ自信がある。
そう考えると魔術さえ使われなければ筋力Eのキャスニキは一番苦しまずに済むと思うのだ。
だから俺は立ち向かうしかない。でも逃げたい。敵に背中を向けたい。全速後退したい。
だって筋力Dでも人間の頭を握り潰せるんだぜ? 怖すぎてチビりそう。マジで。
「術ニキならちゃんと手加減してくれるはず……後は信じる」
あ、立香は術ニキ呼び? じゃあ俺もキャスニキじゃなくて術ニキって呼んだ方がいいかしら。
「早く来な! じゃねぇとこっちから行くぞ?」
立香のアニキの呼び方に気を取られている内にキャスニキが先制攻撃を検討し始めた。
このままだと防御する暇もなく攻撃されそうだぞ……それはとてもまずい。
そうなれば俺は英霊の一撃を無防備な状態で食らわされることになる。
それは嫌だ! 俺は痛いのは嫌いなのだ! ノーガード戦法なぞ御免だ!
「……術ニキさん、俺の全力を見て失望する準備をお願いします」
「お、おう?」
キャスニキ改め術ニキは何言ってんだこいつと言いたげな表情になったが今は無視。
もう俺は決心した。手にした木刀で術ニキに殴りかかる決心を。
結局のところアニキの高速の突きをガードできるわけがないので突撃するしかない。
攻撃と防御、どっちを選んでも死ぬほど痛い目に遭うだろうが……。
もしかしたら俺の無様極まる攻撃を見て闘志が萎えて試合終了になったりするかもしれん。
そういう意味では防御に回るよりも希望があると言えよう。
可能性は高くはないだろうが、それに全てを賭けよう! 願うは無傷の敗北!
「おんどぅるぁーーーーー!」
これを見て失望しやがれ! とある勇者が使ったとされる剣技!
その名も
まあ俺は剣道なんてやったことないし、考えなしなのも多少はね?
叫んだ勢いのままに両手で持った木刀を振り回しながら術ニキに接近していく。
それを見た術ニキはこちらを迎撃する態勢に入っている……気がするような。
……まさかこの攻撃を見てもまだ実力を確かめる気でいると?
木刀を振り回しながらそう考えた時だった。
「い?」
一瞬で目の前から術ニキが消えた。それと同時に全身に衝撃が走る。
……何が起きてるの?
視線を回りに向けると、景色が流れているのがわかる。
天井がどんどん近付いて、背後の壁が下に流れて……あれ? 天井に出入口がある?
それに立香達が壁に立っているぞ? いつの間に忍術を会得したの?
……いや、違う! 天井だと思っていたのは壁で、背後の壁だと思っていたのは床だ!
「わあああああああああああああああ!?」
冷静に考えられたのはここまでだった。
このままじゃ壁か床に激突する! それは絶対凄く痛い!
最早余裕の消えた俺はただただ叫ぶことしかできない。
視界の隅では立香達が慌てた様子でこちらへ駆け寄っている気がする。
誰でもいいから頼む! お願いだから俺を受け止めて! できればすっごい優しく!
「くぉ!? ぐぅぅぉぉぉぉおおお……!」
しかしそんな願いも空しく、俺は背中から床に叩き付けられた。
吹っ飛んだ時の受身の取り方を知らなかったことをこれほど恨んだことはない。
肺の空気が抜ける。今まで感じたこともないぐらいの痛みが背中を襲っている。
両腕を背中側に回すものの、痛みは当然ながら治まらない。
痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。
頭の中がその一言で埋め尽くされる。無様に床を転がりまくる。
「何をやっているのよ貴方は……」
誰かの声が聞こえた。高い声だから女性の声だ。
それと同時に背中の痛みがどんどん和らいでいく。
何かを背中に塗られた感じでもないし、これは誰かが回復系の魔術を使っているのか?
流石に薬もなしでこれほどの回復は不可能だろうからな。
「はい、これで動けるぐらいには痛みは治まったでしょう?」
背中が少しヒリヒリする程度にまで痛みを感じなくなった。
地面に激突した直後とは思えないぐらい体の調子がいい。魔術すげぇ。
すると誰かに抱き起こされる……ちょっと待て、俺は誰に抱き起こされている?
声の感じは立香でもマシュでもないような?
痛みでずっと瞑っていた目を開け、俺は自分を抱き起こしている人物を見る。
「まったく、何も知らないっていうのは面倒ね」
その人物は俺の予測通り立香でも、マシュでも、ましてや術ニキでもなかった。
俺を抱き起こしていた女性……その正体はオルガマリー・アニムスフィア所長だった!
アイエエエ! オルガ!? オルガナンデ!?
「こ、これはお見苦しいところをお見せ──」
「裕司! 大丈夫!? 怪我はない!?」
今の状況に気が付いた俺は即座に所長の腕の中から飛び起きた。
何故所長がこんなところにいるのかという疑問はあるが、今はそんなこと関係ない。
俺は自分を抱き起こしてくれた所長に感謝と謝罪をしようとした……が、立香の声に阻まれる。
……このまま謝罪する雰囲気でもなくなったので立香の方へ顔を向ける。
こちらへ駆け寄ってきた立香の表情はとても申し訳なさそうな感じがした。
チラリと立香の傍を見れば、立香の横にいたマシュも同じ感じだ。
顔の向きを立香の方へ戻すと、目元にハンカチをポスポスと当てられる。
もしかしなくても俺涙流してた? 流石に涙を拭かれるのは恥ずかしいぞオイ!
俺は涙を拭いてくれたことに複雑な感情を抱きながら自分の無事を伝える。
「一応怪我はないよ。背中はまだヒリヒリするけど……そういやなんで痛みが急に治まったんだろうな?」
「それはあれだよ、所長はそういうのに長けてるから!」
立香よ、その言い訳は少し苦しいんじゃないかね?
思わず立香をジーっと見つめていると、術ニキが気まずそうにこちらへ近寄ってきた。
俺が強くなかったからって理由……かはわからないけど、アニキもそんな雰囲気を出すんやな。
「あー、わりぃな坊主。あんな派手に飛ぶとは思わなかった」
……………………まあええわ、許す。逆に考えるから。相手が術ニキで良かったと。
よく考えたら筋力Eでこれだもんな。魔術で強化されている可能性はあるけども。
もし筋力Bの槍ニキに殴られたらマジで死んでたんじゃないの?
冷静になって振り返ると吹っ飛ばされた時に痛みは感じなかったし、もしかしたらかなり手加減してくれたのかも。
「いいよ、最終的には俺も了解したんだし」
でも不本意で戦うことになったのは事実だからなー? そこんとこよろしく。
「う~ん、今日は色々あって肉体的にも精神的にも疲れた……休みたい」
「じゃあ私が裕司を部屋まで
気が付いたら俺は立香におんぶされていた。
あれ? なんで俺は極自然に立香におんぶされているのだ? キンクリでもされた?
しかし今更降ろしてって言ったらじゃあなんで乗ったのって言われそうだしなぁ。
少し考えたが俺はこのまま立香に背負われることにした。
もう歩くのも面倒だし、このままでいいやぁ……。
立香がドアへ向かっていると、背後から声が聞こえた。
もしかして術ニキ達が何か話してるのかしら? じゃあ何を話してるんだろう。気になる。
俺は背後の会話にそっと聞き耳を立てた。
「予想以上に弱かったな」
「本当になんの力も持っていなさそうでした」
「立香の話だと一般人みたいだし、当然の結果じゃない?」
当たり前だ馬鹿野郎共! 凡人に一体何を期待しているんだぁ!?(全ギレ)
「昨日は酷い目に遭った……」
あの後、立香に部屋まで送られた後はすぐに眠りに付いた。
その時に頭をナデナデされたような気がするが、記憶違いだと思いたい。
さて、早速だが昨日の反省会だ。
はっきり言って俺は英霊の力を舐めてたと言えよう。
まさか術ニキにあれほど派手に飛ばされようとは……。
挨拶は恐怖の思い出しかないわ、痛すぎて意味わかんないわ、立香におんぶされてる現場を職員や英霊と思われる個性的な人物に見られて超恥ずかしいわで散々だった。
俺はこの一件で決めたよ。もう英霊とは極力接触を避けようと。
新たに生まれた決意を胸に抱いて、俺は自室から出ようとドアを開ける。
「んな!?」
ドアを開けた先に、静謐のハサンが
主人公が地面と激突した程度で悶絶しすぎって思った人いる?
もしいるなら本来俺ら一般人は足を挫いただけで悶絶することを思い出してほしい。
勿論肋骨が折れたのを気にせず戦うなんて主人公みたいなことを到底できるわけがない。
なので裕司くんを存分に悶絶させました。本来痛みの耐性なんてこんなもんでしょう。
さて、皆様にはお知らせがあります。是非最後までお読みください。
この小説が短編の状態での続きの投稿はこれで最後とします。
何故なら短編の癖に続きものやってんじゃねーぞゴルァというお叱りがそろそろ来そうなので。
勘違いする前に申し上げますが、書かないわけでも続かないわけでもないです。
投稿を最後にすると言ったのはこの小説があくまでも短編形式だからです。
つまりどういうことか?
読者さん……短編ってのは次話投稿に限界があるんだ。
俺が短い人生で学んだことは…………どんな小説の投稿にも覚悟が必要ってことだ!
もしも続ける覚悟ができた時にはこの小説を……戦うことを選ばなかった凡人を……。
俺は連載に変えるぞ! 読者ーーッ!!
前にカップリングについて尋ねられたので逆に質問です。読者の皆様は裕司と原作キャラとのカップリングをするとしたらどこまでの人(英霊)とイチャイチャしたり修羅場したりしてほしい?(立香は一応確定枠とします。念の為。そしてこの質問は前回のアンケートと同じ感じで次のお話に一切関係ありません)
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僕は、王道を往く……立香と一対一ですね!
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後輩も所長も立香と同じく好意を抱かせろ!
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立香LOVE勢以外となら英霊までOK!
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溶岩水泳部「ステンバーイ……」
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敵さえ巻き込むハーレム王に、裕司はなる!